前原誠司(衆議院議員)

国会議事録

国会議事録

第193回 衆議院財務金融委員会2017/05/10

○前原委員 おはようございます。民進党の前原です。

 まず、黒田総裁に金融政策の現状についてお話をさせていただきたいと思います。

 昨年の九月の二十日と二十一日に行われました政策委員会、金融政策決定会合で、従来の一部マイナス金利つき量的・質的金融緩和から、イールドカーブ・コントロール、オーバーシュート型コミットメントの組み合わせから成る、長短金利操作つき質的・量的緩和に変更をされました。

 私は、何回か予算委員会やこの財金で黒田総裁と議論をさせていただいておりまして、この変更については評価を、僣越ながらさせていただきました。なぜ私が評価をしたかといいますと、八十兆円のネットでの国債の保有拡大というのはいずれ限界が来るだろうということの中で、いわゆる長短金利に目標をシフトして、そして、主従の関係でいうと従の関係で、オーバーシュート型のコミットメントというものは当然ながらある程度は続けなきゃいけないだろうということで、言ってみれば、国債のネットでの拡大というものが表舞台から一歩退いて、そして持続可能性を高めるという意味において評価をしたわけなんですね。

 それで、これがどうなっているかと日銀保有の長期国債の推移というものを調べたところ、これは九月でしたので、昨年の十月からことしの三月まで半年間で、三十六兆二千七百七億円というのがネット増の合計でありまして、その前の半年は三十八兆九千七百四十八億円、その前の半年が三十九兆六百六十六億円ということでありまして、若干は減っているんですけれども、私は、期待しているよりはこの減りぐあいというものが少ないのではないか、こう思っているわけでありますが、私の評価と、そしていわゆる国債の保有の拡大について、黒田総裁の御所見を伺いたいと思います。

 

○黒田参考人 委員御指摘の点、特に前半でお話しされた長短金利操作つき量的・質的金融緩和の新しいフレーム、それからその目的、趣旨等はまさに委員御指摘のとおりでありまして、現在のフレームワークのもとでは、あくまでも金融調節方針の中心はイールドカーブ・コントロールと申しますか長短金利操作でありまして、国債の買い入れ額とかあるいはマネタリーベースの増加額というものはあくまでもめどでありまして、いわば内生的に決まってくるものであって、操作目標はあくまでも長短金利でございます。

 そのもとで、実際の国債買い入れ額というのは、変動するわけですが、毎月変動しますので何とも言いがたいところはありますけれども、足元でいいますと、多分、年間で六十兆円前後ぐらいになっていると思いますけれども、これはあくまでも従属変数でありますし、経済や金融市場の動向で動くものである、あくまでもターゲットは、操作目標は長短金利であるということを御理解いただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、委員御指摘のような傾向というのは十分続き得る、あり得るというふうに考えております。

 

○前原委員 総裁おっしゃったように、私が日銀から資料でいただいたのが、二〇一七年、ことしの三月まででありますので、この三月が初めて一兆円を割り込んで、月額が七千二百十五億円ということになっているわけでありますが、今総裁がおっしゃったように、多いときもあれば少ないときもあるということで、今までいただいた図表でもこういう大きな振れがある、こういうことでありますので一概に言えないわけでありますが。

 別に皮肉を言うつもりではありませんが、二年で二%の物価上昇というのがもう五年目に入っていて、それが二〇一八年に達成できるかどうかというのがわからない中で、長期戦の様相を示してきたということであれば、持続可能性を高めるという意味においては、今総裁が答弁されたように、あくまでも長短金利操作、イールドカーブ・コントロールというものに重きを置くということが私は大事なことではないかと思うんです。

 技術的なことなのでこの点については教えてもらいたいんですけれども、このイールドカーブ・コントロールというものをさらに強化して、そして、いわゆるオーバーシュート型コミットメント、つまりは量的拡大というものを縮小する、そういった組み合わせというのはできないものなんですか。

 

○黒田参考人 一般論的に申し上げてできると思いますけれども、現時点での私どもの長短金利操作つき量的・質的金融緩和のフレームワークは、委員御指摘のようにこの二つの部分から成っておりまして、一つがいわゆるイールドカーブ・コントロール、短期の政策金利をマイナス〇・一%、十年物国債の操作目標をゼロ%程度というふうに置きまして、この二点を抑えることによって適切なイールドカーブを形成する。これはもちろん、今後とも、経済、物価、金融動向に合わせて、毎回の金融政策決定会合において議論していくことになると思いますが、二%の物価安定目標との関係ではまだ距離があるわけでございますので、当面、現在のような金融緩和を強力に続けていくということになると思います。

 もう一つのオーバーシュート型コミットメントにおきましては、二%の物価目標を実際に達成してある程度それが続くという、つまり、実際の物価上昇率が二%を超えるまで量的な緩和を続けますということでありますが、そこにおいては、かつてのような、マネタリーベースを年間八十兆円ふやしていくというようなターゲットは設定されておりませんので、あくまでも量的緩和は、二%の物価安定目標を達成して、実際の物価上昇率が二%を超えるまで続けます、そういうオーバーシュートを容認するというコミットメントであります。

 したがいまして、こういった両方の組み合わせの中で、経済、物価、金融動向に合わせて、さまざまな調整というかアジャストメントというのが可能ではありますけれども、現時点では、何と申しましても、二%へ向けて、モメンタムは維持されていると思いますけれども、足元、例えば予想物価上昇率が弱めに推移しているとか、相当注意していかなければならない要素もありますので、現時点で具体的にこの組み合わせをどのように変えていくかということは考えているわけではありませんけれども、委員御指摘のように、理論的にはさまざまな組み合わせが今後考えられ得ると思います。

 

○前原委員 持続可能性を高めるためには、イールドカーブ、長短金利操作というものに重きを置くということで、私はやられるべきであろうというふうに思っています。

 次の質問に移らせていただきますが、物価目標が二%に達する時期を二〇一八年ごろとされていますね、今。私はなかなか難しいだろうと思っているわけです。ことしはある程度上がると思います。去年、原油価格が上がりましたので、前年度比ということからすると、ことしは上がるだろう。だけれども、では来年はどうなるのかということになると、その原油上昇効果というものは来年はなくなるわけですから、そういう意味ではなかなか難しいんじゃないか。

 そして、今までは、円安、つまりは、量的・質的金融緩和を行うことによって円安基調にして、輸入物価を上げてということでありましたけれども、特にトランプ政権ができてから、為替操作国というようなこと、ちょっと後でまた質問させていただきますが、そういった厳しい視線というものが向けられていて、なかなか大幅な円安というものに振れることは難しいだろう。ということになると、輸入物価の上昇ということで物価上昇というものに寄与させるということはなかなか難しいなという部分があると思います。

 ただ、世界の基調として、今、経済は拡大基調にあるというのはそのとおりだというふうに思いますので、何とかそれは努力をしていただきたいというふうに思っております。達成できるかどうかということについては今回は聞きません。

 今回、私が伺いたいのは、お配りをしているグラフの一であります配布資料。つまりは、仮に日本銀行が、おっしゃっているように、二%の物価上昇というものが達成できたという場合においてどういう問題が出口であるのかということについて幾つかお尋ねをしたいわけであります。

 この一は、財務金融委員会の調査室につくっていただきました、想定を幾つか置いて。まず、名目GDPと名目長期金利、消費者物価上昇率は、内閣府の中長期経済財政に関する試算の経済再生ケースを想定する。そして、日本銀行は二〇一八年に二%とおっしゃっていますけれども、二〇一九年度にかけて出口に直面することを想定して。そして、直近における日銀保有長期国債の平均償還年限七・四四年及び日銀保有長期国債の加重平均利回り、現状は〇・四一五%でありますけれども、二〇一九年までは一定と仮定をする。そして、日銀保有長期国債の加重平均利回りは、名目長期金利と同じ一・五ポイントだけパラレルシフトして、一・九一五に上昇するということを想定している。つまり一・五%、加重で金利が上がるということを想定する。そして、先ほどの御答弁では足元の長期国債残高の増加は年額約六十兆円ぐらいじゃないかということをおっしゃいましたけれども、一応、八十兆円で仮定をしております。そうすると、この下のグラフのようになるわけですね。

 置く仮定によって数字は変わってきますけれども、これだけの長期国債の保有をされているということは、それだけ、金利が上がれば、あくまでも評価損ですよ、評価損としてはこういった五十兆円とか六十兆円とか、あるいは金利がもっと上がればさらに大きな評価損というのが出ると思うんですけれども、そういう認識ということは共有していただけますか。

 

○黒田参考人 まず、評価損の問題ですけれども、御案内のとおり、また委員も御指摘になったように、日本銀行は国債の評価方法についていわゆる償却原価法を用いておりますので、長期金利が上昇していわゆる評価損が出たといたしましても、決算上の期間損益において評価損失が計上されるということはありません。

 ただ、その上で申し上げますと、ある意味で機械的な計算ですけれども、例えば長期金利が一%上昇する、イールドカーブが一挙に一%上がるというときにどのくらいの評価損が出るかというふうに試算しますと、二十三兆円ぐらい出るということですので、御指摘のように、一・五%ポイント上昇したときの評価損がその一・五倍、あるいはこれで見ますともう少し大きいですけれども、これは前提の違いによると思いますけれども、おおむね、こういう状況を前提にすれば、こういったような試算ができるということはそのとおりだと思います。

 ただ、ポイントは、具体的に、いつどのような形でエグジットするか、そしてその際の市場の長期金利がどのように動いているかということにもよりますので、不確実性は大きいと思いますけれども、こういった試算ができるということはそのとおりであります。

 

○前原委員 それに基づいて、今度は二ページのグラフをごらんいただきたいわけでありますけれども配布資料、今のはあくまでも評価損なんですね、実損ではないわけでありますが、出口に差しかかったときの、仮に二%という物価上昇目標というのを達成したときには出口に入るわけでありますけれども、これをどのようなオペレーションをやっていくかということであります。

 これも、まず私の置く前提で話をいたしますと、満期が来た国債を自然に減らしていくということはやるんだろう、しかし、それにプラスして新たなものを売るということをすると実損が出ますね。ですから、多分そういうオペレーションはされないんだろうというふうに思います。

 その上で、ではどういう出口のやり方があるかというと、付利金利というものを上げられるということで、日銀の当座預金の付利金利を上げて、そこでお金を吸収していくというやり方をされるのではないかというふうに思っておりますけれども、その場合、どういった日本銀行のいわゆる経常収支になっていくのかということを、これも一定の条件に基づいて出したものなんですね。

 一部のエコノミストがおっしゃるように、この評価損が全て実損になるということではなくて、日本銀行というのはやはり通貨発行益というのがありますので、この通貨発行益というものからすると、結論から言うと、この財務金融委員会の調査室にやっていただいた、この一定の条件を置いたもの、これは後で、ちょっと時間がないので注を、どういう条件を置いたかということはお読みをいただきたいわけでありますが、そういう条件を置いても、この十年間というシミュレーションの期間の中では黒字なんですね。ただし、言ってみれば、金利が上がるということは国債価格が下落をするということの中で、この我々の試算では二〇二二年から二〇二六年にかけて赤字が出るということになります。

 先ほどの私の前提が黒田総裁の前提とまず合致するかどうかということをお答えいただきたいんです。つまりは、その前提というのは、満期が来たものは自然にそれは減っていく。新たな国債を売るというオペレーションは基本的にはせずに、付利金利を上げるというやり方を行う。そして、そのことによって、だんだんだんだん国債の量が減っていく過程において、このようなカーブの中で、一定期間、もちろん前提の置き方、数字の置き方によっては変わってきますけれども、こういった赤字を生ずる期間というものがあって、その期間内は国庫納付というものが停止をせざるを得ないという期間が生じるという認識を持っておられるかどうか。その点についてお答えをいただきたいと思います。

 

○黒田参考人 まず、具体的な、出口の局面でどのような政策をとるかというのは、その時点の経済、物価、金融情勢いかんによるわけですので、今の時点で何か具体的なイメージを持ってお話しするということは難しいんですが。

 御指摘のような前提というのは、実はFEDがやっている出口の政策そのものでありまして、FEDはどういうふうにしたかといいますと、御案内のとおり、まず国債のネットでの新規の買い入れをストップいたしまして、残高をフラットにしている。そのもとで付利金利を徐々に上げてきている。そして、今後、これは最近のFOMCの議事録によりますと、バランスシートを一定にするために再投資しているわけですけれども、年末までにその再投資の額を減らして、だんだんとバランスシートが縮小していくようなプロセスを決める可能性がある。まだそこまでいっていませんけれども、まだ残高は一定のまま、再投資をずっとやっている段階であります。

 FRB自体も、国債を売るような可能性とか、そういうことは前は言っておられましたけれども、今やもう売る可能性はなし。したがって、キャピタルロスとかいうことはない。ただ、再投資の額をだんだんだんだん減らしていって、バランスシートを縮小していく過程の中で、付利金利を上げていく。その場合にFEDの収支がどうなるかということは、具体的なシミュレーションは出ておりませんけれども、恐らく黒字が減っていくというか、あるいは赤字になる可能性もあるかもしれません、その辺はわかりません。

 その上で、委員御指摘の試算ですが、今申し上げたようないわばシナリオに沿って試算されたものだと思いますので、このシナリオに即して言えば、そのとおりだと思います。

 ただ、先ほど申し上げたとおり、まさに、FEDのやっておられることは参考にはなりますけれども、二%を達成して出口に向かっていく段階で日本の経済、物価、金融情勢がどうなっているかということは、まだ確実に予測できる段階ではありませんし、何よりも米国の場合とは金融市場の状況も違いますので、具体的な形で申し上げるということはできませんけれども、委員の前提のもとでこういうふうになるということは、こういう試算というのは一つのコンシステントな試算であるというふうに思います。

 

○前原委員 日本銀行は、今、国庫納付金を一部積み立てに回されていますね。積み立てに回しているということは、私のシミュレーションでいうと、赤字を生んだときにその積み立てで言ってみれば穴埋めをする、トータル、ならすという、私は一つの予防的な措置を行っておられるという認識を持っているわけでありますけれども、その認識でよろしいですか。

 

○黒田参考人 そのとおりであります。

○前原委員 ですから、どういうやり方をやられるか。私は、何度も申し上げているように、二年で二%ということがもう五年目に入っていて、そして、なおかつ、出口についてはまだ時期尚早であるというのは、ツーレートはあっても、時期尚早ではもうないですよ。

 ですから、言ってみれば、極端な議論があるわけですね。先ほど申し上げたように、評価損が実損だと思っている人たちも結構いるわけで、いや、そうじゃないよ、こういうオペレーションをしていけば、一つのオペレーションをしていけば、ちゃんと財政的にもサステーナブルなものになっていくんだということの説明を、やはりちゃんと私はされるべきだというふうに思うんですね。

 したがって、日本銀行も、一つのシナリオに固執をすべきだ、FRBのシナリオとかに固執すべきだとは申し上げませんが、やはり幾つかのシナリオの中で、こういった出口が考えられる、しかし、御心配なく、一時期にはこういった国庫納付が停止せざるを得ない状況も来ます、今それを前提に、いわゆる通貨発行益を含めた積み立てを行っています、トータルで考えれば、ちゃんと、とんとん、あるいはプラスになります、こういうような説明をされるべきじゃないですか。

 こういうシミュレーションを出していただけませんか。

 

○黒田参考人 確かに、御指摘の点はよく私も理解しております。

 ただ、繰り返しになりますけれども、出口の際に実際に収益がどうなるかというのは、やはり、将来の経済、物価あるいは金利環境に加えまして、どういう手段でやっていくかということにもよりますので、具体的なシミュレーションというのは、一つでなくて幾つも、幾つものシナリオでという場合でも、なかなか、かえって議論を混乱させるおそれはないかなという気もいたしますので、慎重に検討したいとは思いますけれども、御指摘のように、金融政策運営の考え方について、それが日本銀行の財務面に及ぼす影響も含めて、わかりやすく説明していくということは非常に重要ですので、委員の御指摘も踏まえつつ、今後、検討していきたいと思います。

 

○前原委員 委員長、日銀に対して、今前向きな御答弁をいただきましたので、ぜひ、委員会でもそういったシミュレーションを要求するということでお取り計らいをいただきたいと思います。

 

○御法川委員長 後刻理事会で協議いたします。

 

○前原委員 それから、少し話をかえますが、以前私がこの委員会でも、あるいは予算委員会でも資料要求したものを出していただきました。委員長、そして内閣府のお取り組みに感謝を申し上げたいと思います。

 四の資料なんですね、出していただきましたのは配布資料。これが、いわゆる経済再生ケースに基づいてどれだけ公債等残高対GDP比が下落をしていくのかということでありますけれども、ちょっと三ページをまずごらんいただきたいんです配布資料

 なぜ私がこういう問題意識を持っているかというと、一番上のグラフで見ていただくと、二〇二三年から、経済再生ケースでいきますと、名目GDP成長率と名目長期金利が逆転するんですね。逆転をすることによって、言ってみれば、一千兆円以上の借金があることがおもしとなって、実は、経済再生ケース、経済さえ成長すれば財政赤字は減るということが果たして本当なのかということの問題意識の中で資料を出していただいたということなんですが。

 例えば、この赤の折れ線グラフを見ていただくと、経済再生ケース、二〇二二年から二〇二三年までは一・九%下がって、二〇二三年から二〇二四年は一・七%下がって、そして、二〇二四年から二〇二五年は一・四%下がって、四ページをごらんいただいて、二〇二五年から二〇二六年は一・二%下がって、そして二〇二六年から二〇二七年は〇・四%下がるということで、だんだんだんだん下がり方が鈍化していっているわけですね。

 これは越智副大臣に伺いたいんですけれども、二〇二七年以降は上昇するんじゃないですか。どう思われますか。

 

○越智副大臣 まず、この試算について、今回出させていただいたわけでございますが、若干御説明をさせていただきたいというふうに思います。

 中長期試算は、安倍内閣におきましては、十年程度を推計期間としてこれまで年に二回推計値を出させていただいてまいりました。その中で、前原委員からリクエスト、御指摘をいただいて、内閣府の方でそれに加えて、今出させていただいた四ページ目の資料、二年分ですね、追加的に資料をつくらせていただきました。

 この試算につきましては、従来、十年程度ということでモデルを組んでいたものですから、この試算につきましてはあくまで機械的試算ということでつくらせていただいているわけでございまして、そういう意味では、前提としましてはここに書かれたとおりだということでございます。

 その上で、今までの趨勢と、二六、二七年までの、これ以降どうなるかという御質問でございましたけれども、委員の三ページ目の資料にもございますが、ドーマー定理を基本としました数式がございますけれども、やはりここは、名目成長率と名目長期金利とそれとPB、この三つの状況の組み合わせの中で決まってくるというふうに考えているところであります。

 

○前原委員 質問にお答えいただいていないんですが。

 お答えいただくために、二〇二八年、二〇二九年、あと二年出してもらえませんか。そうすると、プラスに転じていることが、プラスというか増加に転じることが明らかになるはずですから。いかがですか。

 

○越智副大臣 先ほど御説明をいたしましたけれども……(前原委員「簡単でいいです、時間がないですから」と呼ぶ)はい。

 基本的に、この中長期試算のモデルは十年程度を想定してつくられているものなので、十年程度を超えますとかなり不確実性が高くなるものであります。その中で、今回、前原委員のリクエストに基づいて、二年間、別の形で機械的に出させていただいたものでございますので、そういうふうに御理解いただきたいというふうに思います。

 

○前原委員 委員長、これは財政健全化の議論で大変重要なポイントですので、あと二年間、機械的なもので結構ですので、出してもらうように、お取り計らいをいただけませんか。

 

○御法川委員長 理事会で協議いたします。

 

○前原委員 では、時間が来ましたので、最後の質問にさせていただきたいと思いますが、黒田総裁にお聞きしたいんです。

 このように、財政が経済成長だけでは健全化しないということはほぼ明白になってきたわけでありますが、抜本的な歳出歳入改革が必要だと思いますけれども、一部には、シムズ理論というのもありますし、また、日銀の通貨発行益を当てにして、財政赤字をふやしても日銀が国債を購入し続ければいい、こういった意見もあるわけであります。

 私は、これは、今でも実質的な財政ファイナンスだという批判もあるわけでありまして、赤字がやりやすい、赤字を出しやすい環境をつくっているわけではなくて、あくまでも日銀は物価目標というもの、そういう日銀法で定められた目標を達成するものであって、やはり財政健全化というものは、そんな通貨発行益に頼るような、あるいは日銀の引き受けに頼るようなものであってはいけないと思うんですが、その点について、お答えをいただきたいと思います。

 

○黒田参考人 委員の御意見と全く同じでありまして、日本銀行の金融政策というのはあくまでも物価安定を目標としておりますので、二%の物価安定目標が実現され、さらに物価がどんどん上がっていくような状況で国債を買い続けるということはあり得ないわけでして、あくまでも、日本銀行の金融政策は物価安定のために行われる。

 他方で、もとより、金利が低いときに国債費が下がるということは事実であります。それが財政収支を改善するということも事実でありますけれども、私どもの金融政策はあくまでも物価安定のためであり、財政の持続可能性を達成するということは、あくまでも、歳入歳出の見直しを通じて収支を改善していくという政府の役割であると思っております。

 

○前原委員 終わります。

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