前原誠司(民進党京都府第2区総支部長 衆議院議員)

国会議事録

国会議事録

第193回国会 衆議院財務金融委員会2017/02/22

前原委員 おはようございます。民進党の前原です。

 質問通告をしている順序を少し変えさせていただきまして、まず非課税国債についてお話をさせていただきたいというふうに思います。

 現在、家計の現金資産というのが二〇一六年第三・四半期時点で七十八兆百五十六億円ということで、前期比四・八%増、十九四半期連続で増加している。これは、金融機関の低金利、マイナス金利のことは後で黒田総裁と議論させていただきたいと思いますけれども、そういった状況の中で、どんどんどんどんたんす預金というものがふえてきているわけであります。

 ある全国紙が、まあ読売さんでありますけれども、先般、政策提言をされまして、無利子あるいはマイナス利子の相続税非課税国債というものを日本は導入すべきではないか、こういうお話がございましたが、まず、その導入の是非を議論する前に、どんなメリット、デメリットがあるのかということについて、財務大臣からお答えをいただきたいというふうに思います。

 

麻生国務大臣 御指摘の相続税非課税国債というのは、その利子をゼロとかマイナスとかいうのにする一方で、その相続税に関しては非課税財産として取り扱う国債という、定義からいえば、ちょっと長ったらしい定義で恐縮ですけれども、そんなことになるんだと思います。

 非課税で軽減される相続税額が失われますので、その分だけ、利子収入よりも多いと考える者しか買いませんから、結果としては国の財政収支は悪化するのではないかというのと、一部の富裕層の優遇につながるのではないかといった論点があるということはもう前々からよく言われていることなんです。

 一方で、非課税国債というのは、今御指摘になりましたたんす預金、よくこれは何十兆と言われているんですが、本当にどれくらいあるのかよくわかりませんけれども、たんす預金を引き出すというメリットがあるという主張をされる方が多いということもこれは確かです。

 ただし、国債の発行に当たっては、いわゆるマネーロンダリングというものの対策上、金融機関が本人確認をした上で、本人名義の口座で管理されることとなりますので、このような中でたんす預金を引き出す効果が本当にあるのかといった指摘もあるといったことで、今、相続税非課税国債についてはいろいろ慎重に対処すべきではないかというのが、いわゆるメリット、デメリット、いろいろあるんだと思いますけれども、ちょっとまだそこまで全部詰めたわけではありませんけれども、大体そういうところだと思っております。

 

○前原委員 無利子とマイナス利子では、また全然見え方が違ってくるというふうに思うんですね。

 マイナス利子にいたしますと、つまりは国の収入がふえるということになるわけですね。つまりは売れた段階で国の収入になるということでありまして、例えば、二〇一七年度の個人向けの国債というのは、これは前年度を上回る二兆九千五百億円の発行ということで、年率〇・〇五%を最低保証するということで発行される、こういうことでありますけれども、逆にマイナス〇・〇五にしたらどうなるかというと、同じだけ売れるとすると、大体千四百七十五億円国の収入になる、こういうことになります。

 先ほど麻生大臣が、合理的に考えれば、相続税で払うのがいいのか、あるいは非課税国債にするのが得なのかどちらかを選ぶはずだ、こういうことをおっしゃった。それについてはそのとおりだろうというふうに思うんですけれども、先ほどマネーロンダリングの話をされましたけれども、違う形で物事を考える方々もたくさんおられるというふうに私は思うんですね。

 そういう意味では、無利子国債ではなくてマイナス利子にすると国の収入にもなり得るということで、あとは先ほど財務大臣がおっしゃった相続税の減免分との見合いをどう考えていくのかということになろうかと思いますが、マイナス利子の非課税国債ならどうお考えですか。

 

○麻生国務大臣 これは結構長い話でして、前原先生、これは多分、読売の渡辺恒雄という偉い方がいらっしゃるんですけれども、この方が前々からこの話を、まだ金利がこんなに下がる前のころ、民主党政権の前の時代ですから、もう十年以上前からこの話は非常に言っておられた話なんです。

 極端なことを言いますよ。これは私の話じゃない、極端な話なんですけれども、今、幾ら相続税が入っているんだといったら、二兆何千億ですという話を知っていましたのでそう申し上げたら、早い話が一割マイナス、だから、一億買ったら十年したら九千万円しか返ってこねえという国債をやる。そうすると、一割減だけれども、少なくとも、当時はまだ物が下がっている時代でしたから、大した損はないじゃないかと。そうすると、国としては、二兆五千億分だけやれば、一割だから二十五兆毎年発行しても、全然金利は痛まねえだろうがと。財政的に極端な言い方をすれば、大体そういう話です。

 そういうのをやって売れるかという話になって、ナベさん、それ、売れますか、そんなものがということを申し上げたことがあるんですが、相続税の五〇%払うよりはそっちの方が安い、そういう計算だって成り立つじゃないかと言うから、はあ、なるほどと。それで国が助かるんだからと。それに、金持ちからそんな全部捕捉できてねえだろうが、それみんなたんす預金なんじゃねえか、捕捉されてねえんだったらそっちの方がよっぽど現実的じゃないかというお話をいただいたことはあります。

 事実、そういった面は否定できないとは思いますけれども、これはマネロンの関係からいくとなかなか難しい問題もいろいろありますので、今おっしゃっている数字というのはいろいろなことが考えられることは確かだと思っております。

 

○前原委員 長々この話をするつもりはないんですが、現時点において、こういう無利子非課税国債、あるいはマイナス利子非課税国債を財務省として考えるおつもりはないということでよろしいですか。

 

○麻生国務大臣 今この段階で、将来はわかりませんよ、今この段階でマイナス金利国債を直ちに発行しようと思っているわけではありません。

 

○前原委員 私も、この問題について一番大きなポイントというのは、たんす預金を出すということはいいんですけれども、結局、それがいわゆるどういうお金なのかということですよね。それがまさに資金洗浄として使われるということであってはいけないという観点から、傾聴に値する意見ではあるけれども、もしやるのであれば、そういったところはしっかりやらないと国民の理解はなかなか得られないのではないかということは申し上げておきたいと思っております。

 さて、次に、PBの話に移りたいというふうに思います。

 二〇二〇年、これは麻生政権のときも恐らくこういう考え方を持っておられたし、我々の政権のときも二〇二〇年PB黒字化というものを掲げていたわけであります。

 グラフの二をごらんいただけますか配布資料

 国、地方の基礎的財政収支、対GDP比ということで、上の方が経済再生ケースというもので進んでいった場合、つまりは名目成長率三%台、実質成長率二%台ということで行った場合に、言ってみればどういう道筋が見えてくるか。それから下の方はベースラインケースということで、もう少し名目も実質も成長率が落ちる場合でありますけれども、この経済再生ケースで行ったとしても、国、地方で二〇二〇年には八・三兆円足りないということでありますが、この二〇二〇年PB黒字化目標というのは堅持されているということで、まずお聞きしたいというふうに思います。

 

○麻生国務大臣 今おっしゃいましたように、将来にわたって、これは金利水準とか経済成長率について、ちょっと確たることを申し上げることは難しいんですけれども、債務残高対GDP比というものを安定的に引き下げるためには、これはプライマリーバランスというものの黒字額というのを一定程度確保する必要があるというのは、もうこれは間違いなく御指摘のとおりなんだと思います。

 足元においてプライマリーバランスは赤字状態にあるので、まずは二〇二〇年度までのプライマリーバランスの黒字化を達成せよというのも目指してやっておるんですけれども、そのために、まずは経済成長を軌道に乗せて税収をふやす。税収をふやして、そして財政健全化につなげる。縮小均衡でやるんじゃなくて、税制を伸ばしてやっていくというやり方で。現に、税収はおかげさまで十五兆円ほど増加しましたし、消費税がそのうち六兆三千億ぐらい入っていると思いますが、そういった形になっております。

 また、二十九年度予算案に言わせますと、かつて社会保障費というのはぶわっと一兆円ずつぐらい伸びていたものを、少なくともこの四年間ぐらいの間は大体五千億ぐらいのところに、半分ぐらいに引き下げてきております。

 また、この経済再生計画をやっていくに当たって、一般歳出の伸びというのを大体五兆三千億ぐらいというのを目指しているんですけれども、それも一応達成をさせていただいた上でやらせていただいておるんですが。いわゆるあらゆるものを動員してこれをやっていこうとしておりますので、まだこの中で前提条件というのは、この総務省が出しているような前提条件と違って、いわゆる一兆円のところが五千億になったり、いろいろなことをしていきますし、さらに我々としては努力をしていかねばならぬところだと思っております。

 やはり財政健全化というのを目指してやるということを、きちっと政府としてこれを出し続けておくということは大事なことで、これを何かこう、最近、クリストファー・シムズみたいな人が出てくると、何となく、何かあれいいじゃんとかいうようないいかげんなことを言うのがいろいろ出てくるのは世の中確かですから、そういった意味では、我々としては、健全化と財政バランスというのを両方目指してきちんとやっていかないかぬところだと思って、厳しいところだとは思っておりますけれども、その方向で進めようと思っております。

 

○前原委員 いろいろと実績、御努力のことについては、その前提でお話をされたんですけれども、私が伺っているのは、二〇二〇年のPB黒字化というものについては達成するという政府の目標は変わりませんねということを伺っているわけです。端的にお答えをいただきたいと思います。

 

○麻生国務大臣 達成を目指して頑張ります。

 

○前原委員 では、八・三兆円それでも足りないわけです。今おっしゃったようなさまざまな取り組みをされている、そして、経済再生ケースというのは今以上の経済再生ですよ。

 つまりは、今の経済成長というものは、恐らくこの経済再生ケースとベースラインケースのちょうど中間ぐらいだと思うんです。そうなると、八・三兆円と十一・三兆円の間ぐらいに入ってくるわけですね、今のままの経済成長でいくと。だから、税収増になっているというのはそのとおりなんですよ。でも、一番いいケースでも、今の政権の税収増、これは後で金融政策が大きいんだということを話をしますけれども、それでも八・三兆円足りないわけです。それで、実現するということであれば、この八・三兆円は何で埋めますか。

 

○麻生国務大臣 これは、二〇一八年の中間の目安というのが出た段階でもう一回これは考え直さないかぬというのはまず基本です。

 その上で、我々としては、まず、先ほど申し上げたように一兆円のところは五千億を出したり、いろいろな形でやらせていただいておりますのが一つ。

 それから、やはり物価やら何やらというものが、私どもとしては、給与やら何やらいろいろ上がってきますので、そういったものを見ますと、消費税やら何やら消費の分も上がってきたり何かするので、いろいろな意味で、私どもは、過度に期待を寄せるというのは甚だ危険ではありますけれども、いろいろな不安定要素もありますので、そういったものをきちんとした対応をして、私どもとしては、財政削減を図りながら、やはり経済成長でいわゆる設備投資やら給与やらそういったようなものをどんどんやってもらうという、民間の企業は幸いにしてこの三年か四年間ぐらいで七十五兆円ぐらい内部留保がふえておりますので、そういったものを含めましてきっちりやってもらわないかぬというので思っております。

 まだまだ、確定された、これが答えだというものを持っているわけではありませんけれども、その八・三をできるだけ埋めるというつもりでやっていかないかぬところだと思っております。

 

○前原委員 そんな漠とした話では、失礼ながら八・三兆円なんか埋まらないわけですね。

 では、先ほど歳出カットということをおっしゃった。では、歳出カットということであれば、何をどのぐらい減らすかということを明確に言わないと、積まれませんよね。それから、物価上昇になって、そして景気がよくなったら消費増税が上がるということになると、さらに今の経済成長よりも上を目指すというようなことになってくるわけでありまして、それは恐らく難しいと思うんですよ。

 今でも、先ほど申し上げたように、経済再生ケースとベースラインケースの間ぐらいを行っていますので、この経済再生ケースをさらに上回らないと、今おっしゃるような税収増にはつながりませんから。

 では、どうやってその経済成長をやられるのか。それから、内部留保ということをおっしゃいました。確かに三百七十兆ぐらい内部留保がありますが、では、それをどう使ってこの八・三兆円を埋めるのかということはもっと具体的に言ってもらわないと、気合いだけでは全然話になりませんので、少しこの八・三兆円を埋める具体的な話をしていただけませんか。

 

○麻生国務大臣 全くおっしゃるとおりだと思いますけれども、我々としては、今言われましたとおりに、二〇一八年の時点で、大体目標達成といったら、目安は二〇一八年でとにかく我々出したけれども、二〇一五年で大体半分になると言って、これも最初やり始めたときにはいきっこねえと言われて、これは達成できましたから。

 だから、今回もまた、二〇二〇年でまたチャラにしますというところまで目指しているんですけれども、少なくとも二〇一八年でどれぐらいいくかよく見た上でやらないと、計画を立てたって、そんなものはうまくいくという保証はありませんから。

 そういった意味ではおっしゃるとおりなので、進捗状態を評価しながら、その上で、二〇一八年の予算の姿とか、また、いわゆる二〇一八年における経済状況とかいうのを踏まえた上で、おっしゃるように計画を、再計画を練るなり何なり、その段階でお示しできるようなものにつくり上げないかぬと思っております。

 

○前原委員 端的に財務大臣にお伺いしますが、来年見直しをする、これは一貫して予算委員会でも御答弁をされている、財務大臣も総理も答弁されているとおりだというふうに思います。

 来年その見直しをするということでありますけれども、先ほどおっしゃったように、歳出カット、それから経済成長による税収増というようなものだけでこの八・三兆円というのは絶対無理ですよね、来年見直すとしても。いけますか。歳出カットと、あるいはこの経済再生ケースを上回る経済成長というのはできますか。できないでしょう。これは来年にならなくたって、今考えたってわかる話ですよ。二〇二〇年というのはあと四年しかないんですから。

 そういう意味においては、来年を待たなくても、この八・三兆円、経済再生ケース、つまり、今そこまで経済成長率がいっていないのに、それでもなかなかいかないものについて、では、来年は見直してこの八・三兆円が埋まるというふうに思っておられますか。

 

○麻生国務大臣 これは、今の段階で確たるものをしかとして持っているわけではありません。少なくとも、今度のトランプさんなんという人が出てくると、何を言ってくるかわからぬというものも正直なところありますので、それで全ての経済を振り回されるわけではありませんけれども、私どもとしてはそういうものを考えております。

 今一〇〇%自信があるかと。私どもとしては、立てた目標に向かって頑張っていくということを申し上げる、今の段階ではそれ以上はちょっと、これをやってこうしてこうなるという数字を、確たることをお示しできる段階にはございません。

 

○前原委員 いや、何度も予算を編成されてきて、経済成長含めて、そして歳出の見直しの努力もされると思いますよ。

 では、歳出カット、今よりの経済成長というのはできますか。今よりさらに歳出カット、そして、今よりの経済成長で税収増というのは本当にできますか。

 

○麻生国務大臣 もう前原先生御存じのように経済は生き物ですから、どういうふうに出てくるかは、これはもう正直わからぬです。わからぬですけれども、少なくとも、社会保障関係費が一兆が五千億になるというのを予想した人は一人もいませんから。

 昔、小泉内閣のときに、しゃにむにやれと言われて、何もかもむちゃくちゃにやって、全部で二千億、続けて二年やった、あれで終わりです。今回は少なくとも五千億で四年来ましたので、そういった形では一応のものができ上がりつつあるんだとは思ってはいるんですけれども、さらに、ジェネリックだ何だといろいろなものができますと、またその中が変わってきますし、いろいろなものが変われるだろうとは思っておりますけれども、今おっしゃるように、おまえ、それで税収もふえるから歳出も全部できて、ちゃんと八兆なんて埋まるかと言われれば、我々としては、立てた目標に向かって努力をするという以上に今の段階で申し上げる段階ではございません。

 

○前原委員 時間の無駄のようですので。

 越智副大臣にきょうは来ていただいていますけれども、先般の予算委員会で石原大臣にお越しをいただいて、三枚目のグラフをごらんいただいて(配布資料、そして、こういう質問をさせていただきました。

 この三ページは、これは内閣府が出されているものでありますけれども、中長期の経済試算と言われるものでありまして、一番上の表を見ていただきますと、経済再生ケースが上で、下にベースラインケースというのがあります。これをベースに、そして、下の折れ線グラフは、対GDP比で債務残高がどう推移していくのかということが書かれているものであります。

 ベースラインケースだと発散していきますねということが書かれているわけですね。つまり、減りませんと。債務残高、GDP比は減りませんということですけれども、経済再生ケースだと、これだと何かずっと減るように見えていくんですが、そうではないんじゃないですかと。つまりは、その下の債務残高対GDP比が減少する条件というのは、この数式なんですね。

 そして、上の表に戻っていただいて、経済再生ケースの二〇二三年、二〇二四年、二〇二五年、ごらんいただけますか。名目GDP成長率と名目長期金利というのが逆転するんですね。経済成長をするということになると、経済再生ケースですから、経済成長をするということになると金利が上昇する、こういうことになるわけですね。

 そうすると、二〇二二年までは名目GDP成長率というのは高いわけですけれども、二〇二三年以降は逆転していくんですね。逆転していくということになるわけですが、そうすると、もちろん、この条件の式の中の金利というものを名目長期金利で当てはめるというのは、これは少し違うんです。

 つまり、このものではなくて、今まで、例えば国だったら九百兆円ぐらいの借金があって、百兆ずつぐらい借りかえをしますね。そうすると、だんだんだんだん、言ってみれば、安いときに仕入れた金利が、百兆ずつ借りかえていくということになると、景気が回復していくという経済再生ケースにのっとっていくと、だんだんだんだん金利が上がっていくわけですね。

 だから、この名目金利、長期金利というのはある意味で上限であって、数式に入れる金利というのはもう少し低くはなるのでありますけれども、ただ、計算ができないので、ある意味その上限である金利というものを、この名目金利でこの数式に入れると、二〇二三年には二・三七兆円、二〇二四年には七・三一兆円、二〇二五年には七・五三兆円の、言ってみればアッパーのPB黒字をやらなきゃいけない、こういうことになるわけですね。

 しかし、この図を見ていきますと、二〇二六年以降が本当に下がり続けるのかという心配があるわけです。これは発散するんじゃないか。つまりは、日本の借金は莫大ですから、後で黒田総裁と議論させていただくところもそこにあるわけでありますけれども、莫大ですから、発散するんじゃないかというところで、石原大臣に二〇二六年以降のいわゆる試算を早く出してほしい、こういうお願いをしたわけですね。ちゃんと収束するのか発散するのか、この辺をしっかり調べてほしいということを申し上げたわけですが、これについては、いつ内閣府としては出していただけますか。

 

○越智副大臣 まず、政府としましては、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化と債務残高対GDP比の着実な引き下げという財政健全化目標の実現に向けまして、取り組んでいるところでございます。

 そして、中長期試算でございますけれども、これらの目標に向けた改革の進捗状況を点検するということを目的としておりまして、この目的に沿った範囲で試算をお示ししているということでございます。

 そして、先ほどの御議論の件でございますけれども、二〇二六年度以降の試算ということでございますが、この機械的な試算につきましては、先日、二月十四日の予算委員会で大臣からお答えさせていただいたとおりでございますけれども、現在検討させていただいているところということでございます。

 

○前原委員 これは副大臣、そんなに難しい計算ではないと思いますよ。私も、三カ月ですけれども経済財政担当大臣をやらせていただいて、内閣府におりましたのでわかりますけれども、そんなに難しい話ではありませんよ。そんな数十日、数カ月かかるような話ではないですね。

 これについては、例えばある程度区切りを区切って出していただけませんか。そうじゃないと、財政に関する議論とか金融政策に関する議論とかできないんですよ。いかがですか。

 

○越智副大臣 中長期試算の試算期間を二〇二六年度以降に延長するということにつきまして、委員も大臣としての御経験があるのでよく御存じのところだというふうに思いますけれども、十年程度の推計期間を今のところ念頭に置いて作成しているものでございますけれども、推計に必要な前提条件の置き方とかあるいは推計値について、それを延ばすと不確実性が非常に大きくなるということで、まずはここは慎重な検討が必要だということは申し上げさせていただきたいというふうに思います。

 その上で、繰り返しになりますけれども、ちょうど一週間前でございますけれども、大臣からお答えさせていただきましたが、今その慎重な検討が必要だということも踏まえて検討させていただいているところでございます。

 

○前原委員 委員長、どの程度でいわゆる二〇二六年以降の推計値を出していただけるかということについて、理事会で諮っていただいて、そして、その年限を決めていただけませんか。財務委員会として、財務金融委員会として、ある時期を決めて、繰り返し申し上げますが、そんなに時間のかかる話ではありません。したがって、財務委員会として資料をこの日までに提出しろということを決めていただけませんか。

 

○御法川委員長 いつまでに決めるかも含めまして、理事会で協議をしたいと思います。

 

○前原委員 これはできるだけ早く出していただきたいと思います。

 つまりは、来年見直しを、先ほど麻生財務大臣もされるということでありましたけれども、絶対無理だと思うんですよ、二〇二〇年のPB黒字化というのは。これは無理ですよ。努力するとしか今は答弁できないと思います。それはそうでしょう、私がそちらに座っていたらそういう答弁しか恐らくしないと思いますけれども、無理ですよ。

 そのときにどういうような、言ってみれば財政再建計画を立てるかということと今から議論をする金融政策とはかなりリンクしますので、そういう意味では、しっかりとやはりこういったものは早期に出していただきたいということを要望しておきたいというふうに思います。

 出されるということは、石原大臣、答弁されたんですから、しっかりと期限を区切って、早く出すということを越智副大臣からも事務方に指示していただきたいというふうに思います。

 さて、黒田総裁、お待たせをいたしました。

 まず、議論の前提に当たって、いわゆるCPIについて、若干楽観的な見通し、今は低いですけれども、原油価格の上昇ということもあり、CPIは上がるんじゃないかという話がありますけれども、ただ、今までの四年間のCPI、物価上昇を見ていると、円安になってそして物価が上がるということと原油価格、この二つが大きな要因だったというふうに私は思います。

 しかし、トランプ政権になったということもありますけれども、あるいは、マイナス金利つき異次元の金融緩和ということをやられたときから、なかなか為替が動かなくなりましたね。もちろん、為替を円安に誘導するということが目的ではないと思いますけれども、ただ、経済に好循環を与えるという意味においては、円安、結果としての円安というのは非常にプラスに、特に株価などについてはなっていたというふうに思います。個人については、私はマイナスだと思いますよ。

 つまりは、物価上昇と実質賃金というのは完全に、言ってみれば対比になっていましたので、個人の可処分所得においては、むしろ無理やり物価を上げて、名目賃金がそれほど上がっていない中で、そして可処分所得が減っていたということについて言うと、だから、私は、六割を占める個人消費が伸びないんだということの一つの大きな要因になっているというふうに思います。

 為替が円安に振れるということが物価上昇の大きな作用、働きをしていたというふうに思うわけでありますが、これはなかなか、これからトランプさんになって、そして金融政策についてもやりにくいということと、あるいは、もう去年からは金融緩和をしてもなかなか為替にはきかなくなってきた。

 そして、原油価格にしても、一年たったらまた、今一バレルが五十数ドルですね、私は、これ以上なかなか上がりにくいと思いますよ。つまりは、これ以上上がっていくということになると、またシェールオイルがいわゆる採算が合うということになってくるとなかなかそこでまた供給が出てくるということになるわけでありまして、よほど中東で何か大きなことが起きない限りは、私は、原油価格もなかなか上がらないということになってくると思うんですね。

 そうすると、この一年ぐらいは原油価格が上がったことに対するプラス要因が働くということになると思いますけれども、では、その先の一年については、原油価格の上昇というのは横ばいになったらもう織り込み済みになっちゃいますから、CPIに働きかからないということになりますね。そして、円安になりにくいということになると、どうやって二%の物価を本当に実現させるのか、どういう経路で実現させるのか、そのことについてお答えいただけますか。

 

○黒田参考人 まず、為替レートの動きが経済あるいは物価に影響を与えるということは、そのとおりであります。

 ただ、為替レートの先行きというのは非常にいろいろな要素で決まってきますので、IMFの経済の見通しの場合でも、私どもの展望レポートの見通しの場合でも、為替レートの先行きについて、特定の予想をするということは基本的にしておりませんで、過去の一定の期間のレートがそのまま続くということを経済見通しをつくる場合の前提にせざるを得ないわけでございます。

 そうした上で、最近の一番新しい展望レポートを踏まえて申し上げますと、今後、三つの要素があって物価上昇率が次第に上がっていくというふうに見ております。

 第一は、経済成長率が今年度、来年度と一%を上回るような実質経済成長をする、今年度については一・五%程度ということだと思いますが、これは、日本経済の潜在成長率が、内閣府の推計ですと〇・八ぐらい、私どもはまだ新しいGDP統計できちっとした推計のデータがありませんのでやっておりませんが、恐らくゼロ%台半ばぐらいというふうに見ておりますので、いずれにしても、一%ないし一%台半ばといった成長が続く限り、GDPギャップは減っていく、それから失業率もさらに下がっていく可能性がある、こういったことを通じて、物価や賃金を押し上げていくという効果があるということが第一でございます。

 第二に、おっしゃるとおりに、原油価格は今五十ドル台半ばでありまして、昨年の初めごろから三十ドルを一時割るというようなところからここまで来たわけですので、石油価格が物価を押し下げる効果はことしの初めごろにほぼゼロになり、当面若干プラスになってくるということは事実である。

 その先は、これはまた、石油価格については、石油価格の先物市場の数字をそのまま借用するという形、IMFもそうですし私どももそうなんですけれども、そういうふうになっておりますので、その先、どんどん上がっていくという市場の見通しになっておりませんので、おっしゃるように、石油価格の上昇がずっと物価上昇率を押し上げていくという効果がずっとプラスで続くとは言えませんけれども、先物市場の動向を見ても、下がっていくという見通しではないので、マイナスになってくるという可能性は今のところないということでございます。

 したがいまして、石油価格が、これまでマイナスの影響を持ったものがなくなり、当面若干のプラスの効果を持ち、その先はマイナスになることはないということ、これが第二点でございます。

 第三点は、そうしたことで実際の物価上昇率がプラスになって、だんだん上がっていくと、日本の場合は、物価上昇予想というものが過去の物価上昇率に引きずられるという形になっておりますので、物価上昇の期待というか予想も自身も上がっていくだろうということで、この三つの要素から、物価上昇率は次第に上がっていって、今の展望レポートの見通しでは、前回と同様に、二〇一八年度ころに二%程度に達するであろうという見通しになっております。

 したがいまして、この見通しには、何か円安に進むとか、あるいは反対に円高になるとか、そういう為替の予想は入っておりませんで、そういったもとでも物価は着実に上昇率を高めていくだろうという見通し。ただ、念のため申し上げますと、この展望レポートの中でも、経済見通しについても物価の見通しについてもやはり下方リスクの方が大きいだろうというのが委員の大方の見方でございます。

 

○前原委員 いつも総裁には申し上げているように、私は、無理やり二%にする必要はないと思っているんですね。つまりは、私が、先ほど申し上げた、経済財政担当大臣をしたときは、二%は中長期の目標にして、一%以下のプラスの領域、とにかくデフレに戻らないことが大事であって、二%を何が何でも実現するということについては、そろそろ私は見直された方がいいというふうに思います。

 最後の質問になりますけれども、マイナス金利を導入されて一年になりますね。

 これについては、プラス面、マイナス面があると思いますけれども、私は、マイナス面の方が多かったのではないかというふうに思います。

 金融機関のいわゆる、言ってみれば収益低下、それが貸し渋りになって、実質的な金融引き締めにもなっている。あるいは、プラスの面で見られている住宅投資も、結局、不動産バブル的な、アパートに、これから人口が減っていって空き家が多くなるようなものを、無理やりそういったものをつくらせているというようなところでのいわゆるアパートの件数が高くなっているというようなことで、私は、マイナスのが大きいというふうに思います。

 一年たって、これは検証をしっかりすべきだと思うんです。そして、これについては、デメリット、メリットがどうあって、どう検証したのかということが問われるべきだと思いますが、この点についてどう検証されていますか。

 

○黒田参考人 まず第一に、マイナス金利を昨年の一月に導入いたしまして以降、金利が大幅に下がりまして、それが、昨年の前半の世界経済の減速とかさまざまなリスクが顕在化するもとでも企業や家計の経済活動をサポートしてきたという一定のプラスの効果があったというふうに見ております。

 他方で、御指摘のように金融機関の利ざやが縮小しておりまして、特に預貸業務への依存度が高い地域金融機関にとっては収益面の影響が相対的に大きくなっていることは確かであります。ただ、短観その他のさまざまな調査によりましても、金融機関の貸し出し態度は引き続き積極的でありまして、貸し渋りというようなことは今のところ起こっておりません。むしろ、二%台後半の貸し出しの伸びでございまして、このところ少し貸し出しの伸びが高まってきているということであります。

 ただ、昨年の九月に総括的検証というものを行いまして、これは二〇一三年の四月以来の量的・質的金融緩和と昨年一月に導入したマイナス金利の効果を総括的に検証したものでございまして、その中でも、確かに長期、特に超長期の金利が物すごく下がってフラット化したということが、保険や年金の運用などに影響して、マインド面などを通じて経済活動に悪影響を及ぼす可能性があるということも指摘しております。

 そうしたことを踏まえまして、昨年の九月に長短金利操作つき量的・質的金融緩和というのを導入いたしまして、経済、物価、金融情勢を踏まえて最も適切と考えられるイールドカーブの形成を促していくということにいたしたわけでございます。

 したがいまして、御指摘の点は私ども十分認識しておりまして、今後とも、現在のイールドカーブコントロールがどのような影響を及ぼすかということは毎回の金融政策決定会合で議論してまいりたいと思いますが、御指摘の貸し家業に対する貸し出しがふえていることは事実であります。

 ただ、これまでのところ、それがいわゆるバブルのようなことになっているとか、あるいは金融機関の貸し出し態度が非常に甘くなっているということではなくて、金融機関に対しては引き続き、不動産業向け貸し付け、あるいは、おっしゃるようなアパート、マンション建設向けの貸し出しについてはリスク管理をきっちりしていただきたいということは常に申し上げていますし、もちろん金融庁も含めて、こういった点は金融機関とは引き続き十分対話していきたいというふうに思っております。

 

○前原委員 時間が来たので終わります。

(議事速記録より)

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