159回-衆- 事態特 (武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会) -03号 2004/04/14 (4P/5P)
■井上国務大臣
現在のこの態勢といいますのは、阪神・淡路の大震災の後、経験を踏まえて、今、態勢がつくられてきたと思うのであります。
確かにおっしゃるように、組織の問題と運用の問題があるわけですね。日本の場合は、各省庁の権限がございまして、歴史的にそういうものが今日まで続いてきているわけでありますが、それらをいかに効果的に一体化して動かしていくか、こういうことでありまして、そういう機能を内閣官房が担っているということだと思います。そのために必要な情報も収集していかないといけないということでありますが、その情報収集につきましても各省庁が権限を持っておりまして、各省庁で収集をするということであります。
したがいまして、内閣官房におきましては、そういったものを統括していくといいますか、そして全体の組織を効率的に動かしていくということでありますが、現状におきましては、まだまだやはり強化をしていく面は多々あろうかと思いますけれども、そういう現行の各省庁の体制を前提に、有効にそれらを動かしていくような状況になっているんだというふうに考えております。
■前原委員 私は、人数の問題を申し上げているんではなくて、やはり、その機動性とかあるいはその役割の明確化というのが必要だと思うんですね。もちろん、ある程度のボリュームは要ると思います。私は、これでは絶対少ないと思います。
それと、先ほど申し上げたように、それぞれ役所から出てきているわけですよね、ローテーション人事で、とにかく本省を見ながら。この危機管理の問題は、やはり縦割りをどう超越していくのかということだと思うんですが、内閣官房副長官補室を見ても、それぞれの本国をにらんで仕事をするような仕組みになっているわけです。それは、外からは見えないかもしれないけれども、実際に中で仕事をしている人の話を聞いたら、そうだと言うわけですよ、だれがとは言わないけれども、そうだと。
その場合に、後でお話をします情報の問題も含めて、やはりしっかりとした連携がとれるような仕組みには到底なっていないと私は思うんですね。その組織のプロパーの人たちがやはり必要だと思うんですよ。
例えば、危機管理監、それから今申し上げた内閣官房副長官補、この二人がいるわけですよ。この二人の役割分担はというと、これは御承知だと思いますけれども、結局、内閣危機管理監というのは、「国の防衛に関するものを除く。」ということで所管事項は決まっているわけですね。なぜかというと、内閣危機管理監は、これは警察庁のポストだからですよ。内閣官房副長官補というのは、三人おられますけれども、このいわゆる危機管理においての部屋は、今、柳澤さんですけれども、歴代、防衛庁がここを占めているということなんですよね。私は、こんな仕組みはおかしいと思うんですね、危機管理においては。
では、そのエスカレーション、さっき、緊急対処事態から有事に至るまでのエスカレーション、どうなるかわからないところで、いつ有事になるかわからないのに、今の段階では一応、内閣官房副長官補というところに八十人ぐらいがぶら下がって、ぶら下がっていると言っては失礼だけれども、いるわけですけれども、それが有事になりそうだとなったら上司がころっとかわる、結局はそういう話になるわけですよ。
実際に、杉田さんでしたか、前の危機管理監のお話を伺ったら、いつでもちゃんとコミュニケーションをとっていますとそれはおっしゃいますけれども、しかし、組織上は、上司が急にある時点でかわる、そういうわけのわからぬ仕組みになっているわけですよ。いかにこの縦割りの弊害をなくした組織にしていくのかといったことが、私は、法律だけ整えたってだめだ、この態勢をどうしていくのかということをやはり真剣に考えてもらわなきゃいけないと思うんです。
そこで、きのう、我が同僚議員、長島議員からも質問を本会議でさせていただきましたけれども、そういった緊急事態に対応するための組織、危機管理庁という言い方を我々はしております。別にアメリカの危機管理庁をそっくりそのまま持ってこいなんて言っているわけじゃない。そういう縦割りの弊害を排して、そして危機に対して初動をしっかりやって、そして省庁間調整もちゃんとできる、そういう態勢をつくるべきだということで、武力攻撃事態対処法の附則にも載せて、検討してくれということですけれども、いまだに検討しているという話でしたね、きのう。一年たっているわけです。
今のようなことも含めて、私は検討してもらわなきゃいけないと思うんです。大臣、御答弁ください。
■井上国務大臣 組織の問題でありますけれども、総合調整をする分野と縦割りの分野が二つあるわけですね。確かに今、自衛隊でありますとか警察とか消防とかあるいは自治体、こういう関係につきましては、それぞれの所管の官庁がございます。やはり危機管理につきましてはそれらをうまく調整する必要があるわけでありまして、そういうことで、内閣官房でもってそういう機能を果たしているということだと思うんです。今の調整権限が弱いとか強いというあるいは御意見はあるかもわかりませんけれども、今の縦割りの行政組織を調整する組織としては、まずまず最善のものとしてあるんじゃないかと思います。
今委員がおっしゃるように、それじゃ人事がそれに伴っているのかという、組織の問題と人事の問題があるわけですね。この人事の問題については、そこはよく検討していかないといけないと思います。まさに適任者がその任に当たるという、そこは必要だと思うんです。
ただ、例えば、今、危機管理監とか何かおっしゃいましたが、こういうのは組織としてはやはり必要な組織じゃないかと思うんです。問題は、だから、そういう組織上与えられた任務がうまく全うできるかどうか、そういうことでありまして、全うできるような人事を考えていかないといけないんじゃないか、こんなふうに思います。
■前原委員 人事に任せる組織というのはだめなんですよ。どんな人がやったって回るような組織にしなきゃいけない。
それは、どういう人がなるかというのは大切ですよ。後でお話をするような情報の問題、各国を見ると、やはり、情報を集める、例えば日本でいうと外務省とかあるいは警察庁とか公安調査庁とか防衛庁とか、そういったところの情報が上がってくるだけではだめなんですよ。その情報をいかに、知識とかノウハウとか、あるいは危機管理に対する考え方を持つ人がしっかりとその情報というものを練り上げて、そして国家の危機に対して対応できるようなものに統一していくのか。
皮肉を言うようですけれども、内閣総理大臣が、今回のイラクでの人質の問題に絡んで、どの情報が本当の情報かわからないということは、本当であったって、絶対人前で言っちゃだめなんですよ。内閣総理大臣たる人が、いろいろな情報が上がってきて、その情報がどれが本当なんだかわからないんだ、そんな話はないわけですよ。
例えば、もう時間がないのであわせて情報の話もしますと、例えばアメリカなんかでNSCというのがある。NSCなんかでは、CIA長官とか国防長官とか、あるいは統合幕僚参謀、何だっけ、日本で言う統幕議長みたいな人ですね、それから国務長官、国務大臣、全部集まって、上がってきた情報、それぞれ持ってきている情報を、そういった、まさに政策決定もするし、大事な政策判断というものを加えなきゃいけない人たちが吟味して、そして、例えばアメリカだったら、政府としての考え方をまとめるわけですよね。
いみじくも総理たる人が、いろんな情報があって、どの情報が本当かわからないということは、総理がそういうことをおっしゃることも総理の資質としては問題だけれども、そういう情報をまさに精査せずに、検証せずに上げる今の組織が大きな問題なんですよ。まさに、情報の今の日本の組織がなっていないということが、このイラクの人質の問題でも明らかになっているわけですよ。つまりは、情報でもしかり。そういうことは今ある組織で最低限は対応できると思いますよ。
井上大臣、こういう法律を議論するときに、態勢をしっかり変えるいいチャンスなんですよ。こんないいチャンスはないんですよ。法律を議論して、今の日本の危機管理体制、あるいは情報収集、収集だけじゃなくて、それを分析して、そして政策にまで上げるような態勢が整っているかというと、整っていないんですよ。だから、そういうものを検討してくださいと。
そして、組織については、まさに、与党と民主党との合意で法律の附則にまで盛り込んで、真摯に検討してくれと言っているわけですから、そんなゼロ回答みたいな答弁はないでしょう。
■井上国務大臣 今お話がありましたように、アメリカにおきましても、大統領の諮問委員会ですか、それに各機関を代表する責任者が集まって協議をしてやっている、こういうことでありますから、当然、日本におきましても、関係する各省庁が集まりまして最終的な判断をする、こういうことになろうと思うのでありまして、今、日本の態勢というのは、そういうような態勢になっていると思うんですね。今度の場合も、対策本部なんかつくるわけでありますから、そういう中できちっとした情報を集めて判断していく、こういうことになると思います。
組織につきましては、特に情報につきましては、これは、情報を集めたら問題だというのじゃなしに、これはますます強化をしていかないといけない分野だろうと思うんですね。幾ら強化されても強化をし過ぎるということはないと思います。
今、附則に書いてあります組織の点につきまして、我々もまだ深い検討をしているというところまでいきませんけれども、一応の検討はしましたけれども、なかなか、例えばアメリカの組織なんか見ましても、現実にどう機能しているのか、よくわからないんですね。一応、文章上整理されたものを見ますと、それはそれなりにわかるのでありますけれども、組織といいますのは、そういう組織についての権限を書けばうまく機能するというものではありませんで、それは現実にアメリカなんかでどういうような機能を果たし得るのかというようなことも十分見極めないと、日本の組織としてこれがいいとか、あるいは、ましてや今の組織を変えていくんだというようなことにならないと思うんですよね。
日本の組織は組織なりに、これはやはり歴史的な経緯がありまして、各省庁、持っております。私は、やはり日本の組織の問題というのは、各省庁の縦割りの権限をいかに横の方で縛っていくかという、ここだと思うんですね。やはりそういうような運用をしていくということだと思うのでありまして、組織を直ちに変えるというようなことじゃなしに、そういう運用の方でもっともっと強化をしていくようなことを考えていくべきじゃないか、こんなふうに考えているわけであります。
■前原委員 そうしたら、附則に書いた組織の検討というのは、もう要らないと、今おっしゃった、そういうことですか。運用でいいということですか。今後の審議のあれに差し支えますよ、そんな、今結論を出されたら。基本法の中で我々言っているんだから。大事にそこは答弁してください。
■井上国務大臣 これは、検討をするということになっていまして、今現在、我々が検討した結果のことを、検討の途中だと言っていいと思うのでありますが、そのような感じを持っている、こういうことであります。
■前原委員 何度も言っていますが、党利党略でこういう問題を言っているんじゃないんですよ。今の日本の危機管理体制において、余りにも縦割りの弊害が大き過ぎると。だから、対策本部にしたって、だれを対策本部に送り込むんですか。やはりそういうプロパーの人をここに置かなければ、結局はだめなんでしょう。後で質問する現地対策本部、何でできないかということも含めて、やはりそういったプロパーをいかに育てるか、そればかり考えておく組織が必要だと思うんですよ。しっかりと検討してください、そこは。だって、それが我々の一つの大きな主張の柱なんですから、そこについてはしっかりと検討してください。
あと、組織についてですけれども、財務大臣、せっかく来られているので、ほかのところでも質問させていただきたいと思いますけれども、つまりは、危機管理というのはいつ起こるかわからないということで、普通の予算要求とは違う形になり得ると思うんですね。起きてそれに対処すると。補正でやれるじゃないかという話があるかもしれませんが、私は、やはり、危機というものを例えば察知して、それに対応するための予算というものを、そういった、例えば今の組織でいうと、内閣官房副長官補室にある程度上げてもいいと私は思うんですよ。つまりは、プロジェクト申請ではなくて、ある程度与えておいて、使わなかったらそれはそれでいいと。
例えば、ある情報が入ったとしますね。これはだれから聞いたとは言いませんけれども、ある情報が入った。何かの生物テロがあるかもしれない。では、そのためのワクチンは日本にちゃんと備わっているのかどうなのかということで調べたら、備わっていない、しっかり備わっていないと。それに対して予算要求をしたけれども、なかなか、そんなものいつ起こるかわからないということで、財務当局は突っぱねる。そういう、私は、起きてから、しかし実際問題、予算計上していなかったのでそういったものに対応できていなかったということではいけないと思うんですよね。
予算の編成の仕方ということも、これから私は組織のあり方にかかわってくると思うんですが、使わなければ使わなくていい、無理やり使う必要はない。しかし、常に予算というものをしっかりと与えておいて、今申し上げたような何かテロ予告みたいなのがあって、それに備えるためのワクチンであるとか、あるいは防護服であるとか防護マスクであるとか、そういったものを、余り国民に言うと、それはパニックになるといけないので、しかし、予算措置があるために着々とそういうものについてはしっかりと整備ができるという、やはり私は予算も必要だと思うんですよ。
使わなかったら使わなくてもいい、しかし、そういうものに予算が必要だと思うんですが、財務大臣、どうお考えですか。今までそういうものは財務当局が全部突っぱねてきたという話を聞いていますが。
■谷垣国務大臣 ただいま御議論の財政措置をどうするかということですけれども、今おっしゃったような事前の準備というのは、私は非常に大事だと思います。ですから、資材とかあるいは備蓄、それから訓練というのももちろん入ると思います。こういうものに対してどうしていくかというのは、今後、防災担当大臣を初め、関係当局で検討されると思いますから、私どもも真剣に議論をしていきたい、こう思っております。どういう形での予算、財政が必要なのかということを、我々も真剣に議論していくつもりであります。
それから、今の御質問の中にはなかったかもしれませんが、緊急事態が発生した費用については、これは、その規模とか、どんなことなのかというのは、事前に一般論として申し上げるわけにはいきませんので、それは、今、日本の財政のシステムが持っているいろんな手法の中から、その時点でやはり使える最善のものでやっていくと言うしか、お答えのしようは今の段階ではないと思います。
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