|
◆似て非なる日本と中国 訪中レポート 2/2
また、中国は今後、人口の増大、経済発展の進展によって、食料、エネルギー、そして水資源と深刻な問題に突き当たる可能性が高い。違う国のことだから放っておけば、特に食料とエネルギー問題では、むしろ日本と利害関係・シーレーン(海上航行路)がぶつかることで、緊張が高まることも予想される。インドも含めた中国と共通する問題、つまりエネルギー、食料、水資源などの問題を、日本が現段階から協力して、懸案事項をお互いの協力によって打開を図ることが重要だ。
とにかく、日中関係において、率直にものを言える環境を作っておくこと、お互いのわだかまりをなくしておくことが重要である。今回、訪中して、朱鎔基総理にお会いした。朱総理と議論させて頂くのは2回目だ。私からは2点、問題点を指摘させてもらった。
一つは海洋調査船の問題だ。軍艦による国際海峡等での調査は、冷戦時代のソ連でさえ行わなかった行為であり、自粛するように強く要望した。
2点目は、李登輝前台湾総統の訪日問題で、ビザを発給しないように日本に圧力をかけるのは内政干渉であり、日本が主体的に判断する問題だと述べた。実際、李登輝前総統は副総統時代の1985年に日本に来ており、そのときは公職であったのに中国は文句を言わなかった。中国もそのときの方が余裕、自信があったということなのだろう。
2点とも朱総理には不愉快な議論だったかもしれないが、日本の主張はしっかりと伝え、建設的な部分で協力を強めるべきである。ODA(政府開発援助)にしても、ただ額さえ確保すれば良いという観点から脱却し、軍事費の伸びに対する目配り、中国の他国に対するODAの額、日本の国益に合致する分野への傾斜配分など見直す点もかなりある。
しかし私は、朱総理は中国を本気で改革しようとしているリーダーだと考える。WTO加盟、国営企業改革、そして腐敗撲滅など気の遠くなるような困難にも勇敢に立ち向かっている。従って日本として言うべきところはしっかりと言いながらも、本気で協力すべきパートナーと見做すべきである。
米中の対立か協調かで、日本は一喜一憂するのではなく、アメリカや中国とどのように付き合うことが日本にとって望ましいのかが判っていれば、全く心配する必要はない。要は経済を立て直し、日本の進路を定めることが何よりも重要だということだ。戦略対話や国益に基づいた真の外交ができるよう国政を預かる者の一人として、今後も努力していきたい。
2001年4月9日発刊

|