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◆対北朝鮮の懸案は「拉致」だけで済まない(「選択」2002.4月号)1/2
〜北朝鮮には毅然とした態度で望むべし〜
ブッシュ大統領はイラン・イラク・北朝鮮の三ヶ国を「悪の枢軸」と呼びました。イラクなどには従来、「ならず者国家」という呼び方が使われていましたが、より敵対心を強めた厳しい言葉になりました。
前回のこのコラムで、米ブルッキングス研究所のマイケル・オハンロン氏が指摘されているように、この三ヶ国を同列に扱うことは適切ではありません。特にイランについては、国内の改革派勢力への支持・協力を通じて、私達にとってより友好的な国へと導くべく、日本も地道な努力を重ねることが必要です。
しかし北朝鮮は、「悪の枢軸」と呼ぶかどうかは別として、かなり問題のある国だと言わざるを得ません。今回、「よど号」ハイジャック犯の元妻の証言で明らかになった新たな日本人拉致事件や、昨年末、奄美大島沖で海上保安庁の巡視船と銃撃戦になり、ロケット砲を発射した上に自沈した工作船事案、あるいは、少し前になりますが三陸沖に着弾したテポドンミサイル発射訓練など、我が国の主権を侵害したり、安全保障を脅かす数々の出来事は、決して看過することはできません。
日朝国交正常化は、拉致問題や工作船事案などの全面的な解決が前提となることは言うまでもありません。特に拉致問題は、かなり時間が経過しているだけに棚上げは絶対に許されず、一日も早い解決が望まれます。そのためにも、北朝鮮には妥協ではなく、毅然とした態度で望むべきなのです。
※わが国と北朝鮮の間には、別の重大な懸案事項が横たわっています。いわゆる「朝銀」問題です。
朝銀は主に北朝鮮国籍を有する在日の方々の民族系金融機関であり、信用組合数は最盛期には38を数えるまでになりました。しかし破綻や合併が相次ぎ、現在、経営されているのは朝銀北東、朝銀中部、朝銀西の僅か三組合のみです。
破綻した各朝銀への資金援助額、つまり公的資金投入額は6231億円にも及んでいます(ちなみに国民から非難の大合唱が沸き上がった住専への投入額は6850億円でした)。しかも去る3月20日、4つの受け皿金融機関に移行することが金融庁によって認可された未処理の破綻朝銀はさらに6つあり、債務超過額の合計は4347億円(平成13年3月現在)に達しています。従って、朝銀の最終処理額は1兆円を大きく超えることが確実視されているのです。
金融機関の破綻の穴埋めに1兆円超もの税金を使うことだけでも国民の理解が得にくい話ですが、朝銀には他の金融機関の破綻とは違う、ある特殊な事情が存在します。それは架空融資や借名口座など、様々な不法手段を使って在日本朝鮮人総連合会(以下、総連)へ資金を流し続けてきたことです。
私はこの問題を調べるにあたり、複数の総連元幹部の方々に話を伺いました。「朝銀の人事権は総連がすべて握っている。いわば朝銀は総連の金庫だ」「担保なんて関係ない。希望融資額より多めに貸し付け、浮いた金を総連に献金させていた」等々、生々しい証言が相次ぎました。

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