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◆プルサーマル計画は一旦、白紙に戻すべき
先日、福井県にある関西電力美浜原子力発電所で、2次系配管が破裂し、作業されていた4人の方が死亡されるという大変、重大な事故がおきました。お亡くなりになられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。しかも、20数年間にわたって定期検査が行われず、20気圧もの圧力がかかりつづける配管の肉厚は極めて薄いものになっていたことが明らかになりました。また、美浜原発のみならず、大飯、高浜でも同様の不具合が事後の調査で明らかになりました。
わが国は、我々が使っている電力の約3割を原子力発電に依存しています。近畿圏に限れば約4割です。従って、原子力発電は現時点においては重要な発電方法であり、安全管理は特に綿密になされなければなりません。この事故を契機として、国内にある52基の原子力発電所の総点検を電力会社に促すと共に、その厳格な管理を経済産業省に求めてまいります。
原子力発電から生じる高レベル放射性廃棄物の処分については、中間貯蔵を行う直接処分と再利用(軽水炉サイクル)するやり方とに分かれてきました。再利用については東海村で一部、残りの多くはイギリスやフランスで行ってきました。直接処分と再利用の処理コスト比較について、政府は国会での数次にわたる質問に対しても、再処理しない場合のコストを試算したものはないと答弁してきました。しかし実際は、再処理費用と共に直接処分した場合のコスト比較を行ったものを平成6年2月に作成していたことが、平成16年7月に明らかになりました。政府が発表したとたん、今までそのような資料はないと言っていた原子力委員会や電気事業連合までもが、直接処分コストと再処理コストの比較資料を持っていたことを次々と明らかにしました。いずれも再処理ではなく、直接処分のほうがはるかに安いという試算になっています。つまりは、プルサーマル計画を進める上で,直接処分のコストのほうが安いと世間に知れるのはまずいとの判断から、経済産業省のみならず原子力委員会,電気事業連合会も共にグルになって、ウソをついて情報を隠しつづけてきたと断言せざるを得ません。情報の隠蔽に関与したという理由で、経済産業省の職員3名が内規に基づき処分されましたが、職員3人の処分で済む話ではありません。国家プロジェクトであるプルサーマル計画を進めるために、意図的に不利な情報を隠していたのであれば、まさに担当大臣が責任を取るべき由々しき問題です。
世界の趨勢としては、高速増殖炉サイクルは言うまでもなく,軽水炉サイクルも放棄し,再処理せず直接処分へと移行する国が多くなっています。しかも、青森県六ヶ所村に建設した総額約2兆円の再処理工場を実際に稼動させれば、少なくとも約19兆円のコストが発生することが明らかになっており,場合によっては総額50兆円を超えるという試算すらあります。使用済み燃料をわざわざ再処理しなくても,ウランの需給関係と価格は長期安定しています。また,再処理した場合に生じるプルトニウムの管理は、核不拡散やテロ防止の観点からも難しい舵取りを未来永劫にわたって行わなければなりません。コスト比較が公表された今こそ,安全性の確保と財政健全化の見地から,プルサーマル計画は一旦、白紙に戻して考え直すべきだと考えます。
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