衆議院予算委員会議事録
2005/09/30
■ 委員長(甘利 明君)
前原誠司君
■前原誠司
民主党の前原でございます。
本会議に続いて、主に小泉総理に質問いたしますので、ほかの大臣の方はほかの大臣で指名いたしますので、総理大臣、ぜひ御答弁をいただきたいと思います。
伊藤達也金融担当大臣もおられますが、私の恩師の一人も松下幸之助さんでございます。一度しかお会いしたことないんですが、どうおっしゃっていたかといいますと、国会議員は国家経営者たれというのが松下幸之助さんの遺言のようなものでありました。
つまりは、経営者というのはむだ遣いをしないし、あるいは、会社というのは十年先、二十年先の会社をどうするかというビジョンを持ってやっている。しかし、翻ってどうだ、国は。借金だらけで、そしてまたビジョンもない、そして戦略もない、これは後で具体的に申し上げますが。やはりこれは、与野党を超えて今の経営感覚なき政治というものをなくしていかなくてはいけないし、真に小泉総理が改革とおっしゃるのであれば、その思いというのは共有していただけるのではないかと私は思います。
したがって、きょうお話をするテーマにつきましては、今までの検証はもちろんしなくてはいけませんが、今後の日本の改革というものを私はいい意味で競い合いたいと思っております。それが、健全な二大政党制が発達して、ひいては国民の皆さん方の利益につながる、私はそういう思いを持っております。私の信念でそういう前向きな提案をしていきたいと思いますので、総理もぜひそれにこたえていただきたいと思います。
さて、日本の国の借金というのは、本会議でも申し上げましたけれども、国、地方そして短期を合わせますと約一千兆円。小泉総理の任期中に二百五十兆円、四分の一ふえたわけであります。これについて、とやかくきょうは言いません。そして、単年度予算で見ましても、一般会計の歳出総額が八十二・二兆円、それに対して一般会計税収は四十四兆円ですね。ということは、歳入欠損は三十八・二兆円ということであります。
一千兆円の借金があって、しかも単年度では半分近くも税収が足りない。異常な国ですよ。したがって、日本の競争力をはかる指標というのは、技術とかあるいは企業の経営はいいんだけれども、日本の財務というものを考えたときには極めて低くなってしまう。これを何とか変えなきゃいけないというのは、総理も同じ思いだと思います。
そこで一つ、まず総理にお伺いしたいんですが、よく総理は、小さな政府ということをおっしゃいます。今の日本は小さな政府なのかそうでないのか、総理はどういう認識を持っておられるのか、まずそれをお聞かせいただきたいと思います。
■ 内閣総理大臣小泉純一郎
前原新代表が、これからお互い改革を競い合おうという姿勢を持たれて今の質問をされているんだと思いますが、お互い建設的な対案なり提言をして、現在の日本の厳しい財政状況も打開していかなきゃならないと思っております。
そこで、小さな政府という話でありますけれども、これも一般には、小さな政府、大きな政府という形でよく取り上げられ、政党間でも議論がなされます。しかし、本当に小さな政府というのはどういうものか、大きな政府というのはどういうものかということについてまだはっきりとした認識なり理解というのは国民全体に及んでいないので、これをもっとはっきりさせなきゃいかぬという議論は経済財政諮問会議におきましてもなされていることであります。
私としては、簡素で効率的な政府、これがいわゆる小さな政府だと。これでもわかりにくいということで、規模を小さくしよう。そうすると、規模というのは何か。量か、人員か。わかりやすいのは、公務員の人員を削減していこう。あるいは、政府の規模といいましても、一般会計全体なのか、あるいは政府関係機関の融資の規模なのか、いろいろとり方があります。
そういう点について、今後、小さな政府か大きな政府かという質問に対して、直接的な答えではありませんが、今よりも簡素で効率的な政府にしていこうということは、政府の役割というものをできるだけ民間にゆだねていこう、できるものだったら。あるいは、国の役割というもの、地方の役割というものがありますから、それを、国でやる必要がないんだったら地方なり民間にゆだねていこう。そして、全体の政府の関与というもの、政府の役割というもの、ほかにゆだねることができるものだったらそっちにゆだねていこうというのが、ひいては小さな政府になっていくのではないかということで御理解をいただけるのではないかと思っております。
■前原誠司
いや、理解はできません。自民党のマニフェストで、「年金も、景気も、「小さな政府」から。」「郵政民営化なくして、小さな政府なし。」小さな政府がやたら出てくるわけですね。これをまとめられた張本人といいますか総責任者は総理御自身ですよ、自民党総裁ですから。
ですから、私の質問にはダイレクトに答えていただきたい。つまりは、今は小さな政府なのかどうなのかということを聞いているわけです。
■ 内閣総理大臣小泉純一郎
現在よりも小さくできるということであります。そのいい例が郵政の民営化であって、ほかの国と比較して小さいか大きいかという議論もあると思います。現在よりも私は小さくできると。現在でも公務員を減らすことができる、国の役割というものを減らすことができる。現在よりも小さくしていこうということでございます。
■前原誠司
禅問答になっても時間がもったいないので。本質の話をしたいので。
要は、私が申し上げたかったのは、これだけ借金をつくった。そして、この間財務省が財務書類というものを出して、それにどう書いてあったかというと、政府の総資産が七百兆円。GDPの一・四倍。これはどう考えても大きな政府なんですよ。
それで、今一般的に見られている大きな誤解の一つは、自民党は小さな政府で、何か民主党は大きな政府を求めている、そういうような一般的な見方がされているけれども、実は、戦後六十年間かけて大きな政府をつくってきた、水膨れのむだが多い政府をつくってきたのは自民党自身なんですよ。これが、私は、根本の反省がなければ、小さな政府ということを幾らマニフェストに書いたって意味がないと思うんです。そういう意味で……(発言する者あり)変わったといったって、そんなすぐ変わりませんよ。
そういう意味で、幾つか申し上げたいんですが、予算の面でも僕は大きいと思うんです、この国は。
きょうの主要テーマで、また後で申し上げますが、総理、単純な数字ですので、大体、概数で結構でありますが、国庫予算歳出純計というのは幾らかおわかりですか。谷垣財務大臣でも結構ですよ、専門家でしょうから。
■谷垣国務大臣
ちょっと私は不勉強で、いつも一般会計の規模とかそういう形で議論しておりますので、一般会計で申しますと八十二兆二千億ということだと思います。
■前原誠司
済みません、丁寧に申し上げましょう。
一般会計と特別会計の繰り出し、繰り入れを除いた純計、これは総額幾らですかということが私が申し上げたい国庫予算歳出純計です。このぐらいだったら、もう総理、どのぐらいか。
つまりは、一般会計の特別会計への繰り入れとか、あるいは特別会計の中のいろいろな繰り入れ、繰り出しを除いた、国として使っているお金の総計は幾らかということを伺っているんです。
■ 内閣総理大臣小泉純一郎
今資料を見れば答えることはできますけれども、そういう議論はいいでしょう。もっと大きな議論をした方がいいんじゃないでしょうか。一般会計とか、専門的な、政治的な議論ですから、政府委員でも答弁できることはいいんじゃないでしょうか。
■前原誠司
数字を聞いたことについてそうおっしゃっているんであれば、まあいいですよ。大きな議論をしているんです。これから大きな議論をするための入り口としてこの数字は不可欠なんですよ。
つまりはどういうことかというと、一般会計のいわゆる特別会計へ繰り入れしていないものは幾らかというと、三十四・五兆円。それから……(発言する者あり)見ないで言いましょう。重複などを除いたものは二百五兆円、合計で二百三十九兆円。数字をちゃんと言おうと思って見ただけです。そんな揚げ足取りのやじを飛ばすようだったら、本当の改革勢力とは言えないですよ。
総理、何を私が申し上げたかったかというと、一般会計は小さい、そして特別会計は大きい、約六倍ぐらいあるんですよ。そして、国会で議論をするのは一般会計で、特別会計というのは国会でまともな議論ができない。
後で具体的なことを申し上げますが、つまりは、こういう大きな、GDPが五百兆円の国で、実は八十二兆円というのが予算ではなくて、議論としては、この二百三十九兆円、二百四十兆円の議論をしなければいけないし、これだけの予算を扱っているのはまさに大きな政府じゃないか。自民党政治が今まで築き上げたものは非常に大きな政府なんだ、国がこれだけの予算を使ってやっと倍のGDPをもたらしているような大きな政府なんだということを私は申し上げたかったわけです。
しかし、その部分で幾つか申し上げなければいけません。先ほど申し上げたように、これから歳入と歳出の大きなギャップ、それから莫大な借金、これをどう削っていくのか。これをどういう議論をしていくかということがあると思いますが、私どもの姿勢は、土光さんがおっしゃっていたように、これをまさに今、我々民主党ではなくて、政治家がやらなきゃいけないと思っているのは、行革なくして増税なし、つまりは、徹底したむだ遣いを削ることが、まさに先ほど総理とお話をした、いい意味での改革競争ではないかと私は思うわけです。つまりは、どういうむだ遣いを削ろうかということをお互い出し合って、そしてそれを競争していく、そういうことがまさに私はいい改革競争なんではないかと思うんですね。
その意味で総理にお伺いしたいんですが、今の歳出の中で、大ざっぱで結構ですよ、総理が頭の中に思っておられる、まさに小さな政府とおっしゃっているんだから、今、私どもは大きな政府だと思っている、それを小さな政府にしていこうという意思はわかりました。どこにむだがあって、どこを削ることがまさに小さな政府につながると総理はお考えですか。
■ 内閣総理大臣小泉純一郎
最後の質問に答える前に、よく、小さな政府、大きな政府というと、自民党は小さな政府を目指す、弱者切り捨てだと、むしろ、その小さな政府に対する対抗軸、大きな政府と言わなくても、必ずしも小さな政府がいいとは限らないという議論が必ず行われます。
これは、単に反対のための反対、あるいは与党と野党の違いを出そうというための議論もあると思いますが、そういう点については、私は、簡素で効率的な政府をつくるためには、前原議員が言われるような、むだをいかに排除していくかという点が必要だと思います。
そして、今の御質問でありますが、今の一般会計でむだを省いていく、歳出を削減していくというと、一番税金を使っている分野が社会保障なんです、約二十兆円。そして国債費、これは今まで多額の国債を発行していますから。そして、地方に回る地方交付税。さらに、公共事業といいますけれども、かつては十兆円ほどありましたけれども、今では七兆円を切っているような状況になってきている。そのほか、防衛費ということでありますけれども、防衛費も五兆円を切っている。年間、医療関係に税金を投入するよりも少ないということであります。
歳出削減となりますと、一番大きく支出している部分をどうやって抑えていくかということになると、社会保障の分野を削るというのは非常に大事なことなんですけれども、この削る部分というのがまた一番抵抗が多いわけです。地方交付税もそうなんですね。地方にできることは地方にと言っているけれども、税源移譲といったって税源がないじゃないかという議論がある。地域によって、税収が多いところと、税源を探そうといったってないところがある。これはやはり国で、どういう対応をするか、しなきゃならぬ。
ですから、私は、各項目、それぞれ額も違います、国民の要望も違いますけれども、一番大きな分野に目を注ぎますと、社会保障関係、黙っていくと八千億円毎年毎年増額していくということでありますので、年金、医療、介護、生活保護を含めた社会保障全体の改革をどうするか。さらに、地方交付税をどうするか。そして、できるだけ国債費を増額させないために国債発行を減らしていく、借金を減らしていく。さらに、今後、やはり公共事業というのは次に大きい。
そのほかいろいろありますけれども、ふやす部分があるんですから、必ず減らす部分をしないとこの歳出削減というのは無理だと思う。後は、借金しようか増税しようかというふうになっちゃいますから。関係者というのは必ず、自分のところは減らすな、よそを減らせという抵抗が強いものですから、その辺については、これから極めて厳しい状況の中で削減努力はしていかなきゃならないと思っております。
■前原誠司
ちょっと切り口が似ているようで、若干私と違うんですが。必要なところにはお金をかけなきゃいけないし、社会保障が仮に、それは予算規模では大きいですよ、しかもこれから大きくなっていくのは当たり前ですね。では、それがむだであるかというと、もちろんその中のむだも削っていかなきゃいけない。医療費の問題についても、薬とかあるいは器具の内外価格差の問題とかありますよ。それはやっていかなきゃいけないけれども、ふえるものは仕方ない部分もある。それは私はセーフティーネットで考えていったらいいと思うんです。
私が申し上げたいのは、一つはやはり公務員、ここが一つの大きなポイントだろう。特に私が思っているのは、少し古い資料かもしれませんが、国、地方を合わせました公務員の数が約三百八十万、そしてその人件費が三十八兆円。つまり、一人頭一千万円の人件費がかかっている。これは、退職金も入っていますので、平均給与ではありません。恐らく七百万とか八百万なんでしょう。
おとついの本会議で総理に対して私質問しましたように、今の人事院勧告制度は大企業を中心に考えられている。零細企業が入っていない。中小零細も含めたサラリーマンの給与水準というのは約四百四十万ですよ。それからすると、余りにも大き過ぎるんじゃないか。つまりは、国民の皆さん方へサービスを提供する公務員の給料が高過ぎる、これをどう考えていくのかということがまず一つですね。それからもう一つは、数の問題。これは後で申し上げます、数の問題は。
それから、二つ目の問題としては、おっしゃったように公共事業。私は後でお話ししますが、まだむだな公共事業も多い、談合体質。
それからもう一つは、地方と国の関係。私も短い期間ではありましたけれども地方議員をやらせていただいて、この補助金というものはくせ者ですよ、物すごく。つまりは、補助率の高い方に流れていって、トータルとしてのマネジメント、コスト意識が働かない仕組みになっている、この補助金というのは。こういうものを直していかなきゃいけない。
私は、この三本にメスを入れるべきではないかと思っています。
そういう意味で、提案なんですが、もう一度総理に、おとついの確認になりますけれども、人事院勧告は、今回の特別国会でもそれに基づいて法案が出されていますが、零細企業を含めた人事院勧告にしなきゃいけないんじゃないかというふうに私は思うんですが、どうですか。規模の大きいところを中心に公務員の給与を決めるから、先ほど申し上げたような官民逆格差が生まれてきているんじゃないでしょうか。
■ 内閣総理大臣小泉純一郎
今前原さんが指摘されたような議論を政府でもしているんです。
特に、日本の公務員に対しましては労働基本権というものが制約されているということから、人事院勧告というものを尊重している。その人事院勧告の答申というもの、これが民間の給与と比べて、どこの民間の給与を比較するかというと、大体規模において、今言った零細が入っていない、中堅以上。それも全国一律というと、東京とか首都圏の規模、大企業なり、ある程度何百人以上かという規模。これを全国の公務員に当てはめますと、地方に行くと、そんな大きな企業ないというんですよ。首都圏では中堅企業でも、その中堅企業という対象になっているものでさえも地方にはないんだ、恵まれているんだと。そういうところと比べれば、地方に働いている国家公務員は恵まれ過ぎているじゃないかという声があるのも承知しております。
ですから、今後、地域に、どのぐらいの地域に分けるかというのはこれまた一つ問題であります。何ブロックに分けるかというのも問題でありますけれども、県別じゃなくて、ある程度広い地域においての比較するべき民間の企業、これをどの程度の規模にするか。首都圏だけの、いわゆる民間のしかるべき中堅以上の企業というものがない地方もあるんですから、そういう点も含めて、一律じゃなくて、各地方を見ながら規模、対象をよく検討し直す、そして公務員の給料を是正していくというような見方をすべきじゃないかということで、今検討してもらっているんです。
そういう点については、私は、ある程度共通した認識が持てるのではないかと思っております。
■前原誠司
改革というのはスピードだということをおっしゃいますね。私もそう思うんですよ。
そして、この国会に出されているわけですね、そういう給与関係の法案が。しかし、それは、今おっしゃったものが反映されていないわけですよ、先ほど申し上げた零細企業なんかは。もちろん地域格差というものについてはある程度議論されているということは知っています。しかし、そういうものも含めて、やはり今後早い時期に私は官民格差というのはなくしていくべきだというふうに思います。
それから、麻生大臣、簡単にお答えいただきたいんですが、大阪市の手当、いろいろな不正な手当百六十億円、それも大問題でありますが、全国二百七十四市町村で徒歩で通勤できる人に通勤手当が払われている、こういう状況があるわけですね。
こういうものに対しては、それは地方自治の原則なんだけれども、総務省として、これはおかしい、そういうものがあるのであれば。我々数字を持っているわけですから、調べられたら、どこの市町村がそんな変な手当を出しているんだということはわかるはずですので、ぜひ是正をしてもらいたい。簡単に答弁をお願いします。
■ 麻生国務大臣
この問題につきましては、大阪で端を発したのが最初ですけれども、こういったものは問題ではないかということで、昨年にわたってこの調査をして、昨年の十二月にこれを公表ということをやらせていただいておりますので、既にホームページ等々を見られたら公表されている部分がありますから、それを見ていただくとわかると思います。
それに端を発して大阪ではあのような形で、民主主義が成熟したと私は思いますけれども、いわゆる市民の声で結果としてあのような形ができたというのは、私は、この種の話は公表するというのは極めて大きな力を持つものだと思っておりますので、今後とも……(発言する者あり)徒歩手当の意味。
徒歩手当の意味というのを、テレビで見られている方々は、徒歩で、歩いて通勤できているにもかかわらず、早い話が、自転車とか徒歩等、金がかからないで、歩いているにもかかわらず手当がついておる、電車手当、通勤手当がついておるというのはけしからぬではないかというので、歩いて通える範囲のところにもかかわらず他の人と同じ、他のバス通勤、電車通勤と同じような通勤手当の一つとして徒歩手当というのがついているというのは、これはたしか愛知県かどこかだったかの例だと思いましたけれども、それが最初に出た例だと思います。幾つかあります。
■前原誠司
まだ是正されていないんですよ、それが。だから質問させていただいたわけで、公開することは今大臣おっしゃったように大事なことですから、ぜひ徹底的にそこは取り締まってもらいたい。私は、税金のむだ遣いをなくす、取り締まるというか指導してもらいたいというふうに思います。
公務員制度でもう一つ申し上げたいのは、よくこれも議論になります、民でできるものは民に、そして地方でできることは地方に。あるいは、余りよく言われないんですが、NPOとかNGOにできることは行政がやるんじゃなくて、公の仕事をNPOやNGOにやらせるということも私はあっていいと思うんですね。そういうことをやっていく上で、私は相当、自分の意思で公務員をやめる方もおられるけれども、やはり移ってもらうということも必要になってくると思うんですね。
その意味では、私は、公務員制度改革の一つの柱として、私が代表にならせていただく前に申し上げたのは、労働三権を付与して身分保障を外す、公務員の。それぐらいのことをやらなければ、まさによりむだのない行政機構の改革というものはできないんじゃないかと私は思うんですが、総理の見解を聞かせてください。
■ 内閣総理大臣小泉純一郎
労働基本権、これを外そう、スト権等を認める、この問題は長年にわたっての大問題なんですよ。この人事院勧告制度と公務員の身分を保障するという点、それから国民感情、何のために公務員をしているんだ、ストをしていいのかというのは、これは確かに大きな問題であります。
その点から、私は、公務員の給与問題あるいは労働条件ということを考えますと、このスト権を初めとした基本権、こういう問題については今後十分議論していかなきゃならない問題だと思っております。今この段階でスト権を認めようとか言うことはできないということも御理解いただきたいと思います。
■前原誠司
実際問題、もちろん警察とか消防とかそういうものは無理ですよ、特別公務員。無理ですが、先ほどの身分保障を外すということと同時に、やはり人事院勧告ではない、自分たちで、組合でまた議論をしてもらって給与を決めるということも含めてやってもらうことが、まさに官のあり方、民に移すとかあるいは地方に移すとか、あるいはNPO、NGOに移すとかいう意味では私は必要だと思うので、ぜひこれは検討してもらいたい。これも我々は対案を出します。ぜひ公務員制度改革を進めていきたいというふうに思います。
さて、先ほど申し上げた特別会計、この話をちょっとさせてもらいたいと思います。国民の皆さん方にはなかなか特別会計といってもおわかりにならないかもしれませんので、若干説明をさせていただきたいと思います。
先ほど申し上げたように、歳出純計では、一般会計は三十四・五兆円に対して、特別会計は二百五兆二千億円、大体六倍ですね。それから、一般会計予算では八十二兆円に対して、特別会計予算は四百十二兆円。これが特別会計になっているわけですが、今、三十一特別会計、六十勘定というのがあって、では特別会計というのは一体どんなものがあるのかということで申し上げると、食糧管理の特別会計とか、空港整備の特別会計とか、道路整備の特別会計、治水特別会計、あるいは自動車損害賠償保障特別会計などがあります。
もっとわかりやすく民間企業に例えれば、一般会計がいわゆる親会社、そして特別会計が子会社ですね。つまりは、一般会計に当たる親会社は、国民あるいは我々国会議員と言っていいのかもしれないけれども、株主総会に当たるこういう議会の中で議論が基本的にされる。しかし、特別会計については、子会社、しかもその親会社が一〇〇%株を持っている子会社になっていて、なかなかチェックがききにくい、これは後で具体的に申し上げますけれども。
それで、問題は、親会社が小さくて子会社がどんどん膨れ上がっていっている。この子会社が実はむだ遣いの温床になっている。我々、こういう問題を扱う者からすれば、ここまでひどいのかというような点がざっくざっくと出てくる。宝の山と言ったらこれは逆説な意味で怒られるかもしれませんが、ひどい状況なんですね。
これは、実は二年前の二月の衆議院の財務金融委員会で塩川前財務大臣が有名な答弁をされておりまして、「母屋ではおかゆ食って、辛抱しようとけちけち節約しておるのに、離れ座敷で子供がすき焼き食っておる、」と。言い得て妙な、まさに名言だと私は思っておりますけれども、そういう構造が放置されているわけですね。いやあれはそうですよ、後で言います。だって、前の財務大臣がおっしゃったのに谷垣さんが首を振っているのはおかしいじゃないですか。(発言する者あり)後で言いますよ。放置されている状況を言います。
二つほど例を挙げましょう。
電源開発促進対策特別会計といいまして、これは発電所の建設や新エネルギー研究などに使うために、国民が払う電気代に上乗せされている電源開発促進税が財源になっている。つまりは、電気代を払っている、その中に税金がかかっているというわけですね。それで、平成十六年度はその合計が三千六百億円。
これは我が党の細野豪志議員が調べたものでありますけれども、その電源開発促進特別会計で運営しているホームページ、平成十五年度、ホームページの運営予算ですよ、三億四千三百万円、一年間で。十六年度が三億五千四百万円。平成十七年度が二億九千四百万円。ホームページですよ。これを所管している経済産業省のホームページ、年間幾らかかっているか。百三十万円なんです。母屋は百三十万円、離れで三億円ぐらい使っている、ホームページで。
しかも、やはり当然でしょうけれども、消化し切れていない、予算計上していて。平成十五年度は二億円、平成十六年度は一億三千万円のみ使用、のみといったって、これだけよく使ったなと逆に思いますが、母屋で百三十万円しか使っていないわけですからね。そういう意味では、むちゃくちゃなむだ遣いをホームページに使っているわけです。
そして、地方自治体への交付を除くと二千二百二十四億円、三千六百億円のうち二千二百二十四億円が特殊法人や公益法人など九十五団体に流れていて、おわかりになるように天下りの巣窟。天下りの巣窟だし、この九十五団体の下にまた財団法人等があって、我々でも、細野議員でも調べられないぐらいの天下りがいる。
つまりは、それだけ、まさに塩川前財務大臣がおっしゃったように、母屋では切り詰めて切り詰めてやっているのに、特別会計ではホームページに三億円もかけている。そして、剰余金が二千四百億円あるんです。それだけ使ってまだ余っている。今、原発立地ができていませんから、進んでいないからそれだけ余っている。余っていたって国庫へ納付しないんですよ、特別会計。要は血液みたいなもので、逆流しないようになっている、一般会計から特別会計へ。一部例外はありますよ、道路とか。こういうような問題がまず一つある。
もう一つ例を申しましょう。労働保険特別会計。これは、失業や労働災害に備えてサラリーマン、企業が払う保険料が財源になっている。これは我が党の馬淵澄夫議員が調べられたものでありますが、保険金の給付とは別に、雇用安定、能力開発、雇用福祉のいわゆる雇用保険三事業が行われている、このお金から。そして、財政制度審議会からも事業廃止の見直しが迫られているぐらい天下りの温床だと言われ続けてきた。
その天下りの一つである、独立行政法人になりましたけれども、雇用・能力開発機構というのがあって、そこが、私の地元ですが京都に、おもしろい名前ですが、私のしごと館というのをつくって、これの総工費が五百八十億円、そして平成十六年度の収入は一億一千万円。それに対して年間の維持費は、職員が二十七人いて、二十七人の給与が二億四千万円、そしてそれを含む年間の維持費が二十一億円。
五百八十億円使って、皆さん方が失業したときとかあるいは労災になったときのために、企業やサラリーマンの方が払っておられるお金を、そういうものを五百八十億円かかってつくって、そして収入が一億一千万円しかなくて、年間にかかっている経費は二十一億円。そして、職員の数が二十七人で給与が二億四千万円。むちゃくちゃですね、これは。まさに、すき焼きどころかステーキで、ステーキも何か非常に脂の乗った最高級のステーキを食っているようなそういう状況です。
そして、こういった勤労福祉施設というものをこの同機構というのは千円とか一万円台で投げ売りしていましたね。そういうところでもあるということであります。
そして、中小企業人材確保支援事業助成金というのがあるらしいんですが、それは予算額が二百億円に対して、十五年度は使えたのが五億円、平成十六年度は三十六億円の実績しかない。そして、トータルでは四千億円の余剰金を抱えるということなんですね。
ちょっとフリップを見ていただきたいんですが、総理は資料を見ていただけますか。
この上から、先ほど申し上げたものでありますけれども、こういったものがいわゆる剰余金積立金として生まれてきているわけですね。もちろん、ほかの特別会計には債務もありますので、足りないものもありますよ。そして、この剰余金についても、これについてはもちろん返さなきゃいけないものもあるけれども、これだけのものが余っている。余っているのが多い。にもかかわらず、国が、さっき申し上げたように、借金が多くてぴいぴい言っているのに、その剰余金というものを一般会計に戻せない。
こんなむだ遣いの構造が特別会計にあって、そして、先ほど申し上げたように、一般歳出純計が三十兆円台で、特別会計が二百兆ですよ、総理。六倍規模の特別会計が、母屋じゃなくて離れになって、そこでむだ遣いをやり尽くしている。やりたい放題、天下りもいっぱい、我々でも数え切れない。そういうものをほっておいていいのかということを、まず私は総理に聞きたいです。今感想をちょっと、総理にお伺いしたい。
■ 内閣総理大臣小泉純一郎
前原代表、いい指摘をしていただいたと思うんですが、これは、今までもかなり議論されますと必ず反対論が出てくるんですよ。具体的に言われました電源開発の特別会計にしても、これは自治体にとっては必要だ。労働保険の特別会計、労災にしても、これは将来の保険等。しかし、今例を挙げていただきましたので、こういう財政状況が厳しいときによく検討しなきゃいかぬし、今までの反対論が本当に正当性を持つのかどうか、よく点検したいと思います。
いい点を指摘していただいたと思っております。
■前原誠司
反対論はあるでしょう、それは今まで使っていたものですから。
ただ、私は総理にもう二つ提案させていただきたいんです。
今おっしゃるような答弁をされるのであれば、一般会計と特別会計を分ける必要性はあるのか。つまり、先ほど申し上げたように、母屋が小さくて、子会社、しかも親会社の一〇〇%子会社になかなかチェックが入らないような仕組みをつくってしまって、そして税金のむだ遣いが行われている。先ほど申し上げたように、大きな政府、小さな政府の議論があったけれども、GDPが五百兆円の国で、実は八十二兆円じゃなくて、特別会計は、その繰り入れとか入れると四百十二兆円もある。純粋なものだけ足したって二百三十九兆円もある。これを国家予算として議論して、それでむだ遣いを削るということになれば、今、反対論が出るということを総理はおっしゃいましたね。そこは、もし本当に必要であれば一般会計から出す、特別会計というそんなわけのわからぬ懐じゃなくて。一般会計から出すという仕組みに変えた方がいいんじゃないですか。いや、総理に聞いているんです。
■ 内閣総理大臣小泉純一郎
これに対して、一般会計は厳しい縛りがかかる。そして、歳出削減にしても、むしろふやすんじゃなくて、見直すという場合には削減。そこで、どうしても、今言った電源開発にしても、あるいは今後の石油エネルギー対策にしても、金を捻出しなきゃならないということから出てくる分もあるので、全部とは言わないまでも特別会計を総合的に見直す必要があるということで、今総点検しているわけであります。それぞれできた制度ですから必要論が強いのは事実でありますけれども、こういう状況でありますので、不必要な点はなくしていくという点はぜひとも必要だし、こういう点についても見直していく、これはしていかなきゃならないと思っております。
■谷垣国務大臣
いい御指摘をいただいて、私も……(前原委員「いやいや、いい。今の総理の答弁でいいです」と呼ぶ)では、後で……。
■ 甘利委員長
財務大臣、簡潔に答弁をしてから次に進んでください。
■谷垣国務大臣
いい御指摘をいただいたと思っておりまして、私どもも、確かにメリットがあるところはありますが、硬直化しているというところがありますので、徹底的に見直すという塩川路線は引き継いでいきたいと思います。
ただ、一つ申し上げますと、先ほどの電源特会は、確かにこの財制審の見直しの中で、剰余金が発生して圧縮していけという指摘を受けているところでございまして、この三年間ぐらいで半分ぐらいに剰余金を圧縮してきたと思います。千五百億ぐらいあるのを、今、八百億ぐらいになっていると思います。
それから、先ほどの表の中で非常に額が多かった、七兆円を超えておりました労災の勘定は、これは将来の年金の支払いの原資でございますから、いろいろそれはおわかりかと思いますが、そういう点もございます。
■前原誠司
先ほど申し上げたように、あれは挙げたものについては、もちろん将来のものもあるし、挙げてないものについては債務もあるということではちゃんと申し上げたでしょう。だけれども、剰余金が発生しているものが使えないというのはおかしいという話をしているわけです。
それで、総理、先ほど申し上げたように、真剣に本当に改革競争をしなきゃいけないし、もし本当に、郵政のときでも、既得権で、刺客を送ってばさばさ切って、そして抵抗勢力をなくすということをおっしゃったんだったら、いろいろそれはありますよ、反対する人は。だけれども、先ほど議論してきたように、特別会計の話というのは、もし必要があれば、一般会計と特別会計を一つにして、一般会計で手当てすればいいんですよ、本当に必要なものについては。そうしたら我々も国会で議論できるんですよ。だから、一本化をして、まさに伏魔殿のような特別会計はなくしていきましょうということを我々は申し上げているんです。
この特別会計の案、民主党の試案でありますけれども、総理にもお配りをしておりますけれども、我々は、こういう三十一の特別会計をゼロベースで見直して、六特別会計にしてしまう。そうしたら五・九兆円の節約ができる。それはやはり、総理、予算体系を一本にまとめて、一般会計と特別会計、そんな伏魔殿とか子会社ですき焼きを食うような仕組みではなくて、すべて株主総会の厳しい縛りがかかるようなものにして、本当に必要なものは一般歳出から出したらいいんです。そういう仕組みをつくる中で、私は、税金のむだ遣いというのはもっとなくせると思いますよ。もう一度答弁ください。
■ 内閣総理大臣小泉純一郎
塩川前大臣の発言を見てもわかるように、この特別会計をゼロベースで見直すということをしているわけであります。
そこで、今民主党が出した、三十一特別会計を六特別会計に仮に減らした場合に五・九兆円の節約ができるかどうか、こういう点についても、政府としても真剣に検討してみたいと思います。そして、お互いできるだけむだを省く、そういう点については競争していかなきゃいかぬと思っております。
■前原誠司
その意味でも、どうですか、自民党総裁としてお伺いしますが、国会に特別会計を調査する特別委員会のようなものをつくって、徹底的にそれを調べて、むだを国民の皆さん方に暴き出す、私はそういう特別委員会をつくった方がいいんではないかと思いますが、自民党総裁として答弁をいただきたいと思います。
■ 内閣総理大臣小泉純一郎
私は、このような議論をするのがまさに予算委員会だと思うんです。そして、予算委員会においては特別会計の議論をしてもいいんです、一般会計のみならず。そういう点について、この予算委員会でどしどし議論をし、いい案なり提言をしていただきたい。
私は、行政改革ではありませんけれども、国会にこれだけ多くの委員会があるのに、あえてまた別の委員会をつくって果たして機能が向上するのかどうか、これもありますので、まさに特別会計というのは予算の問題ですから、予算委員会の中で議論すべき問題だと思っております。
■前原誠司
都合のいいときには特別委員会を与党はつくってまいりました。建設的な意見として私が申し上げたいのは、与党が三分の二になりました。したがって、予算委員会で議論するということであれば、徹底的にやりましょう。そのかわり、しっかりと質疑時間をとってもらいたい。我々野党が質疑できるような十分な時間をとってもらいたい。それができれば、私は、今おっしゃったことは担保できると思っております。そのことは申し上げておきます。
さて、特別会計だけじゃないんですよ、むだが使われているのは。(発言する者あり)
■ 甘利委員長
静粛にしてください。
■前原誠司
一般会計についても、まさにおかしなことが行われている。
これは読売新聞の九月二日、選挙中でありましたけれども、架空予算など九十五件百十八億円というのがありますが、ちょっと大きくします。
これは総務省のものは入っておりません。後で提出されておりますけれども、総務省のものが入っておりませんが、一応、こういう各省庁の架空予算というのがある。実際問題……(発言する者あり)総理に質問しているんですから。
それで、こういう架空予算というのはどういうものなのかというと、何年間も執行実績がないとか、必要以上の予算が計上されている過大計上であるとか、名目と異なる使い方をしている流用とか、そういうものがこれだけあるということです。
それで、私、おかしいなと思ったのは、予算委員会の理事会で、架空予算というものが入っているからこんなものはけしからぬという話があった、そういう話を聞きました。私は、これはちょっとおかしいんじゃないかと思うんですね、それを言うこと自体。
なぜかというと、これは与党、野党関係なく、国会議員は怒らなきゃいけない。まさに実際の、我々が例えば予算の議論をしているときに、その品目、予算について議論をしているのに、実際問題、何年も執行実績のないものを何年も出しているとか、あるいは必要以上の予算が計上されている過大計上があるとか、あるいは名目と異なる使い方をして流用しているとか、そういうものがまかり通っているのが百十八億円もあったというのは、これは与野党の問題じゃない、国会が怒らなきゃいけない話だ。今、財務大臣に答弁いただきますから。こういう問題は、特別会計ではなくて一般会計でもある。
そこで、財務大臣にお伺いしたいが、これは氷山の一角じゃないか。でも、財務大臣、実際、これは財務省、多いんですよ、件数も額も。財務省が予算を管轄しているんですね、査定をして。その財務省がこんなことをしているということを、まさに私は大問題だと思う。しかも、これは全部本当に精査して調べられたものなのか、氷山の一角なのか。どうですか、財務大臣。
■谷垣国務大臣
今読売新聞の資料を前原委員がお示しになりましたが、毎年度予算は国会で御審議いただいて成立しているものでありまして、これは架空予算と言われるようなものでは必ずしもないと思っております。
それで、国会でも、いろいろ執行実績とそれからその予算請求の積算根拠の乖離みたいな御議論がありまして、私は、そういうことを受けまして、各省庁に予算請求に当たって洗い直すように要請もいたしまして、各省庁が発表されたものを読売新聞が恐らく積算されたものだろうというふうに思っております。これは平成十八年度概算要求に反映されておりますので、さらにここを徹底的に精査していきたいと思っております。
ただ、今架空予算というふうにおっしゃいましたけれども、これも実はいろいろなのがございまして、おっしゃるように、積算と執行実績が何年も乖離しているようなことは望ましいことでないのは当たり前で、国会も怒っていただいて、我々も頑張ってやらなきゃいかぬと思っておりますが、やはり予算編成時期に予想できなかった状況の変化等々があって、結果的に執行が行われなくて不用となるとか、それから、同じ予算科目の目的の範囲内で他の支出に充てているような例がありまして、そういったこともあるわけでございます。
繰り返しになりますが、そういうことをことしの概算要求では各省庁に要求しておりますので、これから徹底的にそこは精査してまいりたいと思っております。
■前原誠司
いや、それは予算というのはいろいろありますよ。何も使い切れと言っているわけじゃない。逆の意味で、それは使い切ってむだ遣いになりますから。
ただ、例えば、経済産業省が一番多かったんですが、国際エネルギー消費効率事業、国際効率をよくするための事業費に五十五億八千万円計上していて、支出は四千八百万円。こんなものはまさに計画倒れですよ。あとは、先ほど大臣がまさにおっしゃったように、何年も続いているのがあるんですよ。これは大臣、御存じでしょう、そういうのは資料を見られて、私もそれを精査させてもらいましたが。
やはり国会というのは、予算が出されて、それについて適正かどうかというのを議論していて、実はそれは何年も消化されていなかったとか、あるいは議論をしているものの予算が他に流用されているとか、言語道断ですよ、こういうものは。
ですから、私は、そういったものが徹底的になくなるように、これはまず一つの警告として、これは財務大臣がまさに責任を負われなきゃいけない話。こんなことだったら、本当に立法府の予算を議論する場として、予算を議論することは政治の一番大事なポイントだと思う、皆さん方の税金をどう使うか、それについていいかげんなものが出ていること自体が大きな過ちじゃないですか。だから、それを徹底的に正してもらって、我々が予算書を見たら、それが本当に大丈夫なのかなというふうに見ないようなものにしていただきたいということを申し上げているわけです。
■谷垣国務大臣
そこはおっしゃるとおりで、予算の積算根拠と執行実績が違っているようなものは厳重にメスを入れていかなければならないと思います。
それから、国会で御審議いただいたときに、そのあたりがよくわかって議論していただけますように、私どもも今、予算書のつくり方をもう少しわかりやすいものに改めるように検討しておりまして、ちょっとまだ時間をいただきたいと思っておりますが、そういうような形で国会審議を充実させていただくことができるように私どもも工夫をしております。
ただ、もう一点御理解をいただきたいのは、結局最後は、弾力性というところもある程度はなきゃいけませんから、どこまで縛れるかという問題もございまして、その辺も今いろいろ議論をしているところでございます。
■前原誠司
だから、それはさっき申し上げたように、何でも予算つけたら全部一円残らず使い切れということを言っているわけじゃないんです。それは、ある程度の誤差があって当たり前でしょう。だけれども、流用とか、あるいは先ほど申し上げたような十分の一も使われていないような予算、そういうものはちゃんと精査してくださいということを申し上げている。まあ、いいです、これは、時間がなくなりましたので。
総理、道路特定財源の話。これは本会議でも私させていただいて、ずっと私は何回か総理とこの議論をさせていただいた覚えがあるんですが、ようやく道路特定財源の見直しということをおっしゃった。見直しといってもいろいろあるんですね。今でもある程度、昔の道路、維持補修だけではなくて、何か立体交差、いろいろなものに使えるように若干広がってはいるんです。
ですが、私は一般財源化すべきだと思います。一般財源化して、教育とか福祉とか、あるいは環境の問題、こういったものにこの道路特定財源、大体、国と地方、国で三・五兆円ぐらいですか、地方を入れると五兆七千億円ぐらいだと思いますが、消費税二%ぐらいに相当するようなものですね、二%余り。しかも、ある程度道路整備もできてきた、もちろん維持補修はやらなきゃいけないけれども、人口減少の中で、先ほどまさに総理がおっしゃったように、社会保障のお金はどんどんこれからふえていく。社会保障のむだを削ったとしても、社会保障のお金はふえていく。
その中にあって、硬直的に道路特定財源、もちろん暫定税率の問題とかありますよ、あるけれども、これをやはり一般財源化して、環境、福祉、教育、こういった人への投資というもの、あるいは地球全体への投資というものに使えるようにすべきだと私は思いますが、総理の、見直しじゃなくて、具体的にどうイメージをされて見直しとおっしゃっているのか、総理御自身の思いを語ってもらいたい。
■ 内閣総理大臣小泉純一郎
道路に使うということで特別の財源、税源に目をつけて、これは道路に使うんだから負担をお願いしますということをなくす場合に、仮に一般財源化する場合に、例えば自動車重量税一つとってみても、自動車と道路というのは密接に関係あるからということで負担をしていただいている。その際に、特別財源を見直すあるいは一般財源にするというんだったら、これをなくしてくれという声が必ず起こってきますね。
それと、今前原さんも指摘されたように、地方におきましてはまだまだ道路が足りない。都会においてもそうです。道路が必要だという声はどこに行っても強いです。その際に、一般会計でできるのか。公共事業を減らしていく中で、ますます道路がつくれなくなるというと、これは与野党を問わず、選挙区を抱えている議員ならわかると思います。道路をつくってくれという要求は実に強いです。そういう際に、それでは、必要な道路の財源がない場合にどうやって捻出するかという声もあります。
そういう点をすべて抱えてきたから、今までこの問題というのは、絶対特定財源は放しちゃいかぬという反対が強かったわけであります。そこを、やはり今の時代、公共事業も全体を見直さなきゃならない、道路だけ特定財源がかなりあるから、それだけ使ってはいかがなものかということから、環境問題とかほかに配慮して使えという動きが出てきている。
そういう点も含めまして、これは、暫定的に道路特定財源は増税しているわけですから、一般財源にした場合に減税論も出てきます。それと、地方において、地方に使わせろという声も出てまいります。その点を総合的に見直すということであって、一挙に全部今の道路特定財源を、減税もしないで、このあるままを全部一般会計に移すという議論もあるかもしれませんけれども、そういう点も含めて、それでは、どういう点を減税していいのか、あるいはほかの税に振りかえていいのか、環境に使っていいのかという議論が今までも出てきておりますから、それを、税制改正の中においてもあるいは財政制度の中においても、両面で議論しなきゃならないと思いますので、今の時点で私が具体的に、これは一般財源にしろとか、暫定税率、増税だから、自動車重量税をなくせとか、そういう議論もあるのは承知していますけれども、よく専門家の意見と国会の中の議論を見きわめたい。そして、最終的にどういう選択肢が出てくるか、その中で私は判断したいと思うのであります。
■前原誠司
先ほど申し上げた特別会計の話とよく似ている話だと私は思うんですよ。
つまりは、私が申し上げてきたのは、特別会計は基本的にゼロベースで見直せ。もちろん、特別会計でも特定財源のあるものとないものがありますよ。だけれども、本当に必要なものを精査して、一般財源の中からやったらいいんです。我々だって道路をなくせなどということを言っているわけじゃない。道路が本当に必要だったら一般会計の中から堂々と出したらいい。
だけれども、人口構成が変わり、日本の借金の状態がこれだけひどい中で、これだけ莫大な特定財源というものを維持することがいいのかどうかという議論をしているわけでしょう、我々は。私は、おのずとその方向性というのは見えていると思う。道路だけに使われるというのはやはりおかしいということだと私は思いますよ。
ですから、そういう意味での……(発言する者あり)いや、民主党はもう考え方を出して、マニフェストも出していますから。我々は、道路特定財源を一般財源化して環境などに使えるようなものにしていくということは申し上げているわけですから。これも、我々も案はもう出していますので、先ほど申し上げたように、今の借金まみれ、そしてまた少子高齢化という人口構成の中でどうしても見直しの不可避の問題だということで、我々も案を出しますから、ぜひ建設的な観点から議論をさせてもらいたいと思います。
税の話で、最後に、松本政調会長の時間を少しいただいて、これだけは申し上げておかなきゃいけないということをちょっと申し上げたい。税の話でありますが、定率減税の話です。
これは、今までの議論というものは相当変遷していますね。これは国会で、橋本総理のときの参議院の敗戦、それから来ている話ですね。はっきりおっしゃらなかった、選挙の一週間ほど前に。それから来ている問題で、小渕総理が一九九九年にどういう話をされているかというと、恒久的な減税ということで明確におっしゃっている。それがだんだん軸足が変わってきているんですね。
その次には、一九九九年、同じ年ですけれども、少し後に、要は、経済状況等を見きわめつつ、税制の抜本的な見直しを行うまでの間、こういうことが書いてある、こういうことが話されるようになってきた。その次には、恒久的な減税というのはあるんだけれども、景気回復に最大限配慮した負担軽減を主眼とした措置ということになって、今度は恒久的という言葉がなくなって緊急避難的な特例措置ということになって、それからその次は景気対策のための特例措置となって、そして谷垣大臣はこの間、選挙の直後の記者会見でどうおっしゃったかというと、異例の措置になっている。
恒久が、いわゆる条件つきの恒久になって、そして税の抜本的な見直しを行うまでの間というものがつけられて、今度は景気回復に最大限云々かんぬん、緊急退避的な特例措置、そして異例の措置と。だんだんずれてきているわけですね。異例の措置だからいいのかという話なんですよ、実際問題。
それで、これは恐らく社会条件が変化したんだからこういう言いぶりになっているんだというふうに言われるかもしれません。その意味で一つだけ、私、ひっかかっていることを申し上げたいんですが、自民党のマニフェスト、これとの整合性なんです、一番私がひっかかっているのは。
自民党のマニフェストにどう書いてあるか。「所得税については、所得が捕捉しやすい「サラリーマン増税」を行うとの政府税調の考え方はとらない。」と書いてある。「サラリーマン増税」というのは、これは括弧書きだけれども、一体何なんですか。政府税調が出した……(発言する者あり)いや、伊吹議員は官僚席に座っていないんですから答弁しないでください。京都同士でかわってもらってもいいですけれども、もししゃべるんだったらそちらでしゃべってください。
だから、この括弧つきの「サラリーマン増税」は何ですか。
■谷垣国務大臣
これは、衆議院選挙の前にありました都議選のときにサラリーマン増税ということが大変議論になりました。ただ、サラリーマン増税という言葉自体は、明確な定義が必ずしもあるわけではないと思うんです。
それで、今、伊吹さんがやじで言われましたけれども、その前にいろいろ政府税調の論点整理が出たわけですね。その論点整理の中にいろいろなものがあったわけですが、それを必ずしもそのときにすぐやるという意味ではなくて、論点整理であったわけですが、それを全部増税に結びつけるかのような報道があって、それに対する反論でこのようなマニフェストが書かれたというふうに私は思っております。
■前原誠司
いや、ですから、伺いたいのは、財務大臣じゃなくて自民党総裁に伺った方がいいかもしれませんが、マニフェストには「「サラリーマン増税」を行うとの政府税調の考え方はとらない。」と書いてあるんだから、その定義をちゃんとしてもらわなきゃいけない。サラリーマン増税の定義は何ですかと聞いているんです。(発言する者あり)いわゆるなんて書いてない。「サラリーマン増税」と書いてある。これは、自民党総裁として、マニフェストに書いてあるんだから……(発言する者あり)いや、それは、だって自民党のマニフェストですから、総裁に答えてもらわないと。
■ 内閣総理大臣小泉純一郎
これは、「税制の抜本的改革」という中に、これを読みますと、「国民の合意を得つつ、新しい時代にふさわしい税体系を構築する。その中で所得税については、所得が捕捉しやすい「サラリーマン増税」を行うとの政府税調の考え方はとらない。なお、十八年度において、三位一体改革の一環として、所得税から個人住民税への制度的な税源移譲を実現する。」というふうに書いてあるんです。このとおりなんですよ。
だから、サラリーマン増税、サラリーマンだけを対象にした増税は行わないということなんです。
■前原誠司
ということは、政府税調の考え方はとらないということは、政府税調はサラリーマンだけをターゲットにした増税を出しているんですか。それは何ですか。
■ 内閣総理大臣小泉純一郎
それは、サラリーマンに対しての控除、所得控除がいろいろあります。そういう分野に対して、これは廃止すべきだとかいろいろ議論が出ております。
それが、幾つか具体的な問題が出ておりますけれども、政府税調と党税調の関係は、前原さん、自民党ではないからおわかりにならない点もあると思いますけれども、政府税調の問題をそのまま党税調がやっているわけじゃないんです。政府税調の意見を参考にしながら、それはいろいろな意見がありますから、それで、最終的に、与党の自民党、公明党、合意したものを税制改正として出すわけでありますので、その中で政府税調の意見は非常に参考になります。
しかし、それをそのまま与党の合意を得て政府の実際の予算として国会に出すということではないんです。しかし、参考にはしなきゃならないと思っております。
■前原誠司
私は自民党の議員じゃありませんので詳しくわかりませんが、我が党の岸本周平候補がこの点については明確に言っておりました。政府税調の考え方を尊重しなければいけないとかなんとか、そういう言葉は書いてあるはずですよ。だから、それは、参考にさせてもらうとかそういうことではなくて、私はかなり重いものだと思いますよ。
それと同時に、さっき申し上げた、二つのことを申し上げたい。これ以上長くなるとあれですので、私もこれで質問を終わりますけれども、二つのことを申し上げたい。
一つは、就業者の八割がサラリーマンなんですよ。そして、中曽根さんのときの売上税というのはなぜ失敗したのかということを、私、調査したことがある。何があの失敗だったかというと、公約違反だったんですよ。
つまりは、大型間接税はしないということを中曽根さんがおっしゃっていて、売上税を導入して、何とおっしゃったかというと、中型間接税ですとおっしゃった。サラリーマン増税、だって、就業者の八割がサラリーマンですよ。このマニフェストを見たら、そんな、皆さん方の細かい、何か後ろで騒いでいる人の話なんかじゃなくて、これを読んだら定率減税だと思うでしょう。
それが一つと、もう一つは……(発言する者あり)いや、思っていますよ、国民の多くは。
もう一つは、先ほどの問題、これだけは聞いておきたいですけれども、退職金課税、これはサラリーマン増税に入れるんですか、入れないんですか。
私は、あと二年ほどしたら団塊の世代の方が退職されますね。今退職金課税を上げるということは、まさに待ってました、団塊の世代が退職する、みんながリタイアしていく、そのときにねらい撃ちをしたものではないかと、どうしても考えるのが筋でしょう、これは。あの政府税調の考え方に退職金課税の強化とありますけれども、これはサラリーマン増税に入るんですか、どうですか。それについて、これは財務大臣。
■谷垣国務大臣
先ほど総理から御答弁もあったように、サラリーマン増税というものが何なのかというのはいろいろな議論があると思いますが、あくまで政府税調が出したものは、その時点で、今の所得税の持っているいろいろな労働の仕方とか家庭のあり方の違い、変化などを踏まえた上での論点整理でございますので、それをどうしていくか、具体的にどうやっていくかというところまではまだ議論が進んでいないんです。これからの議論だろうと思っております。
■前原誠司
答えになっていませんが、政調会長に後はゆだねたいと思います。
私ははっきり申し上げたいのは、選挙の直後に定率減税の話をされるというのは、私は非常に不愉快ですよ。不愉快だし、ひきょうだと私は思いますよ。だって、九月十一日選挙が終わって、与党が大勝したかどうか知らないけれども、したんですが、九月の十三日に記者会見をして、それで定率減税の廃止。だまし討ちに遭ったようなものじゃないですか。まさにこれは公約違反だ、このことは私はしっかりと申し上げておきたい。国民の皆さん方も絶対そう思っていますから。
そんな数でおごって今の暴走政治を続けて、まさに郵政の賛成か反対かだけで実際問題投票してくれと言って、あとの問題は白紙委任じゃないんですからね。我々野党が建設的な提案をしながらも、そういった与党の暴走に対してはしっかりチェックをしていくということを申し上げて、私の質問を終わります。
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