プロフィール記事・論文活動写真館国政報告会行事のお知らせ議事録リンク開票結果直球勝負!質問主意書

衆議院予算委員会 2006/02/07

■前原誠司
 おはようございます。昨日に続いて質問をさせていただきます。
 総理、まず資料をお渡ししておりますが、七の資料を見ていただけますでしょうか。きのうも最後にお見せをした資料でございますが、ここから再スタートをさせていただきたいと思います。
 この図というのは、正規労働者と非典型労働者数の推移ということであります。非典型というのは、パート、アルバイト、派遣労働、契約、嘱託、そういった方々でありますけれども、非典型労働者の方がふえて、そして正規労働者の方が減ってきている、こういうことが如実に出ているわけでございますが、総理、この傾向についてどう認識をされるのか、まずお伺いをしたいと思います。

■小泉内閣総理大臣
 この今、前原議員が提出された正規労働者と非正規労働者、確かに、平成十一年中ごろから非正規労働者の方がふえ始めた、正規労働者が減り始めた。ところが、これが最近逆転したんですよ。
 正社員とパート労働者数の増減率の変化ですけれども、平成十三年は、正社員がマイナス一・三%、パート労働者がプラス三・五まで伸びてきたんです。十四年、十五年、だんだん正社員が減ってきてパート労働者がふえてきているのは事実、この表の。ところが、平成十八年、ことし二月に発表したんですけれども、平成十七年分の速報で、厚生労働省の毎月の勤労統計調査によりますと、十六年では正規社員がマイナス一%減ってパート労働者がプラス五・七%ふえていますが、逆に去年の十七年分で正規労働者がようやくプラス〇・五に転じたんです。そしてパート労働者が五・七から〇・六に減っているんです。ようやく正規社員を将来のやはり人材養成のために各会社がふやし始めたんですね。こういう傾向を続けていってほしいな、またそういう環境を整備していきたいなと思っております。

■前原誠司
  私が伺ったのは、正規雇用が減って、そして非典型労働がふえてきた。しかし、ことしになってその変化の兆しが見えてきたと。私の質問に対して総理は、では正規雇用がふえる方がいいと、そういうことをおっしゃっているという認識でよろしいですね、そこでうなずいていただいたら結構です。いや、私も一緒なんです。
 ただ、今総理がおっしゃったことで申し上げれば、この間、厚生労働省が有効求人倍率というものを発表いたしましたが、十三年ぶりに一を回復したということなんですが、しかし、相変わらず、正規雇用の有効求人倍率については〇・六五、非常に低い水準でありますし、パートそれから嘱託等の方は一・四一と高いんですね。今、いい兆しであったらと、それは我々も歓迎をいたしますけれども、しかし、実際問題まだまだ低いというところに非常に大きな問題があると思っております。
 では、そういう意味では、総理はこの正規労働者をふやすための施策としてどういうことを考えておられるのか、労働政策という観点からお伺いをしたいと思います。

■川崎国務大臣
  細かい数字が出ましたので、正確に申し上げますと、十七年十一月、正社員が四・七%増、非正規社員が四・一%減、十二月は〇・三%増、非正規社員が七・八%減ということで、確かに十一月、十二月はそういう数字になっております。
 ハローワーク全体の取り組みといたしまして、フリーター等から正規雇用へ二十万人という計画を、今二十五万人に上げさせていただいております。その中で、ハローワークの仕事としては、実は、各企業を回りながら、できるだけ正規雇用を出してください、こういうお願いをいたしております。やはり、企業に対する働きかけをしていく。また、フリーターの皆さん方が来たときに、できるだけ正規雇用、そういう意味では、就業を目的とする教育というものをしっかりしていかなきゃならぬだろう。あわせながらふやそうということで努力をいたしております。

■前原誠司
  この非典型労働の方、これは、きのうも申し上げた数字でありますが、月給が十万未満の方が非典型労働の全体の三七・二%、そして十万円から二十万円の方が四〇・八%。つまりは、月給で二十万以下の方が、非典型労働者、嘱託とかパートの方々のおよそ八割を占めている。月給二十万以下ですよ。ですから、これは非常に私はやはり大きな問題であると思いますし、若干今の数字、傾向が変わってきているとはいえ、この流れが定着すればいいですけれども、しかし実際問題、この正規社員の給与と、そしてまた非典型労働者の給与の格差というものが余りにも開き過ぎているということが、私は格差があいているということの一つの典型だと思っているわけです。
 私は、それを是正をするために、さまざまな手当とか保険料などというのはもちろん勘案しなくてはいけませんが、原則として、正社員あるいは非典型関係なく、同一労働同一賃金というものを徹底させるということをしっかりと政府の方針として打ち出すべきだと思いますが、総理の答弁をいただきたいと思います。

■小泉内閣総理大臣
 原則として、同じ労働だったらば同じ賃金、これが望ましいと私も思っております。

■前原誠司
  原則と私が申し上げたのはどういう意味かというと、正社員についてはさまざまな手当等がついている、そういうパラメーターを除いて、実際には同じ仕事をしたら同じ賃金をもらえなきゃいけない、しかし今はそれができていないからこれほどの所得格差があいている、それを是正するべく同一労働同一賃金が望ましいと言ったんですけれども、同じ考えであれば、同じだ、努力をすると言っていただいたら結構です。

■小泉内閣総理大臣
  それは会社によっても違うと思います。その人物によっても違います。同じ仕事をする、同じ時間で、同じように。だから、その点は原則としては望ましいと思っています。
 そして、いい社員を採るためにはやはり待遇面においてもよくしていくということ、またそれが会社の発展にもつながるんじゃないか、経営者もそういう気持ちで待遇等について配慮していただけるように、政府としてもこういう問題を後押ししていきたいと思っております。

■前原誠司
 違う観点で質問をさせていただきたいと思います。
 資料の十二をごらんいただけますでしょうか。
 これは何かといいますと、被生活保護世帯、人員数、保護率の推移ということで、年々生活保護世帯、人員、保護率がふえている、こういう状況であります。今や百四万世帯ぐらいの方が生活保護を受けておられるということで、小泉総理の任期中の五年間でもこれだけの生活保護の上昇があるということ。
 次に、十三の資料を見ていただきたいと思います。
 これは、生活保護を受ける方の子供さん、また準要保護ということでございますので、当然ながらオーバーラップしてくるわけでございますけれども、就学支援を受ける子供さんの数がこの四年間で三七%、約四割ふえたということで、百三十三万七千人の方が今就学援助を受けている、こういうことになっているわけです。
 資料の十四もごらんいただきたいと思います。
 今度は東京に合わせて見ていただきたいと思うわけでありますが、二四・七九%なんですね。これは実際問題、全国平均で申し上げると一二・八%でありますけれども、東京が、示しているように二四・八%、そしてまた大阪は二七・九%ということで、四人に一人が就学支援を受けている、こういう状況になっているわけであります。
 もう一つ資料を見ていただきたいと思います、資料十五。
 今、東京の平均が二四・八と申し上げました。AからWまで二十三区をアルファベットにしておりますけれども、一番低いところがA区、小学校六・五六、そして中学校が七・〇二ということでありますが、一番高いところを見ていただくと、U区、小学校四二・八一%、中学校でいうと四三・八三%ということで、東京の中でもこれだけばらつきがある。つまりは、このU区というところについては十人に四人以上が就学支援を受けている、こういう状況であるわけであります。
 さて、そこで総理にお尋ねをしたいと思うわけでありますが、この就学支援というのは、では一体何に使われているかといいますと、鉛筆とか消しゴム、そういった学用品でありますとか、あるいは給食費、あるいは修学旅行に充てられる費用、こういったものが親の所得に応じて給付されているわけでありますけれども、私、ある区の先生にもお話を伺いましたけれども、親に渡さないんですね。親に渡さずに、校長先生が口座を持っていてそこに振り込まれる。なぜなら、親にお金を渡してしまったら親が生活費に回してしまうかもしれない、それは就学支援にならないということで、校長先生が管理をされている、こういう状況が実際問題あるわけです。
 私が申し上げたいのは、先ほど申し上げた正規職員あるいはパートの所得格差というものもありますし、また、実態を聞いておりますと、やはりシングルマザーの方も、かなりそういう意味ではこういう生活保護あるいは就学援助を受けられる方々というのは比率的に多いわけでありますけれども、私は、一番きょう問題にして、総理にもぜひ一緒に考えていただきたいのは、どこの家庭に生まれるかということを子供は選ぶことはできません。子供というのは、まさに等しく生まれてきて等しく育つべき、私は、国の宝だと思っております。しかしながら、実際問題、全国平均で一二・八%の子供さんが就学援助を受けなきゃいけない。そして、先ほど申し上げたような状況、鉛筆とか消しゴム、修学旅行、給食費、こういったものに充てられている。
 現場の先生方も配慮をしていただいて、できるだけわからないようにということなんですけれども、やはり鉛筆とか消しゴムを現物給付ということになれば、どう隠そうとしても、先生がそういうことをほかの子供たちにわからないようにしたって、わかる場合はあるんですね、どうしても。そうなると、子供たちの中で見る目が変わってくるという部分もあります。
 それから、これは我が地元の、私学の高校に子供さんを行かせておられる親御さんにお話を聞いたんですけれども、修学旅行に行かすことのできない御家庭が、一クラスで数名、多いところでは十名ぐらいに上っているということもあるそうです。まさに、子供の時代、学生時代において、修学旅行というのは最も思い出に残る大事な一場面。それが、いわゆる親の収入というもので制約を受けて、結果的にそれができないし、先ほど申し上げた就学支援についても、ほかの子供さんたちから違う目で見られるという肩身の狭い思いをしている。
 これはまさに、私は、総理がおっしゃる機会の平等というものが現実の現場においては守られていない。つまりは、機会の平等を与える、そして結果の平等というのはそれに付随をするものだ。私もそう思います、機会の平等は与えられるべきだと。しかし、今の教育現場の実情を見るならば、機会の平等さえ子供に与えられていない状況があるということを考えるならば、これはまさに、所得再分配の政策というものがうまく機能していないために、やはり格差が広がっている影というものが色濃く出ていると断じざるを得ないと思いますが、総理の認識を伺いたいと思います。
 政策的な細かい話ではなくて、子供に対しての機会平等が与えられていない、このことについて、結果的には、所得再分配機能がうまくいかずに、そして格差が広がっているということを如実にあらわしているんじゃないかということを聞いているわけです。詳しい細かい政策を聞いているんじゃない。これは総理に伺っているんですよ。

■小泉内閣総理大臣
 同感であります。具体的にどうか、前原議員が今言っていることと、現実にどういうような支援をしているか、文科大臣から答弁させます。

■小坂国務大臣
 前原代表の御質問でございますが、機会が平等に与えられているか、こういう点についてはいろいろな見方があることは、そのおっしゃる意味は私もそれなりに理解をいたします。
 しかしながら、国としてどのような援助を行っているかということに関しましては、義務教育は、国が憲法で保障した、国民に対しての無償で一定の水準の教育の機会を提供するという観点から、教育基本法や学校教育法等に基づきまして、授業料の無償や教科書の無償供与をしているわけでございます。また、市町村におきましては、経済的な理由により就学が困難な児童に対して、その就学援助という形で今おっしゃったようなことが行われている。
 その中で、生活保護世帯については国が、また、準保護世帯については、準要保護という形に関しては市町村が担当して、そこに給付を行っているわけでございます。従来はいずれも国が行っておりましたが、地方に裁量権をという観点から、平成十六年から市町村の方に準保護については移管をしているところでございますが、いずれにいたしましても、保護を求めたけれども保護が与えられなかったというような形は、そういう問題は、現実の形で苦情として上がってはおりません。機会は、そういう意味では与えられている。
 しかしながら、その程度が、おっしゃったような修学旅行その他のすべての部分で、すべて満たされるかといえば、やはり最低限のものを保障するという観点から、それを充実させることを努力しているところでございます。

■前原誠司

  そういうことを聞いているんじゃないんです。現実の問題の中で起きていることについて、どう政治家としてあるいは総理としてお考えになるか、そして、どう対応していかなきゃいけないのかということをお伺いしているわけです。
 ちょっと資料を見ていただきたいと思います。
 資料の十六です。十六、十七と両方見ていただきたいと思いますが、これは、私、実は一番ショッキングな図でありますけれども、就学援助率と学力の関係というものが、こういうふうに右肩下がりで相関関係にある、こういうことが明らかになったんですね。これは、東京都の教育委員会の資料をもとに我が党で作成をしたものであります。十六については、これは小学校五年生の国語の平均点数、それから資料十七、これは中学二年生の英語の平均点の相関、同じような右肩下がりの相関図になっているということであります。
 総理、それは、いろいろな所得の方がおられるのは事実であります。
 例えば、今、有名私立大学が小学校まで附属の小学校をつくって、いわゆるそのお金というのは幾らぐらいか、総理、御存じですか。年間百万から、高いところでいったら三百万ぐらい小学生に払うということで、一貫教育、大学まで、有名な大学ですね、そういうものがあって、また塾や家庭教師につかせられる子供がいる。しかし一方では、全国平均で一二・八%、そして大都市部では四人に一人が就学援助を受けなくてはいけなくて、その結果として、現実問題として、就学援助率と学力の相関関係が右肩下がりで出てしまっている、これは現実の問題なんですよ。
 この問題をどう解決していくのか。私は、総理に問いたいのは、その問題について言えば、では、学力が伴わない、そして、その子が例えば大学に行けなかった、資金の面でも、学力の面でも。そうすると、正規社員として就職できなかった。そうすると、また低い給料で働かざるを得ないということになる。
 つまりは、機会の平等が与えられずに、そして結果的に学力もそういうものが反映をされて、その子供が大きくなったときにつく仕事についてもまた所得の格差が開くという、まさに、格差の再生産や、ある意味では希望格差というものがどんどん開いていくような社会の実態にあるというふうに私は思います。
 先ほど私の指摘に対して同感だとおっしゃったということは、そういう現状を認めて、まさに格差が開いていて、現場では、特に子供の教育においてはしわ寄せがいっているということを素直にお認めになったということですか。もう一度、自分の政治家としての言葉で、一番国の宝で、機会の平等が与えられなきゃいけない子供の現場でこのような格差が生まれてきて、繰り返し申し上げますけれども、格差の再生産や希望格差が生まれるような状況にあるということについて、政治家として、日本のリーダーとして、どう取り組もうとされているのか、そのことについてお答えいただきたいと思います。

■小泉内閣総理大臣
 生活苦のために就学の機会が奪われないように、これはしっかりと手を差し伸べる対策は必要であります。
 それと、これからの子供たちの将来にとっても、しっかりとした基礎的な学力をつけるということは、将来の社会に出て働く上においてもこれが重要であるということは同感でありますが、私は、何も学校の成績がよくないからといって悲観する必要はない。(発言する者あり)

■大島委員長
 御静粛に。御静粛に。

■小泉内閣総理大臣
 世の中は、学校を出なくても、あるいは、大学を出なくても、高校を出なくても、それぞれ好きな道を選んで、大学出よりもはるかにすぐれた仕事をしておられる方もたくさんいるわけであります。
 そういう意味において、まずは学力、学力ということも悪いことではありませんけれども、基礎的な学力を身につけた場合、それぞれの人には持ち味があります、向き不向き。勉強のできる子は、親がしろしろなんか言ったって、自分でして、優秀なんですよ。勉強嫌いな人は、幾ら言われたって学校に行きたくない。学校の中では成績悪くても、学校を出ると非常に人望を集めて、仲間を多くつくって、社会で活躍している方もたくさんいるんです。だから、そういう、一定の学力がついた後、本人の能力とか持ち味というのを見きわめることが必要なんですね。
 政治家を見ていると、政治家はみんな学校の成績、頭がよかったかというと、そうじゃないですね。むしろ例外で、頭のよさ、学校の成績のよさを見たら、官僚の方がはるかに成績がいい。
 だから、学校で余り成績がよくないから序列が決まるという社会にしちゃいかぬ。学校での成績がいいのはいい、褒められてしかるべきだ。しかし、社会に出れば、それはいろいろな能力、違うんですから。そういう点を伸ばすことも必要ではないか。しかし、多くの子供から、勉強したい、学校に入りたいという機会というものはしっかりとして支えていかなきゃならないと私は思います。

■前原誠司
  総理、今のはちょっと不謹慎な私は答弁だと思いますね。なぜなら、私は、学力が高い子、勉強ができる子がいい子だとは言っていない。つまりは、所得が多い家庭でも勉強が嫌いな子はいっぱいいる。それはほかの道に進んだらいい。それは、所得に関係なく、向き不向きはあるでしょう。私は、それを所得の多い少ないで分けていくことではないんですよ。
 つまりは、所得の多いところに生まれた子でも、勉強が嫌いでほかのことをどんどんやる子がいてもいい。自分の素質、個性を伸ばしたらいいですよ。しかし、私が言っているのは、所得が低いことによって機会の平等が与えられていない。結果として負の相関関係が出ているじゃないですか。そのことについて、所得の再分配機能ができていなくて、まさに格差の再生産、そして希望の格差というものが生まれてくる素地があるということを私は申し上げているわけです。勉強の向き不向きなんかにすりかえないでください。
 私が聞いているのは、つまりは、機会の平等というのは結果として与えられなくて、繰り返し申し上げますよ、所得の高い子の中でも勉強の嫌いな子はいて、しかし、どんどんほかのことをやって、そしてその道で伸びている子はいい。所得の低い子でも、しっかりと自分自身が、勉強に頼らず、努力をして、そして自分の力で伸びていく子もたくさんいる。しかし、機会の平等を与えなきゃいけないけれども、その所得の多い少ないによって機会の平等が失われていることが問題だということを私は言っているんです。すりかえないで、もう一度答えてください。

■小泉内閣総理大臣
 私は、最初から機会を提供しなきゃいかぬと言っていますよ。いかに就学したいという人に対しては機会の提供を与えられるか。生活が苦しい、学費がない、学校へ行けないということをなくさないようにしなきゃいかぬ。
 ただ、人間の力というのは学校の成績だけじゃないから、学校の成績で序列をつけるべきではないということを言っているのであって、この点については、本人の努力もあるし、それぞれの向き不向きがありますから、こういう分野が得意、こういう分野が不得意、学校の成績が、勉強の成績、机での成績が得意な子もいますよ。しかし、そうでない子もいるんだから。
 しかしながら、就学の機会というものについてはあらゆる子弟に対してしっかりと与えなきゃならない、こういう点については私も同感であります。

■前原誠司
  同感だという言葉について、私は、同じと見られたくありません、今の答えであれば。つまりは、機会の平等が与えられていない、そのことによって子供にひとしくチャンスが与えられていない、機会の平等さえ与えられていないという社会によりなりつつあるというのが、統計で、あるいは現場の声として、あるいはその現場の数字として明らかになっているということを私は申し上げているわけです。
 最後に、ポイントを申し上げてこの問題については最後にしたいと思いますけれども、きのうは税金の無駄遣いの話を私はさせていただきました。官僚の天下り、談合、相当な無駄遣いがあると思っておりますが、公共投資額は、減ったとはいえいまだにOECDの中では高水準であります、対GDP比で。しかし、教育についての公費負担は対GDP比で先進国中最低じゃないですか、今日本は。つまりは、公共事業には金をまだまだ使うけれども、人への投資が少ないのが今の日本の状況じゃないですか。
 私が先ほど機会の平等と申し上げたのは、そういう予算配分を含めて考えていかなきゃいけないということを、まさに、今の政治の根本的な問題として、お金の使われ方の重点が間違っている、そのことを私は指摘しておきたいと思います。まともな答弁は返ってこないと思いますので、これについてはもう結構です、答弁は。
 BSEの問題について若干お話を伺いたいと思います。
 中川大臣、総理も聞いておいてください、総理にも質問いたしますから。
 小泉総理と中川農林水産大臣は、米国産牛肉の輸入再開において危険部位が混入をしていたことについては、日本政府には一切責任がない、これはアメリカの責任だということをずっと言われ続けてきましたね。そのことについて、まず農林水産大臣にお伺いいたします。
 一月三十日の我が党の松野議員の質問に対する政府の統一見解を出されましたね。中川大臣が二転三転をされた答弁であります。最終的に、政府の統一見解、食品安全委員会の最終答申では査察実施は輸入再開の条件とはなっていない、こういうことを言われていますね。確かに、これは書いていないわけであります。
 しかし、最終答申ではどういうことが随所に書かれているかということを、もう一度私は確認をさせていただきたいと思います。
 結論のところ。「これらの前提の確認は」、つまり輸入再開のことですね。「前提の確認はリスク管理機関の責任であり、」つまりは厚生労働省と農林水産省がこのリスク管理機関です。「リスク管理機関の責任であり、前提が守られなければ、評価結果は異なったものになる。」つまりは、食品安全委員会プリオン専門調査会でいろいろと専門家の方が議論をされた中での調査結果というものは、いわゆるリスク管理機関がしっかりと確認をして前提が守られなければ、評価結果は異なったものになるということを言っている。
 それと同時に、結論への附帯事項ということで、くどいまでにこういうことが繰り返し書かれている。「輸入再開の場合は輸出国に対して輸出プログラムの遵守を確保させるための責任を負うものであることを確認しておきたい。」農林水産大臣、もう一度申し上げますよ。「輸入再開の場合は輸出国に対して輸出プログラムの遵守を確保させるための責任を負う」と書いてあるんです。日本のリスク管理機関である農林水産省と厚生労働省が負うことを確認しておきたいということを最終答申に書いてあるんです。だから、この最終報告においては査察実施は輸入再開の条件とはなっていない、こういうことになっているわけですよ。
 現に、この最終報告には、今申し上げたように、政府が責任を負うと書いてあるじゃないですか。ということは、入ってきたということは、政府は責任を負わなきゃいけないんじゃないですか。アメリカの責任だけといって責任逃れしちゃだめなんじゃないですか、この最終報告によると。

■中川国務大臣
 前原委員御指摘のとおり、この結論は、輸出プログラムが遵守されれば日米のリスクの差は非常に小さいというのが食品安全委員会の結論でございます。したがって、輸入再開手続に入ったわけでございます。
 他方、結論への附帯事項、これは附帯事項でございまして結論ではございませんけれども、もちろん我々はそれを重要視しているところでございます。その中で、御指摘のように、「輸出プログラムの遵守を確保させるための責任を負う」、この場合の責任というのは日本政府だというふうに理解をしております。
 したがいまして、輸出プログラムという、日本向けのアメリカのプログラム、これは韓国向けとかカナダ向けとか、それぞれの国にアメリカのプログラムがあるわけでありますけれども、日本向けのプログラムが守られていれば、リスクの差は非常に小さい。
 したがって、守られていれば問題はないということでありますけれども、守られていないということが成田税関で、日本の検疫制度、しかもこの検疫制度は、以前の検疫制度からおおむね十倍程度の精度アップをした、あるいは成田の場合には百倍でありますけれども、抽出数をふやしたわけでございまして、それによって発見されたわけでありますから、そういう意味では、輸出プログラムに、アメリカがそのとおりにやらなかった。これはアメリカ側の問題であり、日本側が安全性、リスクの差は非常に小さいというときに、日本がやるのは、アメリカの輸出プログラムで入ってこようとしたものを、日本の検疫制度の中で精度アップをして、危険部位が入っている、脊柱が入っているものが発見されたということでございますから、日本としては輸入再開に当たっての責任は果たしているというふうに理解をしております。

■前原誠司
 それは詭弁ですよ。
 つまりは、チェックできたという、後でまた別の観点から申し上げますが、「輸出プログラムの遵守を確保させるための責任を負う」ですよ。確保されていなかったんじゃないですか。だから、危険部位が来たんじゃないですか。
 ということは、その輸出プログラムの遵守がされなかったアメリカに責任はありますよ。それは大前提としてあるけれども、それの確保をさせるための責任を負うということで、結果、入ってきた責任は日本にあるんじゃないですか。

■中川国務大臣
 ですから、アメリカの日本向け輸出プログラムを遵守していなかったので、それが動物検疫所で発見できました。では、その段階で、日本の政府、リスク管理機関、農林水産省と厚生労働省としては何をするかといえば、輸入をストップするわけであります。
 その輸入というのは、当該ロットだけではない、当該認定機関だけではない、すべての米国産輸入牛肉を瞬時にストップしたということがリスク管理機関としての果たすべき責任であり、それをやったということであります。

■前原誠司
  違うよ。とめたということ、とめたのも、これも後で申し上げますが、ひょっとしたら、結果的にはサンプル調査でしょう、ということは、入ってきているかもしれない。全部とめたなんという抗弁はできないと思いますよ、これは後で質問いたしますが。
 繰り返し申し上げますよ、同じ答弁だったら私は納得しませんから。
 輸出プログラムの遵守を確保させるための責任ですよ。つまりは、アメリカに危険部位の除去をしっかりやって、日本にはちゃんと約束したものだけ送ってくるのが輸出プログラムの遵守じゃないですか。それを確保させるということで、日本政府のリスク管理機関としての責任があるんじゃないですか。それができていなかったから来たんじゃないですか。ということは、確保させるための責任は負えていなかったということじゃないですか。
 とめたからいいという、それは論理のすりかえであって、この輸出プログラム遵守を確保させるための責任が果たせなかったから来たんじゃないですか。もう一遍答弁してください。

■中川国務大臣
  日本側としての責任、御指摘のように、アメリカの日本向けの輸出プログラムにのっとってアメリカが責任を持ってやるということが再開条件でありました。それによって食肉処理施設をアメリカ政府は認定したわけでございます。
 他方、日本側としても、動物検疫の抽出度をレベルアップし、また、検疫官の数もふやして強化をしていった結果、水際でストップすることができたわけでございます。
 他方、アメリカの方に日本側から、私からも直ちに強く抗議を申し上げました。これは私だけではなくて、外務大臣も官房長官からも、アメリカの政府要人に同じようなことを言ったわけでございます。アメリカも、直ちにこの認定された四十の機関のうちの二つの当該処理を行った施設の認定を取り消しを行いました。
 そしてまた、一月二十三日には、政府として、念のため国内に危険部位が入っているかどうか、もう一度関係業界の方に確認をしてください、これは厚労省、農水省共同で今やり、間もなくその報告が来るのではないかというふうに思っております。そしてまた、危険部位周辺の肉は念のため市場に出さないでくださいということも厚生労働省の方から要請をしているところでございます。
 御指摘の答申というものは、これはきちっとアメリカにやってくださいと。万が一やらなかったときには認定を取り消します、あるいはまた、システムそのもの、再開の前提条件が崩れますということは御指摘のとおり書かれているわけでありますから、日本側の責任として、アメリカ側に対しての原因の徹底究明と再発防止策、そしてまた認定の取り消しをアメリカがやった。日本の中に入っているであろう七百数十トンについても、全力を挙げて今再調査をやっていただくようにお願いをしているわけでありますから、このシステムそのものにおいて、日本側の責任というものはきちっと最大限果たしていると理解しております。

■前原誠司
 食品安全委員会プリオン専門調査会で座長代理を務められた東京医科大学の金子教授が、あるメディアの取材に対してこうおっしゃっているんですね。「不安が的中した」と述べられた上で、「諮問を受けた時、日本向けプログラムが守られることを前提に議論してくれ、順守のための条件は審議の対象項目に挙げなくてもいいと言われた。だから、事前調査すべきか、事後でいいのかは一切審議していない。私は何度も本当に前提が成り立つのか確認したが「政府が責任を持つ」ということだった」と答えられている。これは座長代理ですよ。座長代理がこういうことを、あるマスメディアのインタビューに答えられている。
 吉川座長も、同じメディアの取材でこうおっしゃっている。「政府が査察して確認した上で牛肉が輸入されると理解していた」、こういうことをおっしゃっている。
 川内議員の質問主意書の事前か事後かについて、私はこの際、百歩譲って申し上げません。しかし、このプリオン専門調査会の座長と座長代理が、まさにちゃんとしたチェックというものを査察も含めてやるという前提だから我々としては答申を出したんだということをおっしゃっている。
 それと、ではもう一点申し上げましょう。
 先ほどアトランティック社のことをおっしゃいましたね、とめられたと。実際に輸入再開を決めたのは、これは十二月十二日ですね。その同じ日に、もうある日本の会社がサンプルの発注をしているんですよ、発注している。そして、十三日に出発された調査団が十四日から本格的に調査をされているけれども、しかし、第一便は、もう十五日の朝七時の飛行機で日本に向けて飛び出ている。
 つまりは、査察をしっかりするということが、これは事後の場合、農林水産大臣も何度も記者会見等で答えられている、査察を念入りにやりますと。そして、札幌などでの公聴会でも、しっかりとその査察というものはやっていくんだということをおっしゃっている。先ほども、日本としてやるべきことはしっかりやったとおっしゃっている。
 二つ申し上げたいのは、一つは、今申し上げたように、輸入解禁後でなければ実効性のある調査ができないと繰り返し答弁されてきましたね。つまりは、事前調査をしてもしようがないんだと。輸入解禁後、つまりは動き始めないと実効性のある調査ができないとおっしゃっていますが、第一便はちゃんとチェックできていない。つまりは、肉が出発をする後から結果的に調査団が行っていることになっているじゃないですか。ということは、初めのサンプル調査を発注したものについては、査察はしっかりとできていないということがまず一つ。
 それから二つ目は、日本向け四十施設のうち、査察をされたのは十一でしょう。二十九していないでしょう。しかも、アトランティック社というのは、調査団が帰ってきた年明けの一月六日に認定をしているわけですね。認定をしている。つまりは、この危険部位を混入して送ってきたところについては査察をしていないわけですよ。
 ということは、まさに、食品安全委員会プリオン専門調査会の座長、座長代理が前提としていた政府の責任も果たしていなかったし、結果的に、査察を行う調査団にしても、一番初めに来た肉についてはノーパスで日本に送ってしまっているということと、四十カ所のうち十一カ所しか見ていないということになれば、まさに、動き始めたら査察をするということを言っていた、事前か事後かについてはこだわりませんけれども、そのことについても日本の責任が果たせていないことになるじゃないですか。
 ということは、今申し上げたようなことも含めて、先ほどの最終報告も含めて、まさに、「輸出プログラムの遵守を確保させるための責任を負う」という日本政府の責任がすべての面で負えていなかったことになるじゃないですか。なぜ認めないんですか、自分の非を。

■中川国務大臣
 今の前原委員の御指摘は、これは多くの国民がお聞きになっておられますので、きちっと話を整理してお答えしなければいけないと思います。
 一つは、御指摘のように、附帯事項の中で、食品安全委員会の議論の中でのいろいろな御指摘があったことの、重要といいましょうか、食品安全委員会としてわざわざ附帯事項として幾つかの御指摘がございます。
 先ほど申し上げましたように、これは結論そのものではございませんけれども、よりリスクを小さくするために、リスク管理機関としても、この附帯事項というものを重く受けとめ、アメリカ側に幾つかの要望を強くしているところでございます。これに基づいた要望でございます。その中に、したがって、輸出プログラムが遵守されるためのハード、ソフトの確立とその確認が重要であるという附帯事項の御指摘があるわけでございます。
 ですから、我々としては、先ほどから申し上げておりますように、一刻も早く念のための確認作業をするべきである、それが査察であるわけであります。その査察というのは、これは食品安全委員会のリスク評価の中での前提条件、輸入再開条件ではございません。ございませんけれども、重要だということは我々も認識をしておりますので、認定された四十施設のうち十一施設から始めたわけであり、現在輸入はストップしておりますけれども、いずれかの段階で四十施設全部を、今三十八でございますが、査察をするということは当初からの予定でございます。
 他方、十二月十二日に輸入再開決定が行われて、すぐに注文を出して、すぐに飛行機で飛んできたのではないかという御指摘でございますが、こういうことも実際には可能でございます。
 既に諮問の段階でアメリカのEVプログラム案というものを、もちろんこれは案でございますけれども、こういうEVプログラムでいいのかどうなのかということも食品安全委員会で御議論をいただく資料としてお出しをし、幾つかの案が、アメリカ側の案についても安全委員会で御議論をしていただいた上での先ほどの結論であったわけでございます。これが、十二月八日に答申をいただきました。
 そして、農林水産省あるいは厚生労働省で省内手続をして、そして日本側から、日本の家畜伝染病予防法に基づく衛生条件、これでなければだめですよという日本側の基本的な条件をアメリカ側に示して、そしてアメリカ側はそれを検討する。もちろん、そういう事前の作業というものはやっておりましたから、いきなり初めて見るものではないというのは、さっきのEVプログラムと同じでございます。
 そして、アメリカとしては日本側の家畜衛生条件をそのとおり遵守しますという回答があったのが、十二月の十日でございました。したがいまして、政府として、それに基づいて、十二月十二日に輸入再開決定をしたわけでございます。
 と同時に、一刻も早く、日本の輸入者あるいはアメリカ側の輸出者は、早く輸出をしたい、早く輸入をしたいということでありますから、そこから認定を受けるわけでありますけれども、それらは、ほぼ当日もしくは一両日中に受けた機関があって、その認定を受けたところがきちっと輸出プログラムにのっとって作業をして、アメリカ政府としてオーケーということになって、航空便で第一便が飛んできたのが十六日ですか、ということでございますので、これはルールどおりにやったということで、決して拙速ではないということを御理解いただきたいと思います。

■前原誠司
 今、何の自己弁護か、よくわからなかったです。私が、ポイントとして、もう一遍言いますよ、二つ。
 査察は前提でないとおっしゃいましたね。しかし、そこはしっかりやるから議論しないでくれと言われたんですよ。それは、吉川座長も金子座長代理もそうおっしゃっているんですよ。政府が責任を持つからその議論はしなくていいと言ったから、査察は前提ではないというか、最終答申には入っていないんですよ。それを逆手にとって、最終報告に入っていないからというのは、まさに政府のエゴですよ、それは。
 つまりは、今申し上げたように、専門家の方々が一番心配していたのは、輸出プログラムが本当に遵守されるのかと、アメリカで。その前提が確保されるのかわからない、そのことについて何度も何度も聞いたけれども、それは政府に任せておいてくれということだったから、それは議論すらしなかったと。だから、最終報告に入っていないのは当然で、それを逆手にとって、査察は前提ではないというのは本末転倒じゃないですか。おかしいじゃないですか。
 それと、もう一度初めのことを言いますよ。輸出プログラムの遵守はアメリカの責任、だから、アメリカの責任は大きいんですよ。しかし、遵守を確保させるのは日本の責任、リスク管理機関の責任なんですよ。それができなかったというのは、日本の責任として認めるべきじゃないですか。
 もう一度答弁ください。簡潔でいい、簡潔で。

■中川国務大臣
  申をいただくのは、リスク評価をされる食品安全委員会という、我々とは別の独立した機関が長期間にわたって専門的に御議論をいただいた。このリスク評価というものをきちっと守っていかなければならない。それが、我々、リスク管理行政というか機関の仕事でございます。
 したがって、査察というのはあくまでもリスク管理行政の一つでありまして、当然、リスク評価に基づいて、どういうリスク管理をやっていくかという中の一つでございます。そういう中で、今も事務局に確認しましたけれども、諮問の最中に、それはおれたちの仕事だから食品安全委員会で議論をしてくれないでくれというような要請なりやりとりがあったとは聞いておりません。
 いずれにいたしましても、我々としてはアメリカ側に万が一のことがないことを信頼していたわけでありますけれども、一月二十日に、ああいう形で明らかに危険部位が日本の水際、日本のリスク管理の体制の中で発見をされたわけでございますので、迅速に、しかも全面的に米国の牛肉の輸入をストップしたということでございまして、日本側の責任としては、最大限やれることをやっているというふうに理解をしております。

■前原誠司
 答弁になっていないですよ。同じことを言い続けている。
 私が聞いているのは、輸出プログラムの遵守はアメリカの責任、それを確保するのは日本の責任、入ってきてとめたから日本として責任を果たしましたじゃなくて、そういう危険部位を輸出させないことが輸出プログラムの遵守じゃないんですか。日本に来てしまったら、それは輸出プログラムを遵守したと言えないじゃないですか。来たものをとめたから日本としての責任を果たしました、それは問題のすりかえですよ。答弁になっていません。

■中川国務大臣
 食品安全委員会の答申は、もう一度ごらんいただきたいんですけれども、一定の問題が発生したときには輸入再開条件の前提が崩れるでしたか、そういうような文言があるわけでございまして、輸入再開条件の前提が影響される、崩れる、ちょっと正確なところはお許しいただきたいんですが、という判断は、最終的には食品安全委員会がされる御判断でございまして、我々は、リスク評価のところに影響が出たとか出ていないとかいうことを判断する立場にないわけであります。我々は、答申をいただいたリスク評価に基づいて最大限のリスク管理行政を行っているわけでありますから、答申に対して、答申の内容の前提が崩れたとか崩れていないということは、私どもとしては判断できないわけでございますけれども、しかし、リスク管理行政としては最大限のことをやっているというふうに理解をしております。

■前原誠司
 総理、今のやりとりを聞いていただいたと思いますけれども、私は、日本のリーダーとして、ぜひ総理に、こういう観点から責任あるお答えをいただきたいと思うわけです。
 今の中川農林水産大臣の話を聞いていますと、最終的には食品安全委員会の責任にすりかえて、結果的にはリスク管理機関、農林水産省や厚生労働省はそれはやれる立場にはないんだというふうに私には聞こえる。それは、私は全くもって、では、だれが一体この国に責任を持っていて、まさにぽてんヒット、つまりお見合いをしてボールがぽとっと落ちる、そのことでだれがとばっちりを受けるんですか。危険な肉を食わされる国民じゃないですか。そういう状況が実は出ているわけですよ。
 一月二十日までの輸入届け出があった数量は千四百九十六トン、そのうち輸入手続が終了したのは七百三十トン。先ほど農林水産大臣はその追跡調査を命じたと言っておられましたけれども、かなり多くの国民が、危険な肉をずさんな管理によって食べさせられた可能性が極めて高い。これはまさに、国民の健康、生命に責任を持つ政府としての、結果としての大きな責任ではありませんか。そのことについて、それでも政府には責任はなかった、アメリカが悪いんだということを総理は抗弁されますか。御答弁をください。

■小泉内閣総理大臣
 私は、日本政府はきちんと対応したと思います。
 食品安全委員会の報告書におきましても、要約しますけれども、「もし、リスク管理機関が輸入再開に踏み切ったとしても、」「人へのリスクを否定することができない重大な事態となれば、一旦輸入を停止することも必要である。」そのとおり日本政府はしているのであって、その前に輸出プログラムにおいても日米の合意を遵守する、そういうことでアメリカが責任を負ったんだけれども、結果的に遵守していなかった。遵守するように強く求めて、今それがされている。
 ですから、私は、日本の行政としてはしっかり対応していると思っております。

■前原誠司

 先ほどから議論しているように、遵守するのはアメリカの責任ですよ。しかし、遵守を確保するのはリスク管理機関である日本の責任であって、結果として、マックスで七百三十トン、それが流通している可能性があって、危険な部位が混入しているかもしれない牛肉を食べさせられたのは国民ですよ。
 アメリカとの外交交渉をやるのは政府でしかできないわけで、それをしっかりと管理できなかったのは、まさに日本の政府の責任じゃないですか。それを、アメリカ政府にだけ責任を負わせて、日本には全く責任なかったという、私はリーダーとしての資質を疑いますよ。無反省、無責任、これは私は極めて問題発言だと思っております。
 最後に、では、それだけアメリカが悪いということをおっしゃるのであれば、ブッシュ大統領にそれについては直接抗議されましたか。
 ブッシュ大統領は、昨年の三月十日に直接小泉さんに電話をかけて、輸入再開ということを要請されたと聞いています。私も、アメリカに年に一、二回行って、トランスフォーメーションの議論よりもっと政治的には深刻な話なんだということをいろいろな方々に聞かされた。ブッシュ大統領がこういう問題で直接電話をかけてくるというのは、極めて異例のことであります。
 そういうことについて、ブッシュ大統領から直接あったのであれば、総理は国民の怒りを代弁してブッシュ大統領に直接、何ということをするんだ、しっかりと、ちゃんと遵守をすべきじゃないかといって、抗議されるべきじゃないですか。したんですか、しないんですか。

■小泉内閣総理大臣
 どのレベルの外国の首脳に話すかというのは私が判断すべきことでありまして、担当者がいるわけであります。指図されて、あの人に話しなさいと言われる問題ではありません。自分で判断します。

■前原誠司
 指図しているんではなくて、国民の生命と健康に極めて大きな影響を及ぼす問題について、日本のリーダーが文句つけなくてだれが文句つけるんですか。それができていないからリーダーとして無責任、無反省だと言っているんです。
 質問を終わります。