衆議院
行政改革に関する特別委員会 2006/04/03
■前原誠司
民主党の前原でございます。委員長のお取り計らいで前倒しにしていただいたことを、まず御礼申し上げます。
さて、総理に主に質問させていただきたいと思いますが、きょうはこういう本を持ってまいりました。「郵政民営化論」、懐かしく思っておられると思いますけれども、これは、一九九九年に郵政民営化研究会というのを小泉総理が会長でつくりまして、二十名ぐらいの議員だったと思いますけれども、私もその一員で、これにも執筆させていただいております。
その巻頭言といいますか、そこに総理が文章を寄せておられますので、ちょっと抽出して読ませていただきたいと思います。この行革の問題に極めて絡んでくる、示唆のある巻頭言を書いておられますので、読ませていただきたいと思います。
郵政三事業の民営化は、たんなる郵政省の改革にとどまらない。多くの特殊法人の統廃合、民営化、さらには税金を使って各特殊法人に投融資を行う国営金融機関・財政投融資制度の抜本的改革にもつながるのだ。
こうおっしゃっているわけです。ちょっと長く引用いたしますが、
今後、消費税の引き上げは、社会保障費の増額への対応や財源の穴埋めといった形で出てくるようになるだろう。その際、現在の官僚機構をそのままにしておいたうえで、財源が足らないからといって消費税を引き上げたのでは、日本はほんとうに重税国家になってしまう。
現在の無駄の多い官僚機構をそのままにして、消費税の引き上げを認めてはならない。
現在、各省庁の事務次官経験者たちの多くは、特殊法人の総裁や理事長に天下っている。大蔵省なら国民生活金融公庫、通産省なら中小企業金融公庫、建設省なら住宅金融公庫、郵政省なら簡易保険福祉事業団、厚生省なら年金福祉事業団、労働省なら雇用促進事業団、といった具合である。
特殊法人をはじめ公庫、公団、さらにはこれらに関連する民間会社と、役所を中心にした一家体制ができている。これこそが、行財政改革を阻んでいる”本丸”なのである。だからこそ郵政民営化は、たんなる郵政省との戦いではなく、全役所、全官僚、つまり現状維持勢力との戦いであり、本格的な行財政改革の第一歩なのだ。
すばらしい巻頭言だと私は思っております。
ただ、幾つか申し上げなきゃいけないのは、この郵政民営化研究会でまとめた郵政民営化案というものは、政府が出されてきたものとはほど遠いものだというふうに私は思っております。まずそれを申し上げるということと、今申し上げたことの言葉はすばらしいんですが、これは一九九九年に出された本でありますけれども、私もこれは同じ認識なんです。同じ認識で、そしてその二年後にある制度が変わっております、二〇〇一年に。
これは総理もおわかりだと思いますけれども、財政投融資改革ということで、我々がこの本をつくったときの問題意識というのは、郵貯、簡保あるいは年金というものが、基本的には大蔵省理財局資金運用部に義務預託をされ、それが結果的に特殊法人などの温存につながっている、あるいは国債等の引き受けに自動的に流れていて、それが官の肥大化、そして借金ができる打ち出の小づちになってしまっている、そこを変えなきゃいけないというのが、この民営化研究会、総理が会長、私も一員でございましたが、その研究会の本旨でありました。
二〇〇一年に財政投融資改革がなされて、入り口と出口は基本的に切り離されましたね、自主運用ということで切り離されました。ということは、まさに総理は、この巻頭言でおっしゃっているように、問題の改革は郵政民営化じゃない、現状維持をもくろんでいる官僚体制打破にこそ目的があるんだ、こういう話をされているわけでありますが、総理が総裁になられて五年目、最終年で、こういう問題意識を持っておられて二〇〇一年に財投改革ができているのであれば、なぜ初めからこういった行政改革というものに取り組まれてこなかったのか、その結果として、極めて中途半端な、プログラム法にもなっていないような法案をやめられる直前に出してこられたのか、私はその点が極めて理解できない。
あれだけこだわられた郵政民営化、それについては、中身はともかくとして、執念について私は敬意を表します。しかし、その前提というのは、入り口と出口が一体で、特殊法人改革というものをやらなきゃいけないということは問題意識でおありだったにもかかわらず、それが五年目の最終のこの時期に、しかもプログラム法というどちらに転ぶかわからないような法案になっている。
こういう批判について、総理はどうお答えになりますか。
■小泉内閣総理大臣
まず、結論から申し上げますと、その批判は全く当たらないということであります。
私のその巻頭言に対する認識は、前原議員も共有していると。そのとおりに進めてきたんです。その財投預託を廃止したというのも、年金福祉事業団を廃止せよと言ったのも、私が厚生大臣の時代であります。
しかし、財投預託だけでは行政改革は進まない。今言ったように、郵政民営化は郵政省だけの問題じゃない、全省庁が関連している。なぜなら、その巻頭言にも話されておりますように、いわば特殊法人等に対する政府からの資金支援、あるいは事務次官等の天下り、こういう問題を考えると、この郵政民営化に対しては、郵政省の反対はもちろん、全省庁から反対が来るだろう、そういう点を覚悟してやらなきゃいかぬ。だから、財投預託廃止で、はい、一件落着とは思っていなかったんです。
だからこそ、一番役人を使っている郵政事業、政党の中でも公明党以外は全部反対していた、自民党も。そういう中でのいわゆる票田に絡む政治的な改革。選挙になると、自民党、旧社会党を応援する、労働組合は野党、特定局長さんたちは自民党、こういう政治的な構造。そして、全部の省庁に対しての、天下りを通じて今まで権益を確保してきたグループ。そういうものを打破する最も大事な改革、これが郵政民営化だということで手をつけて、案の定、国会では長時間議論されたけれども、最終的には廃案になったんですよ。これで本当だったらおしまい。
おしまいにしなかったところが私の変わっているところであって、非常識とか八つ当たり解散とか言われましたけれども、結果的には、一部の事業を守るのが政治じゃない、国民全体の利益を考えるべきだ、民間にできることは民間に行っていると言うんだったらそのとおりやればいいじゃないかということで、選挙によって支持を受けた。参議院は選挙がない、構成は変わらない。だから、衆議院が変わっても参議院は何度でも否決してやると言った議員がいたんです。ところが、衆議院選挙で変わったら、参議院もやはり民意を大事にしようということで、反対した議員もくるっと変わった。今、そのとおり、その巻頭言のとおり進んでいるじゃないですか。(前原委員「いいですいいです、もういいです」と呼ぶ)いいですか。
■伊吹委員長
お互いに簡潔に、充実した質疑をお願いします。
■前原誠司
総理、壊れたレコードのように、昔の自慢話を聞くために質問しているんじゃないんです。
私が質問しているのは二つ。一つは、郵政民営化というものが、その入り口と出口でつながっていたときの巻頭言であって、二〇〇一年の財政投融資改革、僕も完全だと思っていませんよ、基本的な構図はそのままだ。しかし、そこにおいて、郵政民営化で、自動的に金が流れる構図は基本的には断ち切られた。にもかかわらず、郵政にこだわっておられるというのはわかりましたよ、もうその答弁は要らない、その自慢話を聞くために質問しているんじゃない。なぜに財投改革は行われて、本丸は郵政事業じゃなくて霞が関全体の既得権益を壊すものだということであれば、なぜその二〇〇一年で、総理になられたときからやらなかったんですかと。方向性が違っているじゃないですか、郵政民営化ばかりにいって。だから、そのことを私は申し上げているんですよ。(発言する者あり)いや、郵政民営化というのは、二〇〇一年の財投改革で一たん切り離されているんですよ、そこは財投改革において。(小泉内閣総理大臣「全く違う」と呼ぶ)全く違うことはない、それは。それがまず一つ。
■伊吹委員長
ちょっと私語を慎んでください。
■前原誠司
二つ目は、年金福祉事業団の話を先ほどおっしゃいましたけれども、この五年間で、官の天下り、肥大化というのはますます巧妙化されているんですよ。全然そういう既得権益というのは壊されていない。そのことが私は大問題だと言っているわけですよ。
総理、自慢話はもういいですから、壊れたレコードのような。何度も申し上げますけれども、私が申し上げているのは、この中身の、つまりは、行政改革の本丸と総理が巻頭言でおっしゃっている霞が関の既得権益、それの解体ができてないじゃないか、あるいはもっと早くにやるべきだったじゃないかと。それが、なぜ今このようなわけのわからない法案を出してきているんだと。そのことについて答弁をしてくださいと言っているんです。
■小泉内閣総理大臣
答弁したつもりなんですけれどもね。なぜ郵政三事業民営化に皆さん反対したんですか。その最も大きな既得権を守ろうというのをぶち壊したじゃないですか。それがなかったらこの法案なんか出てきませんよ。これは、本丸をぶち壊したから、政府系金融機関の統廃合ももうやむを得ないと観念してきたんです。特殊法人に対する、独立法人にしてかなり自由度を与えよう、天下りももう事務次官が固定的に特殊法人のトップになるのは無理だな、そういう政治的方針を法案にしたのが今回の行政改革推進法案でしょう。
これは、郵政民営化廃案になったらこんな法案できるわけない。まさに、ここの既得権を守り得た、もう改革はさせないぞといって、この法案すら出せなかったと思いますよ。
■前原誠司
私は、そのことは全く当たらないと思いますね。
後で質問しようと思っていましたが、ちょっと前倒しで、では質問いたしましょう。
この流れができたのは、別に小泉総理になってからじゃないんですよ。橋本さんのときのいわゆる行政改革会議、これは九七年十二月の最終報告書、ここで独立行政法人などが出てきている。省庁の再編というのもそこから出てきていて、中央省庁の再編、内閣機能の強化、独立行政法人の創設、あるいは総理がよくおっしゃっている経済財政諮問会議、これはもうこのときに答申がされていて、流れが今まで来ているだけで、決して、郵政の民営化というものがなければ今のような法案、郵政民営化がなくても、こんなプログラム法、あるいはこれから先どう転ぶかわからないような法案というのはだれだって出せると僕は思いますよ。
私は、そういう意味では、この法案というものについては、先ほど総理がおっしゃったように、郵政民営化ができたからこの法案、郵政民営化だって、この中身に書いてある、きょうは話しませんけれども、全然違うものをやっている。あんなの官業肥大化法案だ。温存法案で、そういうものについて、私は、実際問題、みずからがやられたことでこれがつながっているということについては、全く違うということをまず申し上げておきたいと思います。
次に、同じ質問で私は申し上げたいと思いますけれども、簡素で効率的な政府、こういうことがこの行政改革推進法の冠にかかっております。徹底的に無駄を削る、そのことについては私どもも賛成をいたします。
これは幾つかのポイントの中で後でお話をさせていただきたいというふうに思っておりますが、この簡素で効率的な政府というものについて、今までとは言いぶりが私は若干変わっているんじゃないかというふうに思っております、小さな政府ということについて申し上げれば。このことを、その内容を、今出されている法案のポイントのところで幾つか示しながら議論をさせていただきたいというふうに思います。
私が、プログラム法にもなっていない、あるいは先にどう転ぶかわからないということを申し上げたこの法案、政策金融改革、独立行政法人、特別会計改革、それから総人件費、公務員制度、資産、債務、こういうものがあるわけでありますが、果たしてこの法案で簡素で効率的な政府になるのかどうなのか。少し大きな観点から今の項目について議論をしていきたいというふうに思っています。
まず、政策金融機関であります。
今回の政策金融機関の柱というのは、八つあるものを一つにするということであります。民営化を二つ、そして地方への移管一つ、そして五つを一つのものにする、これについては最終的にどうなるかわからないということでありますが、以前、担当大臣であった竹中大臣が貸付残高のGDP比半減ということをおっしゃっておりました。また、そのことについてこの法案でも書かれておりますけれども、この法案の中身を読んでもわからないのは、例えば、民営化をするのは商工中金と政策投資銀行、この二つであります。それから、地方へ移管するのは公営公庫。この三つを取り除けば、ほかの金融機関がそのままの規模であったってGDP比は半減できるんですよ。つまりは、これを除いたから半減できたというんであれば、これは看板に偽りありですよね。統合メリットの中でGDP比半減というものにしなければ本当の意味はないんじゃないですか。
このGDP比半減ということの意味は、本当に簡素で効率的な政府にするんであれば、そのような国民の目をごまかすようなものであってはいけないと思いますが、この点についてお答えをいただきたいと思います。
■中馬国務大臣
今、前原委員が御指摘になりました件でございますけれども、政策金融は、一定の政策目的を達成するために、民間金融のみでは適切な対応が困難な分野に対して資金供給を行うものであったわけでございます。
こうしたことで、今お話がありましたように、一部だけが民営化されたじゃないかということの誤解がおありのようでございますが、一つにまとめます五つの金融機関につきましても、それぞれ民営的な手法でやっていくわけでございますし、経営形態につきましては、独立行政法人にするか特殊法人にするか株式会社的にするかといったようなことは、まだこれからの政策課題ではあります。制度設計はしますけれども、そういったことと今言いましたようなこととは別のことでございまして、これを一緒にしたことによってもっともっと管理機構は簡単になりますし、そうしたものも民営化に、その中から、五つのものからでもかなり民営に移されていくわけでございますから、そういったことも含めて半減ということを言っているわけでございます。
■前原誠司
何をおっしゃっているか全然わからないです。
つまり、二つは民営化される、一つは地方に移管される、残りの五つが一つの金融機関になる。沖縄については平成二十三年ということで先でありますけれども、なる。私が聞いているのは、今全体の八つのこの政府系金融機関について、竹中大臣は、当時の担当大臣は、貸付残高のGDP比半減とおっしゃった。民営化するものと地方に移管するものを除いたら、五つだけでもそれは半減になっちゃうんです。それでは全く統合メリットはないということを申し上げているんです。
何を分母にGDP比半減をするかということを簡潔にお答えいただきたい。
■伊吹委員長
中馬大臣、質問している趣旨はわかっていますね。
■中馬国務大臣
今、前原委員が御指摘になりました件でございますけれども、政策金融は、一定の政策目的を達成するために、民間金融のみでは適切な対応が困難な分野に対して資金供給を行うものであったわけでございます。
こうしたことで、今お話がありましたように、一部だけが民営化されたじゃないかということの誤解がおありのようでございますが、一つにまとめます五つの金融機関につきましても、それぞれ民営的な手法でやっていくわけでございますし、経営形態につきましては、独立行政法人にするか特殊法人にするか株式会社的にするかといったようなことは、まだこれからの政策課題ではあります。制度設計はしますけれども、そういったことと今言いましたようなこととは別のことでございまして、これを一緒にしたことによってもっともっと管理機構は簡単になりますし、そうしたものも民営化に、その中から、五つのものからでもかなり民営に移されていくわけでございますから、そういったことも含めて半減ということを言っているわけでございます。
■前原誠司
やはり委員長、大臣はわかっておられないですね。分母はGDPって、それはもう大きな間違いで、GDPの分母は、八つの政府系金融機関の合計が分母なんですよ。
では、どうぞ。
■与謝野国務大臣
八つが国の政策金融機関として貸し出しをし、保証をしていたわけでございます。これがもとの数字。それから、この改革ができ上がったときに公がどのぐらいの政策金融機関としての貸出残高あるいは保証残高を持っているのか。これを比べますと、当然、二つが民営化され、一つが地方に移管され、また前原委員御承知のとおり、国民金融公庫も中小企業金融公庫もそれぞれ必要のない分野からはどんどん撤退をしていくということですから、別に民営化されたところあるいは廃止されたところだけで勘定するんではなくて、業務を縮小するという面からも対GDP比が縮小していく。しかし、民営化されるものを勘定するなというのは、ちょっと話としてはつらいんじゃないかなと思っております。
■前原誠司
きょうは入り口の議論ですので、私はトップバッターで立たせていただいておりますので、この半減という意味を一度政府で整理して、委員会の理事会に提出をしていただきたい。それでまた、これからかなりの時間議論すると思いますので、そのための政府の見解を示していただきたい。委員長にお願いしたいと思います。
■伊吹委員長
委員長から申し上げますが、今の件は理事会でもお諮りしますが、同時に、国民に見えるところで、質疑において、できるだけ公の席で明らかにしていきたいと思います。
■前原誠司
ですから、これから委員会が続いていくわけですから、その場で政府の今の見解、半減の定義をしっかり出していただいて、さっき申し上げたように、民営化をするのが全部外に行ってしまうのじゃないということであれば、どういう基準でその半減というものを政府としておっしゃろうとしているのかということをしっかりと示していただきたい。そのことをお願いして、委員長おっしゃるように、国民の前でそれがまた議論できるようにお取り計らいをいただきたいと思います。
それから、同じ観点で質問でありますが、十六年度の決算において、政府から補給金をもらう前の実態のベースで、中小公庫が三千三百三十三億円の赤字、国民生活金融公庫は百三十二億円の赤字、それから農林漁業金融公庫は三百二十七億円の赤字。この三つを足して、三千七百九十二億円の赤字。
統合してこの赤字をどのように減らすかというようなことも、つまりは、先ほど中馬大臣は、統合してどういう形態になるかまだ決めていない、民間会社になるのか独法にするのか決めていないけれどもとおっしゃいましたけれども、大事なことは、一緒になったら融資残高のみならずこの確定をしている赤字も統合されるわけでありまして、それをどのように返済していくのか、将来的な国民負担にならないように。そのことをやはりしっかりと示しておかなくてはいけないと思いますが、それについての考え方を示していただきたい。
■伊吹委員長
まず、行革担当大臣から答えて、後、与謝野大臣から補足をしてください。
■中馬国務大臣
先ほど申しましたように、このことは、それぞれ統合されたものの制度設計はこれからでございますから、今言いました、各公庫が持っていた赤字等も統合して、そしてどういう負担をするかといったことは、今後の一つの制度設計の中で私は検討するものだと思っております。
■与謝野国務大臣
政策金融機関というのは、国の政策を行うところでございますから、いわば民間企業の赤字の概念というものを直接適用していいのかどうかという問題はあります。
かなり中小企業政策というのは苦しいもの、なかなかリスクの高い分野も、リスクをとって出ていくわけでございますから、普通の一般企業の基準で赤字と言われる、これは多分世界が違うんだろうというふうに思っております。
いずれにしましても、その中身等については、数字をきちんと前原委員にお届けするようにいたします。
■前原誠司
今おっしゃったように、統合した後の赤字削減計画、それをしっかり示して、国民負担、私は与謝野大臣がおっしゃったことについてはある部分同意いたします。つまり、政策金融機関というのは、民間がやらないところでしっかりとフォローするという意味での政策金融機関、それがなければ全部民間に任せたらいいわけですから、そういう意味では、赤字の定義、リスクの定義が違うというのは、私はおっしゃるとおりだと思う。
ただ、それが今まで垂れ流しになってきて、結果的にはこれだけの莫大な赤字を生んでしまった。この赤字のマネージメントをどうしていくのかという議論は同時にしていかなくてはいけないので、今お答えになったように、しっかりと赤字削減の目標というものをこの委員会で示していただきたい。お約束いただけますね、うなずいていただくだけで結構です。
■中馬国務大臣
同時並行的にこれの制度設計の方は検討を始めておりますから、そのことが、数字のところまでちゃんと出せるかどうかはともかくとして、これは一つの枠組みをつくったわけでございますから、その結果の方の検討の経過等は御報告させていただきます。
■前原誠司
できるだけ赤字削減計画をしっかり出すように努力をしていただきたいというふうに思います。それだけは要望しておきたいと思います。
先ほど、与謝野大臣がおっしゃったことに同意すると申し上げましたが、ただ、金融機関であることはこれは間違いないわけでありまして、金融のノウハウというものはやはりしっかりなければいけない問題だと思います。
これはどちらが答えていただくのか、統一して一人に答弁していただきたいというふうに思いますが、後で議論します独立行政法人、公益法人も含めて、天下りの問題というものを徹底的になくしていかなければ、先ほどの総理の巻頭言じゃありませんけれども、そこが問題だと僕は思っているんですよ。
それで、この八金融機関について、これは資料要求をしっかりして、今時間がありませんのでお答えいただかなくて結構ですが、官僚の天下りOBがかなりいるということを伺っております。これについてしっかりと数字を出していただきたいというふうに思います。
その前提で、私は、統合された一つの政府系金融機関にすることを一つの契機に、天下りをなくす、外部からの人で、まさに金融機関のプロフェッショナルという者をこれに充てていくということが私は必要だというふうに思います。天下り先にしてはいけない、税金の無駄遣い、浪費の一つの大きな器にしてはいけない、私はそう思っておりまして、そういう意味で、この統合した政府系金融機関については天下りゼロを目指すべきではないか。
そのことについて、総理、どうお考えなのか。私は同意をいただけると思いますが、お答えをいただきたいと思います。
■小泉内閣総理大臣
固定的に事務次官経験者がトップになるという今の慣例、これはなくします。ただ、理事とか何人かいますから、そういう点についてゼロに、これはやはり適材適所というものがあると思います。
そういう点から、今、人材というのは、民間だけという、全部任せればいいというものでもない。官界にも、政界進出者、政界に出ていこうという者もいるし、民間に出ていこうという人もいるし、あるいは今までの経験で民間から引っ張られる人もいる。
そういう点から見て、今までのように固定的に考えてはいかぬということで、その辺は適材適所を貫いていきたいと思います。
■前原誠司
それで結果的には何も変わってきていなかったのが今の霞が関だと私は思いますよ。つまりは、適材適所といいながら、変える変えるといいながら、何も変わらなくて巧妙化してきているのが今の霞が関、まさに天下りの全体像だと私は思いますよ。それでは本当の改革、先ほども申し上げた巻頭言でおっしゃっていることの改革なんということは私はできっこない。それであれば、役所の占める人数についてはこれぐらいにして、とにかく大部分を、せめて比率ぐらいを決めておかないと、適材適所なんということを言っていたら、何年かたったら天下りの巣窟になっている、私はそのことだけはあらかじめ指摘をしておきたいと思います。やる気がないということを今おっしゃったと私は思います。
リストラにつきましても要望しておきたいと思いますが、この組織統合によって管理部門など重複している部分を削減すると、相当大幅なリストラができるんじゃないかと思います、この五つの統合において。今、合計しますと、中小公庫、国民公庫及び農林公庫の三つを一緒にすると、七千八百人おられますね。これは巨大な金融機関であって、やはり大幅に定員を削減する数値目標というものを定めなければ統合メリットというのがなくなると私は思います。先ほどの赤字削減と同時に、どう職員の削減をしていくのか。
もちろん、大変労働組合の争議を抱えている政府系金融機関もあるというふうに聞いておりますけれども、この七千八百人を、やはり統合メリットをどう生かしていくのか。これは当然ながら、統合したら七千八百人も要らないと思うんですね。この目標をどう立てていくのか。それについてもお答えをいただきたいと思います。
■中馬国務大臣
先ほど申しましたように、これから統合するという一つのことを決めることに対しましての法律でございまして、その中身のことにつきましてはこれからの検討課題でもございます。
同時に、今申しましたように、同時並行的に制度設計を始めておりますから、そうした管理部門の統合におきましても、どれだけの人間が減らせるかといったことも具体的にその中で出てくるものと私は思っています。
■前原誠司
だから中身のない法案だと言っているわけですよ。何にも、これからやります、これから考えますということで、方向性だけ決めて、どう転ぶかわからない、どれだけの数値目標の中で行革効果が上がるかわからない。こんな法案だったら、私は本当に議論できないじゃないですか。
本来であれば、ここで今私が質問したようなことを具体的に詰めるのが本来の審議であって、これから考えますということだったら、この法案は一体何ですか。
■中馬国務大臣
具体的にそれぞれのことを全部詰めた上で法律を出しておりますと、これは二年、三年かかるかと思います。そうではなくて、まず大枠を、皆様方、国民の御了解も得てその枠組みを決めた上で、それから詳細設計等も含めた実行に移せる具体的なことに進むわけでございまして、そのことを御理解ちょうだいいたしたいと思います。
■伊吹委員長
中馬国務大臣に申し上げますが、行革法案として提出しているわけですから、詳細はともかく、前原委員のおっしゃった、方向で努力をするということはどうなんですか。
■中馬国務大臣
もちろん前原委員の今のお気持ち、また国の進むべき方向というのは、大体、私たちも問題点は共有いたしております。それを今後は進めてまいりますこともはっきりここで申し上げさせていただきます。
■前原誠司
答えていないんですよ。適材適所とか、今後考えますとか、その方向性だとか、そんな抽象的な言葉のやりとりをするんだったら、この委員会の意味は何もないじゃないですか。これは、行革推進法案という名前をつける方が恥ずかしいような法案ではないですか、議論して詰められないじゃないですか。
どれぐらいのことを考えて出しているんだと。それは政治家ですから、これは後で質問しますけれども、最終的に行政の組織としては半減ぐらいを目指したいということは書いてあるじゃないですか、ばくっとだけれども。だったら、政府系金融機関についても、これの統合メリットがどう生かされるのか、どう考えているのか、大臣としての政治的な方向性ぐらいはちゃんと示さないと、議論をしている時間がもったいないじゃないですか、意味が。
■小泉内閣総理大臣
これは立派に方向性を出しているじゃないですか。前原さんの質問の意義はわかりますよ。しかし、同じ方向を目指している点も多々あるじゃないですか。一々具体的に、来年数字がないから意味がない、とんでもないですよ。この方向を決めるということはいかに大事か。
政府系金融機関を一つにする。今までどうだったんですか、私が総理になる前は。全部必要だ、一指も触れさせないと言っていたじゃないですか。それを一つにするということだけでどれだけ大変か。はっきり方向性を出しているんです。
しかも、貸出残高はGDP比半減する……(発言する者あり)
■伊吹委員長
静粛に願います。
■小泉内閣総理大臣
公務員も五年で五%削減する、はっきり方向を示しているじゃないですか。こんなはっきり示している法案、それを、大したことないとか、壊れた蓄音機のごとくだと。私は生身の人間ですよ、何で壊れた蓄音機なんですか。これはよく考えてくださいよ、野党の党首としても。
■前原誠司
郵政の自慢話をだらだらだらだらおっしゃるから、壊れたレコードだと申し上げたんです。質問をしたことだけに答えればそういうことを言わなかったんです。
先ほど、八を一にしたから方向性を示しているじゃないかと。小泉改革の本質はそこなんですよ、あるいは自民党改革の本質はそこなんですよ。数にこだわっていて、中身が減っていない。
今、独立行政法人の議論をこれからしますけれども、前提として、例えば、橋本行革のときに省庁再編で一府十二省庁にした。本来であれば、地方に分権して、民間にできるものは民間に渡して、そしてNPOとかそういうものに対して事業仕分けをしっかりして、小さくなったものを十三の袋に取り分けるんだったら二十二を十三にした意味はあった。だけれども、今の行革というのは、ようかんを二十二に切っていたものを、同じ大きさのようかんを十三に切っただけで、それで行革効果なんということに何もなっていない、省庁再編でも。
私は、そういう事例を見ているから、今回の政府系金融機関についても、数を一つにするからそれで改革なんだというのは全く暴論で、結果的には、先ほど申し上げたように、温存になってしまうんじゃないかということを申し上げているわけです、既得権益。もしそれを本気で同じ方向でやろうとおっしゃるんだったら、踏み込んで政治的な発言をしていただくのがこの委員会での討議、議論じゃありませんか。そのことを私は申し上げているんです。
独立行政法人について話をしたいというふうに思います。
先ほど、二十二の省庁を十三、一府十二省にしたという話でありましたが、この独立行政法人が導入をされたのが、先ほど触れました橋本内閣当時、一九九七年十二月の行政改革会議の答申であります。
これはイギリスのエージェンシーというものを導入しているわけでありますが、今、十年近くたって定説になっているのは、イギリスのエージェンシーを進めるやり方と日本のこの独立行政法人を進めるやり方というのは順序が逆であったということが言われています。
イギリスは、まずは今の行政の大きさというものを徹底的にスリムにして、今の仕組みの中でスリムにして、そこから独立行政法人、エージェンシーというものに仕事を任すということをやってきた。しかし、日本は、ずうたいはそのままにして、批判を受けた特殊法人というものをまさに看板だけつけかえて独立行政法人にして、そして天下りは残っている、国からの補助金は残っている、おまけに独立行政法人になったら自由裁量がふえて、天下りをした役員の給料はふえている。お手盛りの、まさに改革に名をかりた改悪というのが行われ続けているというのが私はこの独立行政法人だと思っております。
つまり、独立行政法人にするから行政改革が進むんだということでは全くなくて、より巧妙化した官の肥大化というものが進んできている。私はこれを、レーダーにかからないという意味でステルス化と言っていますが、ステルス化がどんどん進んでいっている。このことを私は大きな問題として取り上げたいというふうに思います。
先般の党首討論で取り上げさせていただきました我々の予備的調査でございますが、天下り団体数は、独立行政法人のみならず、公益法人や認可法人、さまざまな出資法人を含めて三千九百九十、四千近くある。天下りしている役職員数というのは二万二千二百三十九、うち役員というのは八千八百八十。そして、天下り先団体への交付額というものは五兆円余りある。こういうことが出されているわけであります。
総理、もう一度、予算委員会でも党首討論でも議論しましたが、同じ方向だということをおっしゃるのであれば、より明確にこれから議論することについて御答弁をいただきたいと思いますが、繰り返し同じ議論はいたしません。
天下りを誘発している大きな要因は早期勧奨退職制度にある、そしてそれは総理は今まで過去二回の議論の中で、三年間おくらせます、こういう話をされた。私は、最終的には早期勧奨退職制度をなくす、そのことが天下りをなくす、そしてひいては官製談合をなくし、税金の余分な無駄遣いというものをなくす第一歩だと思いますが、三年のみならず、この早期勧奨退職制度というのは根本的に見直すんだ、そういう意思をぜひ政治家として示していただきたい。
■小泉内閣総理大臣
慣例である早期退職勧奨、この三年おくらせるだけでは不十分ではないかという趣旨には私も賛成であります。でき得れば定年まで働けるようにするのがあるべき望ましい姿だと思っております。
そういう点については、与野党胸襟を開いて今後検討していく、議論していく課題だと思っております。
■前原誠司
担当大臣、中馬大臣ですので、今おっしゃったように、早期勧奨退職制度をなくすという前提の中でシステム設計をしっかりやっていただきたい、このことをまず第一点申し上げておきたいと思います。
それから、それが行われれば、私は相当この問題はなくなると思うんですが、公益法人等に対する迂回天下り。
つまり、発注官庁から直接受注企業へは二年間は天下りできないということになっていて、それが公益法人への迂回天下りになっている。これが防衛庁の、施設庁の、防衛施設技術協会などのそういったものが官製談合の巣窟になっていたわけですね。
この迂回天下りというものも、最終的に早期勧奨退職というのをなくしていくという方向の中で、過渡的にやはり私はこれも厳しくする、あるいは厳格に運用する、このことがなければいけないと思いますが、総理、これについてお答えをいただきたいと思います。
■中馬国務大臣
今の、二年間関係会社、あるいはまた特殊法人に対してはもう少し長くといったようなことを、それぞれ国土交通省も、また今回防衛庁、施設庁の方も打ち出しております。しかしそれは、そうした形で極力、この天下りと談合その他、公務員の倫理に反する税金の横流し的なことにつながるわけで犯罪でございますから、こういったことははっきり分けて考えなければいけませんが、とりあえずのところは、そういう形で今対応させていただいております。
■前原誠司
迂回天下りというのはなくすと。それは各省庁に対してしっかりと厳格に運用させる、そのとおりですね。
■中馬国務大臣
そういうことは各省庁にももちろん自主的にやらせておりますけれども、政府といたしましても、きつくそのことは指示してまいります。
■前原誠司
ぜひ、言いっ放しじゃなくて、そのことについてはしっかりと対応していただきたいと思います。
そうすると、でも、公益法人とか要らなくなるケースというのは、今からお話ししますが、多々出てくると私は思っております。
その公益法人等、独立行政法人も含めてでありますが、天下り先になっている、第二の特殊法人化しているということの中で、幾つか今までも例を挙げてまいりましたが、きょうも少し例を挙げていきたいと思います。
国土交通省の地方整備局のもとにある八つのそれぞれの社団法人等々、例えば、一つには近畿建設協会、関東建設弘済会、こういったものがあるわけでございますけれども、これも例によって天下りの巣窟になっている。極めて問題だと思っているのは、天下りが行われていると同時に、仕事が特命随意契約ということで、競争原理なく、高い金額で、天下りの官僚を食べさせるために仕事が回されている。これが極めて多いんですね、顕著に見える。
これは、いろいろこれから具体的な事例をこの委員会で取り上げていくと思いますが、その根本にあるのは、本来、会計法であれば、一般競争入札というものが基本であって、競争に付さなきゃいけないけれども、公益法人、こういう財団等に対しては適用除外になっている。これは私は非常に大きな問題であると思っています。特命随意契約、これをなくす。
この行革推進法の趣旨は、先ほど総理が、早期勧奨退職制度もなくす、そして今中馬大臣がおっしゃったように、迂回天下りもなくす、徹底する、三つ目のポイントは、随意契約はなくす、会計法の基準に合わせて競争して入札をさせる、これが私は大事なポイントの一つだと思いますが、総理、この点についてお答えをいただきたいと思います。
■小泉内閣総理大臣
般競争入札が原則である、そのとおりだと思います。中にはどうしても随意契約でなきゃだめだという部分もあるでしょう。しかし、原則としては、一般競争入札が原則だ、その趣旨のとおりだと思います。
■谷垣国務大臣
国会でも、随意契約のあり方、随分御議論は賜りましたので、それを受けまして、二月の二十四日に関係省庁連絡会議を持ちまして、公共調達の適正化に向けた取り組みというのを取りまとめました。
その中で、委員がおっしゃいましたように、原則は一般競争入札なんです。ところが、各省庁、これは随意契約に当たると判断している中に、かなり私どもから見ますと不適切な事例があったことも事実でございます。
したがいまして、この取り組みにまとめた結果の中で、単に当該業務に精通していることのみをもって随意契約を行っているとか、それから、契約金額の相当部分が再委託先に支払われている場合、随意契約の相手方が当該事務事業を実施する能力が十分でないもの、こういうものについては緊急に点検して適切でない随意契約を排除するということをまとめましたので、一つはこれで整理ができると思っております。
■前原誠司
それであれば、内規で、そういう通達でやるんじゃなくて、会計法の見直しの中で、すべて会計法はそんな特例規則なしに、基本は一般競争入札なんだ、それは公益法人も他の財団もかかわらず一般競争に付すのが原則だということにしないと、そういう事例も見られましたじゃなくて、例えば、一般契約において九〇%以上が随意契約で行われているという団体も多々あるわけですよ。これはもうきょうは詳しく申し上げませんが、その先に、特命随意契約を受けておきながら再委託をして、要は、間を抜いて、そしてほかの民間の企業に発注しているケースというのも多々あるわけですよ。見受けられるどころじゃない、多々あるわけです。こんなものは詐欺ですよ、言ってみれば。そういう仕組みがあるということを私は申し上げているわけです。
つまりは、公団とかのいわゆる天下り団体には一般会計法は原則適用されない。それを適用されるという法律に戻したら、そんな内部で細々決めないでも、堂々と、もう一般競争入札なんだということにすれば済む話じゃないですか。
■谷垣国務大臣
確かに委員がおっしゃるように、独立行政法人、公益法人には会計法が適用されていないというのは、これはおっしゃるとおりでございます。
ただ、独法等は、つくったときの経緯等を考えますと、自律的に業務を運営するという特性がございますので、果たして会計法適用というものがどうなのかということは、これはよく検討しなければならないところがございます。
それから、今の独立行政法人や公益法人については、随意契約の基準の公表等が必ずしも十分行われていなかったという面はございます。これは総務大臣にお答えしていただく方がいいかと思いますが、総務省より各主務大臣を通じて、各法人において随意契約の基準をもっと具体的なものとしろ、それから、一定額以上の随意契約については随意契約の理由を明らかにするように、こういう通知がなされているわけでございます。
■前原誠司
きょうが初めの議論ですので、委員長に資料の要求を申し上げたいと思います。
国がそういった公益法人等、独立行政法人等に会計法適用外で発注するもので特命随意契約というのはどれだけあるのか、それをすべて各省庁に情報をこの委員会に提示してもらいたい。
それと同時に、その先に再委託という名のもとで丸投げをしているというものが多々ある。我々も調べている中であります。それについても、自己申告でしっかりとこの特別委員会に情報を上げてもらいたい。
そのことを、資料を委員長に要求させていただきたいと思います。
■伊吹委員長
ただいまの要請については理事会で協議いたします。
しかし、先ほど来申し上げているように、資料として行政府から提出を受けるだけではなく、この委員会の質疑において、必ず国民に見える形でやりとりをしてください。
■前原誠司
その資料を出されれば、同僚議員がこの委員会でその細かな議論というのは国民につまびらかにわかるように議論させていただきたいというふうに思っております。
さて、もう一度総理と議論をさせていただきたいと思いますが、行政改革という言葉に立ち返りたいと思いますが、無駄を削るというだけが行政改革でないと私は思うんですね。行政というものをまさに国民の視点からどのようにうまく運営していくかということが私は必要だと思います。
したがって、一つ申し上げたいのは、簡素で効率的な政府ではなく、我々は、効率的ではあるけれども人に温かい政府、つまりは、大事なところには金は使うよという、やはりめり張りがなければいけない、ただ単に簡素で効率的であってはいけないというのが我が党の基本的な考え方であるということをまず申し上げたい。
もう一つは、この国の最大の問題点の一つは、省庁縦割りの中で国家の統一した戦略がなかなか決められない、このことが最大の問題点の一つであると私は思っています。
もう一つ、きょうは本を持ってまいりました。これを総理、見られたことはありますか。「霞ケ関構造改革・プロジェクトK」、Kというのは、霞が関でもあるし官僚でもある。これは、三十前後のキャリアの官僚の人たちが実名で今この国の問題点というものを明らかにしてくれている本でありまして、私は、これを読ませていただいて、また、ある番組でその官僚の人たちとも議論させていただいて、すばらしい考え方を持っておられるなというふうに思いました。また、何よりも、隠れてじゃなくて実名でこういった意見提言をされることの勇気について私は敬意を表したいと思いますし、そのことで彼らが不遇な目に遭わないように要望しておきたいというふうに思います。
その上で、彼らがどういうことを言っているか。私も十三年間国会議員をやらせていただいて、同じ問題意識を持ったということを披瀝させてもらいたいと思うんですが、時間の関係上、簡単に一節だけ、この書いてあることを取り上げたいと思います。
一見総合戦略に見えるものは、実務的な流れとしては、内閣官房や内閣府から「○○」に当てはまる各省の政策を出してくれという依頼が来て、適当に当てはまるものを見繕って各省が提出し(内部では「タマ出し」などと呼ばれる)、それらが適当な順に貼り付けられて成立している。つまり、ぎりぎりの判断や決断により政策が選択されて戦略ができているのではなく、誰からも反発が来ないように、良いとこ取りで各種政策がホチキス統合されているのである。小さな政府を目指した規制税制改革と、大きな政府を目指した社会保障の充実が併記されていることも少なくない。結果、各省各種団体とも、「自分のところの意見は○○という部分に反映されている」と満足できるが、全体として何がやりたいのか焦点がぼやけることになる。
こういうことが書かれていて、これはまさに私は、今の政策立案あるいは役所の本旨だろうと思いますし、総理が、一番初めに私が紹介をしたこの「郵政民営化論」の巻頭言に書かれているところも、この点を打破しなくてはいけないという思いは持っておられたと思いますし、実際問題、橋本行革のときに出された経済財政諮問会議、今それをやっておられますけれども、そこも基本的にはその考え方にのっとってやられたことなんだろうと私は思っております。
その中で、私、この法案で、先ほどから何をしたいのか具体的によくわからないということを申し上げましたが、その一つとして、行政改革推進本部、これは実は、この法案の雌雄を決する大事な本部だと私は思っているんです。これは総理が本部長になられるということでありますが、この仕組みをどうしていくのか。相当リーダーシップを持たなければ、今でも官僚の抵抗が強いと言われております。ゼロ回答の役所もかなりあるということは言われている。この方向性がどちらに転ぶか。本当に正しい行政改革、無駄のない、天下りとかが広がっていって、国民の目をごまかすような税金のむしばまれ方をするようなことのない行政というものをつくるためには、この行政改革推進本部の位置づけというのは極めて大事なのではないかと私は思っております。
その意味では、この位置づけをどうしていくのか。かなり独立したもの、あるいは極端に言えば、これを永続させて、ずっと官僚の抵抗があるわけですから。ここに集めてくる役人というのは最初は省庁からの寄せ集めになるでしょう、これは仕方がないことです。しかし、彼らには、片道切符にして帰さない。内閣の行政改革本部で、ずっと君たちの仕事は、縦割り行政の弊害をなくして国家戦略というものを考え続ける。常に組織というものは肥大化するものであって、これを未来永劫続けていくんだぐらいの気概がなければ、私はこの法案に魂は入らないと思います。
どういう位置づけにこの行政改革推進本部をするおつもりなのか、総理の決意をお聞かせいただきたいと思います。
■小泉内閣総理大臣
行政改革に終わりはないと思っております。だからこそ、今前原議員が指摘されたように、その本の中にも提言がなされているんだと思いますけれども、自分のところのかかわる役所なり団体の問題には熱心だけれども、ほかの問題については余りそのような関心を示さない。全体的に統制といいますか統合のとれない、全体図が見えないようなばらばらの改革になってしまうのではないかという危惧の念というのは、常に、行政全体をにらむ場合、大事な視点だと思っています。
我々政党としてもいろいろな調査会なり部会があります。その部会の関係するものについては、削減するということに対しては非常に抵抗が強い。まだやるべきことがあるんだから要求して、もっとふやせという要望については、私はどの政党も似たような面があるんだと思います。しかし、その結果、全体はどうなのかということを見ないといけない。
行政改革本部におきましても、各省、人員が集まってきた場合に、また戻るんだというよりも、全体を見ながら各部分に対しての削減策を貫いて、全体も一つの視野に入れた改革案を出すという趣旨には私も賛成であります。だからこそ、国会が必要である、選挙が必要である。
その場合に、決められた方向に進んでいるのかどうか、あるいは無駄がないか、必要な部分をどうふやせないかというのは、我々政党人の使命であり国会の役割だと思っておりますので、そういう、お互いが、政党が違っても競争していく、改革競争していく、そして有権者が選挙でどう判断するか、これは非常に大事なことだと思っております。
■前原誠司
いや、無駄遣いをなくすための争いはいいと思いますが、方向性は、先ほど申し上げたように、簡素で効率的なだけではだめだということを我々は申し上げているわけです。
今伺ったのは、各省の優秀な人間を片道切符で出して、ずっとこれに目を光らせる、そして行革推進本部にいる役人がステータスを持つような仕組みにしなければ本当にこれは実現できないということを私は申し上げているんですよ。その意識はあるかという質問です。簡単で結構です、総理。
■小泉内閣総理大臣
そういう機能あるいは人員の強化を図っていく必要もあると思っております。
■前原誠司
最後に、縦割り行政の弊害を打破するという意味では同じものだと思いますが、我が党が従来から緊急事態基本法というものを出して、これは継続審議になって、今国会に出すということは、細田国対委員長と我が党の渡部恒三国対委員長の間で取り決めをされました。
その中には、平素の危機管理も縦割りの弊害をなくすための総合調整機能、情報も縦割りの弊害をなくすための機能、それから国家戦略を、特に総合安全保障政策をまとめるための機能、それを横断的に行うということが我々の案として盛り込まれています。
そういう議論をするためにも、ぜひ、我が党と自民党の国対委員長の間で取り決めをされた緊急事態基本法、中身は、それは議論ですから、我々の案がすべて通るとは思っておりませんが、真摯に議論して、約束どおり今国会で成立させるということを、改めて、総理、お約束いただきたいと思います。
最後に、縦割り行政の弊害を打破するという意味では同じものだと思いますが、我が党が従来から緊急事態基本法というものを出して、これは継続審議になって、今国会に出すということは、細田国対委員長と我が党の渡部恒三国対委員長の間で取り決めをされました。
その中には、平素の危機管理も縦割りの弊害をなくすための総合調整機能、情報も縦割りの弊害をなくすための機能、それから国家戦略を、特に総合安全保障政策をまとめるための機能、それを横断的に行うということが我々の案として盛り込まれています。
そういう議論をするためにも、ぜひ、我が党と自民党の国対委員長の間で取り決めをされた緊急事態基本法、中身は、それは議論ですから、我々の案がすべて通るとは思っておりませんが、真摯に議論して、約束どおり今国会で成立させるということを、改めて、総理、お約束いただきたいと思います。
■小泉内閣総理大臣
今各党で協議しているということのようであります。それを見守っていきたいと思います。
■前原誠司
実現されることをしっかり、我々もしつこくそれについては関与していくということを申し上げて、私の質問を終わります。
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