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第42回衆議院議員総選挙

◆不良債権処理に必要な視点

〜痛みを伴う構造改革を政治は行えるか〜

(1)なぜ不良債権処理が必要か

政府・与党は2001年3月6日に緊急経済対策を発表しました。不良債権の原則2年以内の最終処理(直接償却)、銀行の株式保有の制限と公的資金による保有株の買い上げ、土地流動化などがポイントですが、最も重要でしかも難しいのが不良債権の最終処理です。今まで不良債権の処理といえば、銀行が引当金を積んで焦げ付きに備える間接償却が主
流でした。

しかし、間接償却では地価の下落や貸出先の経営悪化などにより、いつまでも出血が止まらず、不良債権処理を終えることができません。不良債権の処理が必要な理由は、存続しうる企業の選別を進め、日本経済の体質改善を図るとともに、経済の血液であるお金をしっかりと流す役割を担う金融機関の再生・安定を図ることになるからです。


(2)産業再生と安全網対策が不可欠

不良債権の直接償却は、主に債権放棄、貸出先の法的整理を意味します。債権放棄もリストラが前提になりますし、法的整理は企業の倒産を意味します。いずれにしても失業者が一時的に増えることは避けられません。従って、企業の育成や再建を支援するなど、新しい雇用を生み出すためのあらゆる施策と、雇用保険の拡充や職業訓練の充実による転職支援などの安全網整備が極めて重要となります。

しかし、政府が発表した緊急経済対策では、この点が不十分と言わざるを得ません。


(3)避けられない銀行への公的資金再投入

更に政府が逃げて触れないのは、銀行への公的資金再投入への言及です。不良債権を処理していけば、金融機関の自己資本比率は低下します。これは融資余力の減少を意味し、深刻な貸し渋りが起こるのは必至です。また、来年の2002年4月のペイオフ凍結解除を目前にして、再び金融機関の選別が進み、金融不安が日本経済の失速を招く可能性も否定できません。

その時は国民に対して、金融機関を救う為でなく、日本の経済を失血状況にしない為の窮余の策として、銀行への公的資金再投入が必要であると政治は逃げずに言わなければなりません。
もちろん経営者の責任追及やリストラ努力(特に高止まりの給与の適正化)、更には再編を促すことが大前提となりますが、政治が大衆迎合に堕ちることなく、本当に必要なことを発言する勇気が正に問われています。