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159回-衆-外務委員会-02号 2004/02/27 (3P/4P)

■前原委員
 日中関係を踏まえて考えた場合に、総理が行かれることについては過去の戦没者への敬意と感謝、また不戦の誓いということですけれども、御自身は行かれないと。しかし、結果論として、総理が毎年靖国に参られることによって日中関係、日韓関係はぎくしゃくして、そしてスムーズな意思疎通ができていないということは紛れもない事実だと思うんですね。それはそう感じておられますか。いや、全然そんなことはないよというふうに思っておられますか。

■川口国務大臣
 ぎくしゃくして意思疎通が十分にできていないということの意味をどれぐらいに前原先生が思っていらっしゃるかということがよくわかりませんけれども、総理はいろいろな場で、例えば胡錦濤国家主席とか温家宝総理とか、お話をしていらっしゃるわけですね。意思疎通をしていないわけでは全くないと私は思っております。

 そういう意味では何が問題であるかというと、これが、例えば中国がこの問題を取り上げる、靖国神社について、参拝について取り上げる、これを例えばカードとして使っていくというような状況があるということについて、これはそういうことは、あえて何が問題かということですからそういうことはあるというふうに思いますけれども、それによって総理が中国と意思疎通ができていないとか、日本と中国の関係がぎくしゃくしているとか、そういう状況ではないと思っています。

 例えば中国との間で人と人の交流、日中交流年、そういったことをずっとやってきているわけですね。経済的にもこれは両方の経済関係は非常に強くなっていて、お互いに相互依存関係が強まっていて、お互いに本当に相手がいなければ困る関係、そういうふうになってきているわけです。いろいろなベースのところを見ますと、日本と中国はお互いが必要としている関係になっている、そういうことであると思います。

 ですから、委員が何をもってぎくしゃくとしているというふうに言われる、そのレベル、それをどの辺に考えていらっしゃるのかということですけれども、私の認識はそういうことであります。

■前原委員
 今の答弁は、私は、外務大臣としてやはり失格だなというふうにはっきり思います。

 今の状況がぎくしゃくしている。レベルの問題とかじゃないんですよね。これはいろいろな分野で交流をすれば当然わかっておられる話でありますし、私もいろいろな中国の方とお会いしますけれども、日中関係は経済の問題はうまくいっている、しかし、政治では非常に、まさにぎくしゃくしているという言い方を向こうがされるわけですね。どうやって解決していくのか、政治の部分でもスムーズに意思疎通が図れるようにしていきたいと。

 さっき、総理が会われたということをおっしゃいましたけれども、行っておられないじゃないですか。つまりは、どこか国際会議の場で会って、たまたまそれで握手しているぐらいの話でしょう。それでは本当のトップ同士の意思疎通にはなっていないと私は思うんですね。

 こういう問題をどうしていくのか。ぎくしゃくしていないと言う大臣に質問をこれ以上してもしようがないのかもしれませんが、つまりは、自分で外交をつかさどっているという意識と、そしてまたそれをどのように変えていくかということがなければ、靖国問題を外務大臣がしっかりととらえるという意識は出てこないと思うんですよ。

 つまりは、この問題については、私は外務大臣がリーダーシップをとってもらいたい。もちろん、総理がそういう自覚があればいいですけれども、正月に行って戦没者慰霊と初もうでをごちゃごちゃにするような人は、私はけしからぬと逆に思うわけですよね。堂々と八月十五日に靖国に行かれるような形に私は環境整備をすべきだというふうに思うんです。

 では、どうするか。これは、A級戦犯の合祀の前は天皇陛下も行かれていたわけです、靖国に対して。総理大臣が行っても何も問題がなかった。そして、ましてや、天皇陛下が行かれても、隣国からそういうような話はなかったわけですね。やはりA級戦犯の合祀というものが非常に、それはもちろん、A級戦犯自体がどうなんだ、正当かどうか、東京裁判自体が本当に正しい裁判だったのかどうなのか、そういう議論はありますよ。しかし、客観的な事実としてのA級戦犯の合祀というものが非常に大きな靖国問題のネックになっていることは間違いないと私は思う。

 この間、超党派の議連で中曽根元総理にお越しをいただいたときに、憲法改正の議論を伺ったんですが、そのときに非常に私は、ためになるというか、あるいは参考になるお話を伺ったなと思ったんですけれども、A級戦犯の分祀をすべきだと。つまりは、八月十五日に総理として参拝をして、そしてそれから大変だと、中国からの批判が強かった。それから、中曽根さんは総理として行けなかったんですね、靖国に対して。それを何とかしなきゃいけないということを今でも考え続けておられる。僕、これは本当の政治の姿じゃないかと思うんです。

 いろいろな、のどに刺さったとげを抜いて、そして隣国との関係をうまくしていくためにどうするのかということを、これは外務大臣が考えなくてだれがやるんですか。しかも、前提としてぎくしゃくしていないというような認識を持っているとしたら、私はそれは失格だよというふうに思いますよ。

 そういう意味で、私は、ぜひ、ぎくしゃくしていない人に言ってもそれこそ禅問答に終わるかもしれませんが、やはりもう一度主体的に自分自身がこういった問題もやらなきゃいけないという意識を持っていただいて、いろいろな先人の方にお話も伺う、そして御自身も努力される。遺族会の会長である、今、古賀誠議員が会長でいらっしゃいますけれども、内々に動かれたよという話も聞いています。しかし、なかなか、A級戦犯の御遺族の同意も得られなかった、あるいは靖国神社の宮司の同意も得られていない。

 しかし、そういうところをしっかりと自分自身の責任なんだという自覚を持って動かすのが、一つ外務大臣の私は役割じゃないかと思いますが、どうお考えですか。全くぎくしゃくしていないから、いいですか。

■川口国務大臣
 委員がおっしゃるように、A級戦犯の合祀、これがあるところに総理大臣が参拝に行くということが問題であるというのは、中国側の方々、リーダーの人たちが今言っていることであるということは事実であります。

 それから、私、先ほども言いましたように、中国側が靖国神社への参拝について問題にしているということについて、我々として、先ほど申し上げたように、これはきちんと理解を求め続けていかなければいけない、理解を求めるというのはちょっと言葉が悪いと思いますが、説明をしていかないといけないというふうに私は思っております。それで、それは外務大臣としては今までも説明をしているし、今後も引き続き説明をしていくということであると思います。どういうふうに、中国がこの靖国神社について言っていく、これが日中間でカードとして使われるようなことを抑えていくか、これは日本として一つのテーマであるということは間違いないと私は思っております。

 それで、日本として中国に言っている考え方、これは、先ほど一部について触れましたけれども、共通の利益、これを拡大していきましょうということを言っているわけです。日本と中国はさまざまな共通の利益を持っている。今後、もっともっとこの共通の利益というのは膨らませていかなければいけないというふうに思っています。

 これはいろいろな分野で既に実行していますし、例えば六者会談もその一つでありますし、ASEANとの協力、あるいはASEANの中の地域格差の是正、それから世界全体の、例えばイラクの問題その他、いろいろな問題について日本と中国が協調していろいろやっていくということもそうですし、それから経済関係でも、先ほど言いましたように、お互いになくてはならない国にもはやなっている。そういった関係をますます強化していくということが私は大事であろうというふうに思っております。

 それを強めていく、ASEANの場でも日中韓三カ国の外相会談をやったり、それから、もちろん二国間の外相会談をやったり、私もまた国会のお許しがいただければ四月に中国に行きたいと思っていますけれども、そういった努力をして、中国と日本との間で靖国問題がカードとして使われない、そういうような関係にしていくということが大事であると思います。

 総理の参拝の理由については、これは説明をして、さらに説明をして、粘り強く説明を続けていくということであると思います。