前原誠司(衆議院議員)

国会議事録

国会議事録

第197回国会 衆議院財務金融委員会2018/11/20

○坂井委員長 次に、前原誠司君。

 

○前原委員 前原です。午前中の質問の最後でございますので、よろしくお願いいたします。麻生大臣、私も、福岡で発言をされたことについてお伺いいたします。

三人伺われましたので、大体理解をしてきました。要は、麻生大臣がおっしゃりたかったのは、福岡市の市長そして北九州市の市長を比較をされて、そして、福岡よりも北九州は人が減っているし税収も落ちている、そして、北九州の市長は東大を出ている、より税金を使って大学を出ている、それなのに結果が出ていないじゃないか、そういうことですね。

 

○麻生国務大臣 ちょっと正確に。十二年前に選挙があったんですよ。十二年前、今の北橋の前の選挙。相手は慶応だったの、慶応。

あれは私立じゃないか、うちは国立だと言ったのは何党ですかと言いたいですな、私は、正直なところ。そのとき、学歴なんかは関係ないよ、私ら自民党はそう言ったんですけれども、負けました。

そのときのすごい印象が残っていたので、私ども、背景になった背景は、多分そこが、その話をちょっと知っておいていただかないと。あのときの北九州なら誰でも知って、何で東大に負けるんだとか官立がいいんだとかいって結構話題になったんですけれども、結果的にまあ、結果は結果ですから。

 

 

○前原委員 私自身も小学校から大学までずっと国公立なんです。税金を使わせてもらって学ばせていただいているという感謝は持っておりますけれども。

北九州それから福岡、税収とか人口とかそういうものは出てきますけれども、比較する対象が果たして全て正しいかどうかという、均等かどうかというのはわかりませんよね。今、麻生大臣から十二年前の話を伺って、そういうこともあったんだなというふうには理解をいたしましたけれども。

私は、人はみんな学ぶ権利があるし、どこの大学に行きたいかということも権利がある。もっと言えば、私は、全ての人間が大学に行くべきだと思わないんですよ。中学、高校を出て、あるいは専門学校を出て立派に手に職をつけてそして活躍されている方はいっぱいおられますし、また、そういう方々がおられないと社会というのは成り立ちませんよね。では、大学に行っている人たちばかりが構成する社会というのは本当にいいのかどうなのかという話もあります。

私が申し上げたいのは、誰もが大学に行くチャンスが与えられる社会にするということと同時に、私学だ、いや公立だ、だから、どちらかがより結果を残さなきゃいけないということを十二年前に我々が言ったのだとすれば、それについては我々も反省をしなきゃいけないことがあるかもしれませんけれども、やはりどこの大学を出ているからとかいうことじゃなくて、首長さんは民主主義によって客観的に評価をされるということの中で議論されるべきだというふうに私は思いますし、これからぜひ、お互いそういうふうにしようじゃないかということでありますので、大臣、もう一言あれば、どうぞ。

 

○麻生国務大臣 選挙の最中ですから、少々アジったりあおったりしますから、少々言葉が足らなかったという御指摘なんだと思いますので、それは率直にそうなのかもしれませんけれども、私どもの申し上げているのは、私、娘が東大に行きましたので、それで、ちょっと待て、おまえ、役人でもやるのか、役人をやるつもりがないならそんなもの受けるな、やるなとかいって大分言った記憶があります。私も高校から大学を受けるときに親に同じようなことを言ったら、おやじが、おまえ、役人をやるのかと言うから、親の後を継ぐんじゃないのと言ったら、それならあんな学校なんかに行くな、あれは役人をつくるための学校だと言って、えらい勢いでばっさり切られて、私は当時、そのまま学習院大学に進んだというちょっと思い出もありますので、同じようなことに娘がなりましたものですから、言った記憶もあるんです。

いずれにしても、前原先生がおっしゃるとおりなのであって、基本的に、よく私の友達が言うんですけれども、それは早稲田の理工学部を出て一級建築士になったんですが、大学出ばかりつくって、一級建築士百人集めたって家は建たないと。大工と左官と棟梁がいれば、屋根瓦の職人がいれば家は建つんだ、一級建築士なんか要らないんだよ、一級建築士が百人やったって家は建たないといって、そいつが俺にぼろかすに、大学のことに関してそいつが私のことをえらい勢いで言ったのがすごく今でも印象に残っているんですけれども。

おっしゃるとおりに、昔、文部の政務次官をしているときにも、宮大工の棟梁、あれは三重県でしたな、あの棟梁、歌舞伎の亡くなられたあの人、とにかく義務教育は中学はやめてもらいたい、小学校まででいい、あとは芸を徹底してやらせてくれ、それが宮大工の技術が上がることなんだ、あの義務教育のときが、あのときに手が覚えつかないからだめなんだといって切実に言われた記憶も私の残るところなので、同じように、大学出が全部集まって世の中がよくなるかというと、関係ないと思います。

ぜひとも、そういった意味では、バランスというものが極めて大事だと思いますので、今言われましたように、そういったところに行くのも、かなり税というのはそこに入っておりますので、国費はそういう形で投入されておりますので、その言い方に関しましては、もうちょっと丁寧な言い方が必要なのではないかという御指摘だと思いますので、賛成いたします。

 

○前原委員 それでは、私も消費税の話をさせていただきたいというふうに思いますが、まず、この間の所信を伺って、同僚議員の古本議員も同じように感じたということをおっしゃっていたんですけれども、この所信の中で、大臣はこうおっしゃっているんですね。消費税率については、法律に定められたとおり、来年十月から一〇%となる予定ですと。何か人ごとのように聞こえたんです。

二回延期されていて、この間の選挙は、消費税の使い道を変える、こういう選挙でありました。私は、大臣が当事者だと思うわけですね。一番の責任者、当事者だと思うわけです。

ということになると、一〇%となる予定ですではなくて、一〇%に上げますと言うのが所信表明演説じゃないかというふうに思うんですが、しっかりと今度こそは上げるんだという思いを持っておられる、もう二度と、まあ三度目ですね、引き延ばしというか、それが延期ということはないんだということを、いま一度、この場でおっしゃっていただきたいと思います。

 

○麻生国務大臣 御指摘のありましたように、先日、十六日の所信の挨拶をさせていただいたときに、消費税につきましては、法律で定められたとおり、来年十月から一〇%となる予定ですと、間違いなく今言われたようなことは申し上げておるんですが、これは法律によってもう決まっておりますから、そういった意味で、あらかじめ定められているということを申し上げただけで、他意はないんですが。

いずれにいたしましても、過去二度、引上げされたときの、財務大臣もしておりましたので、そのときに、正直、私の思いとはかなり違っておりましたから、そういった意味もありますので、いろんな意味で、今回はあのときとはかなり経済情勢も違ってきておりますし、いろんな形できちんとした対応ができるものが、今、間違いなくいろんな形をさせていただきつつもあるところでもあろうと思っておりますから、私どもとしては、今回、一〇%というものに関しまして、二%の引上げはやらせていただきます。

 

○前原委員 やはり、こういうことを明確にこれから発信を続けていただかないと、先ほど同僚議員の質問の中で、うえの副大臣が答弁された、まだ三七%しか事業者の中で準備をしていない、こういう話がありましたね。五二%は具体的に準備をしているということもあわせておっしゃいましたけれども、やはり、もう来年の秋に上がる、一年を切っているにもかかわらず、具体的な準備をしている企業が三七%にとどまっているというのは、疑心暗鬼があると思うんですよ、いまだに。したがって、しっかりとやはり、責任者、当事者である麻生大臣におかれましては、今まで二回、先送りをされたことにはじくじたる思いがあるということをぜひ秘めていただいて、そういう発信と、それから、それがいわゆる事業者の方々の準備を促すということにつながってまいりますので、そういった発言をしていただきたいと思います。

その上で、きょう、ここに野田前総理おられますし、私は、そのときの政調会長として社会保障・税の一体改革を進めた者の一人でございます。

したがって、消費税を上げて、そしてその中身を、言ってみれば還元して受益をふやすという考え方、社会保障・税の一体改革というものは必要だと思っておりますし、これからもそれは拡大をしていかなきゃいけないだろうという考え方に立っての質問なんです。

どうしても、軽減税率だけは私は納得ができないんです。先ほどから何人かの質問がありましたけれども、軽減税率のメリットって、もう一度、国民に納得しやすいようにお話しいただけませんか。何がメリットなんですか。

 

○麻生国務大臣 いろいろ御意見がありますのはもう御存じのとおりなんですが、軽減税率につきましては、これは、ほぼ全ての方々が日々購入をしておられると思われる飲料、食料等々の税率を、二%上げないで、そのまま据え置く。これをもっと五%に下げろとかいう御意見があったことも事実です。

しかし、買い物の都度に、いわゆる二%安くなっているという痛税感を実感できるというのが一点と、それから、低所得者と言われる方々の方に占めます消費税の負担の比率、割合が高いということで、いわゆる、難しい言葉でよく言われます、消費税の逆進性とかいう点もこれあり、少なくともある程度緩和はできるといったようなところが低所得者に対する配慮というところから、我々としては実施するということなんだと思っておりますが。

いわゆる軽減税率の対象品目については、いろいろ問題があるんじゃないのかという御意見もよく伺っておるところですが、いわゆる消費支出の割合が高い、酒とか外食とかいうものを除いた食料品ということにさせていただいておりますので、そういった意味では、収入に対する消費税の割合で、低所得者の方が高所得者より大きく引き下げるということが比率としてできるということで、そういった意味では逆進性の緩和にもつながるのではないかといったところが大きなメリットかなというように考えております。

 

○前原委員 二つの点をおっしゃったと思います。痛税感の緩和と逆進性の緩和、こういうことでございますが、二つ、その議論をしていきたいと思いますけれども、資料でお配りをしている二ページをごらんいただけますでしょうか。

右下の図でございますけれども、軽減税率で、消費税が占める割合を示したものであります。青が税率一〇%、八が、軽減税率八%でありますけれども、ほとんどその所得に占める割合というものは一〇%にしても八%軽減税率を導入しても変わらないんですね。つまりは、少なくとも二つ目におっしゃった逆進性対策にはほとんどなっていないというのが実態じゃないでしょうか。つまり、逆進性対策になっていないんですよ。

しかも、その左の図をごらんください。(資料)これは、年間一世帯当たり軽減税率による負担軽減額、この横軸は、右に行けば行くほど所得の多い方々、そして縦軸は金額です。つまりは、この軽減税率というのは、所得の低い人ほど言ってみれば絶対額としては恩恵が少なくて、そして、所得が多い方々ほど言ってみれば税負担軽減額が大きくなっている、こういうことなんですね。それは、よりお金持ちの方が、いいお米も買うでしょう、標準米じゃなくてブランド米をお買いかもしれない、肉だって、いい肉を買うかもしれない、あるいは発泡酒じゃなくてビールを買うかもしれない、こういうようなことがあるわけですね。

おっしゃるように、やはり、所得がなかなか上がらない、きょうはその議論はいたしませんが、先ほど緑川議員の話で、労働分配率が下がっていっているという最大の理由は、これは簡単ですよ、企業の利益が上がっているけれども名目賃金はほとんど上がっていない、内部留保がどんどんどんどん積み上がっている、だから労働分配率が下がっている。しかも、物価を上げる政策ですから、実質賃金はむしろ下がり続けているということの中で、資産のある人はいいですよ、資産のある人はいいけれども、資産のない人の実質賃金は下がり続けているというのがこの六年間の結果でありますから。だったら、スーパーの安売り、この時間が来たら少しでも安いものを買おう、あるいは、自転車に乗って少しでも安いスーパーに行こうといって、主婦の方々があるいは年金生活者の方々が工夫を凝らされる。

その意味では、それは、一〇より八の方がいいかもしれない。しかし、この逆進性という部分においても、この消費税率というのは、全然対策になっていないし、そして、よりお金持ちの方々の方が言ってみれば負担軽減額が大きい。そして、後で質問しますけれども、一兆円穴があくわけですね、一兆円。それはまたどっかで税金取るわけですよ。だって、一兆円穴あくんですから、どっかで税金取るということになったら、行って来いの部分もあるわけですね。

であれば、痛税感というところについては、ニュアンスとしては理解をするにしても、より低所得者の人に対して負担軽減をするためには、まさに、社会保障・税の一体改革で決めたときのように、給付つき税額控除のような形の給付措置で、一定の所得以下の方々に対しては戻すということの方が、よりこの痛税感、逆進性というものに対するダイレクトな答えになっているんではないですか。

一兆円という、言ってみれば減額されたものの穴埋めをほかの税でやらなきゃいけない、こういうことよりは、この方がより有効だと思われませんか。大臣に。

 

○麻生国務大臣 今言われた点に関しましては、まず、検討させていただいた中で、給付つき税額控除というのは、間違いなく所得の低い方々に的を絞ったという点でいろんな意味で利点があるという点は正しいと思うんですが、問題は、消費税そのものの負担が直接軽減されるものではなくて、消費者にとっての痛税感の緩和の実態にはつながらないのが一点。それから、所得というものが低いんですけれども資産はある等々の話で、いわゆるその把握、どれくらい資産があって、所得はないけれども資産はあるところの把握が難しいといった大きな問題があるというのは、これは前々から言われているところではありますけれども。

給付つき税額制度というものに関しましては、これは、今回のいわゆる軽減税率といろいろ比較対照させていただいて、その線引きが難しい等々から、今回このようにさせていただいたという背景です。

また、今言われましたように、おっしゃるような数字というもの、これは連合の出された資料なんだというようにここに書いてあるんですけれども、私どもは、実質的な所得減が生じるということはこれはあり得るんだと思いますけれども、実際に社会保障の安定財源を確保するという点からいきますと、これは社会保障サービスという受益を一体として考えるということが適当なんだ、そういうように思っております。

したがいまして、引上げの対応については、特に低所得者と言われる方々に対しての影響が受けやすい、そういったところへの配慮というものを十分に勘案して、この制度というものは、いわゆる社会保障サービス、いろんなものがありますけれども、学校とかいろんな含めまして、そういったものを含めましてやらせていただくという形で、今言われたような御指摘というものは、全面否定するつもりは全くありませんけれども、そういった面を少なくとも軽減させられるようにできればと思っております。

 

○前原委員 一般の方々は一円でも安い方がいい、したがって、二%は、必ずしも私は、そんな少ない数字で痛税感ということを言うべきではないとは申しません。しかしながら、私は、財務大臣が痛税感、痛税感ということを余り声高におっしゃるべきではないと思いますよ。それがひとり歩きするんですね。

つまりは、後で時間があれば質問いたしますけれども、将来的にもやはり消費税は一〇よりも上に上げていかなきゃいけないというのはみんな薄々わかっているわけですよ。これだけ借金があって、人口が減っていって、働く人が少なくなっていって、医療、年金、介護のお世話になる人たちがどんどんふえていくわけですよね。成り立つわけがないとみんな思っているわけです。だけれども、自分の今の生活を考えれば少しでも税負担が少ない方がいいというのは、それはわかります。

しかし、そういったものを、ポピュリズムに流され過ぎずに、将来の責任も含めてしっかりと、今はこれだけ借金もあるし、そして人口動態、先ほど大臣は今の日本の最大の問題というのは人口減少だということをおっしゃいました。全く同じです、認識は。ということを考えると、やはり将来的にはその一〇を超えたところも国民はみんな薄々わかっているわけですよ、そこは。そのときに、余り痛税感、痛税感と財務大臣そのものがおっしゃるということになると、その言葉に私は財務大臣そのものが縛られるということになる可能性があるというふうに思いますので、余りこれは使われない方がいいと思います。

それと同時に、先ほどおっしゃったことの中で、我々、マイナンバー制度というのをあわせて導入したんですね。これは、まさに大臣がおっしゃったように、資産を捕捉する、つまりは、フローだけじゃなくてストックも補足して、その上でどれだけいわゆる負担ができるかということをそれぞれに対してしっかりと把握していこうということがマイナンバー制度の大きな背景だったんですね。

今は低所得者の方に対して資産のことを言われましたけれども、例えば医療費について言えば、七十五歳以上は後期高齢者、窓口負担は一割ですね。しかし、現役並みのいわゆる所得がある人、つまりは、ストックとフローでいえばフローがある人たちは七十五歳以上でも三割負担なわけですね。だけれども、フローはないけれどもストックのある人っていっぱいおられると思うんですよ、高齢者の中には。そういうものをしっかり把握した上で、どれだけ応分負担をしていただくかという意味において、マイナンバー制度というのは極めて有効な制度だと思いますので、これはしっかりと進めていただきたいというふうに思います。

その上ででありますけれども、給付つき税額控除というものが、では、マイナンバー制度がちゃんと機能してくれば、今おっしゃったような資産も把握できるということであれば、マイナスの方が大き過ぎると思うんですよ、デメリットが。とにかく事業者に対しては煩雑ですよ。極めて煩雑。イートイン、テークアウトの話もあるし、相当さまざまな問題が私はあると思いますので、本当に将来に禍根を残す、極めてたちの悪い制度だと私は申し上げます、軽減税率については。

先ほどおっしゃった給付つき税額控除というものを、資産を把握するということであれば、少しこのことについては、軽減税率ではなくて、マイナンバー制度を早く導入するという中で、二の右下の図にあるような形で、実際にまさに逆進性を緩和するという形にした方がいいというふうに思いますが、いかがですか。

 

○麻生国務大臣 マイナンバー制度というものがどれだけというのは、これはもう御記憶のとおりですけれども、これはもともと竹下内閣のときのグリーンカードですからね、この話は。あのとき全部で否定していたんだから。御記憶のとおりでありますが。全然、そのときはまだ当選しておられませんからあれですけれども、私らはそのときいましたから、えらい目に遭ったという記憶があるんですけれども。そういった意味で、あのときから、グリーンカードになり、何とか税になって、竹下さんのときに三%ということになったんだと思

う。

先ほどおっしゃったように、あのとき、私は今でも覚えているんですが、週刊誌が百円だったんですよ。上がった翌日に羽田に行ったら百五円取られたので、おまえ、二円お釣りと言った。百三円なんだから二円お釣りと言ったら、二円お釣りなんと言うのは麻生さんだけですよと言われて二円取られたの。早い話が内税になっていて、本屋さんの方がよくて、百三円じゃなくて百五円にして、値上げと消費税と一緒にして百五円にされた。

あのすごい記憶があるんですけれども。そういった意味では、便乗値上げじゃないかとか、いろいろな当時批判が出るかと思ったら、全然出ないで何となく百五円で通っていった。今に至るも内税ですから。

そういった形で、いろいろな意味で、痛税感の話も言われましたように、確かにおっしゃるとおり、この痛税感というのは非常に感じるところでもあるんですけれども、ビールなんというのは外税にしたら誰も飲むやつはいなくなりますよ、あれはほとんど半分以上が税金じゃないですかという話を僕はよくしていたんですけれども。

いずれにしても、前原先生おっしゃるとおり、その点は、今後のことを考えたら発言は注意しろという御指摘も大変参考にさせていただきますし、また、言われましたように、マイナンバーカードというものがより定着していくと、先ほど言われたようなところについても随分捕捉ができるということも、事実そういうことになっていくんだと思いますが、なかなか普及しないし、なかなかその利用についても、プライバシーの何とかかんとかと言われて、いろいろ、なかなか先に進行していないのも事実なんですけれども、少しずつそういったものも定着してくるかなという感じはいたしますけれども。

いずれにしても、この税というものに関してはどのような形でやっていくかということを考えないと、人口形態がこういうピラミッドのときからこういうぐあいになってくると、なかなかそこらのところは、今までとは別の発想でいかないとこういったものが対応できなくなるというような感じが、私ども率直にそう思っております。

 

○前原委員 簡単に伺いますけれども、先ほど麻生大臣も、日本の最大の問題点は人口減少であると。やはり人口減少対策というのはしっかりやらなきゃいけないと思うんですね。

兵庫県に明石というところがありまして、明石の市長というのは我々の同僚だった泉房穂さんという方なんですけれども、この人は子供に特化して政策をやって、今二期目、今、八年目なんですね。来年が改選期なんですけれども。第二子以上は保育料はただ、そして中学生まで小児医療は無料、全て所得制限なしでやっているわけですね。

やっていて、実際、先ほどの福岡と北九州の話じゃありませんが、若いカップルの転入人口がふえただけじゃなくて、出生率も上がっているんですよ。一・五〇から一・六八に上がったんです、この七年間で。つまり、若い施策に対して徹底的にてこ入れすると、そういった、ほかからとってくるだけじゃなくて自然増もふえてくるということで、こういったものにお金をかけなきゃいけないというふうに思うんですね。

そして、お年寄りもふえてくるということになると今のやりくりではなかなかやっていけないだろうということになると、私は、先ほど申し上げたように、消費税一〇パーを超えた世界というものを想定しなきゃいけないと思うんですけれども、そういう、やはり消費税というのは一〇%でおさまらないという意識をお持ちですか。

 

○麻生国務大臣 まず最初に、二つ御質問の話なので、明石の話ですけれども。世界の先進国では、総じて皆、少子高齢化という大問題になっているんですが、その中で例外はフランスです。

フランスはどうなっているか、詳しくちょっと最近のあれをどこまで調べたわけではないんですが、少子高齢化が大問題になると言ったのはドゴールという人です。だから、さきの戦争が終わってすぐ後に大統領になっていますので、あの直後から、大量のフランス人兵士が亡くなったということもあったんだと思いますが、とにかくこの人は、そのときから少子高齢化対策をうたって、今言われたように、第三子を産むと途端に税金は所得税が三割減かな、四人産んだら四割減というような、もちろん、医療費等々全部、大量のことをやって、この国だけは今二・〇を超えているんですよね、先進国の中で。

おまえのところもやればいいじゃないかと。一挙に金がかかりますから、なかなかそんな簡単にいける話じゃないので、徐々にやっていけば徐々にしかということになるんだと思いますが。少なくとも、そういう対応に関しましては、日本の場合の福祉はかなり高齢者に偏って、若者に対しての配慮がかなり配分としてはいかがなものか、もうちょっとバランスをとってしかるべきではないかという御意見は、私どもも同じようにそう思います。

それから、消費税というのは将来どうだと言われれば、まだ今、一〇%、来年十月にやらせていただく段階でまだ右往左往している段階なので、それから先というものに関しましては、将来としては、働く人の絶対量が少子高齢化で減ってきて、高齢者という受益する人がふえてくるのであれば、その方々にいわゆる消費税という形で賄っていただくということにしていかないと、なかなかバランスとしては難しいという、構造としてはそうなっていると思っております。

 

○前原委員 フランスだけではなくてイギリスも、フランスは、第一子よりは第二子も生まれた人にお金を出して、第三子が生まれたらよりお金を出すということで、私が調べた限りでは、三人子供がいれば、二十年間で四千万円ぐらい給付が受けられるという仕組みになっているんですね。イギリスは、働く女性を徹底的に支援するというやり方をしていて、イギリスもかなり出生率が伸びているということで。

少子化に対する徹底した取組をやっているのは、私が知っている限り、先進国ではフランスとイギリスかなと思いますが、どちらも、やり方は違ってもお金がかかるということでありまして、そこはこれから考えていかなくてはいけない話だというふうに思っております。我々は、やはりそういう、今も大事、しかし、中長期の日本をどう持続可能なものにしていくかということの中でのやはり取組というものをやっていこうということを思ったら、今の制度設計が将来にもしっかりと合うようなものでなければいけないということの中で、先ほど、軽減税率というのは極めて私はたちの悪い制度ではないかということを申し上げたわけであります。

時間になりましたので終わりますが、経産副大臣それから星野主税局長には、事業承継税制を聞けなくて申しわけありませんでした。また次回にさせていただきたいと思います。

終わります。

 

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