外務委員会
2007/05/18
■山口委員長
次に、前原誠司君。
■前原誠司
おはようございます。民主党の前原でございます。
まだ入れかえが済んでおりませんので、入れかえが済みそうなときを見計らって質問をさせていただきたいと思いますが、まず、座っておられる外務大臣にこの条約について質問をさせていただきたいというふうに思っております。
まず第一点は、この条約の定義について御質問したいなというふうに思っております。この条約の四条のところに、四条の2でございますけれども、「国際人道法の下で武力紛争における軍隊の活動とされている活動であって、国際人道法によって規律されるものは、この条約によって規律されない。また、国の軍隊がその公務の遂行に当たって行う活動であって、他の国際法の規則によって規律されるものは、この条約によって規律されない。」こういう規定があるということであります。基本的には、戦争状況あるいは戦争状況とみなされる、あるいは準ずるときには、テロじゃないですよ、これはいわゆる戦争、交戦というところで、違いますよという話なんだろうというふうに思います。
では、きょう私が一点確認をさせていただきたいのは、例えば、国の機関が関与したテロ行為というのがあるわけですよね。例えば、北朝鮮による拉致というものもテロであるということを政府は従来からおっしゃっているわけでありますけれども、こういった国家機関の要員が関与したテロ行為というのは、この条約の第四条の規定からするとどうなるのでしょうか。つまりは、武力紛争ではないけれども、国家機関の要員が関与したテロ行為というのはこの条約ではどう判断をするのか。その点について、まずお答えをいただきたいと思います。
〔委員長退席、山中委員長代理着席〕
■岩屋副大臣
今、前原先生がおっしゃいましたように、軍隊という話ではないですね。国家の要員がというお尋ねでしたよね。
今前原先生御指摘のとおり、国際人道法等、この条約以外の国際法の規則によって規律をされる場合は、この条約は適用されない旨、本条約では規定をしているところでございます。
そして、ある国家の要員が原発を破壊するような行為がこの条約の適用から除外されるかどうかということにつきましては、個々の事例ごとに検討する必要がございまして、具体的には、そのような行為が国際人道法のもとで武力紛争における軍隊の活動とされ、国際人道法により規律されるものかどうかというところを見なければなりません。また、国の軍隊が公務の遂行に当たって行う活動であって、国際人道法以外の国際法の規則により規律されるものかどうかというところを検討しなければいけないということでございまして、要は一概に述べることは困難だということでございます。
■前原誠司
では、少し具体的に、こういう事例はどうなのかということでお聞きをしたいと思います。
ある国の工作員が我が国に潜入をして原子力発電所の破壊行為を行う、あるいは放射性物質をまき散らす、こういったテロ行為を行った場合は、本条約に規定する犯罪行為とみなされるのですか。
■岩屋副大臣
ある国家の要員がということですよね、今の先生のお尋ねは。(前原委員「工作員」と呼ぶ)ある国家の要員、今先生、工作員とおっしゃいましたが、ある国家の要員が行った原発破壊等、今先生がおっしゃった行為も含まれると思うんですけれども、このテロ行為が軍隊の活動の一環として行われたものに当たらないときは、本条約上の犯罪に当たるわけでございます。
■前原誠司
とにかく私が質問している趣旨は、穴のないようにしてもらわなくてはいけないし、そしてこれは当然ながら、国内法の整備もやっていくわけでありまして、連動して、犯罪行為に対してはしっかり処罰するものを持っておくということで、個々の判断によるというものでございますけれども、基本的にはこの条約の犯罪行為に当たる、そして同時に制定される国内法改正の中身にも含まれるというところで、しっかりとした取り組みを行っていただきたいということをお願いしたいと思います。
二つ目。この条約に関してでございますが、外務省の予算で、平成十八年度から、ODAの無償資金協力において、テロ対策等治安無償という枠組みがあるというふうに思っております。平成十八年度の額は七十億円、それから平成十九年度の予算は七十二億円だというふうに思っております。外務省からいただいた資料を見ておりますと、平成十八年度の実績は、インドネシア、海賊、海上テロ及び兵器拡散防止のための巡視船艇建造計画、これは供与限度額が十九・二一億円、それからもう一つは、カンボジア、主要国際港湾保安施設及び機材整備計画、供与限度額が九・二七億円、こういうことでございます。
まず、お伺いしたいのは、いわゆるテロ対策等治安無償というものの適用要件は外務省としてはどういうふうにとらえておられるのかということをお伺いしたいと思います。
■麻生国務大臣
今、インドネシア等々の例を引かれましたけれども、マラッカ海峡等々で、若松にあります会社の船がいわゆるハイジャックされて、世界最大のタグボートだったんですけれども、「韋駄天」という名前のタグボートが日本人ごと持っていかれたという事件がありました。
御存じのように、あの周辺はこの種の話の多いところなんですが、とにかく向こうの持っている船の方が、インドネシア政府やらシンガポール政府が持っている船より向こうの方が速いとか、向こうの方が強いとかいうので、それは話にならぬ、いや、金がないからできぬ、こういう話を何回も交渉したことがあるんです。
そういったことから、ちょっと何とかしてもらわないと、こっちに影響が出ますものですから、そういうテロが起きやすい状況、しかもその影響はもろにこっちに来そうな状況で、政府が貧しいがゆえに、その種の対応の武器もしくは艦艇が買えないというようなところを基本として援助するということで、もって、そこでの通航が安全になるというのが本来の基準というようにお考えをいただいたらよろしいので、対象国は、原則として一般無償資金協力が適用されない、いわゆる中進国と言われているところであって、世銀の融資ガイドラインによりますと、一人当たりの国民総所得が千六百七十六ドル以上六千五十五ドル未満の国を含む途上国という基準に、金額的な面からいくとそういうように決めております。
私どもとしては、在外公館にありますODAのスタッフの間で、この案件の形成に当たっては、今申し上げたような基準等々を当てはめて、被援助国との協議をしながら、これは難しいのは、武器輸出という問題と非常に直に関係してくるところがありますのでなかなか難しいので、ボートは上げます、ただし重機関銃はそっちで据えつけるのよとか、そういったような話をしないと非常に難しいことになりかねないというところがありますので、私どもとしては、そういったところを考えて、案件の形成というのをいいのを選んでやっていかないかぬというのを配慮させておるようにいたしております。
■前原誠司
今、国の経済力の話がございましたけれども、マラッカ海峡というのは、我が国にとっても極めて死活的な、重要な海上航行路、物資の輸送、特にタンカーが通るところであります。
そういう意味では、そういった支援というものが日本にも回り回って返ってくるという御説明をいただいたんだと思いますが、私が伺ったのは、お答えもいただいた部分もあります。つまりは、どういった国にということで、経済的ないわゆる基準を今大臣はお話をされたわけでありますけれども、私がさらにお聞きをさせていただきたいのは、もちろん、テロというのは何がどうかかわっているかわかりません、回り回って日本にもかかわってくるよという話かもしれませんが、いや、別に日本と純粋にかかわっていなくてもいいんだ、とにかくテロ防止のために、先ほどお話をされた経済的な水準というものに当てはまればいいんだということなのか、あるいは日本にかかわらなきゃいけないのか。その点はどちらなんですか。
■麻生国務大臣
日本にかかわるというのをきちっと基準にしているわけではありません。テロというのは、別にこの国に直接関係していなくてもテロはテロと思っておりますので、基準として日本に直接かかわっていないから出さないというようなことを申し上げるつもりはございません。
■前原誠司
予算というのは必ず使い切れと言うつもりはありません。しかし、七十億円、平成十八年度では予算を立てられて、先ほどお話をしたように、十九億余りと九億余りですので、約二十八億五千万円ぐらいですね。つまりは、半分以下しか予算消化がこの点にはなされていない。
今回は七十二億予算を立てられたということで、先ほどおっしゃった基準であれば、私は、ですから、いい無償資金援助だと思っているんですよ。だけれども、七十億、七十二億という予算を立てながら、その半分以下に十八年度はとどまっていたということから考えれば、日本にとって、やはり予算を立てた以上は、優良なそういったテロ対策の無償資金というものを開拓するということも必要かと思いますが、その点についてどう考えておられるのか。
■麻生国務大臣
私どもとしては、今の御指摘は正しいと存じます。
ただ、前原先生、ある程度これは、突如としてぼんと起きるものがありますので、そのときのためにある程度予備費みたいにして持っておかないかぬという部分もちょっとこのテロ対策の中にありますので、使い切っていきなりというわけに、なかなか難しいところもあります。
しかし、今おっしゃるように、もっと使えるような案件はもっと探すべきではないかという努力は、私どもとしてはやらねばならぬところと存じます。
■前原誠司
条約について最後の質問を、下村官房副長官にお尋ねをしたいと思いますけれども、日本は、きょうは核テロ防止の関連の条約ということでございますけれども、非常に個別法のいわゆる寄せ集めで、一つ一つで何か束になって、テロに対するものが何とか抜け落ちることなく整備されているということでありますけれども、やはり私は、他国、例えばイギリスとかあるいはフランス、韓国、あるいは九・一一テロ以降、当然アメリカも含めて、そういった方向性に拍車がかかっているわけでありますが、テロ対策基本法とかあるいはテロ対策包括法のようなものをつくって、そしてテロに対する国としての毅然とした対応、そしてまたそれを、例えばサイバーテロも含めて、新たなものに対してもしっかりと取り組んでいくんだという、個別法の積み重ねではなくて、テロに対するやはり対策基本法、包括法のようなものをしっかりつくった上で個別法が整備されるという、国としての明確なテロに対する指針を示すべきだと私は思います。
その点が日本には欠けていますが、その点、内閣官房として私は取り組まれるべきだと思いますが、官房副長官のお考えを聞かせていただきたいと思います。
■下村内閣官房副長官
お答えいたします。
御認識はそのとおりだというふうに思います。テロ対策については、国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部において平成十六年十二月に策定されましたテロの未然防止に関する行動計画に従い、必要な法律改正を行うなど、その着実な推進に努め、現在おおむね順調に実施してきたところでございます。
これまでに行った個別の法改正に加えて、さらに今御指摘されましたようなテロ対策の包括的な法律を整備することについては、その必要性及び内容について諸外国の法制度を研究しながら、関係省庁が一体となって現在鋭意検討しているところでございます。
政府としては、テロに対する厳しい情勢を踏まえ、引き続きテロ法制の整備に関する検討を進めていきたいと考えております。
■前原誠司
方向性は正しいという認識でありますけれども、要は、もちろん急いで、そして、余り粗雑なものができてもいけませんけれども、やはりスピード感覚というものも必要であります。今おっしゃったそのテロに対する包括的な法制というものは、これは私は閣法として出されるべきだというふうに思いますけれども、どのぐらいをめどにそういったものを国会に提出をされ、そして国会での議論をしたいと考えておられるのか。これはやはりしっかりとした政治的な判断が必要だと思いますが、いかがですか。
■下村内閣官房副長官
今前原委員御指摘の内容については、国会でも、参議院では平成十八年、また、これも参議院ですが、ことしもやはり自民党、民主党それぞれの先生方から同様の御質問がございまして、昨年から鋭意検討をするという状況でございます。明確にいつまでという期限は決めてはおりませんが、できるだけ早く、現場の中で今鋭意検討ということでございますので、早目に出せるような努力を今しているというふうに聞いております。
■前原誠司
聞いておるのを受けてしっかりと政治で早くにまとめるということを、しりをたたいていただいて、早くに提出をしていただきたいということを要望したいと思います。
さて、個別のテロ対策というものに、NBC兵器テロ対策というものに移っていきたいというふうに思っておりますが、質問通告しておりませんけれども、きのうも愛知県でけん銃を持った元暴力団構成員が立てこもって、そして機動隊員が殉死をされるという痛ましい事件が起きて、今なお立てこもっているということであります。亡くなられた機動隊員の方には心からお悔やみ申し上げたいというふうに思いますが、けん銃を使った犯罪というのが後を絶ちません。
新聞等によりますと、約五万丁のけん銃というものが国内で不法に隠されているのではないか、不法所持されているのではないかということでございますが、これは本腰を入れて、先ほどのテロ対策基本法もしかりでありますけれども、政治のリーダーシップでこの不法けん銃の取り締まり、そしてまた島国でありますから、どうやってこれをしっかりシャットダウンしていくのかということ、政府としてこれもやはり真剣に取り組んでいかなくてはいけないテーマだと私は思っておりますが、次々に起こるこのけん銃を使った凶悪犯罪を受けて、内閣官房としてどういう取り組みをされようとしているのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
■下村内閣官房副長官
本当に痛ましい事件が続いておりまして、残念な思いがいたします。これについて、このようなことが起きないように対処していく必要がある。直近でも、長崎市長銃殺事件がございました。また、町田市でも同時期に同じような事件がございました。
これを踏まえて、今、内閣の中で官房長官が中心となりまして、銃器対策本部を設置し、これについて早急に、この銃器の問題について未然にどのような対応をするかということについて、関係省庁の実務者の方々に集まっていただいて、今対策をつくり、スタートしている段階でございますが、しっかりとこの銃器対策について取り組んで、国民の皆さんが安心できるような社会ができるように対応していきたいと考えております。
■前原誠司
もちろんしっかり取り組んでいただきたいというふうに思いますが、具体的には、その対応策の中で目玉になるのは何なんですか。実効性を上げるためには、銃の不法所持というものを認めないという実効性を高めるためには何がポイントなのか、その点について官房副長官。
■下村内閣官房副長官
お答えいたします。
この官房長官のもとでの会議の中でテーマになっているものとして、一つは水際対策で、海外から不法にもちろん入っているわけでありますが、これについてどう入れないように対応していくか。それから、所持をしている者に対して、それについて、みずからそれを警察等に対して持ってくるということに対する促進、インセンティブ等が今議論のテーマにもなっているというふうに聞いております。
■前原誠司
とにかく、銃を根絶する、不法所持を根絶する、そのために政府を挙げて取り組んでいただきたいということを、改めて重ねてお願いをしておきたいと思います。
それでは、具体的なNBCテロ対策について、二つのテーマに分けてお話を伺いたいと思います。一つは未然防止、もう一つは起きてしまった場合の対応策、それに対する備え、このことについてお話を伺いたいと思うわけであります。
まずは、起きてしまったときに対する対応策について幾つかお伺いをしたいというふうに思います。これも官房副長官にお答えをいただきたいというふうに思います。
NBC兵器で、いわゆる核、Nが使われたときの基本的な対応というのは内閣官房で行われるということでありますが、病院等々に対する対応策、日ごろの、平素の対応策というのは文部科学省で行われているということで、私も事務方から話をお伺いいたしました。そして、緊急被曝医療体制ということで、初期医療機関それから二次医療機関ということで十九の各自治体が指定をされていて、それに当たるということであります。これは地方自治体が中心になって当たる。そして、さらにひどい場合においては第三次医療機関、放射線医学総合研究所などなどが当たるということでございます。
私が若干気になりましたのは、この緊急被曝医療機関というものについては、十九の道府県で初期被曝医療機関というのが設けられているということでありますけれども、原発があるところ、あるいはそれ以外も考えていかなくてはいけないわけであって、私が申し上げたいのは、大都市、例えば東京にないんですよ、緊急被曝医療機関のいわゆる初期医療機関、二次医療機関として。
今申し上げたように、原発所在地にはある程度ございます。この緊急被曝医療機関というものについてはあるわけでありますけれども、きょう議論になっているようなテロが起きた場合、つまりは、核物質を人口密集地、つまりは大都市にまき散らされた場合等々の被害というものについて言えば、この十九道府県、東京がないですよね。大阪もないですよね。あるいは名古屋もないということで、大都市については、被曝をした、つまりは核を使ったテロなどが大都市で起きた場合に、扱う医療機関というのがないわけでありますけれども、こういった体制をどう考えられるのか。
やはり、もちろん原発立地のところにあるというのは、これは必要最小限度の話であって、必要条件であろう。しかし、今回の条約等で議論をしているように、大都市にもやはりこういうものが必要なのではないかというふうに思っておりますが、その点、官房副長官、どうお考えになっているかをお聞かせいただきたいと思います。
■下村内閣官房副長官
お答えいたします。
まず大切なのは、このようなことが国内で起きないように未然防止をすることが一番大切だというふうに思います。政府としては、関係省庁が緊密な連携を図りながら、テロ関連情報の収集、分析に努めるとともに、出入国、ハイジャック対策、重要施設等の警戒警備など諸対策を徹底して、未然防止対策を図っているところでもございます。
しかし、今御指摘のように、それでももし起きてしまったらどうかということでございますけれども、万が一、NBCテロ、ほかの生物兵器とか化学兵器を含めましたテロが発生した場合には、初期措置を迅速的確に行うことが必要でございまして、これも関係省庁、警察、海上保安庁、自衛隊、厚生労働省等と連携をしながら、被害者の救助、被害の拡大防止、犯人の検挙等に全力を挙げることが必要でございます。
そういう中で、今御指摘の中で、都市部における病院施設等がないではないかというお話がございましたが、まずはテロ防止ということの中ででございますが、今後、今御指摘のことも含めまして、関係省庁と連携しながらその対応について検討させていただきたいと思います。
■前原誠司
未然防止については後で議論したいと思います。
ただ、起きてしまうことはあり得るわけで、それに対しての対応をどうとるかということを考えたときに、今お話をした、いわゆる核を使ったテロが大都市部で起きた場合においては、今の日本における緊急被曝医療機関というものが、大都市がすっぽり抜け落ちているというところをぜひ検討し直していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
次に、BC兵器について、これは厚労副大臣に、お越しいただいておりますが、質問させていただきたいというふうに思っております。
これも、さまざまなところに第一種感染症指定医療機関とかあるいは特定感染症指定医療機関等々があるわけでございます。私がまずお伺いをしたいのは、生物兵器として考えられ得る炭疽菌あるいは天然痘、そういったものに対するワクチン、治療薬、予防も含めて、それは今備蓄状況がどのようになっているのか、これは都道府県が備蓄をしているというふうに厚生労働省から伺いましたけれども、どういう被害が出ることを想定して、厚生労働省として把握をされているのか、そのことについてお答えをいただきたいと思います。
■石田副大臣
化学テロや生物テロが発生した場合に必要となるワクチン及び治療薬につきましては、天然痘につきましては、平成十三年度補正予算で備蓄を行い、その後も追加を行っております。それから、天然痘以外では、可能性の高いと考えられる炭疽、サリン等については抗生物質や解毒剤が有効であり、メーカー及び卸業者における流通量について定期的に報告を求めております。また、化学物質中毒解析器や防護服等の医療器材についても、各地域においてテロ発生時の医療の中心的役割を担う救命救急センター等への配置を進めております。
なお、現時点でのワクチンの備蓄量等につきましては、前原委員からも以前御質問いただいたようでありますけれども、危機管理上の観点から公表は差し控えておりますので、御了承をいただきたいというふうに思います。
今後とも、都道府県等地方自治体や関係機関とも密接に連携しつつ、こうした医薬品や医療資器材等の提供が迅速かつ適切に行われるよう最善を尽くしてまいりたいと思っております。
■前原誠司
危機管理上の観点からどれぐらい備蓄をしているかということについては言えないということでありまして、それについてはある程度は理解をいたします。
私が伺いたいのは、どういう被害を想定して、それを前提として備蓄を考える、まあ、ある被害を想定して考えるわけですね。それに対して、例えば天然痘、炭疽菌に限定していえば、今は十分なワクチンあるいは治療薬等の備蓄量がもうあるんだというのか、あるいは、まだこれからも引き続き備えていかなくてはいけないということなのか、その点についてお伺いをしているわけです。
■石田副大臣
これは可能性としては、例えば日本の人口一億二千七百万、そこまで考えるかどうかということももちろんあろうかと思いますけれども、そういう点も含めまして、備蓄量については相当量ある、こういう御回答で御理解をいただきたいというふうに思います。
■前原誠司
これはもう政府の責任として、今、相当量あるということでありますけれども、ぜひしっかりそれは整備をしておいていただいて、何かがあったとき、まあないのにこしたことはありませんが、起きたときに、実は十分ではなかったということのないように、そこはしっかりと危機管理としてやっていただきたいというふうに私は思っております。
そこで、これも厚生労働省医政局からお話を伺ったことでございますけれども、器材整備ですね、NBCテロ対策として、対医療機関支援ということで、NBC災害・テロ対策整備事業というのが平成十八年度から厚生労働省で行われている。その支援対象というのは、救命救急センター、これは全国に二百二カ所ある、それから災害拠点病院、これが全国で五百七十七カ所にあるということでございます。
しかし、この支援対象は、補助率、国が半分、都道府県が半分ということで、病院には負担が起きないようになっているわけでありますけれども、平成十八年度から始まったこの事業で、厚生労働省から承った回答は、救命救急センターは二百二カ所、災害拠点病院は五百七十七カ所あるにもかかわらず、平成十八年は四カ所しか申請がないということで、補助額も約五千万円、こういうことを聞いているわけでございます。
これは、ある程度予算を確保されているにもかかわらず、先ほどのODAじゃありませんけれども、やはりスピードが大事だというふうに私は思っておりまして、これはかなり予算をとっておられるんですね、医療提供体制推進事業費補助金ということで予算をとっておられる中で、しかし、平成十八年度は四カ所。以前には整備実績が十から十三ぐらいあるということでありますけれども、やはりこれはスピード感覚として遅いのではないかというふうに思いますが、この点について、どう改善をしていこうとされているのか、厚生労働副大臣の答弁をお願いします。
■石田副大臣
今委員の方からも触れていただきましたけれども、十八年度から始めまして、年度当初、十八年度では五千二百万、四つの施設、こういうことでありますから、これはやはり、どういうところまでいろいろ考えていくかということは大変大事なことだと思いますし、予算もしっかりと確保してやっておりますので、ぜひ、この指定が進むように、手を挙げていただけるように、これはまた働きかけていきたいと思います。
■前原誠司
とにかく、いつ起こるかわかりませんので、せっかくこういった予算をとっておられて、繰り返し申し上げますが、救命救急センターが全国で二百二カ所、そして災害拠点病院が五百七十七カ所あるにもかかわらず、一年で四カ所というのは、スピード感覚として、あるいは補助事業からすると、余りにもスローテンポ過ぎるというふうに思っておりますので、しっかりその点は取り組んでいただきたいということを強く私はお願いしておきたいというふうに思います。
それから、医薬品等の再点検ということでありますが、各都道府県に対して、医政局の方から、平成十四年十月二十九日付、厚生労働省厚生科学課長、医政局長等連名通知の「国内テロ事件発生に備えたテロ対策の再点検等について」ということで、都道府県が策定をしている医薬品等の供給、管理等のための計画について再点検をお願いしている、こういうことでございますが、レクをいただいたことによりますと、それについて各都道府県からの報告を厚生労働省としては持っておられないという話を私は伺ったわけでありますが、それは事実ですか。
■石田副大臣
委員御指摘のとおりであります。
■前原誠司
テロが起きた、あるいは間違ってそういったサリン、VXガスが散布をされる、テロの方がそれは確率は大きいと思います。そしてまた、あれほどの被害を出した地下鉄サリン事件というのを日本は経験して、こういったものに対する先進国でなければいけない、そういう事例をかがみとして。
そういうことを考えると、何かが起きたときの医薬品等の管理については、各都道府県がその備蓄計画を持っているということでありますが、その全体を厚生労働省にフィードバックしてもらっていなくて全体像を把握していないというのは、これは極めて大きな問題だと私は思いますので、ぜひ改善をしていただきたいと思いますが、その点、厚生労働副大臣のお答えをいただきたいと思います。
■石田副大臣
これにつきましては、今後の備蓄状況については定期的に把握してまいりたいと考えております。
■前原誠司
ぜひ、各都道府県、四十七都道府県からそういった備蓄状況を早急に提出させて、厚生労働省がそれに対するチェックを行うということをお願いしたいと思います。
次に、地下鉄サリン事件の際、あるいは国民保護法制の際にも私は国会で同じような質問をいたしましたけれども、だれがテロを行ったのかということはなかなかわからない。あるいは、地下鉄サリン事件にしても、今だからサリンということを言えるけれども、病院に運ばれてきたときには、どういった毒性のものが使われたというのがわからないわけですね。しかも、東京で起きるか、北海道で起きるか、沖縄で起きるか、どこで起きるかわからないということになれば、先ほどお話をしたような救命救急センターとか災害拠点病院を含めて、全国の核となる病院においては、このNBCテロが行われたときのいわゆるマニュアルというか、こういう症状だったらサリンが使われたなとか、こういう症状だったらVXガスだなとかいうことがお医者さんにしっかりわかるような講習なりあるいは繰り返しの指導というものがなされないと、こんな症状は見たことがないなということで対応がおくれて、そして被害が拡大をするということであってはいけないと私は思います。
そこで、厚生労働省さんは、平成十八年度から人材育成のための事業を行っておられるということで、それについては私は評価をしたいと思いますが、平成十八年度からということで、ちょっとこれも、先ほどの器材整備と同様、対応が遅いなというふうには思うわけでありますけれども、しかし、やっていることはそれはそれで結構であります。
時間も余りありませんけれども、ポイントだけ絞って質問したいと思います。
平成十八年には、十チーム、そして各チーム五名で年二回ということで百人、そして平成十九年では、十チーム、各チーム五名、そして年三回ということで百五十名ということで、できるだけ各都道府県一チームで、満遍なく各都道府県のお医者さん、看護婦さん、放射線技師等が研修を受けられるようにするということを行っておられるわけでありますけれども、これももう少しペースアップをして、各都道府県のお医者さんが、おれもこの講習は受けたよということで、NBC兵器テロが仮に行われたら、あるいはテロでなくても、例えば原発の事故あるいは化学薬品工場の事故が起きたときには、そういった拠点のお医者さんがしっかり対応できるような状況をつくるべきだと思いますが、この人材育成事業についてのスピードアップについて、厚生労働副大臣、御答弁をいただきたいと思います。
■石田副大臣
今の委員の御指摘は、大変重要だと思います。
私も、地下鉄サリン事件のときに、その後、映像を何度も見ましたけれども、駅員の方が素手で処理をされている。これは当然、わかっていればそれなりの対応をとれるわけでありますけれども、未知の物質ということで、いち早くということだったと思いますが、おっしゃるように、それが一体何なのであるか、こういうことについては、やはり周知徹底して学習する以外にはありませんので、御指摘いただいたように、さらにスピードアップをする、こういうことで取り組んでいきます。
■前原誠司
それからもう一つ、講義で本が使われるわけであります。つまりは、こういう症状だったらこういう化学兵器が使われているとか生物兵器だとかいうことであります。確かに、講義を受けないと、研修を受けないと、お医者さんあるいは看護師さん、放射線技師の方であったとしてもなかなかわからないかもしれませんが、少なくとも私は、教材を、さっきお話をした救急救命センター二百二カ所あるいは災害拠点病院五百七十七カ所にはどこかに常備されていて、だれかがそれは常に見られるような状況で対応するということは必要だと思いますが、私が厚生労働省さんから受けた説明では、そのようなことはされておらずに、講義で使ったマニュアルは、それぞれ持って帰って病院に備えつけられているというふうに伺っております。
繰り返しになって恐縮ですが、講義を受けなければ医者といえども看護師といえどもなかなかわからないかもしれませんけれども、やはりマニュアル本ぐらいは、どの拠点病院あるいは救命救急センターにも置かれているというふうにした方がいいと私は思いますが、厚生労働副大臣、いかがですか。
〔山中委員長代理退席、委員長着席〕
■石田副大臣
このNBC兵器の問題については、難しいのは、実験をするということが現実になかなか難しいわけですから、おっしゃるように、研修していただく以外にない。そういう中で、書物を通す、スライド等映像を通してということしかできないわけですから、その人だけが持っているというよりは、やはり、広く認識してもらうということについてはもう少しいい方法はないか、これはしっかり考えていきたいと思います。
■前原誠司
とにかく、いつどこで起こるかわからないということで、確率論として、今、先ほど御答弁いただいたように、研修のスピードアップをしていただいて、できるだけ多くのお医者さん、看護師さん、放射線技師などがそういう研修を受けておられるという形にしていただきたいというふうに思っております。
未然防止については、少し下村副長官とお話をしたかったんですが、時間が参りましたので、またの機会にさせていただきたいと思います。
質問を終わります。
|