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第42回衆議院議員総選挙

◆日本の国益を考えない外務省

〜李登輝・台湾前総統への訪日ビザ発給に関して〜


(1) 訪日ビザ発給はもっと早くに決断すべきだった

李登輝・台湾前総統が心臓病の治療目的で訪日ビザを申請した。その後の政府・外務省の対応の混乱には目を覆うばかりである。まず、ビザが申請されているのに「されていない」と発表し、抗議の記者会見を李登輝氏が行うと「確認できていなかった」と言い訳をする。さらに、「発給しない」と一旦は発表しておきながら、最後は発給を条件付きで認めた。まさに朝令暮改の繰り返しである。

私は「李登輝氏が病気でなくてもビザを発給すべきだ」と従来から発言してきた。事実、平成12年(2000年)9月に訪中した際、お会いした朱鎔基総理に直接、「(ビザ発給に関して)中国は内政干渉を行うべきではない」と申し上げた。また今回、超党派の議員で首相官邸に乗り込み、森首相と福田官房長官に直接お目にかかって、ビザ発給を求めた。

私の根底にあるのは「なぜ政府、特に外務省は、中国に対してそこまで配慮するのか」という疑問だ。もし配慮する必要があるとすれば、日本が「一つの中国」論から「二つの中国」に方針を転換する下心があるからなのかと穿った見方さえしてしまう。日中共同声明を尊重し、台湾問題は中国の内政問題であるとの姿勢を堅持するのであれば、台湾の要人にも日本に来てもらい、「日本は台湾の一方的な独立宣言には賛成しない」と堂々と述べればいい。ビザの発給に中国が反発すれば、「日本は日中共同声明の精神を尊重し、その考え方は全く変っていない」と説明すればいいだけである。今回の決定に至るプロセスは、日本外交の戦略性の無さを露呈した汚点と、残念ながら言わざるを得ない。


(2) 国益に基づいた外交とは

今回は、中台問題に日本が発言権を強める絶好のチャンスだった。ビザを早いうちに毅然とした態度で発給しておれば、台湾の人たちから、日本は賞賛をもって歓迎されたであろう。

また中国からは強い反発があるだろうが、日本は中国からの圧力には屈せず、自らの価値判断で決定する国だとみなされたであろう。そして、いざ中台間で緊張関係が起これば、日本は台湾に対して、自重を促す発言権を持ちえただろうし、中国に対しても、台湾とのチャンネルという外交カードを通じて、一定の影響力を持てたに違いない。

しかし、対応を誤った結果、ビザを発給した台湾にも「遅すぎるし条件も付けた。そして中国の顔色ばかり見ている」といって感謝もされないし、しかもビザを発給した結果、中国からは反発だけ受けることになった。まさに最悪の結果である。

中国のご機嫌を伺うことしかできない外交官がいることも「どこの国の外交官だ」と言いたい気分だが、仮にいたとしても彼らを適切な外交方針で導くのも政治のリーダーシップだ。まさに政治の場で、戦略的な外交を組み立てることの出来ない現状が、国益を損ねてしまった典型的な事例である。

平成13年(2001年)4月21日