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衆議院予算委員会 2007/02/13

■前原誠司
民主党の前原です。

まず、外交問題につきまして、総理並びに防衛大臣にお伺いをしたいというふうに思います。

現在進行形で北京で六カ国協議が今行われております。中国、議長国でありますが、最終合意案というものを出してきているということでございまして、現時点で、それを北朝鮮が受け入れるかどうかまだわからない、そして残りの五カ国はそれについては合意をしているということで、恐らく総理のお耳にもその点については入っているのではないかと思います。

中身につきましては、議長国中国から提示された合意文書案というのは四点あります。

一つは寧辺の核施設の稼働停止、それからIAEAの査察を受け入れ、寧辺以外の核施設を申告、これは北朝鮮に対してのオブリゲーションとしてこれを課すということ、そして、それを行った上で、二段階に分けてエネルギー支援を残りの五カ国でやっていくということで、ある程度それが動き出せば五カ国が重油計五万トン、そしてさらに進展が見られれば残りの九十五万トン、計百万トンの重油支援を行うということでございますが、総理に伺いたいのは、拉致問題の進展なくして支援なしということを午前中も答弁されましたけれども、この方針にいささかの変更もないのかどうなのか、その点について簡単にお答えをいただきたいと思います。

■安倍内閣総理大臣
今委員が御指摘になった、拉致問題の進展がなければ我々は支援をしない、この方針には変わりがないということでございます。そしてまた、この私どもの方針については、六者会合に参加をしている国々、もちろん北朝鮮以外でありますが、この国々は私どもの立場をよく理解をしているということでございます。

■前原誠司
ということは、六カ国で合意をしたとしても、拉致の進展なくしては日本としてはこのエネルギー支援には踏み出さないということを今おっしゃったということでよろしいですか。確認だけです。

■安倍内閣総理大臣
いわゆる私どもが支援をするということは行わないということでございます。

■前原誠司
これは私は、我が党の中でもそうだと思いますし、また政府・与党の中でもいろいろな意見が出てくると思います。

少し大きな観点から私はこの北朝鮮の問題を議論させていただきたいわけでありますが、この北朝鮮の問題というのは、平和裏に、外交的に解決していかなくてはいけないと思っております。ただ、これが万が一暴発をするということになったときにどの国に一番被害が及ぶかということを、我々は安全保障の観点から真剣に考えなければいけないんだと思います。

例えば、この六カ国協議に臨んでいる北朝鮮を除いた五カ国の中で、総理は、北朝鮮が暴発をすればどの国が最も危険にさらされると思われますか。

■安倍内閣総理大臣
この暴発でございますが、暴発の定義として、例えば、軍事行動を起こして、一〇〇%間違いなくそれは成功に終わらずにみずからの国が滅んでしまう、または自分も含めて命を奪われてしまうという中にあっての暴発ということであれば、その可能性というのは極めて小さい、このように私は考えております。

金正日委員長と小泉総理が首脳会談を行った際、私も同席をいたしたわけでございますが、金正日委員長は、金正日委員長の中においては合理的な判断ができるという人物ではないか、このように思ったような次第でありまして、北朝鮮が万が一武力に訴えた際には、これはもうかなり短い期間に金正日政権は崩壊するのは間違いがないであろう。果たしてそういう手段をとるかどうか、これは大変可能性が、もちろんゼロではありませんが、極めて低い、このように思います。

その前提の上で答えれば、北朝鮮が持っているミサイル等々は基本的に日本をターゲットにしているものであるということにおいて言えば、もちろん、当然韓国が大変大きな被害を受けるわけでありますが、日本もかなり大きな被害を受ける可能性もある、このように考えております。

■前原誠司
暴発の定義は、それは万が一のことですから、細かく議論しても仕方がないというふうに思っております。

しかし、最悪の事態を考えるのが防衛でありまして、それに対して巨額のミサイル防衛だって日本は計上しているわけであって、それについて我々も賛同しているわけであります。それは、与党、野党関係ないわけです。つまりは、日本が北朝鮮の攻撃にさらされる可能性はゼロではないし、先ほど申し上げたように、総理は韓国もその可能性があるとおっしゃった、それはあるかもしれません。

ただ、私は、例えば核を使うことになったときに、同胞に対して使うかどうか。一番北朝鮮が今敵視をしているのはアメリカと日本でありまして、そういう意味においては、アメリカには、それは工作員が持っていって、それで核を使うということがあるかもしれないけれども、ミサイルは少なくとも届かない。ミサイルは、二百発以上のノドンミサイルというものが日本を射程に置いている。そして、この間、核実験が行われたというふうに言われている。核を持っている、核兵器を持っているという前提に立って物事を考えざるを得ない。そのときに、私は、核とミサイルが結びついた形で最も攻撃にさらされる可能性が高いのは日本だというふうに思っているわけです。

その中で、この北朝鮮の核の問題というものを平和的に解決しようと思ったら、私は今二つのものしかないと思うんですね。一つは今行われている六者協議、もう一つは国連ですよ。一七一八という国連決議がまとめられて、そして各国がそれについての制裁に従うということになっているけれども、なかなか、百九十一カ国の中ですべてが制裁に乗っているわけではありません。五十カ国そこそこではないかという言われ方もしておりますが、少なくとも、国連という権威のあるところで決めたものについて、北朝鮮に対して制裁を一生懸命に協力してやっていく、このダブルトラックでいくしかないんだろうと思うんですね。

その際に、拉致の問題が重要でないということを言っているわけではありません。しかし、万が一の暴発を考えたときに、果たして、六者協議で合意がされた、そして日本の立場というものを理解するようにほかの国に言ってある、しかし、ほかの国が重油を供給していくということが現実に生まれてくる中で、もし北朝鮮が暴発をすれば最も被害を受ける可能性のある日本が、拉致問題があるからといってそれに参加をしないことは本当に国益にかなうんでしょうか。

私は、この拉致問題があるということは極めて大事。これは私、安倍政権になってから、かなりハードルを上げていっていると思うんですよ。安倍さんがなぜ人気が出たかというと、この拉致問題がスタートですから、拉致問題に対して極めてこだわりを持ってやってこられたということは敬意を表します。しかし、この核の問題、ミサイルの問題、そして現実的な六者協議という外交の場でこういった議論がなされている中で、拉致の問題があるから我々は合意したってやりませんよということが果たして日本の国益にかなうと思われますか。

■安倍内閣総理大臣
今まさに最終的に協議が詰めの段階でございますから、中身については余り私は申し上げることはできないわけでございますが、この核の問題について、日本にとっては、運搬手段を持っているということにつきましては、安全保障上極めて重大な問題、こう認識をしておりますし、北朝鮮に核の放棄に向けて具体的な行動をとらせなければいけない、その必要性を最も感じているのは日本であり、私もそうであります。だからこそ、この六者会合が開催されるべく、我々も実はいろいろな努力もしてまいりました。

そして今般、六者会合が開かれたわけでありまして、そして、合意に向けて進んでいる上においても日本はそれなりの役割を果たしています。それなりの役割を果たしている。合意のまとまっていく過程においても日本はいろいろな役割を果たしているということは申し上げておきたい、このように思います。

そこで、この問題について、では、日本が重油を供給していかなければまとまらないかといえば、まとまらないことはないんです。我々が供給をしなくてもまとまるということについて、そういうスキームをつくっていくことにおいて了解をとることができたわけであります。それは外交努力の結果と言ってもいい、このように思います。一切そういう外交努力もしなくて、日本は知りませんよという態度であれば、確かにそれは、その態度は日本の国益を損なうと思います。

しかし、私たちは、拉致問題の重要性について各国に働きかけをして、説明をして、私たちの立場は理解していただいています。それと同時に、この核の問題についても日本は北朝鮮に行動をとらせるために努力をしてきているということも、彼らも理解をしているところでございます。

そういう中において、日本が今回重油を提供しないという枠組みの中で今物事は進んでいて、それは理解をされているということにおいては、何ら国益を損なっていることにはならない。

そしてまた、北朝鮮側に拉致の問題の解決の重要性を認識させなければいけない。この問題を解決しなくても大丈夫だと彼らが思ってしまった瞬間に、もうこの問題は一歩も動かなくなるわけであります。そこを私たちは決して忘れてはいけないし、そこを放棄してはならない、これが私の考え方であります。

■前原誠司
外交的に政策決定の軽重というものをやはり判断する場面というのが私はあると思うんですね。例えば、拉致問題は極めて大事だ、拉致の問題解決なくしては日朝国交正常化はあり得ないし、例えば日本が独自で北朝鮮に対しての支援というものをやることはない、これはもう国民全員がコンセンサスとして得られる話だと私は思いますよ。

ただ、先ほど申し上げたように、もしこの問題がうまく解決できなかったときに、どんどん北朝鮮が核開発を継続する可能性がある、それをとめなきゃいけない。そして、それに対しては、中国を議長国として各国が一生懸命外交努力をしている。

私は、この外交問題、後でお話をする日米同盟関係についてはライフワークでやってきましたので、いろいろなアメリカの、総理とも人脈がかぶっている部分があると思いますけれども、どちらが大切なんだということをよく聞かれる。拉致の問題なのか、核の問題なのか。どちらも大切ですよ。どちらも大切だけれども、核の問題のマネジメントを間違えば、何十万、何百万という国民を被害に陥れる可能性がある、また、核のいわゆる環境破壊というものに何十年、何百年、ひょっとすればさらされる可能性もあるわけですね。

その中にあって、外交問題で、この六者協議で合意を得るのに、それは日本の固有の問題、韓国も拉致問題があったとしても、日本の固有の問題を理解すると言ったとしても、それは私は、この六者協議の枠組みの中からどんどん日本が発言権を失っていく話になるのではないか。大きな枠の中で、これは後でお話ししますけれども、日米関係にも大きな影を落とすと私は思いますよ、これにこだわり過ぎていれば。だから、変えるなら早い方がいい。

つまりは、拉致の問題も大切だけれども、六者協議の中で合意した重油支援というのはやりますと、そこは。そして、この拉致の問題を解決するに当たっては日朝で作業グループをつくる、そして、日朝国交正常化の前提としては拉致の全面解決以外はあり得ない、そして、日本がバイの関係の中で北朝鮮を支援することはあり得ない、そういうことでしっかりと拉致の問題に対してもメッセージが行くんじゃないですか。

■安倍内閣総理大臣

私は、賢明な前原委員がなぜそういうことをおっしゃるのかわからない。

もし今、交渉において、日本が重油を出さないということにおいてこの協議がとまってしまったということになれば、我々はそういう選択を迫られます。重油を供給するかどうかという選択を迫られるわけでありますが、しかし、私たちは、その前に、外交を展開した結果、米国とも緊密な連携を図っています。中国ともそうです。韓国だってそうですね。ロシアともそうです。その結果、日本の立場を理解してもらって、このスキームの中には日本は入らない。

もちろん、しかし、例えば北朝鮮のエネルギー事情を調べる、エネルギー支援のために事情を調べるということについては、日本もそれは協力するかもしれない。重油は出しませんけれども、これを出すという、何かスキームの全体においての協力は日本もしてまいります。それはもちろん当然のことであろうし、そのことも期待をされている。

しかし、日本が出さないということを今の段階では了解をされているわけでございます。それは日本の強い意思だということで先方に申し上げて、向こう側から了解をとっている状況にあっては、まさに北朝鮮に対して日本の援助、北朝鮮はやはり日本の援助をもらいたいと思っている、これは拉致問題を解決していくための大切なてこでありツールである限り、我々はそうたやすくこれを手放すわけにはいかないと考えております。

■前原誠司
私は、賢明だとおっしゃっていただいたので申し上げますが、トータルで考えた場合に、安倍さんが突き進もうとしていることは、私は日本にとっての利益にならないと思う。

外交問題の中でこの問題を解決し、北朝鮮に最終的に核の放棄をさせる、これは日本だけではできないですよ。拉致の問題も、結果的には、北朝鮮に核の問題を含めて外交的な圧力を国際社会でかける中で一緒に連携していかざるを得ないし、その中にあっては、日本だけは了解されと言っているけれども、私は、この問題については現在進行形なのでこの程度にとどめますけれども、他国の評価がどういうものなのかということはおのずと明らかになるはずですから、そこは安倍政権の大きなマイナスの評価になるということも改めて申し上げておきたいと思います。

その上で、もう一つ、日米の同盟関係というのは極めて重要でありますし、この六者協議の今までの数年間の紆余曲折を見ても、アメリカとの連携というものが極めて重要であったことは間違いありません。六者協議が二対四になっていたころもあるわけですね。アメリカと日本が孤立をして、そして北朝鮮の肩をロシアや中国や韓国が持つというような状況が生まれたときもありました。

そういう意味では、この日米関係というのは極めて重要だというふうに思っておりますが、その中にあって、担当大臣が、麻生外務大臣そして久間防衛大臣が日米関係を損なうような発言をされている、このことについて私は極めて憂慮をしているわけであります。

特に、久間大臣につきましては、おっしゃっている中身については我々が言ってきたことでありますので、その中身については批判をするつもりはない。

例えば、アメリカのイラク攻撃は早まったのではないかという思いがそのときもしていたということをおっしゃっている、これは昨年の十二月。そしてことしの一月には、アメリカは、イラクに大量破壊兵器がさもあるかのように戦争に踏み切ったが、判断が間違っていたのではないか。中身は我々が主張していたとおりでありますから、それについては異論を挟むつもりはありません。

しかし、政府は、いまだに懲りもせずに、イラクに対するアメリカによる攻撃というものが正しかったし、それに対する日本政府としての支援の表明というものは正しかったと言い続けているわけですよ。そうですね、総理。いまだに安倍総理も、小泉政権からずっと、イラクに対する攻撃は間違っていなかった、そしてアメリカが起こしたイラク戦争について支持する態度というのは間違っていなかった、正しかったんだという評価に変わりないですね。イエスかノーかだけで結構です。

■安倍内閣総理大臣
あの段階で、国連決議に基づいてイラクをアメリカが攻撃をした、その攻撃については、そのときに大量破壊兵器を持っていた、そのことを持っていなかったと証明する機会がずっとあったにもかかわらず全くその証明をしなかった、そして累次にわたる国連決議を無視してきたという中においては、私は、やむを得なかったし、あの段階で日本は米国の武力行使を支持する、それについては当時は正当な理由があった、このように考えています。

しかし、日本が武力行使を支援したことはありません。日本が支援をしたのは、まさに復興支援に対して支援をしたということでございます。

■前原誠司
久間大臣、今の総理の発言というものを聞かれた上で、御自身の発言は個人のものであったのか、大臣、閣僚としてのものであったのか、その点だけ御答弁ください。

■久間国務大臣
あの当時の感想について記者会見で聞かれましたので、そのとおり私は答えました。そして、あの当時は私としては核兵器はないんじゃないかなという、そういう思いがあった。それを具体的に、前原委員にもあのときに電話で報告しましたが、イラク特措法の中に大量破壊兵器の処理というのが政府原案に入っておったけれども、それは我が党において、それは外そうということで官房長官にお願いして外すことになりましたという、そういう閣議決定する前に報告したこともございますから、あの当時の感想としては、その当時、そのままでありました。

ただ、政府がイラクへの武力行使に米国が踏み切ったということを支持したというのを、それを私は閣議決定したということは知りませんでしたから、それは私の不明の至りだったということでそれを言ったわけであります。というのは、私は党の幹部はしておりましたけれども、そのときの閣議決定については党の総務会にはかかっておりませんでしたので、それで私はそれは知らなかったという自分の不明を恥じたわけでございます。

しかし、私は閣外におりましたので、どういうような総合判断に基づいて閣議決定された、あるいはまた支持をするというふうに言われたかわかりませんけれども、先ほどから総理も答弁されておりますように、その当時の判断としては、政府の判断としてはそれは正しかったんだという、そういうようなことを一貫して姿勢をとっておりますから、今でもそれはそうなんだというふうに自分にも言い聞かせているところであります。

ただ、今総理が言われましたように、イラクへの武力行使の戦争に日本が支援しているんじゃなくて、イラク特措法はあくまで、その後の国連からの要請に基づいて、いわゆる人道支援、復興支援と平和維持活動、これに対する支援を現在やっているわけでございますから、それは法律に基づいて、そのとおりでございます。

■前原誠司
その当時は閣外におられた、あるいは自民党の総務会のメンバーではなかった、知らなかったということをおっしゃっても、今は、十二月の発言は防衛庁長官のときの発言ですし、一月は防衛大臣になられた後の発言ですよね。つまりは、そのときにそのときの感想をおっしゃったとしても、その発言が今は大臣としての肩書で表に出る、そしてまた、それがアメリカの耳にも当然ながら入る。そうすると、同盟関係でありながら、お互い水面下で交渉する中でそのことを言うのは、それは私はあっていいと思う。それは国益に照らして相当激しいやりとりをしなきゃいけないと思いますから、それはあっていいと思うけれども、例えば記者会見とか記者クラブの発言の中で、大臣である久間大臣がこういう発言をされたということが回り回って伝わっているということは、私は日米関係を損ねると思うし、先ほど私が問いかけた質問に答えていただいていないんですよ。

つまりは、感想を申し上げたということだけれども、それは、個人も大臣もないんですよ、大臣のお立場というのは。大臣として発言をされたら、このおっしゃったことが、つまりは、もう一度申し上げますよ、大量破壊兵器がさもあるかのように戦争に踏み切ったが、判断が間違っていたのではないかという発言は、これは大臣としての発言なんですよ。違いますか。

■久間国務大臣
そのようにその当時私は思っておりましたということを、二十四日に聞かれたので、そのとおり答えたわけでありまして、それをあなたがもし聞かれたとしたら、その当時私はそう思っておりませんでしたという答弁はできないわけでありますから、その当時どう思っておったかと言われたから、そのとおり思っておりましたということでありまして、それは、だからアメリカに対して、もし聞かれれば私はそのとおり答えます。

ただ、今は閣内の一人としては、それからのずっと政府の一貫した政策については、自信を持ってそれは支持している、そういうことでございますから、これから先も私は政府の一員として与えられた仕事を着実にやっていくことを、それを見ていただければいいわけであります。

■前原誠司
では、簡単にお答えください。

今、大臣の立場としては、大量破壊兵器がさもあるかのように戦争に踏み切ったが、判断は間違っていなかったということを大臣としては答弁されますか。

■久間国務大臣
その当時の気持ちとしてではなくて、今でも、私はあの当時、核兵器の処理について法律から外れたのはよかったというふうに思っているぐらいですから、それはなかったと今でも思っております。

だから、私はどう思っているかということを聞かれたからそれを答えているのであって、それで、あのときのアメリカが踏み切ったのが、政府は支持しているわけですけれども、アメリカがそのときそういうふうに言ったことについての論評はしていないわけでありますから、とにかく、私はないと思っておった、そして法律からも外れてよかったなと思いましたということを率直に言ったわけであります。

■前原誠司
私の質問に答えてください。

では、判断は間違っていなかったんですか。今、先ほどの総理の答えを聞かれて、大臣としては、総理大臣の言うことをしっかり閣内の一員として受けとめて、間違っていなかったということをおっしゃるわけですか。

■久間国務大臣
総理の先ほどの答弁でも、核兵器があるとかないとかのそういう判断をしてやっているわけじゃないわけですよね。(発言する者あり)

■金子委員長

御静粛にお願いします。

■久間国務大臣
いや、小泉総理も含めて、核兵器があるとかないとかの判断じゃなくて、それについては、先ほど言いましたように、福田官房長官にもお願いして法律から外してもらったわけですから、核兵器があるとかないとかじゃなくて、武力行使に踏み切ったことを支持するという閣議決定をされているわけでありますから、核兵器があるとかないとかの判断をそのときにしていたわけじゃないわけでありますから、そこは今でも一緒です。

■前原誠司
アメリカのイラク攻撃は早まったのじゃないかという思いがそのときはしていたと。では、今はどうですか、大臣として。

■久間国務大臣
現在は政府の一員でございますから、その当時の政府が支持するという決定をしたのは、私以上のいろいろな情報があったんだと思います、閣外でしたから。だから、そういう意味では、そのときについて私がどうこう言うわけじゃございませんが、政府の一員としては、そのとき判断したことを現在の内閣でも支持すると言っているわけですから、それは支持するということで変わりないわけであります。

■前原誠司
早まったのではないかという思いがそのときもしていたということは、今もしているから発言されているんじゃないですか。今もしているから発言をされていて、そして、今は大臣として、そのときは大臣じゃなかった、そしてより詳しい情報に接する立場になかったということで考えを変えるんですか。この発言は、早まったのではないかという思いがそのときもしていたということは、今もしているけれどもそのときもしていた、変わらないということじゃないですか。

■久間国務大臣
雑誌の対談とかいろいろな場ならともかく、ここは政府に対する質疑ですから、私は政府の一員としての政府の立場で答弁するわけですから、私は、政府が、あのときの判断は正しかった、そういう決定をして、その後踏襲している以上は、あのときの判断は正しいんだ、そういうふうに答弁せざるを得ないわけであります。

■前原誠司
アメリカ側は、これはアメリカの関係者の方の話でありますけれども、要は、同盟国として、久間大臣の発言あるいは麻生外務大臣の発言については、これは礼を失するという意見が私の中にはありますよ、耳に入っている。

つまりは、先ほど言ったように、お互い交渉の中では、それはかんかんがくがくのやりとりをやるんでしょう。しかし、こういう発言を繰り返して行っていく、そしてまた、今、六者協議という大変重要なものをやっているし、時間がありませんのできょうは取り上げませんが、沖縄の基地の再編も含めて大変重要な局面にあるわけじゃないですか。そういう大臣が、昔はそういう思いをしていたということを軽々しく言って、今、しかし、大臣というお立場の中でそれが向こうに発せられて誤解を生んでいるのは事実じゃないですか。そのことを結果としてやはり責任をとらなきゃいけないですよ。

自分の発したことを、それがどういう反響を呼んだかということを結果として責任をとらなきゃいけないし、これは総理にも言えることだと思いますけれども、これからイラクがより混乱をしていって、アメリカは抜き差しならないような状況になっていますよ、増派をするかどうかという話になっていますけれども。そのときに、私は、これがより泥沼化して、そして撤退せざるを得なくなったときには、これは支持した日本が共同して責任をとらなきゃいけないような状況になると思いますよ。そのときは、今の発言がアメリカに対して不信感を呼んでいるということ、日米関係を揺らしているということ、そしてまた、支持をした結果、しかしながらうまくいかなかったことに対する政治責任は、最終的には総理はとるおつもりがあるんですか。そのことについて御答弁をください。

■安倍内閣総理大臣
あのときの米国の武力行使について日本が支持をした、なぜ支持したかについては先ほど申し上げたとおりであります。これは、日本が一緒に武力行使をするということではなくて、累次にわたる国連決議にイラクが反し、そして、何度もチャンスを与えた、大量破壊兵器を持っていないということを証明するチャンスを与えたわけであります。しかし、そのチャンスを生かそうとしなかった。かつ、イラクはかつて大量破壊兵器を使ったことがあった。イラン・イラク戦争において、また自国民であるクルド族をそれで虐殺したという過去があった。確実に彼らはそれを使って、しかし、使ったからには持っているだろう、そしてそれを持っていないということを証明しなかった。

という中にあって、我々は、最終的にアメリカがそう判断をした、また、何といっても、アメリカは日本にとってかけがえのない同盟国であります。そういうことも総合的な判断をして、検討して考慮した結果、当時、小泉総理が、また政府として支持をした、その判断は私は誤っていない、このように思います。

そして、それと、その後の復興支援についてはまさに国際社会で、国連決議で決めて、国連決議にのっとって、今、復興支援をみんなでやっていこうという中において我々も協力をしているわけであります。責任をとる、とらないという問題では全くないと私は思います。日本は、国際社会における、まさにこれは日本の責任として復興の支援に参加をしているということではないでしょうか。(拍手)

■前原誠司
そんな拍手をするところじゃ全然ないですよ。

つまりは、泥沼になったイラク戦争を支持したんですよ、日本は。そして、日本はそれに対して、今抜き差しならないような状況になっている。アメリカが撤退をしなければいけない、アメリカでは、このイラクに対しては、戦争に突き進んでいったことは反対じゃないかという意見が六割、七割にも達している。

しかし、今のような答弁をずっと続けていった中で、イラクが今のような状況、さらに悪くなって、アメリカが撤退をして、そして中東が混乱になった場合に、それを支持した日本の責任はどうとるのかということを私は聞いているわけですよ。それについては明確に答えがないわけです。これについてはしっかりと今後も議論はさせていただきます、イラクの情勢の変化に基づいて。

しかし、先ほど申し上げたように、政治は結果責任ですから、イラクについても責任をとる意思をしっかり総理は持たなきゃいけない。また、先ほど申し上げた北朝鮮の六者協議に対して、私からすると、拉致問題というものに余りに引きずられる余りに、そして日本の国益を損なうのではないか、それについての責任も負わなきゃいけないし、また、久間発言、麻生発言において、結果としてアメリカとの関係に非常に大きなマイナスになっているということ、それについても今の政権は責任をしっかり負って外交をやっていかなくてはいけないということを、私は改めて申し上げておきたいと思います。

さて、外交の問題はこのぐらいにいたしまして、きょうは、国と地方、また、分権の話をさせていただきたいというふうに思います。

その中で、私が特に安倍総理とお話をさせていただきたいのは、分権の最終ゴール、あるべき姿をどう考えていくのかということであります。

小泉政権の五年半で、分権、三位一体ということが言われていたわけでありますけれども、結果的に最終像を示すことはありませんでした。三位一体もやはり一部分の数字合わせであったわけであって、最終的にどういう形をこの分権の社会で目指していくかということが見えてこなかったわけであります。

さてそこで、あるべき姿、最終ゴール、所信表明演説におきましては、魅力ある地方の創出というところで総理が発言をされている中身については、新分権一括法案の三年以内の国会提出ということ、そして、交付税、補助金、税源配分の見直しを一体的に検討を進める、こういうことが言われているわけであって、明確な、どういう最終ゴールを分権像で目指すかということについては触れておられません。

集団的自衛権の話も、検討するということで具体例については余りおっしゃいませんが、検討するといっても、分権が必要であるとすれば、なぜ分権が必要で、どういう像を安倍内閣としては模索していくのか、その最終ゴールを、自分なりのビジョンを語っていただきたいと思います。

■安倍内閣総理大臣
もう既に答弁をいたしておりますように、三年以内に地方分権一括法案を提出いたします。この法案の中に、まさに私どもが進めようとしている、地方の本来あるべき姿、地方分権の姿を書き込んでいくわけでございます。

ですから、今の段階ではその骨格についてしか申し上げることができないわけでありますが、国は本来、国のやるべき仕事、外交であるとか防衛であるとか、そうした基本的な役割のみに専念をして、そして、身近なことはほとんど地方にお願いをしていく。そのためには、まず、国と地方がやることを徹底して仕分けをしていく必要があるわけであります。そして、その仕分けをしながら、国が余計なことに口出しをしないという仕組みもつくっていかなければいけない。そして、自主財源を地方が持ち、責任を持って、自分たちのアイデアで地域の未来をつくっていくということになるわけでございます。

まずは徹底した仕分けを行っていく。基本的には、国は外交そして安全保障等々の最低限することに限定をしていく、身近なことは基本的にはほとんど地方自治体が責任を持って担っていくということではないだろうかと思います。

■前原誠司

その場合に、地方自治体というのはどういうイメージですか。つまりは、現在では地方というのはいろいろあるわけですね。都道府県があって、国の出先機関があって、そして政令都市があって、中核市があって特別市があって市町村があるという、極めて多層にわたっていますよね。それがまた行政の無駄、コストの無駄、時間の無駄というものを生んでいるわけであって、だから、分権というものでその受け皿論というのが一番大事になるわけです。

その受け皿論というのは、どういう形、それとも何層、つまりは、私がイメージする大きな分権像というのは、基礎自治体、これは大体人口は目安でいえば三十万前後。もちろん、大きなものがあってもいいですし、今から申し上げるように、政令都市並みの権限は少なくとも与えなきゃいけないと思っていますので、今の政令都市の規模があってもいい。しかし、目安は三十万。地方に行くと、三十万でも集めるとすると相当大きな広い面積にならなきゃいけない。

だから、そういう基礎自治体があって、そして、河川、道路などについては道州のような広域調整をやって、そして補完性の原理の中で、そこでできないものについては最終的には国がやるという、私のイメージは三層的なものでありますが、総理の、先ほどおっしゃった地方に任せるという総論は結構であります、概念論は結構でありますが、何層、そして、そういう受け皿の自治体というのはどういうイメージなんですか。

■安倍内閣総理大臣
私ども、市町村の合併を、これは大胆に行ってきたと思います。それは、行政改革という面と、そして行政力をアップさせていく、そしてまた、まさに地方分権においての受け皿づくりという意味において意義があったのではないかと思います。これを行う中において住民の意思も大分変化をしてまいりました。そういう中核的な地域また市がその地域の生活を担っていく、その方がいいのではないかという考えも大分私は芽生えてきたのではないか。そういう芽生えの中で、県の必要性についても議論され始めてきたのではないかと思います。

私は、基本的には道州制をやはり考えていくべきではないか、このように思うわけでありまして、道州制を進めていくことによって初めて一極集中から地域に核ができてくる、そういう日本に変わっていくのではないか。しかし、これは相当まだまだ時間がかかるわけでございますが、道州制を見据えながら、それと同時に中核的な市を、また広域的な連携も進めていくべきではないか。最終的な姿としては、私は、割と今前原委員が指摘をされたような姿に近いのではないか、しかし、これはまだしばらく時間がかかるのではないかと思います。

■前原誠司
お配りした資料をちょっとごらんいただきたいわけでありますが、きょうは最後に夕張のことも少し含めてお話をしたいと思いますけれども、和歌山県に白浜というところがあります。年間大体約三百万人以上の観光客が来られるというところで、有名なところ、温泉もあるところでありますが、その白浜というところが市町村合併を行った。隣の日置川町というところとやったわけであります。

これをごらんいただいたらわかりますように、大体の市町村合併、うまくいっているということをおっしゃいましたけれども、中核的な都市、これは白浜ですね、人口でいうと約二万人、そして合併をしたところというのは日置川町、約四千五百人、足して二万四千人ぐらいになっているわけでありますが、面積でいいますと、旧白浜町が六十四キロ平米、そして日置川町は大体その二倍ぐらい。広いところで人口が少ないというところ。そして、財政力指数というところを見ていただきたいわけでありますけれども、財政力指数は、ここにも書いてありますけれども、簡単に言えば、支出を分母に収入を分子にしたものが財政力指数でありますけれども、大体、その中核になる市が、日置川町のような、〇・一八、極めて財政力指数の悪いところを合併して、そして何とか成り立つような形になっているということで、当然ながら財政力指数は落ちる、〇・五〇四になっているということであります。

経常収支比率というのは、簡単に言えば、一般財源の中で固定費がどれだけ占めているか。つまりは、この比率というのは、固定費が少なければ少ないほどいい、一般財源、自由に使えるもののうちに固定費が少なければ少ないほどいいわけでありますので、そういう意味では経常収支比率は低い方がいいわけでありますけれども、結局、高いところを合併して、広域になってより財政が悪化をしているということであります。

なぜこういう合併が行われたかというと、簡単に言えば、合併特例債というものが発行されて、これでようやく救われたというものであるわけであります。そして、こういう地域は今、先ほど同僚議員の議論もございましたけれども、徹底的なリストラもやっている、徹底的なリストラもやっているけれども、しかし、だんだん予算が組めないような状況になってきているわけです。それは何かというと、交付税がどんどん下がっていっているからであります。

つまりは、もちろん地方の無駄というものも削っていかなくてはいけないけれども、交付税が下がる、地方財政計画というものが下がっていく、そして、特例債という起爆剤でやったけれども、結局は、大変な地域と一緒になる中で全体的に極めて逼迫をした財政状況にあるということであります。

そして、これは平成十七年度の経常収支比率ということで、先ほど申し上げましたように、経常収支比率というのは低ければ低いほどいいというものであります。これは一番上が夕張になっているわけでありますが、夕張と同じような数字のところがかなり多く並んでいるということでありまして、こういう数字を見ていただきましても、夕張は特別ではあるけれども、夕張予備軍というのがたくさんあるわけです。

そして、もう一つ、これを見ていただきたいわけでありますが、これは実質公債費比率ということでありますけれども、では問題になっている夕張はどこにあるかというと、八番目なんですね。つまりは、夕張よりも実質公債費比率が高いところというのがこれだけあるわけであります。

地方というのは多かれ少なかれ、市町村合併もした、リストラもやっている。特に、こういう実質公債費比率の高いところやあるいは経常収支比率の高いところは、一生懸命にリストラをやっているわけであります。つまりは、そういう状況の中で地域が頑張っていて、しかし報われない要因というのはどういったところにあるかということをお話ししたいわけであります。

一つには、交付税が減らされて自由に使える金が少なくなってきている。そして、地震とか津波対策、こういうものもやらなきゃいけない。明石市の海岸での事故、これはいわゆる行政の責任が問われたわけでありまして、こういうものをやらなきゃいけない。学校の建てかえもやらなきゃいけない。しかし、実際問題は、人口がどんどん減少していく中で税収も上がらなくなってきている。

これは、日本の人口・合計特殊出生率というものを政令都市で挙げたものでありますけれども、要は、こういう特殊出生率、日本全体は一・二六でありますが、政令都市それから東京都は低いんですね。しかも、平成十二年と比べて平成十七年は、一つ以外は極めて下がっているわけであります。しかし、人口は大都市はふえている。

つまりは、どういうことかというと、先ほど白浜の例を出しましたけれども、地域で育った子供さんたちが高校を卒業して大学に行く、そしてそこで就職をして、出生率は都市では低いけれども、結果的には大都市に住みついて、大都市の人口集中がふえてきている。その中で、人口をベースにした今の交付税のあり方では、どんどん地方が疲弊をしていく、二極化が進んでいくということは避けられないわけでありますね。

こういう仕組みを、さらに今回拍車をかけるような新型交付税、つまりは人口掛ける面積というものを出してきている。これは、先ほどあるべき分権の話をいたしましたけれども、それに移行するまでにもう地方がもたないという状況をちゃんと認識されているのかどうか。その点、総理に私は伺いたいと思います。

■金子委員長

前原委員、きょうテレビが入って、質疑終局しておりますので、答弁は遠慮させてください。

■前原誠司
それでは、またこの質問をさせていただくことを申し上げて、私の質問を終わります。