159回-衆-外務委員会-02号
2004/02/27 (1P/4P)
■米澤委員長 次に、前原誠司君。
■前原委員 前原でございます。民主党を代表して質問させていただきたいと思います。
まず冒頭、今まで同僚委員からも六者協議についての話がございましたけれども、もう少し突っ込んで話を聞かせていただきたいというふうに思います。
私が質問したい点は何かといいますと、もちろん、薮中局長が代表として議論の場に出ておられるわけで、ある程度の裁量というものを与えられているのではないかというふうに思いますけれども、しかし、日本政府として譲れない一線というものはもちろん理解をされて六者協議に薮中さんも出ておられるというふうに思うんですね。では、その譲れない一線というのは一体何なのかといったところをちょっとお聞きしたいと思います。
冒頭発言は私も読ませていただきました。先ほど大臣がお答えになりましたように、非核化のために北朝鮮はウラン濃縮計画も含めてあらゆる核開発、核活動を速やかに廃棄するとのコミットメントを行い、核計画についての完全な開示を行う必要がある、完全かつ不可逆的な廃棄のために国際社会による十分効果的な検証が必要であると。まあ、これができれば百点満点だ、核問題については、そういうことだと思います。
しかし、交渉事ですので、向こう側もいろいろ言ってきている。そして、先ほど、王毅外交次官とお会いになられたということで、我が党も菅代表が王毅次官と会われて、私も同席させてもらいましたけれども、一回で、この二回目の六者協議ですべて解決するというのはなかなか難しい、段階的にステップを踏んでいく必要がある、しかし進めていくことが大切なんだ、こういう話をされておりまして、その点については、先ほど質疑をお伺いしていると、多分同じ認識なのではないかというふうに思いました。
そこで私が伺いたいのは、まず、濃縮ウランの存在を認めていませんね、今の六者協議の段階では。この六者協議の段階でウランの濃縮の計画を認めていない状況の中で、例えば核凍結という言い方をしていますけれども、そこで、ウランの濃縮計画を認めていない状況の中でファーストステップをとることが日本の選択肢としてあり得るのかどうか、その点について答弁をいただきたいと思います。
■川口国務大臣 北朝鮮が何をどの段階で言うかということについて、一つの段階で言ったことですべてということでもないというふうに考えております。
濃縮ウランについて、これはいろいろな情報を総合的に考えますと、我々としては、北朝鮮が濃縮ウランをやっているであろうという感触を持っているということでございます。ですから、王毅副部長も言われたように、それで国民の皆さんにこの点は理解をいただいていると思いますけれども、一回で百点満点の回答が出るということではないわけでございまして、したがいまして、我々は、基本的な方針にのっとって、粘り強く朝鮮半島の非核化ということを進めていくということでございます。
■前原委員 要は、この六者協議では、少しでも話が進めば、エネルギー支援なんかの話も韓国案を軸に行うという話がなされているわけですよね。
つまりは、今私がお聞きしているのは、そういうファーストステップというのは、濃縮ウランの核開発計画を北朝鮮が認めない段階でも、そのファーストステップということで評価して前進することがあり得るのかどうなのかということをお伺いしているわけです。
■川口国務大臣 よその国の提案したことについて、日本の立場として余り細かく申し上げるべきではないかという気もいたしますけれども、韓国が提案をしているということについては、これは相当にきちんと条件をつけてやっているわけでございます。そして、我が国としては、そういった条件のもとで、要するに第一段階として、それを他国がやることについて理解をし、支持をするということを言っているということであります。
それで、物事の第一段階として、おっしゃっているのは、濃縮ウランを認める、あるいは認めないということがこの第一段階の実施に影響を及ぼすかどうかということですけれども、これについては、今まさにいろいろな議論をやっているわけでございまして、最終的にどういう形でまとまっていくのかということは、今回の会議一つとっても、非常に不透明であります。ですから、まさに交渉中のことですから、今の段階でこうならばこうと申し上げるということは差し控えたいと思います。
ただ、我々として、先ほど来申し上げているように、濃縮ウランも含めた形での核の廃棄、朝鮮半島の非核化、これは基本的な線である、これは譲ることができない線であるということに変わりはないということです。
■前原委員 最終ゴールはよくわかっているわけです。それは理解しているわけですが、私が伺っているのは、例えば私が薮中局長、代表だとしますよ。そうすると、どれだけ権限を与えられて交渉に臨めばいいんだということだと思うんです。
つまりは、先ほど韓国の案についての話で、それは韓国の案だという話をされましたけれども、しかし、事前準備においては、日米韓、特にアメリカとはかなり協力をして、密接に事前の打ち合わせもしながらこの会議に臨まれているわけですね。もちろん、日米韓だけじゃなくて、中国やロシアとも話をされているわけです。
それで、もし私が薮中局長だとしたときに、どこまで裁量権を与えられるのかということを伺っているわけです。もちろん、交渉中のことですから、どうなるかわからない。したがって、凝り固まった、固定したお答えを聞いているわけじゃないんですね。つまりは、濃縮ウランというものの存在を棚上げしても進むことはあり得るのかどうなのか、例えば私が薮中さんだったら、そういう点を、与えられて行くのかどうなのか。
では、時間もありませんので、もう一つ伺いますよ。もう二つ伺いましょう、同じパッケージの問題として。
北朝鮮は、いわゆる核兵器開発という言い方をしていますね。核開発という言い方をしていない。ということは、軍事目的だけはやめる、しかし平和利用については言及しない、それはらち外だ、こういう話をしているわけですね。軍事利用の話だけしているわけです。ということは、完全な核開発の廃棄ということは、当然、軍事利用のみならず平和利用も含むはずなんですね。だけれども、北朝鮮は軍事利用だけを言及してきている。これも切り離すことはファーストステップとしてあり得るのかどうなのか。濃縮ウラン、それから、いわゆる平和利用というものを認めるかどうか。
それからもう一つ、これは大事なことですけれども、我々は拉致問題というものを持っています。仮に話が進んで、そしてエネルギー支援をという話になっている。これは薮中さんもおっしゃっている。しかし、日本として、拉致の問題が解決していないのに、核の問題が解決したから、拉致の問題を切り離してそういうエネルギー支援をするということがあり得るのかどうなのか。その三点について明確にお答えをしていただきたいと思います。
■川口国務大臣 どれぐらいのマンデートを持って交渉に行くかということが全般にかかわりがある御質問でありますけれども、それは、基本的な考え方については合意をした上で、それをベースにして行っているわけです。
それで、今、前原先生がおっしゃったような、例えば濃縮ウランはどうかとか、平和利用はどうかとか、これまた細かく後で申しますけれども、それについて、今の時点で直ちに、これを含みます、含みませんということが決定をされるような状況になるかどうかということについては、恐らく、これはもう一番の実はコアの問題であるわけでして、これが最初にすんなりと決まってしまうということであれば、一回で決まってしまうということになるわけであります。
したがいまして、もちろん予断はできませんけれども、通常の予測でいえば、この問題がまさに中心になっていろいろ議論をしていくという過程がしばらく続くというふうに申し上げてもいいんじゃないかというふうに思います。
いずれにしても、そのマンデートとの関係でいいますと、かなり具体的に何かについて合意をする、今委員がおっしゃったような第一段階の合意というようなことであれば、それは合意の内容は恐らく文書になるでありましょうし、そういった文書に合意をしていいかどうかということは、通常の仕事のやり方でいえば、合意をしていいかどうかということは聞いてくるということになるというふうに考えております。
ということで、先ほど濃縮ウランのお話は申し上げましたけれども、平和的な利用についてですけれども、これについて、我々としては、そこも含めてと、基本的な考え方としてはそういう立場を持っております。
ただ、北朝鮮について言いますと、先ほど反対であるというふうにおっしゃいましたけれども、これも濃縮ウランの話と同じで、例えば、一月六日の段階で、北朝鮮の外務省スポークスマンは、談話において、凍結の対象には平和的核原動力も含まれるというふうに述べているということもあるわけでございます。
ですから、北朝鮮はいろいろなことで交渉をしていく国でありますから、一つ、一回どこかで言ったということが北朝鮮の最終的なポジションで、あるいはあるかもしれませんけれども、そうでない可能性もいろいろある。交渉というのは、そういうことで、お互いに粘り強くやっていって、我が国として望む結末を、そこで結論に到達するように努力をしていくということであったと思います。
それから、三つ目に何かおっしゃったんですけれども、何でしたかしら。(前原委員「エネルギー支援の話、拉致の問題を切り離すのかどうか」と呼ぶ)そうですね。エネルギー支援について言えば、韓国自体もそういう提案をしていますけれども、今すぐにエネルギー支援をしているということを必ずしも言っているわけではないということだと思います。
それで、我が国の立場として、他国がやることについて、そういった、先ほど申し上げましたような……(前原委員「韓国の支援じゃなくて日本の支援の話を聞いているんです」と呼ぶ)ええ。それを今申し上げるんですけれども、韓国としても、その提案については、先ほど申し上げたような前提条件をつけて言っているわけでして、したがって、我が国としても、そういった前提条件で、他国がやることについて理解と支持ということは言いましたけれども、我が国として、今それができる状況であるというふうには考えていないということであります。
■前原委員 前者の話でいいますと、要は濃縮ウランの問題も、核の軍事のみか、あるいは平和利用も含むのかという話については、そこはいわゆる原則というか、アローアンスを残して交渉に臨ませている、こういうことですね。
つまりは、ちょっと、私の質問がわかりにくければ私が悪いんですけれども、申し上げていることにダイレクトにお答えになっていないわけですよ。私が伺いたいのは、つまりは、濃縮ウランの存在を認めなかったら絶対にファーストステップも踏めないのか踏めるのか、あるいは、軍事利用のみなのか、平和利用まで含めてファーストステップというのは進み得るのかどうなのかということを聞いているわけです。
だから、そういう意味で、今の御答弁というのは、簡潔にわかりやすくお答えをいただきたいんですけれども、それは状況を見て、それが入っているかどうかということも含めてまだ今断定できるものではないとおっしゃるんだったら、そういうふうな言い方をしてもらったらいいんです。つまりは、そこは、それが大前提じゃないんだなということがそれでわかるわけですから。
■川口国務大臣 委員の御質問は非常にわかりやすくて、誤解をしているわけではないと思います。
ただ、異なるのは、問題の立て方が違うということであるわけです。
どのように問題の立て方が違うかというと、交渉において、一つの条件だけで何かが決まっていくということではない、これは一般論として申し上げましてですけれども。もちろん、それについてどうか。これはもう全体の、総合的に考えなければいけない局面というのは必ずあるというふうに思っております。
ですから、そういったそれぞれの局面で、申し上げましたように、合意があるということであれば、それは文書という形の合意になるというのが通常でしょうから、そういった場合には、それについては、もちろん聞いてくるということだと思っています。これは官邸も含めて議論をしていくということでありますから、やはり、その文書で日本がこの段階で合意できるかどうかというのは、薮中局長が一人で現地で判断をするということではないだろうというふうに思っています。
ただ、一つ、一対一対応で結論が決まってくることばかりではないというふうに我々は問題を立てているということで、イエスかノーかという御質問ですけれども、そういう意味で、問題の立て方が、構造のつくり方が、そこに違いがあるということを申し上げているわけです。
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