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第42回衆議院議員総選挙

◆私の視点 民主党代表選「政治ごっっこ」と言われて(朝日新聞・朝刊 2002年9月24日(火))

民主党の代表選挙が23日に行われた。その過程では若手の候補擁立の動きなどが「学級委員の選挙」「政治ごっこ」などと論評された。客観的にそう見えていたのであれば,批判は素直に甘受したい。ただ,一次はこの選挙に出馬すべく準備を重ねた立場から,反省も含めていくつかの発言をお許しいただきたい。

若手の動きで最も批判されたのは「候補者一本化のドタバタを延々と見せなくてもいいのに」という指摘だった。もっともだと思う。一本化するのか,出たい人は出るのか,もっと早く決めるべきだった。全体を仕切る調整役,ボスがいないというのも,その通りだ。

しかし,私はむしろ,そんな若手のあり様を誇りに思っている。今の政治にいたたまれない気持ちを抱く人間が何人も代表選に手を挙げ,それを応援してやろうと仲間が集まった。選挙にかかる費用も同期生を中心に出し合った。それが実態である。

これが自民党であれば派閥があり,ボスがいる。党首選に挑戦しようとしても,ポストやカネ,支援団体の締め付けで切り崩しにあい,必要な推薦議員も集まらないのではないか。われわれ「若手」といわれる議員はいくつかの新しい政治文化を共有しているが,その一つは,「右肩上がり」の時代が終わった後に政界に入ったことである。だから,旧来型の「利益配分」政治への関心は薄い。半面,どうしたら日本経済の下降線に終止符を打てるのか,早く日本社会の将来像を描かなくては,という危機意識が大きい。その結果として,いわゆる調整型が少なく,政策志向型の議員が多いのだと思う。

霞ヶ関の若い官僚が,自民党でなく,民主党から出馬する例が多いこともしばしば注目され,「自民党凋落を感じ取った機敏な動き」と揶揄されたりするが,私はそう思わない。

官界から政界への転身は,時代とともに大きく変化している。かつては自民党から出て出身省庁や関連業界の代弁者になる例がほとんどだった。その後,政界再編もからんで,自民党から出たくとも選挙区事情で別の政党を選ぶケースもあった。しかし,いまは,官僚になって,与党や自らの役所の既得権で政策がゆがめられているのを目の当たりにして,自分が考える政策を政治の舞台で実践したいという動機で転身してくる人たちが大半なのである。

民主党の若手だけが立派だなどというつもりはない。今度の代表選では,知り合いの自民党若手議員の多くから激励を受けた。「頑張ってほしい。野党第一党の党首が若返れば,自民党の長老支配も変わらざるをえないだろうから」という期待だった。

残念ながら,代表選で旋風は巻き起こせなかった。自民党総裁選を盛り上げた小泉首相や田中真紀子氏のような個性的なキャラクターに欠け,「面白みがなかった」と言われれば,その通りと認めるしかない。

しかし,少なくとも私は,今後もそうしたパフォーマンスを磨こうとは思わない。それよりも官僚を制御して政策を実践していく力量をつけることに関心がある。こういうとまた「勉強はしているが,迫力と面白みに欠ける」とお叱りを受けるのかもしれないが。