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◆「自衛隊は軍隊でいい」(阪急コミュニケーションズ刊『 Newsweek Jpan』2005年10月12日号) ◆

『 Newsweek Jpan』2005年10月12日号)改憲論者の前原誠司・民主党代表(当時)に聞く
野党第1党のリーダーとしてどんな国をめざすのか

衆院選で民主党が大敗してから約3週間。
特別国会が始まり、前原誠司・新代表(当時)(43)の力量に注目が集まっている。
財政改革を討論した先週の衆院予算委員会では、
小泉純一郎首相に民主党案を検討すると言わせて話題になった。
外交・安全保障の論客として知られ、憲法改正に意欲的な前原に、本紙・久保信博が話を聞いた。


―日本をどんな国にしたいか。
尊厳ある国家にしたい。今の日本は、国の経営は借金に依存し、安全保障はアメリカに依存、地方も中央に依存している。何かに依存するということは、自信と誇りがもてない。誇りをもてれば高圧的な態度にならずに、中韓ともうまくつきあっていけると思う。

―大学卒業後すぐ松下政経塾に入り、京都府議を経て国会議員になった。
今のビジョンを語られても、耳学問の上に成り立っているようで説得力がない。
そのとおりかもしれない。もともとは(京大時代の恩師の)高坂正堯先生の『国際政治』を読んで外交や安保に興味をもつようになった。どこか外国で強烈な原体験をした、ということはない。  ただし、政経塾は現地現場主義だった。天安門事件後に中国で2ヶ月間フィールドリサーチをしたし、コメや牛肉をめぐって日米貿易摩擦が激しかったころはアメリカの農家と牧場に2ヶ月間ホームステイをした。日中間で実際に何が問題なのか。アメリカは本当に何を考えているのかを学んだ。

―誇りと自信のある国というのは、自民党の安倍晋三幹事長代理(当時)も言っている。違いがみえにくい。
55年体制的な頭で考えてしまうと、私と安倍さんの違いはみえない。グローバルな視点に立った国益感覚、戦略性が違う。北朝鮮問題でも安倍さんは徹底的に経済制裁論者。私はまず6カ国協議で核問題を解決して、最終的に拉致問題をしっかり解決すればいいと思っている。急がば回れだ。

―自民党にはグローバルな戦略性がない、と。
そうだ。

―外交官など他の職業ではなく政治家を選ばれたのはなぜか。
日本近現代が好きで、坂本竜馬や陸奥宗光、小村寿太郎、広田弘毅らに憧れていた。職業を考える時期に、そういう歴史上のプレーヤーと自分を重ね合わせたのだと思う。

―小さな政府を訴えつつ、弱者救済のセーフティーネットの構築も掲げている。どう両立するのか。
与党と改革競争はするが、小さな政府を競うつもりはない。高齢者、障害者、低所得者、少子化対策。行政改革をするのが前提で、そのうえで必要なところには増税してでも予算をふやしていい。

―憲法9条の2項を削り、自衛権を明記すべきと主張している。
2項には戦力の不保持が書いてあり、現状に合わせるために削除すべきと言っている。集団的自衛権も一部認めるべきだ。周辺事態のような、日本の安全に直接影響が及ぶことでアメリカが動いている場合に、行使できなかったら同盟関係はそのまま終わる。

―自衛隊は軍隊になる?  
それでいい。

―周辺事態とは。
朝鮮半島および日本の周辺で起きる危機的状況。

―定義があいまいで、解釈次第で範囲が広がるおそれがある。
憲法改正と同時に安全保障基本法というのを作り、集団的自衛権の制約要因や選手防衛、非核三原則などを盛り込む。

―改正するには中国や韓国などとの信頼醸成が欠かせない。
それまでに人脈をつくり、安心感をもたれるように努力する。地味だが非常に大切なこと。自衛権に対する考え方は違っても、日本が侵略する意図がないことは事実だし、今の憲法の平和主義と専守防衛に変更がないことを訴える。

―東シナ海のガス田開発をめぐり日中で協議が開かれているが。
この取材の後、中国の担当者と会うことになっていて、もう隣室で待っている。まず開発中止を求め、環境やエネルギー問題など日中協力のパッケージプログラムを示し、その中で共同開発を提案したい。受け入れられなければ毅然とした態度を取るしかない。

以上