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◆対北朝鮮の懸案は「拉致」だけで済まない(「選択」2002.4月号)2/2
〜北朝鮮には毅然とした態度で望むべし〜
確かに、朝銀の融資でよくあるケースは、一般の金融機関が、ある土地や建物を担保に目一杯融資した後に、各朝銀から信じられない金額の追加融資が次から次へと行われるというものです。そして、そのお金が総連へ流れ続けていたのです。
去る2月26日、私は衆議院予算委員会でこの問題を取り上げ、小泉総理、柳沢金融担当大臣らを質しました。柳沢大臣は総連へのお金の流れは認めたものの、総連の指令、つまり組織ぐるみの犯行かどうかについては、自分の所管外との理由で明言を避けました。小泉首相は組織ぐるみか否か調査を約束したものの、いまだ明確な結果報告を政府から受けていません。
現段階では、朝銀に関わる刑事・民事事件はすべて、個人の犯罪として矮小化されようとしています。総連への資金上納問題は、許宗萬責任副議長を頂点とする、まさに組織ぐるみの犯行であるとの事実認識に立つことが、問題解決の第一歩であり、国はこの点をあやふやにすべきではありません。
さらに問題なのは、総連への資金の一部が北朝鮮本国に送金されていたということです。これは私が話を伺った総連元幹部の方々が皆、異口同音に話してくれた事実です。
実名公開を快諾してくれた韓光煕総連元財政副局長は実際、1989年に平壌で開かれた第13回世界青年祭の経費として2億円と50万ドルを自ら持っていったと証言しています。方法としては、新潟と北朝鮮の間を行き来する客船「万景峰号」に現金を持ち込むのです。
税関の目をごまかすため、「万景峰号」に乗り込む在日の乗客150人から200人に、例えば100万円ずつ入った封筒を渡せば、それで1億5千万円から2億円の現金を本国に持って行くことができます。このような手口で、繰り返し北朝鮮に朝銀マネーも含む現金が送り続けられました。
北朝鮮は日本人を拉致するなど、日本の主権を侵害し、安全保障を脅かす問題の多い国です。そのような国に朝銀マネーのような現金が総連経由で送られ、朝銀破綻の穴埋めに我々の税金が1兆円以上も使われるのです。こんな理不尽なことはありません。
小泉総理は予算委員会で私の質問に対して、「本国送金の問題も調査する」と約束しましたが、このような状況を今まで看過ごしてきた政府の責任問題を含めて、国民に納得できるような結論を導くべく、徹底した追及を続けます。
※日本の長期にわたる景気低迷や朝銀破綻などにより、日本から北朝鮮への送金はかなり減少しているようです。その代わりとして現在、北朝鮮の外貨獲得手段の主力になっているのが覚醒剤、ニセ札、ミサイルなどの兵器です。そして、純度の高い覚醒剤が既に、大量に日本で流通しているというのです。
アフガニスタン復興支援会議で東京に来ていたケリー米国務次官補と朝食を共にした際、奄美大島沖で海上保安庁の巡視船と銃撃戦になった工作船の目的は「ドラッグ(覚醒剤)だ」と、彼は断言しました。
実際、工作船がその海域に存在することを自衛隊に知らせてきたのはアメリカでした。アメリカは「悪の枢軸」の一つである北朝鮮上空においては、常に偵察衛星による監視活動を続けているのです。
複数の元工作員の発言によると、日本が工作船に危害射撃を含めた毅然とした対応を取ったからといって、北朝鮮の工作船が日本にこなくなるわけではないようです。
闇夜に紛れて簡単に日本に上陸できるポイントは100ヵ所以上あり、また、覚醒剤を売るというミッションを本国から課されている以上、その遂行のためにはより重武装化したり、あるいは中国の蛇頭と連携して、中国で荷を積み替え、中国漁船に偽装して覚醒剤を持ち込むケースが増えるだろうと警告しています。
さらに、日本国内に数百人単位の工作員が存在していることも、元工作員達は教えてくれました。
有事法制の議論がこれから本格化しますが、有事のみならず、現実に存在するこのような脅威に、着実に対処できる体制、例えば自衛隊に警察機能ではない領域警備任務を付与するなどの取り組みを、今後も続けていきたいと思います。

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