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◆どうする有事法制 法案作り直し全体像示せ
――有事法制をどう考えるか。
前原:法治国家であれば,平時の時に有事の法を整備しておく。そして,有事には法に基づいて対応することが基本だ。その意味から,ようやく戦後初めて立法化に向けた国会審議が行われたこと自体,極めて遅きに失した。
――民主党として法案成立に協力できたのでは。
前原:民主党は有事法制が必要だという前提に立っている。旧社会党グループの中には異論を唱える人もいるが,党として決めた方針だ。だが,今国会に政府が出した法案はあまりにお粗末だった。最大野党として対案や修正意見を出すべきだと主張する人もいたが,党として,今度の国会では,政府案をどう考えるかということを基本に据えていた。
――政府案の問題点は何か。
前原:有事法制には,自衛隊の活動のような実務的な部分と,国家の対応といった根幹部分とがある。法案はその根幹部分が先送りになっている。さらに,米軍の行動について,外相は「日本の法律を遵守してくれるものと期待している」と説明しているが,それをどう担保するのかという見解も議論もなかった。
――法案が分かりにくいという意見は多かった。
前原:国民の理解を得るには,まず全体像を示すことだ。小泉人気にかこつけて頭出しだけしておくという了見ではなく,時間を掛けてでもきちんとすべきだ。例えば,基本となるべき法案と憲法との整合性,有事に至るまでの様々な危機への対処,民間防衛,米軍との関係など山ほどある。
社民党や共産党は別だが,議論ができる素地はある。だから,今国会だけで成立させるというのではなく,二つや三つの国会をまたいでも徹底審議することだ。
――具体的にどのような法案が必要か。
前原:まず,国家が危機に対処するという前提として,国と地方との関係や国と個人との関係,憲法との整合性などを網羅した基本法が必要だ。その上で国民を保護する法制,自衛隊や米軍の行動に関する法制などが必要だ。
――法案は継続審議だが。
前原:有事法制という必要性のある法律という考え方に立てば,法案を出し直すことが一番いいのではないか。ただ,秋の臨時国会では審議時間が少ない上に,景気問題や補正予算に時間が費やされるだろう。しかも,来年の通常国会になれば,公明党は統一地方選挙が終わるまで有事法制の議論はしたくないと言ってくるのは目に見えている。
正直言って,今回継続審議となったことで,法案成立は厳しい状況だ。しかし,有事法制の火を絶やさないという観点から見れば評価できる。一番だめなのはためにするために,ただ「廃案。廃案」だけを主張することだ。
――これからどうするのか。
前原:小泉首相が本気で有事法制を仕上げるつもりがあるなら政府として来年の通常国会までにはきちんとした法案を作り上げると表明することだ。それには突貫工事が必要だ。そこで全体像を示すことができなければ,結局,有事法制とは何なんだということになってしまう。
すでに国会は解散含みで推移していると思う。だからこそ,法案がうやむやにならないために,政府の中に有事法制の責任部署を設けることが重要だ。
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