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159回-衆- −イラク特別委員会 2004/04/12 (3P/4P)
( 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会) -11号

■前原委員
 申し上げるべきではない、そういうことを聞いているのではなくて、そういったケースというものをどのように分析されているのかという話を私はしているわけです。

  時間がなくなってきましたので、聞いておかなきゃいけないことが幾つかあります。

  まず、今回ちょっと、解放が二十四時間以内ということよりも長引いている。長引いている理由の一つとして、ファルージャの停戦という問題がかなり深くかかわっているのではないかというふうに思います、地理的な問題も含めて。私は、この停戦の問題と人質になっておられる方の解放というものはかなり密接に結びついてくるんじゃないかというふうに考えております。
  そのことについて、今、チェイニー副大統領が日本に来日中でございますけれども、イラク情勢、人質の解放の問題を要請されたと聞いておりますけれども、そのときにこのファルージャの停戦の問題についても議論されたのかどうなのか、その点について御答弁ください。

■川口国務大臣
 小泉総理と副大統領は、この人質の話を含む多くの、イラクのいろいろな側面についての議論もございましたし、イラク以外のことについてもいろいろなお話をなさったわけでございます。

  そして、そのイラク情勢につきまして、チェイニー副大統領から、アメリカとしては、平和で民主的で安定したイラク再建のために、六月三十日のイラク人への主権移譲につき引き続き強くコミットをしていくということをおっしゃられて、現在のイラクにおける暴力は少数の勢力によって引き起こされているものであって、大多数のイラクの人々はこのような考えを持っていないと考えているというふうにおっしゃられたわけでございます。

  それで、これに対して小泉総理から、日米として、イラク人自身が前面に立った形で復興努力をする、復興努力に対する支援を継続していくという必要がある、そういった前面にイラク人が立った形での復興努力に対して支援をしていくことが必要である、国際協調の確保が必要であるということをおっしゃられたということでございます。

  そういった形でイラクの問題が議論をされたということでございまして、特に個別地名を挙げて議論があったということではありませんが、イラクについての考え方、現在のイラクにおける暴力は少数の勢力によって引き起こされているものであるということにお考えがあらわれているのかというふうに思います。

■前原委員
私は、指摘しておきたいのですけれども、これは政府も当然ながら同じ認識だと思うんですけれども、ファルージャの地域で六百人を超えるイラクの人が亡くなった、米軍の攻撃によって亡くなったということを言われておりまして、今、ここの停戦をどのようにしていくのかということが――アメリカからしても珍しいことなんですね、みずから停戦を持ちかけるということは。そういうことから考えると、私は、ここの問題と人質の解放の問題というのは非常に強くリンクしているというふうに思います。そういう意味で、地名が出なかったというのは、私は認識としていかがなものかというふうに思います。

  全体の会談内容をまだ伺ったわけじゃないので、詳しくは申し上げられませんけれども、ぜひこれからもこういう問題については、やはりアメリカとしっかりと議論をする中で、この停戦をうまく、そして軌道に乗せる、そうしないと、今から質問する六月三十日の主権移譲というのは私は無理だと思いますよ。そういう意味で、ぜひ、このファルージャの問題というのは、個別の地名の問題じゃなくて、今まさにイラクをどう展開していくか、もちろん人質の解放をどう展開していくかという大きな核になるところでありますので、私は、そういう意識を持っていただいて議論していただきたいと思います。

  さて、防衛庁長官、我々は、犯人グループのおどしに屈するべきではないということは申し上げてきました。しかしながら、イラク特措法という法律に照らし合わせたときに、まさに我々が何度も何度も嫌がるほど指摘してきたように、どこが戦闘地域でどこが戦闘地域でないんだという議論がやはり現実のものになってきたのは間違いないことだと思うんですね。

  つまりは、ある時点でサマワは安全だった、安心だったと。サマワに行かれた与党の党首の方もおられました。三時間ちょっといて、安全だ、大丈夫だ、こういう話でありますけれども、我々が言っていたのは、送ったらまさに協力するとしてねらわれるんじゃないかという話をしていて、それが残念ながら現実のものになりつつあるわけです。

  先ほど西川運用局長からも話がありましたように、サマワのCPAあるいは自衛隊の宿舎の近くにも迫撃砲が撃ち込まれるということで、今、宿営地の中に待機している状況ですよね。宿営地の中での活動しか行っていない状況ですよね。外での復興支援はできていない、こういう状況だと聞いています。

  つまりは、そういう、宿営地の中にいなきゃいけないような状況ということは、まさに、昔言っていたような、サマワの安全な地域だ、自衛隊が行く前の安全な地域だと、今のイラクの状況から考えたときに、もはやそういうことは言えなくなった。まさに我々が、テロ、ゲリラ戦の、いわゆるアメリカが全地域をコンバットゾーンに指定をしているような状況から考えたときに、送ればそこがねらわれるということになれば、戦闘地域になり得るという状況が生まれてきているわけですよね。ということは、非戦闘地域だということがもはやサマワでも言えなくなりつつある。

  私が伺いたいのは、どういう認識をまずサマワで持っておられるのかということと、法的な要件を満たさなくなったと認識をしたとき、それはどういう認識かどうかというのは見解が分かれると思いますので言いませんが、なったときには、これは法律に基づいて、法治国家なんですから、中止、退避、撤退というものがあり得るのかどうなのか、その二点について御答弁をいただきたいと思います。

■石破国務大臣
 これは、先生、すべておわかりの上でお尋ねだと思います。ですから、認識が違うともおっしゃいました。要は、国または国に準ずる組織による国際紛争を解決する手段としての組織的、計画的な武力の行使というものが行われているかといえば、そのような認識はいたしておりません。それが最初のお答えでございます。ですから、危険な地域かどうかということと、戦闘地域かどうかというのは違う概念であるということは、今さら申し上げるまでもございません。

  それから、後段の御質問にお答えしますと、これは先生おっしゃるとおり、法治国家ですから、要件を満たさなくなればそうなることは当然でございます。しかしながら、その前に、そうかどうか判断するときに困難な場合もございますから、それは法律の規定に従いまして、一時中断、退避するなどして、実施区域の変更の指示を待つ、それも条文に記されておるとおりでございます。

■前原委員
要は、こういったいろいろなゲリラ活動とかあるいは迫撃砲が撃ち込まれるとか、そういった状況のときには、言ってみれば、今おっしゃったような危険地域か危険地域でないかという問題ではなくて、法律に言うところの戦闘地域か非戦闘地域かという、戦闘地域の状況になったらもう遅いんですよ、こういう戦われ方が行われている地域においては。つまりは、法律も、もともと我々はそういう線引きをすること自体がフィクションだということを申し上げた。そして、総理自身も、そんなもの、どこが戦闘地域か非戦闘地域か、おれだってわかるわけないとおっしゃった。つまりは、そういうフィクションの世界で線引きをしているわけですよ。

  だから、私が申し上げているのは、人質の解放をとにかく一刻も早くやらなきゃいけない、自衛隊員の身に何かが起きてからでは遅い、そういう状況の中で、今のサマワの状況というのは、少なくとも、送ると決めたときの状況とはかなり悪化をしているのは間違いない、あるいはイラク全土についてもかなり悪化をしているのは間違いない。そういうことの認識の中で、我々は、今の状況というものが、つまりは、さっき申し上げたように、攻撃されて死者が出る、犠牲者が出てからでは遅いんですよね。そういうことも察知をする中で、退避あるいは中止、あるいは一たん例えばクウェートに移動するということも、この時点で選択肢としてあり得るわけですよ。

  だから、そういうことの判断の状況に私はなりつつあると。なったかどうかというのは、さっきも話があったように、それは見解の分かれることかもしれないけれども、つまりは、何度も我々は申し上げてきたように、イラクへの戦争は大義のない戦争だった、そして占領統治について我々は反対をしている、そして、そもそも特措法というものが、戦闘地域、非戦闘地域に分けること自体が今のイラクの現状にそぐわなくなってきている。しかし、現実の問題として、まさに危険か危険でないかということをおっしゃったけれども、送ったときよりも違う状況になってきているのは間違いのないことじゃないですか。

  その中で、私は、決断がおくれたら大変なことになる、そういう状況が残念ながら近づきつつあるのではないかというふうに思っていますが、その認識をもう一度お伺いします。

■石破国務大臣
 これは、法案審議のときも申し上げましたが、危険か危険ではないかという判断と戦闘地域かどうかという判断は、ダブる場合はあります。この概念は、一部においてダブる概念でございますから、どちらにしても安全を確保するということが重要なことは言うまでもございません。先生もよく御案内のとおり、自衛隊の持っておる権限、そして装備、そしてまた能力をもってしてその危険が回避できるかどうかということでございます。

  前の委員に対する答弁でも申し上げましたが、このことについて、本当に、陸上幕僚監部も、そしてまた私も、現地と緊密に連絡をとりながら、どうなのかと。実際に行っているのは彼らですから、彼らの目から見て、委員御指摘のようなことが本当に起こるのかどうなのかということにつきましては、本当に常に確認をとっております。

  私は、現地の指揮官の判断というのは、それは信じたいと思っています。現地の指揮官として、本当に一人も傷つけたくない、一人も殺したくないということは、本当に使命感を持ってやっております。彼は、すべての状況を把握し、そして責任感のもとにやっております。責任をとるのは私ども政治家がとりますが、私は、現地の判断というのはきちんと尊重したいと思っている。そして、一人もけがをすることがないように、一人も命を落とすことがないように、そのことに向けて政府全体、そしてまた防衛庁全体として常に真剣に取り組んでまいりたい、その気持ちに全く変わりはございません。

■前原委員
いや、気持ちはそれでいいと思うんですけれども、これは自衛隊員の人たちも、行っている人じゃないですよ、行っている人じゃありませんが、自衛隊員の人たちも言っているのは、迫撃砲というのは、これはもう逃げようがないんだ、今持っていっている装備でも、それは、非戦闘地域か戦闘地域かというのんきな議論を国会でしている間に一発撃ち込まれて、そこが宿営地の寝ているところだったら、もうそれでひとたまりもないんです、犠牲者が出るんですと。これが現地というか現場の、いわゆる自衛隊の方々の認識でもあるわけですよ。そういうねらわれ方もするわけですよ。だからそういう議論をしてきたわけですよ、我々は。だから、フィクションとして、送るべきではないということを言ってきたわけです。

  実際にそういうことが起こってしまえば、今回の、自分で責任をとるとおっしゃったけれども、防衛庁長官が責任をとるとらないの話じゃないんですよ。つまりは、私どもは、法律が、まさに戦闘地域、非戦闘地域と分けること自体が、イラクの今の戦われ方、あるいは今のような迫撃砲が撃ち込まれるような状況からすると、もはやそういう議論をしている状況じゃないだろうと。

  現地の人たちは、もちろん判断をするでしょう。隊員の人、特に番匠さんなんかは、自分たちの部下が本当に安全かどうかということをぎりぎりまで判断するでしょう。しかし、本当に、本国が、防衛庁長官が、内閣総理大臣が、危険な状況が予知されるときに、もう、ちょっと中止、待避をしてやれというふうなことも、今のサマワ、これからのイラクの六月三十日に向かっていく状況、そしてまた今回の人質の事件でも、自衛隊撤退しろといってこういう要望が出ているわけですね。

  何度も申し上げますが、我々はおどしに屈しろと言っているのではない。ただ、状況から考えて再考の時期に来ているんじゃないかということを私は申し上げているわけです。だから、そのことは真摯に今考える時期に来ているのではないか、私はそのことを申し上げているわけです。

  だから、今おっしゃったように、現地の判断、それは重要でしょう。でも、現地では判断できないこともあるんですよ。そのところは、まさに予防的な措置としてしっかりと防衛庁長官なり総理大臣が、私は、これからの六月三十日の政治状況の移行あるいはこういう人質事件が起きたということを踏まえても、判断するべき時期に来ているんじゃないかということを申し上げているのです。

  もう一度答弁してください。