159回-衆- 事態特 (武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会) -03号 2004/04/14 (2P/5P)
■前原委員
私、今から検討課題というのはおかしいと思うんですね。やはり法案を出される前に検討しておいてもらって、ここでしっかり言っていただくというのが、私は本来あるべきだと思うんです。揚げ足をとるつもりはありません。建設的な議論をちゃんとしたいと思います。
そういう意味で、保護措置が必要となる事態とおっしゃいました。これは皆さん方御承知のとおりで、釈迦に説法なところがあると思いますけれども、何かが起きた場合においては、単発か、それがきっかけとなって波状的に起こり得るのか、あるいは連続して起こり得るのかというのはわからないわけですよね。つまりは、一つの物事だけで、それが保護措置が必要となる事態かどうかということはわからないわけです。
私、九・一一テロのときにたまたま夜ニュースを見ていまして、初めは何かニューヨークのマンハッタンのビルの火災だという報道があって、いや、それは飛行機が突っ込んだという話になって、そして今度はテロだという話になって、いや、ペンタゴンもだ、あるいはホワイトハウスの、議会の前でもだ、あるいはほかの飛行機も乗っ取られているというような、いろんな情報が錯綜して、つまりは、無限に何かこのテロが広がっていくんじゃないかという恐怖感を味わいました。これは皆さん方も同じことだと思います。
ということは、例えばテロがきっかけで武力攻撃事態になるかもしれない、あるいはそれを想定した前ぶれかもしれないわけですね。つまりは、一発で終わりなのか、それが入り口なのかということは、一発目ではわからないわけです。危機管理の鉄則としては、初動が大切。つまりは、初めにどう動くかということが大切、そしてそれに対してどう対応するか、そして危険の広がりをどう抑えていくのかということが大切だと思うんですね。
ということになれば、保護措置が必要となる事態というのでは余りにもあいまい過ぎると思うんです。緊急対処事態というものを、本当にしっかりと対応するための法的措置をまず行うのであれば、今の御答弁では私はまだ不十分だと思います。
そのことも含めて井上大臣に御答弁いただきたいんですが、例えばスペインの列車爆発テロがありましたね。ああいうのは、もちろん結果的には単発で終わった、同時多発だったけれども単発で終わった。しかし、あれが導火線だったかもしれない。同じようなことは地下鉄サリン事件も言えますね。
あるいは、私は京都ですけれども、鳥インフルエンザが起きました。あれは、別の考えようによっては、あるいは、防衛庁には特にあのときにはお世話になりましたけれども、生物テロを封じ込めると思って対処してほしいということで、災害出動も含めて協力をいただいたということでありました。ああいう場合はどうなのか。
あるいは、今回のイラクの人質事件、まだまだ予断を許される状況ではもちろんありません。けれども、どうやら雰囲気としてはアルカイダではない。でも、これがもしアルカイダだったら、国際ネットワークテロ組織ですね。ということは、あれをきっかけにして国内でも何か起きるかもしれない、あるいは海外でも邦人の身に何か起きるかもしれないということで、無限に危機というものが広がっていくということが想定され得るわけですね。
だから、こういう今申し上げたことについて、先ほどの前段階で申し上げた、緊急対処事態というのは、単発で終わるか、それがきっかけになるかわからないということにおいては、私はこういう問題もすべて緊急対処事態に認定をするということが必要なんだと思いますが、いかがですか。
■井上国務大臣 確かに、緊急対処事態の認定の仕方としまして、ある種の事件が起きた場合に、その事件の深さをどう理解するかということだと思うんですね。だから、おっしゃるとおり、本当にそれだけで終わってしまうかもわからないし、それがきっかけになりまして次から次へと起こってくる、国民生活に大変大きな影響を与えるような事件が起こるかもわからない、起こる場合もあるわけでありまして、そういう意味におきまして、私は、その緊急対処事態の定義だけでもって、これはそれに該当するとか該当しないと決めてしまうというのは、そこは問題があるんじゃないかと思うんです。
したがいまして、具体の認定につきましてはかなり慎重にやっていくということでありまして、例えばスペインなんかのああいう例になりますと、あれ自身非常に大きな事件だと私は思いますけれども、しかし、引き続き起こるかもわからないぞということで準備をしていくというのは、これは通常のことだと思うんですよね。したがいまして、ある種の事件が起きる、それが端緒となるのかどうかという判断につきましては、極めて慎重に、今言われるような意味も含めまして、私は、よく検討して判断をしていかないといけない、そういう問題だと思っています。
■前原委員 慎重に判断をするのは、もちろんそれは政府としてはそうやられるべきだし、やられなければいけないと思うんですが、法律に基づいていろいろ動き出すわけです。その不備については後で質問をいたしますが、例えば私権制限なんかも出てくるわけですね。ということになれば、制限をかけられる国民からすれば、それについてはいろいろ考えられるんだよということで無防備に幅広に考えられても困る部分もあるわけです。これは非常にジレンマの問題だと思います。我々が政府だったらどうするかと同じような問いかけをされたら、なかなか難しい問題だと思うんです。
しかし、緊急対処事態ということを認定して、そこからいわゆる対処方針をつくって、それから対策本部も設置するわけですよ。ということは、それからいろんな動きが出てくるわけですよね。となれば、どういったものが緊急対処事態になるのかということの整理はきっちりやはり出していただかなきゃいけないし、その場合、私は二つの整理が必要だと思うんです。
だから、類型化する整理、あとは、レベルを、どういうふうにこれから進んでいくかという時系列的な整理というものも必要で、ひょっとしたら二次元だけじゃなくて三次元的な要素も必要になってくるかもしれません、別の要件として。したがって、私は、先ほど御答弁いただいた保護措置が必要となる事態だけでは、これは全く弱いと思うんですね、定義としては。
したがって、検討中だということで、これ以上詰めても仕方がないと思いますので、政府の統一見解を出してください。類型化、そして事態認定の定義をもっときっちりとやってほしいということについて、政府の統一見解を求めたいと思います。そのことについて御答弁ください。
■井上国務大臣 御指摘のように、緊急対処事態の具体例、類型といいますか、これにつきましても、今出しているもので十分だとか、そういうぐあいに考えておりませんで、もっともっとやはり研究しまして、いろんな類型化を考えていかないといけない、こんなふうに思います。
また、レベルにつきましても、今お話しになりましたように、この辺はなかなか判断の問題としては難しい問題だと私どもも考えておりますが、できます限り、どういう事態においてはどういう判断をしていくのかというようなことにつきましての統一見解、総じて言えば、緊急対処事態についての定義をもう少し具体的にする、はっきりさせる、こういうことだと思いますので……(前原委員「類型化」と呼ぶ)類型化を含めまして、そういうぐあいにひとつ、これは初めてのことでありまして、問題意識としてはあるんですが、さあ具体的にどうするかとなりますと、なかなか難しい問題でありますけれども、ひとつ努力をしてそのようにさせていただきたいと思います。
■前原委員 そういうことで、政府の統一見解を出していただくということですので、これからいろんな質問等を重ねていく、きょうはキックオフの委員会でありますけれども、ぜひ、委員長の責任でもって、そういった統一見解をまとめる責任を委員長もしっかりと認識をしていただきたいと要望させていただきます。
■自見委員長 前原議員にお答えいたしますが、理事会で、今大変重要なことだと私もよく認識いたしますし、また、大臣の答弁もございましたので、理事会で引き取らせていただきたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。
■前原委員 そういう緊急対処事態、非常に難しい問題でありますが、では、その奥の深さが起きたものだけではわからない緊急対処事態において、この法律のスキームというものは私はいかがなものかと実は思っているわけです。これは井上大臣ももうお感じだと思いますけれども、国民保護法制に緊急対処事態が書かれているわけです。武力攻撃事態と武力攻撃予測事態においては、武力攻撃事態対処法という法律にそういう対処基本方針を策定して、対策本部も設置をして、そして国会承認という枠組みをかませて、そしてそのもとでまた今度国民保護法制に基づいていろいろな保護措置がとれるという、親法が、武力攻撃事態対処法というものがあった中でしっかりそれを決めて、国民保護法制の中に落としているというのが法律の書き方ですよね。
しかし、この緊急対処事態においては、国民保護法制の中に入っているわけですよ。つまりは、親法がなくていきなり緊急対処事態という、非常に、今御答弁いただいたように難しいわけですよ、認定自体が。対処自体も難しい。初動にしっかりやっておかなきゃいけないということを考えたら、空振りであったって、そういうものを認定して構えだけつくっておくことは私は必要だと思うんです。それで、必要なかったらすぐ解散したらいいわけですから、そういうものについては。
しかし、それが、入り口でどんどんどんどん武力攻撃事態にエスカレートしていくような問題についての取り決めが国民保護法制の中に入っているというのは、おかしいんじゃないんですか。つまりは、武力攻撃事態対処法に、やはり親法にこういう緊急対処事態、だって、二十五条にそういうものをやりましょうと決めているわけですから。親法にそういうものをしっかり決めた上で、国民保護法制の中にその緊急対処事態における国民保護措置についての形を、内容を決めるということが本来あるべき法律の立て方ではないですか。
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