衆議院予算委員会
2007/10/10
■逢沢委員長
この際、前原誠司君から関連質疑の申し出があります。長妻君の持ち時間の範囲内でこれを許します。前原誠司君。
■前原誠司
民主党の前原でございます。
午前、午後と分かれて質問をいたしますが、まず、きょう質問したいことは大きく言って二つございます。
一つは、日本の最大の問題は、財政の赤字、国、地方を合わせて、数えようによっては一千兆円を超える借金を抱えているということが言われておりますし、しかも、そのタイミングで急速な少子高齢化が進んでいて、また、人口減少社会を迎えているということ、これを考えれば、与野党を問わず政治家の最大の問題というのは、この財政にどう向き合うかということが大きな問題であるというふうに思います。
この問題を考えるときに、私は、安易な増税をすべきではない。私が好きな言葉に、中曽根内閣のときの行革臨調をされた土光敏夫さん、経団連の会長でありますけれども、土光さんのお言葉を私は引用をよくさせてもらっています。行革なくして増税なし。つまりは、徹底的に歳出の無駄遣いを削らずして安易な増税に頼ることがあってはならない。このことを私は、やはり政治のベースにならなければいけないというふうに思っております。
その上で、今回の質問では、まずは三点の税の無駄遣いといいますか、歳出カットのできる分野を私なりに建設的にお訴えをし、そして、総理あるいは関係大臣から、それについて前向きに答弁をしていただきたいと私は思います。
まずは公共事業です。そして二つ目、これは午後になると思いますけれども、天下りと随意契約の問題。三つ目は国と地方の関係、特に地方の多重行政の無駄の問題。この三つを、具体的な数字も挙げてお話をしたいと思います。
公共事業は、額はかなり減りました。一番多いときから比べますと、国費で半額ぐらいに今なっております。一番高いときで対GDP比が六・四%、今は三・〇%ぐらいまで減ってきているわけでありますが、しかし、この三・〇%という対GDP比で見ておりますと、まだまだほかの先進諸国と比べるとこの公共事業の費用は高いと私は思っています。例えば他の先進国と比較をいたしますと、ドイツは一・三%、イギリスは二・一%、アメリカは二・五%、こういうことであります。
そして、この公共事業でやはりボリュームが大きいのは、何といいましても道路とそして河川、この二つであります。きょう、時間があれば道路特定財源の話もさせていただきたいと思いますけれども、道路について我々は、道路特定財源は今は暫定税率でありますけれども、本則に一たん戻す、そしてまた、一般財源化を考える中で環境負荷的な税を導入するというのは、我が党の選挙マニフェストには書かれているところであります。この一般財源化をどう考えていくかということは、来年の予算編成、税制改正を含めて大きな議論になっていくと思います。
そこで、きょうは、主に河川の問題に私は焦点を絞ってお話をさせていただきたいと思います。
平成十一年、今から八年前に、民主党で初めて次の内閣というものが誕生いたしました。そのときに私は、社会資本整備の担当の次の内閣の大臣に任命をされました。そのときはまだ国土交通省というのはありませんで、建設省と運輸省というのがそのときの私の所管の分野でありました。そのときに私は四つの法案を出しました。
一つは、公共事業のいわゆる事業別中長期計画というもの、これが公共事業の既得権益を守る温床になっているということで、これをなくしていくべきだということで一本化をしていくべきだという法案。それから、公共事業の額がその当時は非常に高かった。したがって、量的な削減を毎年強いていくという、今、経済財政諮問会議ではそのような話になっておりますけれども、そういう法案。もう一つ大きなのは、ダムに頼らない治水、そしてまた、山の保水能力を高めて、自然環境にも配慮した治山治水をしようということで、緑のダム法案。こういうものを出させていただきました。何度か出させていただきましたけれども、結局、議論もされずに廃案になったわけであります。
一つは、私、このときにダムの問題として取り上げさせてもらいましたのが、熊本県にある川辺川ダム。これは私は三回行きました。この川辺川ダムでありますけれども、これは国土交通大臣御存じだと思いますけれども、これは一九七六年なんですね、七六年の当初の見積額は三百五十億円。これは三十年以上たっていますけれども、まだいまだにダムの本体工事には取りかかれておりません。しかし、今までに一体幾らかかったかというと、二千四十三億円以上かかっているということでございまして、約六倍に膨れ上がっているわけであります。
ダムというのは金がかかる。これは国土交通省がみずから発表されたものでありますけれども、百四十九基のダム、当初計画と、実際に今の修正も含めた建設費見込みで約何倍になっているかというと、これは一・四倍になっていて、合計金額九兆円という莫大なものであります。そして、その大きな核になるのが、私はきょう二つのダムを議論させてもらいたいと思いますけれども、川辺川ダムと淀川水系の大戸川ダムだと私は思っております。
そこで、大臣に質問させていただきたいわけでございますけれども、平成九年に河川法の改正がございましたよね。平成九年の河川法の改正というのは、これは、考え方を変える、環境保全と流域、水域の住民参加で河川計画を立てていくということが大きな柱であったわけでありまして、それが守れなければいけない。守らなければ河川法違反になるわけであります。
ただ、この問題は、地元の相良村の村議会あるいは相良村の村長さんも反対、ダムは要らないというふうに言っている。そして、相良村だったら一つではないかということを言われますけれども、全体の流域、球磨川水域を管理されている熊本県の潮谷知事、この知事も反対をされている。そして、この取りまとめ案については了承しがたいと発言をされている。
これは、十一回、本来、他の水系では通常二、三回の会合で答申がまとまるんですよ。私は個人的に話をしました。本心は反対だということをはっきりおっしゃっていました。ただ、取りまとめ案は了承しがたいということをおっしゃっているわけですよ。了承しがたいとおっしゃっている。十一回もこれについては審議を重ねてきている。
河川法改正のもとで、これだけ地元の流域が反対をしていて、そして地元の熊本県知事も、取りまとめ案は了承しがたい、ダム建設を前提とする取りまとめ案は了承しがたいと言っていますけれども、まだ強行しますか、ダム建設を。
■冬柴国務大臣
私はやはりつくりたいと思います、結論は。
それは、球磨川水系では、昭和四十年七月の洪水、上流の人吉市市街及び中流部落が浸水して、流域の関連市町村、球磨川流域以外の河川流域も含みますが、水害、土砂災害による死者六名、被害家屋一万四千戸、昭和五十七年七月の洪水におきましては、死者四名、被害家屋五千戸と、これまでたび重なる洪水被害をこうむってきました。それで、近年におきましては、平成十六年、平成十七年、十八年、洪水被害が頻発しております。
したがいまして、川辺川ダムは根本的な治水対策として必要な施設である、このように認識をいたしております。
■前原誠司
この川辺川ダムというのは、もともと多目的ダムでしたよね。農業利水、それから発電、それから、今大臣の御答弁された治水、この三つのいわゆる多目的ダムでしたけれども、多目的ダムではなくなりましたよね。これは、農業利水については、地元の受益者の三分の二以上が賛成をしなければいけない。
これはどういうことをしたかということを、嫌かもしれませんが申し上げると、農林水産省は、亡くなった方の名簿までその中に入れて三分の二以上という虚偽を申請して、そして、受益者から裁判を起こされて敗訴したわけであります。負けたんです。そして、農林水産省はダムによる農業利水は行わないということを発表した。そして、発電も言われておりましたけれども、ことしの六月に、発電用利水でダム計画に参加をしていた電源開発が撤退を表明した。
大臣、後で議論しますけれども、我々、治水が必要ないということを言っているわけじゃないんです。でも、ダムだけが治水じゃないですよね。多目的ダムでなくなれば補助率が変わりますね。そうなると、いわゆる国土交通省、地元の負担も変わってくる。そういった中で、なおかつ、前提が崩れて、三十年以上この問題が本体ダムの着工にも着手できていない。そして六倍にも膨れ上がっている。それをまだ同じように続けていくつもりですか。一たん白紙に戻して、どういう治水がいいかということを、農業利水も発電も撤退をするわけですから、考え直すべきじゃないですか。答弁してください。
■冬柴国務大臣
河川法の改正が平成九年に行われましたけれども、それによりまして、従前は工事実施基本計画というもので定めていたわけでございますが、これを、河川整備基本方針というものと河川整備計画と区分をして定めることにいたしております。
整備基本方針は、いわゆる球磨川水系全体、広い範囲においてこの川辺川ダムは必要なのかどうかということを判断される一つの方針だと思いますが、具体的には、どういうふうなダムをそこへつくるのか、そのダムの構造はどうするのかということは、整備計画において定めることになります。
それについては、いろいろな学識経験者の意見、あるいは知事、市町村の人、あるいは広く住民の意思もお聞きをした上で、最後は、住民の生命、身体、財産について責任を負うのは国土交通大臣です。河川管理者です。私は、そのような方々の意見を考えながら、過去の歴史、そういうものも振り返りながら判断をすべきだと思っております。
■前原誠司
川辺川が球磨川に合流する地名が人吉というところでありますが、人吉の旅館に私は泊まりました。川辺にある旅館に泊まりました。柱に、私の頭以上に洪水の跡が残っている。ですから、おっしゃったように、過去に何回も大きな水害、水がついている。その御主人に話を伺いました。もちろん、ほかのいろいろな、三回行きましたのでかなりの方々にお話を伺いましたけれども、要は、ダムができたことによって水の流れが変わって、より危険な状況に置かれていると感じるんだということをおっしゃっている。
今、生命財産を判断される立場とおっしゃったら、このダムは何ダムを指しているかわかられますでしょう。何ダムを言うのか。球磨川のいわゆる本流のダムですよ。何ダムか御存じですか。
■冬柴国務大臣
そうではなしに、球磨川本流に流れ込む支流です。その後ろには大きな盆地があります。そこに降った雨が一点集中にここへ出てくるんです。そこへ川辺川ダムをつくるかどうかということをやっているわけです。
■前原誠司
わかっているんです。まだ川辺川ダムはできていないわけですから。ちょっと、事務局、そんなのだめだよ、持っていっちゃ。
そこまでおっしゃるんだったら、わかって治水のことをおっしゃっている、僕はだから治水議論を今からしようと思っているんです、治水議論を。
なぜ私がその治水の問題で申し上げているかというと、ダムができて、ダムだとなべ底調整というのをやるわけですよ。そこでそこまでためるわけです。ためて、しかし、オーバーフローするときはダムが決壊しますから流すわけですよ。そのことによって、それは調整はできますよ。僕はダムは全く反対だとは言っていません。しかし、大臣、ダムの名前は市房ダムというんですよ。市房ダムというのができたときに流れが変わった、そして、ある一定程度までは抑えることができるけれども、ダムができた後、オーバーフローした後、余計流れる。
では大臣、川辺川ダムの話になりますけれども、連携できますか、市房ダムと川辺川ダム。この二つのダムをコントロールできますか。できなかったら、お互いがオーバーフローするときは一挙により多くの水量が流れますよ。
■冬柴国務大臣
そのような面につきましては、学識経験者の御意見も十分に聞きながら、私のような素人判断でやるわけではありません。確かに潮谷知事はそのように意見を述べられたようですけれども、そのときほかの委員はどういう意見を言われたか御存じですか。その意見も言ってください。その上で、その学識経験者のそれ以外の委員がどのような意見を述べられ、そして、その中で潮谷さんがどう言ったかということをあわせて言ってもらわないと、みんなが反対しているように聞こえますよ。私はそうでないと認識をいたしております。
■前原誠司
今申し上げたのは一つの意見です。一つの意見ですけれども、私の質問には答えられていない。要は、市房ダムと川辺川ダム、その二つのダムの連携のダム管理ができますかと聞いているんです。
■冬柴国務大臣
学識経験者はできると言っておられます。
■前原誠司
その学識経験者の方の意見というのは一つの意見で、できないと言う方々も学識経験者の中にたくさんおられることはここで申し上げておきたいと思います。そこで最終的に判断されるのは大臣になりますけれども。
あと、これはちょっと時間がきょうはもう切れるので、ここで一たん切ります。それで、一時からまた続けてやらせてもらいます。
■逢沢委員長
午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午前十一時五十九分休憩
午後一時開議
■逢沢委員長
休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。前原誠司君。
■前原誠司
それでは、午前中に続いて質問させてもらいます。
午前中の質問で、二点申し上げたいことがあります。
一つは、熊本県知事の公の場以外での発言については撤回をさせていただきます。
それからもう一つは、地元の松野信夫議員の事務所にお電話があったそうであります、川辺川ダムの流域の方から。これは冬柴大臣にお伝えだけしておきますけれども、先ほど、四十年に四名、五十七年に六名の死者が出ているという答弁があったけれども、それは地元の方から、間違いであると。十名の死者は、川辺川に流入する支川、枝川での土砂崩壊による死者であって、川辺川ダムをつくれば防げる死者ではなかったということを、地元の方がおっしゃっているとお伝えだけしておきます。
そして、質問を続行させていただきます。
川辺川ダムの話を先ほどいたしました。もう一つ、淀川水系の大戸川ダムの話をさせていただきたいと思うわけでありますが、去る八月に、二年前に凍結を近畿地方整備局みずからが宣言をしていた大戸川ダムが、今度は一転して建設ということになりました。伺っている総工費は約一千億円。従前の計画は七百四十億円で、既に六百億円使われているというので、このたった二年で方針を転換するということで、さらに進めていくと四百億円の負担増になるわけであります。
これは、なぜたった二年で、凍結をすると言っていたものを翻したのかということであります。
これは、二年前に国土交通省の近畿地方整備局が出されたペーパーをもとにお話をいたしますけれども、保津峡、これは注釈を入れますと桂川、それから岩倉峡、これは木津川でありますが、の開削、つまり広げることは、「桂川及び木津川及び淀川における水害の危険性を増大させるおそれがあるため当面実施することはできません。保津峡、岩倉峡を開削するまでは、天ケ瀬ダム再開発実施後においては、大戸川ダムの洪水調節による宇治川及び淀川での洪水調節効果は小さいです。」ということを、これは整備局みずからがおっしゃっている。それからもう一点、「治水単独目的事業となることで治水分の事業費が増加し経済的にも不利になり、河道改修等のダム以外の対策案の方がコストの観点から有利です。」こういうようなことがこれは近畿地方整備局のペーパーとして出てきて、これが二年で変わったというのはどうしてですか。
■冬柴国務大臣
私も、その点についてどうして二年で変わったのかということは担当者にもよく聞きました。実は、淀川水系、下流ですね、本川といいますか、そこが大阪、京都、大都市を控えていまして、そこで破堤するとかこういうことは許されないわけでございまして、まずそこをかちっとしよう、堤防を整備しようということで、ボーリング調査その他をずっと平成十五年から十八年にかけて調査をしてまいりました。
当初は、ここが破れてはいけないということで、その際に、上流部をいらってしまうと、この下流の堤防が整備されていないときに上を整備して、上流からの流れが全部淀川へ入ってくるということになると破堤するおそれがある。そういうことから、まずは淀川本堤をきちっとしようということから、上流部については、今委員が言われたように、留保しようということを、平成十七年七月、私の方の近畿地方整備局が公表いたしまして、そのときに、大戸川ダムについても当面見送るということにしました。
しかしながら、十八年の結果を受けまして、淀川の堤防が非常に強くて、あと五年ほど整備をすれば十分だということがわかりました。そうなりますと、上流の方も、すなわち桂川、宇治川、木津川ですけれども、そういうところの整備をできるじゃないかということになってきたわけでございまして、そうすれば大戸川ダムも、その整備された宇治川へ流れ込む水を調整する意味では必要だというふうに十八年段階で変わったわけでございます。
確かに、二年でそういうふうに変えるのはおかしいんじゃないかという、私もそのような意味がありましたけれども、実は、十五年からの調査の結果が出たということでございます。
■前原誠司
この場でかなり込み入ったことを議論しても余り私は意味がないことはないと思いますけれども、現段階では適切ではないと思います。
そこで、私が聞いているのでは、堤防強化も実は緊急措置であって、本格的な堤防強化ではないという話も聞いております。そしてまた、中流域の河川改修をしたら今度は上流のダムが必要になったということになったら、延々と要は河川整備の必要性をマッチポンプのように生んでしまうような錯覚にも取りつかれるわけです、否定的に見れば。
そこで大臣、時間もこればかりにかけるわけにいきませんので、二つのことを申し上げておきたい。これは総理に伺いたいと思います。
総理、前の鳥取県知事の片山さんという方がおられますが、この片山さん、御自身の任期の一期目に、中部ダムというダムをやめられたんです。前任者が決めておられたダムをやめた。
そのときの話が私は非常におもしろいなと思うんですけれども、情報公開条例、国でいうと情報公開法ですね、これを徹底的に活用して、うそを言ったらだめだぞ、うそを言ったら情報公開条例によって罰せられるぞということを役人に言いながら、もう一度同じ治水効果でダムと河川改修の積算をやり直せということを言われたそうです、情報公開を逆手にとって。そしたら、初めは県の試算は、ダムは百四十億、護岸工事だったら百四十七億としてダムの方が安いとなっていたのが、この情報公開条例をやれば、ダムが二百三十億円、護岸の工事が七十八億円というのを出してきた。つまりは、改ざんをしていたということなんです。
国土交通省が改ざんをされているという前提に立つわけじゃありませんが、情報公開というものを徹底的にやって、大臣も大臣でありますので、素人と言うと恐縮かもしれません、私もちょっとかじった程度で、素人であります。ですから、情報公開法に基づいて、これだけの治水効果を得るためには、例えばこういう方法があって、どちらが安いかというようなことをしっかりとデータを示して、そして、改正河川法の趣旨にのっとって、流域水系委員会、第三者機関で議論してもらってその議論を尊重するということにしていけば、透明度が上がって、本当に必要なダムだったらつくったらいいんですよ。僕は全部ダムがだめだと言っているわけじゃない。
だけれども、先ほど申し上げたように、当初予算が川辺川のように三百億円で、今はまだダムの本体に手をつけていないのに六倍以上かかっている、こんなことはやはり繰り返しちゃいけないので、徹底した透明化、情報開示、そして河川法改正に基づく住民参加の流域委員会での結論を尊重するという形に私は河川整備を変えていくべきだと思いますが、総理の御見解をお聞かせください。
■福田内閣総理大臣
私の県にも大きなダムがございます。また、建設中もあるんですね、八ツ場ダムみたいな。ですから、そういうことについて日ごろ関心は十分持っております。
河川事業というのは、この八ツ場ダムも随分長い時間をかけておりますけれども、大変長い期間を要するわけでございまして、そういう場合に、その事業の必要性、これはもちろんでありますけれども、地域住民の意見も聞かなければいけないということがあります。そして、河川環境、この環境も、考え方がどんどん変わってきますので、そういうことも配慮しなければいけない。それからまた、需要がどのぐらいあるかといったようなことも考えなければいけない。
いろいろな問題を考えていく場合に、地域住民にやはり相当程度の情報提供をしないと住民もよく考えることができない、判断できないということもありますから、それは可能な限り情報公開しながら進めていく、そして、的確なる事業評価、厳格なる事業評価をしていかなければいけない。何しろお金のかかることですから、そういうことは十分配慮していく必要があると思います。
■前原誠司
総理がおっしゃったように、ぜひ徹底した情報公開、やるとおっしゃった、そして住民の意見も聞いて判断をするとおっしゃった、そういう仕組みをしっかりやっていただきたいというふうに思います。
次に、また国土交通大臣のところの質問になるわけでありますが、ちょっとパネルを。これは五月二十三日の読売新聞の記事であるわけでございますけれども、これを見てびっくりいたしました。公募は名ばかりで民間が排除されている、こういうことであります。
そこで、ここはちょっと出しておいていただきながら、経緯を説明させていただきたいと思います。
去年の二月に私、予算委員会、この場で質問をいたしまして、実は、公益法人には会計法上の原則が適用されない。つまりは、会計法は一般競争入札が原則であって、指名競争やあるいは随意契約というものは例外でなきゃいけないということなんですけれども、公益法人については、その例外のまた例外になるということで除外になっていたわけですけれども、それはおかしいじゃないかということを私は質問いたしました。
そのときの谷垣財務大臣が、「会計法では、あくまできちっと随意契約などは例外であると限定してあるわけです、今のように、公益法人のところが抜け穴になっているということがあるとすれば、もう一回会計法をきちっと、どういうものか議論、勉強させていただきたいと思っております。」ということで、勉強していただいて、六月に見直しの答申がまとまり、そしてことしの一月に、随意契約の適正化というペーパーが公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議というものでまとまったわけであります。
つまりは、公益法人も随意契約は基本的にはだめよ、そういう形になったと思って、そして私は改善されたと思って喜んでいたわけですけれども、こういう新聞記事が出てまいりました。次のフリップをお願いします。
このフリップは何かといいますと、これは国土交通省が出してきたものでありますけれども、平成十七年は特命随意契約ばかりでした、しかし、そういった随意契約の適正化によって、すべて競争性のある契約方式による契約に変わりました、こういうことを言ってきたわけです。
だったら新聞記事と違うじゃないかということで調べたら、実は、この特命随意契約という特命という文字が書いてあるのがみそでありまして、この下の内訳、十九年度ですから、もう適正化をしなきゃいけない内訳の競争入札は確かに競争入札が行われていた、しかし、企画競争と公募手続はすべて随意契約だったんです。つまりは、特命は消えたわけですよ。特命は消えたけれども、公募方式とかなんとか言って条件をつけて、結局は全部随意契約。これはまさに骨抜きとしか言いようがないんですね。
なぜこういうことになったのか。この大きな理由は、条件をつけているわけですよ。
例えばどんな条件をつけているか、申し上げましょう。これは建設弘済会等への発注実績ということですから、どこから発注されているかというと、国土交通省の八地方整備局から発注をされているわけでありますけれども、このいわゆる企画競争とか公募手続に参加をするときには、業務に従事できる技術者認定制度を新たに新設します。これが近畿以外の七つ。あるいは八地方整備局のうち六つは、公募の際、従事できる技術者の条件として同制度の認定技術者ということを明記した。そして問題なのは、この受験資格が、技術者になるためには公共工事の発注者として最低三年以上実務経験がある、こういうことを条件に付しているわけです。
繰り返し申し上げますけれども、平成十七年度までは全部特命随意契約だったんですよ。ということは、発注実績のある人というのは、ここにいる人しかできないわけですよ。つまりは、この特命随意契約というものはだめですよと言われた。そして競争しなきゃいけないということにした。そして、持ってきた資料では、企画競争とか公募手続になったということになっている。特命随意契約はゼロと言っている。しかし実際は、発注条件をつけて、これは大臣、三・七%ですよ、競争入札は。随意契約が結果的には九六・三%、ほとんど随意契約を残している。まさにこれは、随意契約を見直すという骨抜きじゃないですか。いかがですか。
■冬柴国務大臣
外形的には、もうそのように言われても仕方がない事実だと思います、数字は。
ただ、十九年からは、すべての案件について条件は厳しいですから、応募する人が一人しかないというようなことになって、その後に随契をやっているわけであって、頭から随意契約をやっているわけではありません。競争入札をするということでやっているわけです。
しかしながら、きょう御指摘もありましたし、私が見ても、十八年六月の申し合わせから見ればこれは改めなければならないと思いますので、このような、先ほど挙げられましたような厳しい条件、それなりに説明すればあるんですけれども、結果的に民間の人が応募できないような、応札できないような条件というものは、これは、事実上入札に参加できなくなるわけですから、改めようと思います。今後は改めたいと思います。
■前原誠司
要は、これはとにかく抜け道、抜け道をつくる、先ほど申し上げた最低三年以上の実務経験もそうですけれども、発注補助業務の請負実績があるとか、つまりは、今までやった人しかだめよというそういう条件は、ほかの人は入るなということなんですよ。だから、これを改めないと、特命随意契約が随意契約、特命は消えたけれども、実際は随意契約だとしたら、骨抜きになってしまう。
さらに問題を申し上げましょうか。
この競争入札が行われていたはずのところですよね。ごめんなさい、先にもう一つ質問しなきゃいけません。今まで特命随意契約をしてきた理由は何ですか。特命随意契約のみに頼ってきた理由は何ですか。
■冬柴国務大臣
今まで随意契約をしてきたということは、技術力、それから中立性、公平性、守秘性、当該業務を実施するまでの不可欠的な要件を明示してそういうことに絞ってきますと、やはり、今まで公務員の定数がどんどん減りました、しかし仕事はたくさんあるわけです。そういう意味で、アウトソーシングをせざるを得ないことになります。
では、どこへでも出せるかというと、仕事が例えば発注業務ということになりますと、発注についての調査とか、いろいろなことが専門性があります。積算補助あるいは工事監督における検査補助というようなものにつきましては、非常に技術的であります。したがって、税金を使ってこういうものをやるわけですから、一番それが安心のできる人ということでそういうことになってきたということは申し上げられると思います。
■前原誠司
でも、今はそうおっしゃったわけですが、これはフリップはありません、フリップはこのまま出しておいていただいて、お配りをしている資料の後ろから二枚目を見ていただけますか、各建設弘済会等の元出向者の状況等一覧。
今、冬柴国土交通大臣は、専門性とか技術力とか守秘性ということをおっしゃいましたね。このいわゆる八協議会、建設弘済会等を見ると、全職員が七千九百九十名の中で出向者は三千五百七十六名いたんです。民間企業からの出向者はこれだけいたんですよ。これだけ民間企業の出向者を受け入れておいて、要は、OBだから専門性、守秘性があるということは論理として破綻しているじゃないですか。何でこれだけ出向者を抱えなきゃいけなかったんですか。
ということは、専門性、守秘性ということからも、出向者を民間企業から抱えるということは、これは大事な機密漏えいの危険にさらすことになる。それも三千五百七十六名もいた。矛盾されていませんか、今の答弁と。
■冬柴国務大臣
しかし、信用できるOBが過半を占めているわけでありまして、それでいいんじゃないでしょうか。OBというか、それは、そういう役所に勤めていた人が、これはみんな、社団法人なり、国土交通省の監督する社団なんですよね。したがいまして、いろいろ笑われるけれども、本当に仕事をきちっとやっていこうと思えば、多くの仕事を役所の人間はどんどん減らしているわけですよ。したがって……(発言する者あり)いや、減らしていますよ。したがいまして、こういうことになったわけであります。
■前原誠司
公務員の総定数を減らしていったから、OBを、受け皿をつくってそこに仕事を任せているということになると、天下りを率先しているようなものじゃないですか。しかも、今、信用できるOBがなんということをおっしゃったら、まさに天下りを助長する。公明党はそういう党なんですか。そういう天下りを助長して、結果的には随意契約になっている。
随意契約になったら何が問題だと我々は言っているかというと、競争原理なく公共事業が発注されるから、コストが高いんですよ。税金の無駄遣いなんですよ。それを我々はなくしていかなきゃいけないということを言っているのに、公務員の総定数が減ったからとか、信頼できるOBがいるところだからいいとか言って、出向者がこれだけいる。全くもって論理矛盾ですよ。
そして、もう一つ申し上げましょう。これはそれで一応解消されましたね。つまりは、職業安定法違反だという指摘を受けて解消された。しかし、問題なのは、今のページと同じように、出向元会社に戻った人もいれば、出向元会社から契約職員としてまたもらっている。本当に能力のない人ばかりがいるんじゃないですか、ここの弘済会というのは。出向者を受け入れて、職業安定法違反だと言われたら、今度は契約社員としてもらっている。何ですか、これは。
天下りをまさに認めて、OBを受け入れるための組織を持っておかなきゃいけないという役所の論理でしかないじゃないですか。どう説明されますか。
■冬柴国務大臣
いろいろな観点から指摘を受けて、それを改めて、そして、こちらの方に職員として受け入れる人、あるいはもうこのままやめていただく人、そういう仕分けをしております。
それから、今指摘されたような点については、我々としても反省をし、そしてそれは、これから競争入札に応札していただけるような環境をつくっていかなきゃならないと思います。徐々にそういう形で私どもはそれは改めていくものは改めていけると思っておりますし、それによって国民に損害を与えるとか、そんな意思が国土交通省にあるわけではありませんので、よろしくお願いしたいと思います。
■前原誠司
いや、損害を与えているんですよ。税金の無駄遣い、随意契約でコストが高くなって、国民に損害を与えているんですよ。だから問題にしているんですよ。
最後の資料を見てください。これもフリップではありませんけれども、これは、九州地方整備局の支援業務、つまりは、このフリップの競争入札に付された会社のすべて、平成十九年度に九州地方整備局が発注して、随意契約以外で競争入札がなされたところのいわゆるこれは一覧表です。二十件のその一覧表です。これは、右に会社名が書いてありますけれども、下は、九州地方整備局のもとの九州建設弘済会という天下り組織の出向者を受け入れた企業がトップから並んでいるわけです。オーバーラップしているじゃないですか。
つまりは、出向者を受け入れていたところに競争原理があるというところを発注させている。競争原理じゃなくて、出向者を受け入れたから仕事を発注しているわけじゃないですか。
それで、これ、私は額を計算しました。競争入札ですよね。すべての九州地方整備局の二十件の平均落札率、競争入札で幾らだったと思われますか、大臣。九九%を超えているんですよ。九九%を超えるなんてないですよ。
つまりは、随意契約もしり抜けで、随意契約を特命を外して弘済会等に発注していた。ここのこの民間等も同じ構図ですよ。出向者を出しているところが大宗を占めている。そして、競争入札といったところも、実は出向者を出しているところに仕事を出して、そして、競争入札といいながら平均落札率は九九%を超えている。これは犯罪ですよ、国土交通省。
これは、是正をするだけではなくて、能力のない人がいるんですから、もう弘済会は全部廃止するか、あるいはもう民間企業にかえるか、それをしないと、まだまだそういう悪行、猿知恵というのは続きますよ。いかがですか。
■冬柴国務大臣
そのフリップじゃなしに、配られたこれで、まず上の段の七番、十三番、十四番、十七番、十九番、このところには直接落札しておりません。それが一つ。
それから、この下のところで、五十三人からずっと出向者の数字が並んでいますけれども、そのうち、四月一日付で弘済会に一部ずつ採用しています。五十三人のところは十五人、それから六十一人のところは十人、それ以外の人は全部やめていただいております。
そういうことがあるということを申し上げたいと思います。
■前原誠司
そんな例外的なところの説明を聞くために質問したわけじゃなくて、犯罪行為であって、弘済会なんというのは、なくしてしまうか民営化してしまってもいいんじゃないか。出向者や契約社員を受け入れなかったら事業ができないんでしょう。専門性もない、守秘性という論理も崩れている、全くもって論理破綻じゃないですか。
総理、私が心配をしているのは、国土交通省だけじゃないんじゃないか。四千五百の公益法人、二万八千人の天下りがそこで生活をしていて、そして、上半期だけで五兆九千億円もの補助金が流れている。六兆円近くの補助金が流れている。これを正していくために我々は、透明性のある契約方式に変えていくということで随意契約はだめよという話にしたら、一つの例として挙げましたけれども、国土交通省の所管の公益法人は、全くもって脱法行為をやっている。これはすべての役所がやっていると国民は思っているんじゃないですか、聞いている国民は。全部点検してください。すべての役所の公益法人、こういう脱法行為がないか。
資料は上の資料を持ってくるわけです。つまりは、特命随意契約ばかりでしたけれども、全部競争性のある契約方式に変えましたと言って、中身を詳しく調べると、競争入札も出向者を受け入れているところに九九%の平均落札率、そして企画競争、公募手続については、すべて結果的には随意契約。こういうことでは、随意契約の見直しになっていないじゃないですか。
これは、すべての公益法人でやって、国会にその精査した結果を提出する。そのことを、総理の、まさに改革を継続すると言うのであれば、霞が関改革が本丸ですよ。それをやるということをぜひ力強く示してください。
■福田内閣総理大臣
補助金をいかにして透明性を高め、そして適正化を図っていく、これは大変大事なことだというふうに思っております。そういう観点から、ただいま国土交通大臣からも説明ございましたけれども、その分野についてもしっかりと対応していく必要はあると思っております。
これは国土交通省だけでないかもしれません。ほかの省庁についても、各担当大臣が責任を持ってこの分野に切り込んでいくことを私も期待いたしております。
■前原誠司
期待ではなくて、総理大臣がすべての大臣に指示をしていただいて、そしてその調査結果を国会に出す、そこまで明言をしていただきたいと思います。
■福田内閣総理大臣
こういうふうに私が申し上げれば、指示をしたと同じようなことであります。各省、それぞれの分野でいろいろな事情はあると思います。それは、適正化というようなことでその期待にこたえていきたいというふうに思っております。
■前原誠司
委員長、今、指示だ、同等だということをおっしゃいました。予算委員会として正式に、今私が申し上げた各省庁の所管の公益法人、これのいわゆる随意契約の契約形態がどのように変わっていったのか、こういった脱法行為はないのか、そういったものを調べて、この委員会に提出をされていただくように資料要求をいたします。
■逢沢委員長
後ほど、理事会で扱い方について適切に協議をいたします。
■前原誠司
続きまして、三つ目の、税金の無駄遣いにメスを入れる話でありますけれども、これは、行政機構の多重構造、これに基づく無駄があるというふうに私は思っております。
政令指定都市というのはどういう都市なのかということになれば、児童福祉、民生委員、身体障害者の福祉、生活保護、あるいは母子家庭、老人福祉、食品衛生、あるいは都市計画、土地区画整理、いろいろな事業を、県の持っている権限を地方に移譲するということが政令都市であります。
私も京都府議会議員をやらせていただきました。京都市という政令都市出身の議員でございましたけれども、細々とした仕事はそれはいろいろあります。しかし、主な仕事というのは何かというと、それは、道府県立高校、京都だったら府立高校、それから警察、京都だったら京都府警、そして一級河川、この三つがメーンの仕事であって、先ほど申し上げたように、細々とした仕事、細々というか、生活に密着をする仕事についてはほとんどが市に移譲されているわけであります。
そこで、ちょっとフリップを見ていただきたいと思いますが、これが道府県会議員の議員定数と指定都市選出議員の数ということであります。それと、あとは職員数がどれぐらいいるかということでございますけれども、要は、人口に比例して、北海道だったら札幌、宮城だったら仙台ということで、政令市ですから、権限が移譲されているところからも同じ人口比率で道府県会議員が選ばれて出てきている。
その方々が悪いと言っているんじゃないですよ。今の仕組みで出てきて仕事をしていただいている立派な方々ですから、その方が悪いと言っているわけではない。しかし、多くの仕事が政令市に移譲された中で、そのまま同数程度を選ぶということが果たしていいのかどうなのか、私はこの点については何度も何度も質問をしてまいりました。
そして、私が確認したかったのは何かというと、このことについて、菅前総務大臣がこういう答弁をされております。「政令指定都市になると、先ほど言いましたけれども、さまざまな権限が移譲される。しかし、県会議員というのは人口で基本的には配分をされる。言われた矛盾については、私も共感、共鳴をするものが正直言ってあります。」「私も総務大臣になってからも、今のままでいいとは思ってもおりません。そうしたことも踏まえて、」「前向きに考えていきたいと思います。」こういうふうにお答えになっている。
総理、これからどんどん市町村合併で政令市がまたふえてくる可能性はございます。そういう中でこういった矛盾というものを解消していくということは、前内閣の菅総務大臣はやるとおっしゃった。この内閣も、こういった多重行政の矛盾について是正をしていくということに変わりありませんか。総理大臣、お答えください。
■増田国務大臣
御指名いただきましたので、お答えを申し上げたいと思います。
いわゆる政令市の議員の問題でございますけれども、これは、前原委員がみずから京都府議会議員としての御体験に基づく考えもあろうかと思いますし、それから、前菅総務大臣でございますが、横浜の市議会議員ということで、同じく政令市の議員でございました。そうした皆様方のお考えというのは、私も十分拝聴するに値する御意見だろうというふうに思います。
この問題について、今お話にございましたとおり、警察、あるいは学校、河川等、非常に政令市の権限が大きくなりまして、道府県の権限というのは小さくなっております。そうしたことから考えれば、今お話にございましたとおり、議員の数というのは、住民感情からもどうかなという考え方は、私もうなずけるものがございます。
一方で、そこにお住まいの住民の皆様方、要するに指定都市の住民は、個人県民税をひとしく他の市町村の住民と同じく負担をしているということがございまして、道府県行政全般にわたって財政負担を分担する、こういう仕組みもあるものですから、その点について代表者を通じて道府県行政にいろいろ発言する機会、これもまた大変重要なことであろう、こういうふうに思います。
したがいまして、負担に見合った参加という観点からも、こうした問題をやはりさまざまな観点から検討する必要があるであろうということでございまして、前大臣もそうした発言をしてございますので、私どももこの問題を十分意識しておりますが、これについては、地方制度調査会で議論を深めるということにしてございますので、そこでの議論などを見ながらこちらも考えていきたいというふうに思っております。
■前原誠司
がっかりするような答弁ですね。菅さんは政治家で、やはり増田さんは行政マンだと私は思いますよ。こういうのは、なぜ総理に聞いたかというと、政治決断が必要なんですよ。そんな何とか調査会にゆだねて議論を待っているって、そんなのは政治家じゃないし、スピード感がない。(パネルを示す)
例えば、近々に政令市が生まれたところ、経緯もありますので静岡とか堺とか入れていませんが、宮城、千葉、埼玉において、この真ん中辺が政令市になったところなんですけれども、これだけ十八もの主要な仕事が抜けるのであれば、本来であれば、県の職員というのは減って当たり前ですよね、県民感情、市民感情、国民感情からすると。これはほとんど減っていないんですよ。減っていないどころか、埼玉県なんかふえているわけです、一番近々のものなんかは。
だから、こういうことから考えても、いわゆる市町村合併の行政改革効果というのは、私はうまく生まれていないと思いますよ。まだまだ生まれていない。
もう一つ、先ほどのフリップ、今度は右側の方を見ていただきたいんですけれども、職員数それから平均年収、これがずらっと並んでいます。これは、具体的にはどなたがということは、先ほどと同じような調子で、撤回したように、申し上げられませんが、個人的な意見としてお伺いをいたしました。ある知事、政令都市を抱える知事の経験者が私におっしゃっていたのは、その職員は半分から三分の一で十分にやっていけるということをおっしゃっていました。それからこれは、もう一人は現職の方です。現職の方も、私に対しては同じようなことをおっしゃっていました。
これは皆さん、平均年収、これは高いんですよね。サラリーマンだと大体今は平均年収は四百三十五万円ぐらいですか。そう考えると、公務員の給与水準というのは、特にこういう大きな県というのは高いなと思うわけでありますが、これは皆さん、この職員の方々のいわゆる合計給与額、五兆三千億を超えるわけですよ。
つまりは、こういったものの行政改革効果というものをやっていけば、まあ、半分、三分の一と一挙にできるわけじゃありませんから、幾ら分限免職が可能だといって、そんなにばっさりやれるわけじゃない。しかし、こういったものにメスを入れて分権とセットで議論をしていけばお金は浮いてくるんだというような認識を持つべきじゃないですか、総理。
先ほどの増田さんのわけのわからぬ答弁じゃなくて、要は、この多重行政の……(発言する者あり)全然失礼じゃない。あんな、もう時間の無駄以外の何もなかった。ああいう多層行政の無駄、そして、こういったいわゆる給与の引き下げ効果、ひいては国民の税金の無駄遣いをなくすような効果が出てくるんだということで、これは、取り組むべきだということをぜひ私は決意として表明していただきたいと思うんですが、いかがですか。
■福田内閣総理大臣
先ほど来、お話をいろいろ伺いまして、私も、やはり地方自治体、合理化、スリム化というのは中央もやっていることでありますけれども、これは将来を見据えても必要なことだというふうに思います。
ただし、その地域の事情もあろうかと思います。一票の格差の問題とか、その道府県行政の参加の機会とか、そういったようないろいろな要素もあろうかと思いますから、そういうことは頭に置きながら、しかし、方向としてはスリム化というのは必要なんだろうというふうに思っております。
■前原誠司
三年後に地方分権推進法ということでいわゆるあり方をまとめるわけですので、それをしっかりと目指して取り組んでいただきたいと思います。
我々の十五・三兆円に対していろいろな人が、そんなもの根拠はあるのかという話がありますが、いろいろ知恵を出す人はいっぱい出てきます。そのことを私はきょうは、ダム、それから随契、それから、今の多重行政のいわゆる無駄、こういったことで申し上げました。これはお互い知恵を出していく、そういったことをこれからも我々もやっていきますので、ぜひ真剣にお互い取り組んでいかなければいけないと思います。
最後に、残り時間が少なくなりましたけれども、外交問題、北朝鮮の問題について簡単に二点だけ、これは総理に質問をさせていただきたいと思います。
南北首脳会談もございました。そしてまた六者協議の合意ということで、初期段階から次の段階へいよいよ移行していくということになるわけでありますけれども、アメリカのこのテロ支援国家指定解除というものは、日本の拉致問題の進展がなければアメリカはテロ支援国家解除をしないということを日本とアメリカの間でしっかりと話をされているのかどうなのか、その点について御答弁をいただきたいと思います。
■福田内閣総理大臣
米国によります北朝鮮のテロ支援国家指定からの解除、このことに関しましては、米国は、北朝鮮との関係を進めるに当たりまして、日米関係を犠牲にすることはない、こういうふうな立場をとっております。そして、先般、私、総理就任直後にブッシュ大統領とも電話で会談いたしました。その中においても、拉致問題について決して忘れることはないということを米国の立場として述べられたということでございます。
私は、そういうような米国の立場、これは大変心強く思っておりまして、本件も含めまして、引き続き米側とは緊密に連絡をとってまいりたいと思っております。
■前原誠司
緊密に連携をとっていただきたいと思いますし、このことについて私どもがどうのこうのということで揚げ足をとったり、ネガティブなことを言うつもりは全くありません。
ただ、外交というのは、大先輩に対して恐縮でありますけれども、私の感覚として、やはり、お互い国益を背負ってやっているわけでありまして、ブッシュ政権はあと一年余りで終わりです。中東は混沌として、イラクの問題、中東和平も進んでいない。そして、テロの脅威というものをアメリカは一番感じている。テロの脅威を感じている中で核の拡散というものを防いでいかなきゃいけないというのは、テロとの闘いの最重要課題の一つですね。それを、例えば外交成果、そしてそれは、体面と同時に実のあるものにしていくためには、北朝鮮のいわゆる核の拡散をとめる、あるいは開発をとめるということは、アメリカの国益にも大きくかなっていることであって、その点は余り楽観をすべきではないということだけは私は申し上げておきたいと思います。
その上で二つ目に私が総理に御質問したいのは、安倍政権の北朝鮮政策を踏襲するのかしないのかということなんです。
これはどういうことかといいますと、私は二月の十三日にこの予算委員会の場で午後質問いたしました。同じ時間帯に質問いたしました。そのときは六者協議の二・一三合意がまとまった後でした。そして、初期段階の措置、その後の措置、いろいろ決まった中で、私は安倍さんにこういう問いかけをいたしました。拉致の問題、核の問題、ミサイルの問題、すべて日本としては看過できない問題である、日朝平壌宣言というものは、それを解決しないと日朝国交正常化というものはしないんだということ、しかし、核の問題が仮に進展したとしても、拉致の問題の前進がなければ六者協議における支援の輪にも加わらないということは果たしていいのかという観点で私は質問をいたしました。
その後、我が事務所には、メール、電話等かなりの抗議が来ました。中には、拉致被害者の前で腹を切れという脅迫文書も来ました。
私は拉致問題を置き去りにしたらいいということを言っているわけじゃない。むしろ、トータルパッケージ、核の問題も、日本も、北朝鮮が前進を示すのであれば、協力をしながら、日朝間の協議というもののパイプをしっかり持って、そして、ほかの国任せ、南北の首脳会談があれば日本の言づけをする、米朝の会談があれば日本の言づけをする、そうじゃなくて、関与していく中で拉致の問題も主体的に日朝間で交渉していく。そのためには、拉致の問題が進まなければ何もかも支援をしないということは、むしろ外交の裁量を狭めるんじゃないかということを私は申し上げて、その意味で、日朝平壌宣言に立ち戻って、主体的に関与して包括的な解決を目指す、そして、まさにその暁には日朝国交正常化というような道筋を選んでいく。
拉致の軽視じゃないんですよ。日本が関与をしていく、外交カードをたくさん持っていくための主体的な行動なんです。そのためには、安倍政権のこの北朝鮮に対する態度は余りにもカードを持たな過ぎた。その点でこの方針を変えるおつもりはありますか。
■福田内閣総理大臣
私どもの考え方としては、やはり包括的に解決していくということが大事だというふうに思います。拉致が解決しなきゃ、それは困るわけですよ。核、この問題も解決してくれなきゃ困るんですよ。あわせて、ミサイルの問題も解決しなければ困るんです。
ですから、その辺を、バランスをうまくとりながら包括的な解決に向けて努力をしていくというのが基本的な考え方です。
■前原誠司
私は外交、安全保障に与党も野党もないと思っています。そういう意味では、今おっしゃったように、国益というものを重視して、むしろ拉致問題も含めて積極的に関与していく中で、この朝鮮半島、東アジアの安全保障、ひいてはそれが日本の国益につながる、そういう思いの中で、安倍さんの少しかたくなな強硬路線から転換をして、それがひいては、繰り返しになりますけれども、拉致の問題も含めたトータルの解決になるんだ、そういう思いでしっかりと私は外交を進めていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます
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