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◆ 総選挙は来年5〜6月(2007年9月17日 日経ビジネス) ◆

「倒閣のシナリオ」民主・前原氏に聞く

テロ対策特別措置法に代わる新法案が最大の注目点になる秋の臨時国会は、安倍晋三首相の「内閣総辞職も辞さず」との発言をきっかけに、冒頭から波乱含み。参院逆転の勢いに乗る民主党は、一気に政権奪取の足がかりを築けるのか。前原誠司副代表に聞いた。

テロ特措法に関しての安倍首相の発言は、政治家として感覚がズレているとしか言いようがありません。「郵政民営化ができなければ退陣すると大見得を切って総選挙に大勝した小泉純一郎前首相を気取ったつもりかもしれないが、求心力、支持率が違います。

大臣の人選ミスでとっくに辞めていなければならないはずの首相が居座っているのはおかしい。テロ対策関連法案を通してほしいと訴える前に、けじめをつけて、まず首相自身が辞めるのが普通でしょ。どちらにしても内閣は死に体。安倍政権を退陣に追い込むことが今国会の最大のテーマです。

テロ関連法では党議拘束も

現行のテロ特措法は、インド洋上での海上自衛隊による米軍に対する給油活動の根拠となっています。これに真っ向から反対する小沢一郎代表と海上給油を認めるべきという私とは、同じ党でも立場は違います。しかし、そこは議論するしかない。どうゆう結論になっても、政党である以上、党議拘束をかけてでも、まとまって対応することが大事です。その積み重ねが、とかく寄り合い所帯と批判されてきた民主党に対する信頼感を生むことになります。

 国政調査権の発動、問責決議案の提出などの手法も当然、駆使します。参院選では政治とカネ、官の無駄遣いも争点でした。改造内閣発足から一週間で辞任した遠藤武彦前農相の問題は、政治家が公益性の強い団体のトップになり、補助金の甘い汁を吸っていたという点で、無駄遣いを追求する格好の事例になります。

 しかし、国会対決は「いけいけドンドン」だけでは駄目です。内閣の不祥事はもうたくさん、安倍首相は辞めろという世論は多いが、すぐに解散総選挙だという声はそれほどでもない。安倍内閣にノーを突きつけるのと、民主党に政権を任せたいというのは少し別のような感じがします。

 もちろん野党第一党は、小沢代表が言うように、与党を早期退陣に追い込み、解散総選挙に持っていく戦い方が必要です。私も代表の立場にいれば、やはり短期決戦で勝負に出るでしょう。大事なのはその追い込み方です。

なんでもかんでも反対して、法案が一本も通らないなどということをしていたら次の選挙は勝てないかもしれない。有権者はちゃんと見ていますよ、民主党に政権担当能力があるかないかを。

 自民党はそもそも次の選挙を安倍首相で戦おうと思っていない。安倍首相がそんな「自爆テロ」のようなことをしたら、羽交い絞めしてでも止めるでしょう。新しい総理・総裁の下で立て直しを図るわけで、そうなると民主党のマニフェスト(政権公約)がしっかり固まっているか、政権を本当に担えるかが、問われることになります。

民主政権主導で政界再編

 だから政権交代に追い込む戦術と、政権を取った時の構想作りを並行して進めないといけない。年内にも解散総選挙という観測が出ているようですが、私の見立てではそんなに早くはない。2008年度の予算案が通った後、5〜6月ぐらいだろうと思います。

 政界再編で、私が党を割って出る?民主党が政権を取った後ならいろいろな動きが出てくるかもしれません。しかし、今、動くのは自民党を利するだけ。民主党が政権与党になったら、こちら側から仕掛けられますから。

 

(聞き手は馬場完治)

日経BPの許可を頂いて掲載9月27日