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衆議院安全保障委員会 2007/03/29

■木村委員長
次に、前原誠司君。

■前原誠司
民主党の前原です。米軍再編の法案を議論する前提として、今の日本の防衛、そして同盟関係のあり方、そして何が足りないのか、あるいは周辺環境の変化あるいは財政状況の制約を含めて、どういった防衛力整備をこれから行っていくのかということを、まず前提に大きなお話をしていきたい。そして、それを踏まえた上で、再編の問題そしてまた具体的な装備等々の問題に入っていきたいというふうに思っております。

防衛大臣、まず、日本が備えるべき脅威、リスク、中期防というものがございますが、五年ごとにそういうものが整備をされて、また防衛大綱というものもあるわけでありますけれども、日本の今置かれている環境、もちろん、刻々と変化をしているものがある。しかし、国としては、存在している国は、周辺諸国においてはそれほど大きな変わりはない。
しかし、中国のように、極めて多くの人口を抱えている国が経済成長を平均一〇%で遂げていて、そしてその裏づけとして、防衛力、軍事力の増強も行っている。また、ロシアも、先ほど長島委員に対して大臣がお答えをされておりましたけれども、ロシアの防衛力の増強というものも、また最近、オイルマネーも含めて顕著になってきている。相変わらず、北朝鮮の脅威、核の問題というのはある。

こういうことでございますが、今、日本が備えるべき防衛力整備の主な柱、防衛大臣として、安倍内閣を支えていかれるに当たって、何を防衛力の柱、防衛力というか、脅威とかリスク、こういうものに対処するための防衛力整備としてやはり柱があると思うんですね。それは今どういうふうにお考えでございますか。それに基づいて少し議論を組み立てていきたいと思います。

■久間国務大臣
確かに、他国の軍事力が増してきた場合には、それに応じてやらなきゃいけないという点はありますけれども、我が国の場合は、やはり、我が国が武力攻撃をされたとき、最低限、我が国としてどれだけのことをしてそれを守るか、そういうようなことで、必要最小限のものは持たなきゃならない、余裕があればもっと持っていいかもしれませんが。

そういうようなことで、それを念頭に置いて、これまでも、実力に応じて、防衛大綱で、そしてそれを受けた形で中期防衛力整備計画でやってきた。そして、それ以外の分については日米安保条約でアメリカに頼ってきた。そういう構図をとってきておりましたから、私は、基本的には、現在もそういうような流れの中で、方向の中でやっておる、そしてそれが我が国としての現在の精いっぱいの努力である、そういうふうに思っているわけであります。

■前原誠司
今、武力攻撃を受けた場合、必要最小限度ということ、そしてさまざまな制約、それは憲法上の制約かもしれません、あるいは財政上の制約かもしれませんが、さまざまな制約の中で、できないところについては日米同盟体制の中でカバーをしていく、こういう話でありました。

では、武力攻撃を受ける場合というのはどういうものが想定されるのか、どういう危機が想定されるとお考えですか。

■久間国務大臣 
他国の軍事力が増強したからといって、私は武力攻撃を受けるというふうには思わないわけでありまして、むしろ、そういう緊張状態があるかどうかということも一つの要素になろうかと思います。

ただ、私たちがやはり気をつけなきゃならないのは、今はなくても、将来そういうことになるようなおそれがあるかどうかとか、そういうのも絶えず視野に入れておかなければなりませんから、そういう意味で、ある一定の防衛力の整備というのは、どんなに緊張状態が緩和されたとしても、そこはやはり避けて通れないというようなことで従来やってきたと思いますので、これから先も、そういうようなことから、最低限の防衛力の整備はやはり必要であるというふうに思っているわけであります。

■前原誠司
具体的に、今の他国の軍事力増強がすなわち攻撃につながるとは限らないということでございますが、しかし、今御答弁されたように、今はなくても将来的なものを考えてあらゆる準備をしておかなきゃいけないということ。

きょうの前半の議論のテーマは、では、そのニーズと制約要件の中でどこまで防衛力を整備するのかというところの議論を私は詰めていきたいと思っています。

それで、足りない分は日米安保。では、日米安保で、アメリカが米軍再編をやっている中で、アメリカはどういう考えでいるのか、日本はアメリカに対して何を頼むのか、そして、頼むだけでは同盟関係はうまくマネジメントできないので、日本は何をアメリカに対して行うのか、やはりそういった組み立てが私は必要だと思うわけです。

今おっしゃったところでいうと、他国の軍事力がすなわちすぐさまは危機につながらないにしても将来的にあり得るということであります。しかし、日本は、北半球の、朝鮮半島が上にあって、中国大陸、ユーラシア大陸が上に控えている。そして、大宗は海に囲まれていて、そして、領土の面積だと世界で五十九番目、しかし、排他的経済水域、領海を含めると世界第六位。非常に広いものをカバーしなきゃいけないわけでありまして、今おっしゃった、何を想定して、あるいはどの国を想定して防衛力を整備するかということは必要だと思うわけです。なぜなら、そんな、ほかのところを考えずに、ある一定の防衛力整備をしたらそれで済むのかという話になるわけですね。

そうしたら、具体的に申し上げましょう。

これはもう衆目一致するところでありますが、北朝鮮のミサイルあるいは核兵器、そういったものがあるからMDをやっているわけですよね。そういうものがなければ恐らくMDという話になってこない。それは、やはり北朝鮮のミサイル、核の開発、大量破壊兵器の開発という現実的な脅威があるから、それに対して対応しなきゃいけないということで、MDを日本の防衛力整備としてやっているわけですね。それについては我々も賛成をしている。北朝鮮の脅威というのでMDをやっている。

では、ほかの防衛力整備の中で、どういった国のどういう危機を想定して考えるんですか。例えば、昔の中期防であれば、大規模侵略、着上陸侵攻を阻止するという考え方の中で、昔の防衛大綱も含めて、累次の中期防でそういう考え方があったわけでありますけれども、現中期防ではこう書いてありますね、見通し得る将来において、我が国に対する本格的な侵略事態生起の可能性は低下していると判断されていると。つまりは、本格的な侵略事態というのは、昔から比べると可能性は低下している、だから防衛力整備を変更するんだ、考え方を変えるんだということが書いてある。

そうすると、今の危機というのはどういうものかということをもう少し具体的に示していただけますか、何が危機で、それに対して備えるのかということを。

■久間国務大臣
前原委員と私とは考え方がちょっと違うのかもしれません。

例えば、ミサイル防衛についても、今でこそ盛んに言われるようになりましたが、北朝鮮の問題が出てまいりましたから。私は、十年前、防衛庁長官のときに、ミサイル防衛についての共同研究をしようじゃないかということで、アメリカから申し入れがありました。そのときは、ステップ・バイ・ステップでいきましょうよと。今はまだガイドラインを決めることが先で、それに基づく新指針を決めていく方が先ですから、そして周辺事態の問題もありますからということで話をしました。

そのときから私の念頭にありましたのは、ミサイルを国が撃つというようなことになった場合は、その国だって、生きるか死ぬかの、日本の場合だったらアメリカが後ろにあるわけですから、そういうことがあるけれども、テロリストに渡ったときには、非常にこれが抑止できないんじゃないか。それで、テロリストがそれを使う場合に対して全く無防備というのはおかしいから、ミサイル防衛システムについては、可能であるならば研究して、開発して、配備したい、そういう思いがあって、あのとき取り組んだわけであります。

そして、それがずっと研究段階から発展してきて、今日、曲がりなりにも精度もかなり高くなったということで配備されることになりましたが、北朝鮮の問題がそれと並行するような格好でぐっとクローズアップされてきたわけです。だから、そういう意味で、特定の国ということよりも、やはりそういう、日本に万一何かあったときにどう備えるかということは絶えず念頭に置いておかなきゃならない。

そういう点では、昔の基盤的防衛力といいますか、そういうような考え方がやはり根っこにあって、我が国の場合は、今、確かに、着上陸作戦をしてくるような、そういうことはないかもしれぬが、やはりシーレーンを通ってずっといろいろな船舶が中東からこっちまで来ていますと、これから先の我が国は、どういうような事態に、何を考えなきゃならないか。そういう事態が発生したときに、そのとき慌てて艦船を整備しようと思っても一朝一夕にはできないわけですから、やはり計画的に、現在の防衛計画の大綱に沿って整備しておくというのは必要でございますので、そういう点で、何か具体的な危機を念頭に絶えず置きながら対処しようとするよりも、むしろ、その国としての規模からいって最低これぐらいの基盤的な防衛力は整備しておく必要がある、そういう考え方で対処しようと私自身は思っていますので、若干その辺は違うのかもしれません。

■前原誠司
いや、違うんじゃなくて、それは、お立場からそう答えをつくらないと失言をしてしまうと。いや、はっきり言ってそうですよ。

十年前からそういうミサイル防衛の話があった。もっと前でいえば、一九八〇年代から、米ソ冷戦のときにアメリカはSDI構想をやってきて、いわゆる大陸間弾道弾をどう撃ち落とすかという構想をやってきて、その流れでこれは来ているわけですから、言ってみれば、それほど、このミサイル防衛というのは昔からある話、今からいうともう三十年近く前から始まっている話。私が大学時代にSDI構想というのが上げられて、そして、そんなもの実現するのかなというふうに思っていた。

しかし、巨額の費用を投じ、そしてまた現実にミサイルの発展もしていく中で、そういう防衛力整備、ミサイル防衛というものが現実に配備されるようになってきた。昔は技術的に確立しないとも言われていた、しかしながら、それが今ステップ・バイ・ステップで技術的にも確立するようになってきた。

考え方が違うんじゃないんですよ。例えば、これはおわかりいただけると思いますが、十年前もそう考えていたのは、それはそれとしてうそはついておられないと思いますけれども、予算という制約がある中で、では何を重点的に防衛費で配分をしていくかということについて考えれば、ミサイル防衛がこれほど整備を着実に進められてきた大きな背景というのは、やはり北朝鮮ですよ。

北朝鮮が、ミサイルを配備し、ノドンミサイル、そしてテポドンということを開発していって、ノドンミサイルは日本の国土をすべて射程に置いている、二百発以上あると言われていますね。そういうことを国民も知っているから、このミサイル防衛に対してお金を使うことについては、それはいいんじゃないかという話になっている。これは、もし北朝鮮がそういうものを持っていなかったとすれば、それは、もともとロシアは旧ソ連からありますよ、中国もある。中国だって日本を射程にしている東風初めミサイルは持っている。

だけれども、日本政府あるいは旧防衛庁、今の防衛省が、ここまでミサイル防衛というものについて着実に予算をとりながら、ほかのものは始末してでも予算をつけてきたというのは、やはり北朝鮮のミサイルの開発そして配備というのがあったからこういうものがなされてきたと私は思いますよ。

したがって、基盤的防衛力整備とおっしゃったけれども、基盤的防衛力も、可変的なものあるいは状況依存、つまりパラメーターが入るんですよ、常に。ミサイル防衛で申し上げれば、北朝鮮というパラメーターが入る。そして、将来的に考えれば、やはり周辺国の防衛力増強度合いというのも基盤的防衛力整備の中のパラメーターに入れていかなきゃいけない。つまりは、絶対的な、普遍的な基盤的防衛力整備というのはない。

やはりそこは相対的なものとして基盤的防衛力整備もやっていかなきゃいけないというときに、では、その相対的なものとして、私は北朝鮮の話をしましたけれども、今はなくても将来あるかもしれないということになれば、大臣のお考えで、基盤的防衛力整備だったらどういうものがあり得べき危機なのか、中期防で書いてあるのは、着上陸侵攻の可能性は減ってきている、では、どういうものに対する脅威に対応するための防衛力整備をしていくのかということは、ちゃんと防衛大臣として説明されないと私はいけないと思いますよ。

■久間国務大臣
いろいろな緊張状態を余りあおるのもいかがかと思いますけれども、海なら海を想定していきますと、これから先、各国が海軍力の増強等をやってまいります場合に、思わぬ衝突だってないわけじゃありませんから、そういうときにちゃんと対応できるかどうかということを考えながらこちらとしても整備しなきゃいけないというのは、それはわかります。しかし、余りそれを強調しますと、何か知らぬ、いろいろなところで、島をめぐってあるいはまた地下資源をめぐっていかにも衝突が発生するかのような印象を与えるということは、国民に違ったシグナルを送るわけであります。

今、我が国は、北朝鮮とはちょっと国交がありませんけれども、ほかの各国とは、防衛交流を通じながら、あるいはまたいろいろな機会に、もう少しオープンにして、手のうちを明かして、どうですか、お互いが猜疑心を持つというのが一番よくないことですよというようなことを語りかけながらやっておりますので、特定の国を意識して防衛力の整備を進めているというような状況にはないということを強調したいわけであります。

■前原誠司
おっしゃっていることもわかります。つまりは、日本は、人口減少社会に入って、莫大な借金を抱えていて、そして少子高齢化が進んでいる。皆さん方からお預かりした税金をどのように使っていくのかということの中で、先ほど御答弁もありましたけれども、防衛力整備にそれほど、シーファー大使はもっと防衛費を上げろということをおっしゃいましたけれども、私も、今の日本の置かれている状況を考えれば、できるだけ各国との信頼醸成をする中で平和的な環境をつくり上げて、借金もあるし、そしてまた人口構成も考えれば、もう少し社会保障あるいは教育、そういったものにお金を使っていかなくてはいけないし、防衛力というもののみにお金を使っていくということについては極めて問題があると思います。

したがって、向こうがこれだけ防衛力を整備したんだからこちらもやらなきゃいけない、そういう単純な思考ではいけないとは思いながらも、ただ、それプラス、しかしその周辺国、明確におっしゃらなくて結構ですよ、島とか地下資源とおっしゃったので大体わかりますけれども、先ほど私が申し上げた中国一つとってみても、十九年間連続ですかね、十八年かな、一〇%以上の防衛費の伸びを行っていて、しかも領土に対する考え方が違うわけですよ。我々は、尖閣は固有の領土だと思っているけれども、向こうは向こうで自分の領土だと思っている。実効支配は我々がしている。それによってまた、排他的経済水域とか大陸棚の問題も考え方が違ってきているわけですね。

そうなると、向こうは衝突じゃない、具体的に申し上げますと、中国は衝突じゃないと思っていても、こちらが手を抜いて力の空白になるようなものをつくっていけば、そうしたら、尖閣を占領したって向こうは反撃してくる力はないなと。あるいは、排他的経済水域、今は中間線の中国側で何とかぎりぎり、地下ではつながっているものを吸い上げているかもしれないけれども、まだ自制心を保って中国は排他的経済水域の中間線の中国側でいわゆる開発を行っている、生産を行っている、しかしそれが、我々が力の空白、真空とも言えなくても真空状態に近いようなことになってくれば、つまり、向こうの軍事力増強にある程度合わせた軍事力増強、後でお話しする米軍との協力も含めてでありますが、そういった努力をしてこなければ、間違ったシグナルを送る、あるいは向こうが間違ったふうに解釈する。そして、これは、いわゆる力で、いわゆる主権、実効支配というものを行うことも可能であるということになり得ると私は思うんですね。

その意味で、違った観点から質問しますが、今の日本の主権というものは少なくともしっかりと守るというものが、一つの、絶対的なとは申し上げませんが、基盤的防衛力整備の考え方であるべきだと私は思いますけれども、その点についてはいかがですか。

■久間国務大臣
それは全くおっしゃるとおりでありまして、それと、今の状況でそういうことがないということに、そういう状況下ではないというふうに判断しても、国内の政治情勢の中でそういうようなはけ口を、対外的にいろいろな敵をつくることによって国内をまとめるということは、過去の歴史においてはたくさんあったわけでありますから、そうなったときに、こちらが、空白じゃないにしても脆弱だと見られると、それが利用されることがあるわけでありますから、そういうことのないように、必要なものはこちらもちゃんと備えておかなければならない、それはもうおっしゃるとおりだと思います。

それをどの程度するかは、そのときそのときの政治情勢、経済情勢、いろいろなことで決まるかもしれませんが、私どもは、そういう点では、これから先も引き続き、我が国の防衛力の整備については最大の関心を持ってきちっとしていかなきゃならない、そういう姿勢は持っているところであります。

■前原誠司
少し今の議論を詰めて、具体的にお話をしたいと思うのであります。

では、今大臣が御答弁されたように、我が国の主権、領土、領海、領空、排他的経済水域、そういうものはしっかり守っていくんだ、こういう御答弁、それでよろしいんですね。そういう前提で考えて、しかし、考え方の違う隣国がある。もちろんうまくつき合って、良好な関係を、外交も含めてやっていかなきゃいけない、あるいは防衛交流も含めてやっていかなきゃいけない、それはもう全くおっしゃるとおり。

ただ、そういう、こちらは脆弱であるとか、真空までいかなくても力の空白というものがあいたように見せるということは非常によろしくない。しかし、向こうは大幅な海軍力、空軍力の増強をやっているということの中で、こちらもやはりしっかりと、それに対応したある程度の、日本独自の努力と、そしてアメリカとの協力関係、そういうものをしっかりつくっていかなくてはいけないと思うわけであります。

まず、制空権ということについて考えたときに、F4の後継機の議論をこの中期防の中でやらなきゃいけないですね。具体的には、これは平成十九年度中にということの機種選定であったような話だったと思うんですが、恐らく来年にずれ込むんですかね、機種選定は。今どういうふうにそれは、F4の後継機については、現中期防で決めて予算化しないと間に合わなくなりますけれども、そのぎりぎりのタイムリミットはどう考えておられますか。

■久間国務大臣
その辺の、時間との関係についてはまた事務方から聞いてもらっていいですけれども、今アメリカとヨーロッパの方に調査団を出しているのも、やはり次期のそういう後継機を決めていかなきゃならない、そういう状況にあるというのはおっしゃるとおりでございまして、そういう方向で動いているわけであります。

■前原誠司
事務方で結構ですので、タイムリミット、つまりは、いつまでに機種選定をしなきゃいけないのかという、そのデッドラインを教えてください。

■大古政府参考人
F4EJの後継機でございますので、その耐用年数の関係から、平成二十一年度に着手しなきゃ対応できないということになります。そういう意味では、予算的には、平成二十年の八月に概算要求をするとすれば、それまでには機種選定を決める必要があるということになると思っております。

■前原誠司
ですから、来年の概算要求、来年というか平成二十年度ですね、平成二十年度の概算要求には間に合うように機種選定はしなきゃいけない、こういうことであります。

私は、これは戦闘機じゃありませんが、艦船について言えば、やはり日本はイージス艦を買ってよかった。一隻は非常に高いし、メンテナンスもかかりますけれども、いろいろな将来を考えておいて、そういう能力の高いものを買っておく必要性というのはやはりあったというふうに私は思うわけですね。ですから、そういう意味では、このF4の後継機についてももちろん、今専門家の方々がいろいろな機種選定をされているというふうなことを聞いておりますし、今この場で大臣の具体的なお考えを聞くというのは、仮に腹に持っておられてもそれはなかなかおっしゃれることではないというふうに私は思いますけれども、しかし、少なくとも、イメージとしては、先ほど申し上げたように、中国あるいはロシアというのが経済成長を背景に軍事力を増強する。ロシアも、石油の価格が上がったことによって財政黒字である。

実は、この間、二月の二十六日に小松の基地に視察に行きまして、スクランブル発進がまたふえてきていると。冷戦時期から減って、そして中国向きがふえて、一定の、ある程度の推移をしていたのが、またふえてきていると。どこの国だと聞いたら、ロシアなんですね。ですから、またロシアの活動が日本海近辺でかなり活発になってきている。そういうことを基地司令はおっしゃっておりました。

そういう意味では、やはりいいものを、私は、第五世代、ステルス性のあるもの、そしてまた超音速、そういうものを持っておかないと、そういった周りの国々、別に事を構えるというわけじゃないですよ、何度も申し上げますけれども、事を構えるということではないけれども、こういうものは十年、二十年、また一遍買ったらこれは長く使うわけですよね。そういうふうなことを考えたときには、やはりよりいいものを今のうち買っておくという発想が必要だと私は思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたい。

■久間国務大臣
いいものを買えればそれにこしたことはないからいいんですけれども、いいものというのはまた値段的にも高いわけでありますから、これから先の我が国の環境がどうかということも念頭に置かなければならないと思います。財政力の問題、財政再建の中で、今、ミサイル防衛その他も新たに加わってきて、大変厳しい状況にありますから、そういう状況の中で、いいものというのは高いものでございますだけに。

それと、もう一つ考えなきゃならないのは、防衛産業の場合は、それの民間に及ぼす影響といいますか、民生部門に及ぼす影響も非常に大きいわけでありまして、そういう点では、ライセンス生産等が可能かどうかとか、そういうのも長い目で見たときには大変大きいわけであります。

例えば、今、日本で、たしかアメリカの旅客機の四六%ぐらいの部分を日本で生産しておりますね、民間機の。あれなんかも、やはり最初、いわゆるライセンス生産でやっていたうちの翼について、我が国で開発した機材を使い始めたということから我が国が非常にそれが伸びていった、そういう経緯もございますから、そういうのも一方ではまた、これは防衛産業じゃありませんけれども、防衛の立場じゃございませんけれども、国としては考えなきゃならない。いろいろな意味で、そういういろいろな要素を加味しながら、これから先のそういう機種選定等については絡まっていくんだということも御理解賜りたいと思います。

■前原誠司 
後で質問しようと思っていましたが、武器輸出三原則のことも絡んでくると私は思うんです。

今おっしゃったことは大事なことです。つまりは、国内の防衛産業基盤をどうある程度維持しておくか。つまりは、ライセンス国産等々を行って、まあそれは、理想は国産ということ、これはなかなか非現実的。今までライセンス国産というのをやってきて、我が国の防衛産業の基盤をある程度は維持してきたということでありますが、しかしながら、いいものについては価格が高いということで、それと、ライセンス国産にすればもっと一機当たりの単価が高くなる、こういうことが想定されるわけですよ。私が申し上げているのは、単に輸入するというのと、ライセンス国産でそれをつくるというものについて言えば、ライセンス国産の方が一機当たりの値段は物すごくはね上がってくる、こういうことになるわけですね。

ですから、いいものを買う、でも大臣、そのライセンス国産も含めて、防衛産業基盤というのをしっかり持たなきゃいけないということをおっしゃいましたけれども、ただやはり、戦略環境の変化、あるいは将来、未知の日本の置かれる状況、そして、先ほどもお話をさせていただきましたけれども、とにかく日本の主権は守るんだ、制空権あるいはいわゆる領域、制海権も含めて、そういうものはしっかり守っていくんだということであれば、当然ながら、いいものを買っておかないと、向こうは第四世代から四・五、第五というのに来るのはもう目に見えているわけですから、そういう意味では、やはりいいものを買わないと、そういった、先ほど守るとおっしゃった日本の主権が守れなくなるんじゃないですか。そこはやはり一つの大前提として押さえて機種選定は考えなきゃいけないんだと思いますが、いかがですか。

■久間国務大臣
それはもうおっしゃるとおりで、やはりいいものを持っておかないと、相手の性能よりもこちらが、同レベルならともかくとして、数段落ちるんじゃまた困るわけであります。

それと、先ほど、国産じゃない、外国のものを買った方が安い、ライセンス生産だったら高いと言われましたけれども、一つには、やはり、研究開発に物すごく金がかかっている、その段階に日本は参加していない、そのために、後できた部分を高く買わされるという点もあるわけで、これから先のそういった装備についてやはり研究開発段階で一枚かむということが、武器輸出三原則で今禁じられておりますけれども、果たして妥当なのかどうか。どっちみち外国から買うわけですから、研究開発の段階で加わっても、日本がその買ったものを外国に売るわけじゃないんですから、私は、それはもう少し考える時期に来ているんじゃないかなという思いもいたしております。

いずれにせよ、これは今度のF4の後継機については間に合いませんけれども、これから先の姿勢としては、そういうこともこういう場でいろいろと議論してもらいながら研究していくことが大事なことじゃないかなと思っております。

■前原誠司 
まさに、それは後で議論しようとしていたことです。

この武器輸出三原則、これは久間大臣の方が大先輩でいらっしゃいますし、その経緯はよく御存じだというふうに思いますけれども、何で武器輸出三原則というのかというと、初めは、国連決議があった場合、対共産圏、それから紛争中の国、この三つには武器を売っちゃいかぬというだけだったんですね。それがだんだんハードルが上がってきて、すべての武器が輸出がだめという話になって、あげくの果てには、海外で自衛隊が訓練するときにもこれは武器輸出に当たるんじゃないかという議論が国会の中であったという話で、本当に、どんな国会議論をしていたのかなというふうに私は思うわけであります。

それはもちろん、武器輸出三原則はもっと厳密に、厳しくすべきだというお考えの方もおられるでしょう。ただ、この武器輸出三原則というものは、今おっしゃったように、もうこれはF4の後継機には間に合わないんです、今おっしゃったって。この武器輸出三原則を見直しをして、そして制度設計を変えた上で入っていかなきゃいけない。例えばF35、ジョイント・ストライク・ファイターなんかも、欧米で共同開発をやっていますけれども、ああいうものに入れてなかったというのは、私はやはり残念なことだと個人的に非常に思っております。

そういうことを考えると、先ほどの、いいものを持つべきだ、しかしコストの問題がある、そして国内の防衛産業の基盤をどう維持していくかという問題もあるということを考えた場合には、行き過ぎた武器輸出三原則、つまりは当初の三原則に一たんまた戻すということも、私は、うちの党内にもいろいろ議論はあると思いますよ、しかし、やはりしっかりこれは議論をしないといけないし、決して我々がむやみやたらに武器を売るような国になるという話ではない。やはり当初の精神の武器輸出三原則に戻すということはしっかり議論しないと、先ほど申し上げた財政上の制約、そして周辺環境の変化の中でいいものを持っておかなきゃいけないということ、そしてまた、防衛力整備というのは金もかかるし時間もかかるということを考えたときには、これは本当に大きなボトルネックになっているというふうに私は思います。

先ほど御答弁されましたけれども、私は本則に戻すということも含めて見直すべきだと思いますが、大臣のお考えをお伺いいたします。

■久間国務大臣
おもしろい話でございまして、これは、本則に戻すと言われますけれども、そもそも本則がなくて、佐藤内閣時代に、東西冷戦の中でとにかく共産圏にやらないというふうに決めておったのを、三木内閣当時になって、要するに死の商人にならないというような趣旨からやったことに非常に縛られ過ぎてしまって、今日に至っておる。

私が防衛庁長官のときに、とにかく新聞記者も一緒になって掃海艇で湾岸に行くという話のときに、ガスマスクを持っていくのが武器輸出三原則でできないという話になりまして、そんなばかな話があるかと言ったんですけれども、これも武器だからだめだということになって、結局、持っていって持って帰るから輸出じゃない、そういう理屈のもとに持っていったわけであります。

あるいは外務大臣が、とにかく地雷の除去で、カンボジアでこれを手伝おうというときに、自衛隊がそれをすることについてはやはりいろいろな意味で難しいから、自衛隊のOBさんがNPO法人としてやる。しかしそのときに、自衛隊が日本国内で使っているものを持っていってやるなら、それは非常に使いなれているしいいじゃないかという話になったけれども、これは武器だからだめだとなって、その後いろいろな議論の中から、地雷除去のための地雷探知機は、これはいいということに、外されました。だから、ケース・バイ・ケースで、いろいろ外してもいっているわけです。

あるいは、私はよく言いましたけれども、中国で、昔の化学爆弾といいますか、遺棄爆弾があるでしょう、それについて除去するために、その工場を建てて爆破させて処理する、その施設については、持っていかなきゃ日本は手伝いをやれないじゃないかという話をしましたら、それについては、一応武器じゃないという形で、武器じゃないといいますか、外してもらいましたけれども、何かそういうこと一つ一つのケースをとってみても、必要以上に身動きがとれなくなってしまっている。

しかも、これは法律じゃなくて、官房長官談話でそれをやっているわけでありますから、こういうような形で、仮にこれは、逆に縛る格好になっていますからいいのかもしれませんけれども、緩めるんだったら、緩めたり縛ったりするのを、そういうような官房長官談話でやること自体の仕組みそのものが、武器輸出三原則という今の、みんな金科玉条にしておりますこれ自体の決め方そのものが、果たして今までのこういうやり方でいいのだろうか。ここまではいかぬならいかぬと、むしろきちっとするべきであって、もっと緩くするなら緩くするという、法律とかなんとかならともかくとして、全く官房長官談話一つでそれができるような仕組みそのものが、果たして法治国家としての日本の中でいいのかなという疑問を前から持っておりました。

しかしながら、我々は政府の一員でございますから、従来から政府が踏襲しているその制度について、それはそれで機能しておりますだけに、現在はそれを踏襲しているわけであります。

■前原誠司
でも、機能はしていないんですよ。機能しているとおっしゃったけれども、機能していない、問題は起きているわけですね。

やはりこれは、大臣、政治家として見直すべきは見直すと、さっきおっしゃったわけですから、そこはしっかりと、本来の、本則という言い方はおかしいのかもしれません、官房長官談話でいろいろ縛っていっているわけですから。ですから、私なんかの考え方は、武器輸出三原則と非核三原則とかそういうものは、将来的には安全保障基本法みたいなものをつくってその中に書くというのがいいと思っていますけれども、今の官房長官談話で縛っている武器輸出三原則については、やはりこれは見直す必要があると私は思います。

その点、どう思っておられるか。先ほどおっしゃっていますが、もう一度しっかり答弁してください。

■久間国務大臣
現在はあの談話で機能しておるわけでありますから、それを私は踏襲しております。

今の政府としては、現段階であれをまた変えるという予定はございません。

■前原誠司
えらい急に慎重になりますね。

いや、だから、今はそれはそうですよ。今は、防衛力、先ほど議論したとき、さっきと全然違うじゃないですか。

■久間国務大臣
先ほどからるる言いましたように、そういう意味では、問題点としてはいろいろな問題点があるということを述べたとおりでございます。

しかしながら、今政府の方針としてあの武器輸出三原則を、官房長官談話を変える用意があるかどうかとなりますと、まあ、河野談話じゃありませんけれども、談話としてあるいは官房長官談話としてでもそれが制度的に機能しておるとなると、現在その制度を受けて動いておるわけでございますから、内閣の一員としては、その中で行動しておるわけであります。

■前原誠司
それはそうでしょう。それは当たり前の話で、ただ、私が聞いているのは、今後見直していくべきだと考えておられるかどうかですよ。今のものは、それは尊重しないと、閣内のメンバーですから、それはそうでしょう。だけれども、先ほど御自身で、いろいろな不都合がありますねとおっしゃったでしょう。だから、それを見直していくべきだと考えておられるかどうかですよ。

■久間国務大臣
それは官房長官の談話でありますから、官房長官に聞いていただかないといけない。防衛大臣にそれを、人の談話を変えるか変えないかと聞かれても、その談話は、その当事者がそういうふうに言って、しかも内閣としてはそれを一応踏襲しておるわけでありますから、それ以上の答弁はできないわけであります。

■前原誠司 
大臣、そんな守りに入らないで、変えるべきことは変えると。我々、いつでも政治家も大臣もやめるという気持ちでやはりやらないかぬですよ、変えるつもりでね。だから、そこはそんな守りに入っちゃいかぬですよ、大臣。

ですから、官房長官談話だから自分が言えないとかそういうのは全くおかしな話で、今、私、憲法六十六条はおかしいと思っているんですよ、閣議決定というのは全員で決めなきゃいけないというのはおかしいと思っていますが、大臣は閣議の発議ができますから、議論することも。先ほどの問題意識を持っておられるのであれば、しっかりとそういうものを見直していかないと、それは日本の将来のため、安全保障のため、ぜひ先ほどの答弁を忘れずに頑張っていただきたいというふうに思います。

これ以上詰めたって恐らく同じ答弁しかされないと思いますので、もう一遍、ちょっと大きな話に戻ります、きょうの米軍再編の話を含めて。

もう一度整理します。私が申し上げたかったのは、日本が備えるべき脅威、リスクというのはどんなものがあるんだと。先ほどもおっしゃった、北朝鮮を含めてのミサイル、それから、可能性は低くなったといってもやはり本格的侵攻はあるかもしれない、こういうものにちゃんとやはり備えなきゃいけない。それから、島嶼侵攻、そして排他的経済水域をどういうふうに守っていくか、こういうようなこと。

それから、あとは、これは今から議論をする、アメリカがトランスフォーメーションをやっていることの大きなポイントになってくると思いますけれども、大量破壊兵器の開発、拡散、そしてテロ、また、それが結びつくことの脅威、こういったものをどのように、防衛という枠だけのみならず、例えば、入管でしっかりやるとか、海保で水際でしっかりやるとか、そういうことも含めて、しっかりとそういうものをやっていかなくてはいけない。

恐らくそういうぐらいかなと私は思うんですね、防衛大臣としてしっかりと考えておかれなければいけないことについては。

そこで、日本の考えるべき問題としてはそうだ、ではアメリカはどうなのか。これは予算委員会でもちょっと議論させていただきましたので、余り重複は避けたいと思います。

私の申し上げたかった趣旨は、アメリカが九・一一テロの前からトランスフォーメーションというのをやっていて、これはラムズフェルド長官が国防長官になられたときから、常に米軍再編というものを考えていかなきゃいけないと。それはやはり、ソ連の崩壊、そしてならず者国家というものを含めた、対称的な脅威から非対称的な脅威へ変わってきたということ、そしてまた、先ほど申し上げた大量破壊兵器が結びついて、それがテロ組織なども安全保障上、防衛上の脅威になってきた、それに対応しなきゃいけない、こういうこと。

それから、RMAというのがあって、これはアメリカのみならずいろいろな国でRMAが起こってきて、そして前方展開とか、あるいは運搬手段の開発、あるいは技術の飛躍的な進歩というものもあって、先ほど事前集積の話も出ていましたけれども、別に基地を前線に置いておいてそこで対応しなきゃいけないということではなくて、できるだけ本土に近いところに置いておいて、そして隊員の安全を守ると同時に、デリバリーの能力が上がったことによって即応展開というものもしっかり可能になっていくということが、RMAの背景で防衛力の整備の変化も出てきているというところがこのトランスフォーメーションで大きいんだろうというふうに私は思うわけであります。

そこで、私が思うのは、米軍再編というものと基地再編を混同していないか。つまりは、米軍再編で行われる基地再編と日本の都合で基地再編するもの、あるいはSACOというものがうまくいかなかった、つまり宿題がそのまま残っていてそれをこの中に入れてきているもの、私、三つカテゴリーがあると思っているわけですよ。

実際問題、米軍再編で基地の再編を行いましょうということと、それから日本の都合、これは例えば厚木の艦載機を岩国に移すというのは典型的な例だと私は思います。これは別に米軍再編のニーズに基づくものじゃなくて、やはり厚木の危険性、騒音問題というものがあるし、岩国の沖合展開ということの中で、そっちに移した方が、岩国にとっては負担増になりますけれども、しかし、トータルとして考えれば、より危険を減少させ、そしてまた安全性も向上させる、こういうことになるというふうに思うんですね。あとは、先ほど申し上げた普天間の問題、これは私もずっと関心を持ち、また、これには関与した時期もありましたので、非常に思い入れのある問題でありますが、できていないわけですね。だから、そういうものが混在をしていて米軍再編という話になっているということ。

ですから、ここは一たん、米軍再編という言葉で一くくりにせずに、米軍再編にかかわるもの、それから日本の都合で、例えば訓練移転なんかもそうですよ、これはやはり嘉手納の負担軽減ということが、沖縄の負担軽減というのがかなり大きな話になる、それからSACOの宿題、こういうものに整理して議論した方がいいというふうに私は思いますが、これは少し分けていただけませんか。

■久間国務大臣
全体的な米軍再編の問題は、アメリカの米軍の再編の一環でありますから、我が国にとっては、米軍再編が行われるに当たって、言うなれば駐留米軍の再編もあわせて行ういいチャンスが来たということで、沖縄の、先ほど言いましたけれども、SACOで合意しておった内容を、この際、こちらもちゃんとやるから海兵隊もグアムに八千人行ってくれというふうに言って、向こうの方もそれに乗ったということでございますから、米軍再編に機を合わせて駐留米軍の再編を我が国としては申し入れをしたというふうに理解していただければいいと思うんです。

それと、いわゆる厚木のものが岩国に行くのは、簡単なようでございますけれども、厚木でやっているのは非常にうまくいかないけれども、要するに、空母が日本にはいなきゃならない。そうしたときに、やはり艦載機の離発着の訓練をやる。ところが、三宅島がうまくいかなくて硫黄島でやったけれどもうまくいっていない。だから、それもどこかでNLPをやらなきゃならない。それは我が国として準備しますから、岩国に移ってくださいと。

やはり、向こうの米軍再編あるいは駐留米軍の再編に絡ませた形で、こちらとしても負担の軽減を図るいいチャンスだと思って、そしてそれをとらえたわけでありまして、今度出しておりますのは、米軍再編の法律じゃなくて、駐留米軍の再編に伴って負担を増加する、あるいはまた日本が負担をする、それについての法律を出している、そういうことでございますから、ばらすんじゃなくて、むしろそういう形で、駐留米軍についての、そこに視点を当てて今度の法律もつくっているし、考え方として日本は出している、そういうふうに理解してもらった方がいいと思います。

■前原誠司
なぜ私がそういうことを申し上げるかというと、だれが負担する話なのかということを明確にするためなんですよ。米軍の都合という言い方をするとちょっと突き放した言い方になるかもしれませんが、米軍再編によって日本における基地再編もしていきたいということ、米軍からの要請がある場合ですよね、一つは。

それと、日本が、いわゆる米軍再編をまさにお願いする場合。先ほど申し上げた厚木から岩国、艦載機の移転というのはそれに当たるんだというふうに私は思います。そしてまた、普天間を危険な空港だからということで違うところに移すというのも、これは日本が一義的に負担をすべき話だというふうに私は思っております。

ただ、私は、この間の予算委員会でも申し上げましたけれども、だれが負担をするのかということを考える上で、先ほど申し上げた米軍の都合、米軍のニーズによっての基地の再編と、我々が求める基地の再編というものは、おのずとだれが一義的に金を払うかというところで変わってくると思うんですよ。だから仕分けをした方がいいということを私は申し上げているわけです。

その上で、今まで累次答弁をされてきていますが、グアムの移転費用について申し上げれば、私は、もちろん、日本が要望したということをおっしゃっていますけれども、アメリカのトランスフォーメーションの中での考え方が違って、つまりは引く環境は整っている中で、言ってみれば、日本からも話があったし、だけれども、自分たちは余り金を払いたくないから日本から言ったということにしておこう。簡単に言えばそういう話だ、外交交渉だ、そう私は思うんですよ。

ですから、そこは今後のトータルの資金負担をどうするかということも絡めて、少し明確に、どちら側が要望して行うことなのか、どちらのニーズで一義的に行うものなのかどうなのかということを仕分けしておかないと、負担の問題で、今後、国民の理解の得られないケースが出てくるのではないか。

ですから、私は、今回のグアム移転についても日本が負担をし過ぎだとはっきり言って思いますよ、正直言って。政府の立場としてはどう考えられるかわかりませんが、私は、もちろん日本が全く払わなくていいというふうには思いませんよ。思わないですけれども、ただやはり、先ほど申し上げたアメリカの九・一一テロの前から、アメリカは米軍再編、トランスフォーメーションということを常にやっていて、この間予算委員会でも申し上げたように、これはもうこれからも常にやっていくんだ。つまりは、世界環境の変化、アメリカがどこに利益を考えるかどうかによって、常に米軍再編は日常茶飯事のこととして考えていくんだというのが、やめられましたけれどもラムズフェルドの言葉だったわけですよ。

ということを考えたときに、話をもとに戻しますが、どちらが負担をするかというのは大事な問題。日米同盟関係というものを維持していくために日本が譲歩したと見えたら、それは日米同盟関係に対して中長期的に非常にマイナスですよ。そうなると、しっかり日本の立場も主張する中で負担が決まったという形にしなきゃいけない。だから、私は、そういう仕分けをすべきだというふうに考えているわけです。

もう一度お尋ねしますが、二つ。

グアムへの海兵隊の移転の問題というのは、アメリカのニーズにも合っていると思われませんか、トランスフォーメーションの。それが一つと、あとは、もう一度御答弁いただきたいのは、きっちりそういう意味での仕分けをする、どちらが一義的に負担をするべきかどうかの問題について仕分けをするために、カテゴリーを示すということが大事だと思います。

この二つを御答弁ください。

■久間国務大臣
先ほどから何回も言っていますように、グアムへの移転というのは、アメリカとしてもそれなりの理屈があって移動するわけで、我が国としてはそれに乗じたといいますか、そういう形でやっているわけでありますね。

だから、額賀大臣のときに、ラムズフェルドさんとかなりの激しい交渉の中でその負担割合が決まったというふうに伺っておりますけれども、やはり私は、決めた決着の仕方というのは、割とそういう中では知恵を出したんじゃないかと。全体が百二億ドルで、そのうちの六割を日本が負担するかのように言われておりますけれども、日本が真水で負担するのは二十八億ドル、アメリカはそれよりも多い三十一億ドルですか、あとは融資、出資でやっているわけで、そして、融資、出資については、将来返ってくるというような形でJBICを使ってやるという形ですから、一見、六割というと非常に多いように見えますけれども、そのうちのかなりの部分は、家族住宅については融資でやりますから、融資の分は長期で返ってくるわけでございます。

そういう意味では、両方の交渉ですから、交渉によって、決まるときにどういう決まり方が妥当だったかどうかというのは、後になるといろいろ議論はあるかもしれませんけれども、私は、かなりの理屈といいますか、お互いの応酬の中で、二十八億ドルと三十一億ドルに真水の部分で財政資金について決まったというのは、まあまあ一つのいい決着だったんじゃないかなというふうに思うわけであります。

だから、それが高いか安いか。これから先、またその真水の部分についてはいろいろ下げていきますし、向こうも下げると思いますけれども、そういう中で、六〇%というところだけが非常に、日本が多く負担しているようですけれども、これは日本の国内における資金状況の中から、融資でやって返ってくるということならば国民も理解してもらえるんじゃないかなと思っているわけです。(前原委員「後半の部分の答弁は。二つ質問したんです」と呼ぶ)

だから、それも、負担の割合については、そういうことで、私は、妥当な割合だったんじゃないかなと。それは融資の部分がかなり入っていますから、融資の部分を考えますと、私は、二十八億ドルと三十一億ドルというのはいい、最後は向こうの方が持つ形になったと。

■前原誠司
二つ目はちょっと違う質問をしたんです。つまりは、各種、米軍再編というか基地再編にかかわるところがありますよね。私が申し上げているのは、そのグアムの話の中身ではなくて、先ほど申し上げた厚木から岩国へ移すとか、そういう話、あるいは航空総隊司令部を府中から横田に移すとか、そういったすべての仕分けをして、どちらが一義的に負担をすべきかというところの議論のための仕分けをした方がいいと。それで、だれが一義的に負担をするかということを明確にしないと、やはり国民も納得できないし、予算を決める我々も納得できないし、ひいては日米関係の足元を崩すことになるということを私は申し上げているわけです。

■久間国務大臣
そういう意味で、国内のものについては、いずれにしましても、在日米軍については、地位協定といいますか日米安保条約でこちらが提供することになっていますから、どこでも、一〇〇%日本が負担するわけですね。しかしながら、グアムへ行くについては、先生がさっき言われたように、若干違うんじゃないかということがあって、それで、向こう側が幾ら持つか、こちらが幾ら持つかという交渉になったわけでありますから。

これは例え話で悪いかもしれませんけれども、例えばここに建物があった、もう大分古くなった、そういうことで、こちらは、もうのいてくれと言って、向こうも、では古いからのこうかというような形でのいた場合に、その移転経費については、では移転するあなたが全部持てというのと、いや、出ていってもらうんだからこちらも幾らかは出しましょうというような形でやるかは、そこはやはり交渉だと思うんです。

そういうような交渉を結局、額賀大臣とラムズフェルドさんとでやって、決着したのがさっき言ったような数字だったというふうに思っておりますから、私は、前原委員が言われたような意味もあって、国内の移転と違って国外だから、そこはお互いの交渉によって決着した、そういうふうに理解しているわけであります。

■前原誠司
先ほど一つ大事な答弁をされたと私が思うのは、アメリカもそういうニーズがあって、日本がそれに乗じてということをおっしゃった。これはやはり確認しておかなきゃいけないんです。ここは担保しておかないといけないことなんですよ。

なぜならば、これから、日本の国内にある米軍基地が本国に戻るケースというのは出てくると私は思うんですよ、もちろん周辺環境の変化によりますけれども。そのときに、これは一つの前例になるわけですね、このグアムへの海兵隊の移転という問題について。ですから、ここはしっかりとした外交交渉の中で、国民が理解し、また、それがひいては日米関係というものをしっかりとマネジメントしていくことにもなると私は思います。

先ほどお話をしましたように、日本として負担する割合がどのぐらいなのか、そしてアメリカ側が負担すべき割合はどのぐらいなのかということの中で、もちろん定性的、定数的に、何対何ということには分けられないと思いますけれども、少なくとも、しっかりと、向こうのニーズもあって出ていくんだから、こちら側はそんなに負担はできないと。

先ほど、六割だけれども真水は二十八億ドルだということをおっしゃいましたけれども、ただ、この融資にしたって、どうなるかわからないという不確定要素はあると私は思いますよ。この間麻生外務大臣は、ほかの発展途上国じゃないんだからアメリカは大丈夫ですよという答弁をされておりましたけれども。

ただ、長期にわたってそういう日本のかなりの税金を投入して、結果としては六〇%を負担するというのがこういう形になっているわけですから、そこは、今回のグアム移転については日本の負担が重過ぎるという感覚を私は持っているということは申し上げておきたいと思います。つまり、前例として、そこは、しっかり押さえておくところは押さえてもらわなきゃいけないということを申し上げているわけです。

それとあわせて、今話が出ましたけれども、日本国内に移転するときは地位協定に基づいて全部日本が出しますよということではないと私は思うんです。つまりは、今後、アメリカ側から要望が出てきて、日本がわかりましたと、それを毎年度予算に入れるということなら別ですよ、それは。別ですけれども、きょう私が質問したかったことにもかかわってくるわけですけれども、日本の主権ということをどういうふうに考えていくのかということなんです。基地のあり方の問題と、そして、私は何度も国会で質問しておりますけれども、航空管制の問題。

やはり、戦後六十年余りがたって、占領された土地をそのままアメリカがいわゆる管轄をしていて、三沢なんかは二%しか日本の自衛隊は使えない。共用部分が三八%ぐらいあったと思いますけれども、あとは米軍だと。ほかの一〇〇%米軍が使っているところなんというのは、米軍が、米兵が警備して、そして治外法権的なものになっているということ。これは、やはり私は根本的に見直していかなければいけないと思うんですね。

そして、航空管制も、横田の航空管制権がかなり返ってきたとはいえ、それでもまだ、日本の首都の上空を他国の軍隊が管制しているということは、これは常識的に考えておかしな話であって、主権国家、独立国家としては恥ずかしいという感覚を私は持っています。

横田、そして岩国、あるいは嘉手納、そしてまた先ほど申し上げた基地の管轄権の問題。こういう問題はやはり、ですから、日本が金を出すべきじゃないということではないんですよ。ですから、日本が管理して、そしてそれをアメリカに貸す。それは、ひいては、少しきょうは具体的には詰められませんでしたけれども、日本だけでやることの足らない部分について日米同盟関係で埋めていくんだということのコストだから払うんだと。それはいいんです。いいんですけれども、少なくとも管轄権はすべて日本が主権を回復して、そういう意味で、主権回復できていないと私は思うんですよ。航空管制、そして基地の管轄権。これはやはり一義的に日本が管理をして、そしてアメリカにそれをいわゆる提供するという形に変える意思を持たないと、六十年以上たってこの状況が続いているというのは私は恥ずかしいというふうに思いますが、大臣、いかがですか。

■久間国務大臣
航空管制につきましても、大分、アメリカといろいろな話のやりとりの中で、例えば沖縄につきましても、航空局の方に全体としては返してくる、その予定がちょっとおくれているようでございますけれども、そういう方向の中で、ただ、嘉手納の部分と、あるいは今の普天間、今度はキャンプ・シュワブになると思いますけれども、その部分については向こうがする、そういう形で大体整理がついてきているようでございます。

そういう点ではかなり、今言われたようなことで少しずつ、委員から言われればちょっと遅いんじゃないかと言われますけれども、これは自衛隊というよりも航空局の方で一生懸命、我々も間に入って、米軍と合同委員会等で話し合いが進められておるようでございます。

それから、先ほど、国内でのものはこちらが全部と言いましたけれども、例えば、今度嘉手納の共同訓練を全国に展開する、六カ所に展開するものについては、これはやはり、一対三、四分の一と四分の三ということで、うちの方が幾ら持つか、向こうはということで決めたわけでありまして、全部こちらが持つというわけではありません。それは、運用に関するものについては、原則、向こうが持つけれども、こちらからお願いした分については、応分の、ふえた分については持たなきゃならないだろう、そういう認識のもとでやっておりますので、主権は主権としてやはり主張していきたいと思っております。

■前原誠司
時間が来たので終わりますが、一言だけ。

今の私の質問は、ステップ・バイ・ステップで進んでいるからいいということではなくて、やはり将来的に、これはどのぐらいのタームで考えるかは別ですけれども、そういう航空管制とか管轄権というのは日本が持つべきだということでこれからも進めていく、今のロードマップで、それでいいんだということではないということの確認ですよ。それだけ、簡単に、そうだということを御答弁ください。

■木村委員長
時間になりましたので、簡潔に願います。

■久間国務大臣
前任者がまとめたロードマップ、今はそれに基づいて一生懸命やるだけでございまして、これから先、必要なことについては、また必要なら2プラス2等で議論をしていきたいと思っております。

■前原誠司
終わります