159回-衆-イラク特別委員会-04号
2004/01/30 (1P/2P)
■斉藤委員長
次に、前原誠司君。
■前原委員 民主党の前原でございます。時間が限られていますので、端的に答弁をお願いします。
総理、この間本会議で同僚の原口議員が質問されたことでありますが、総理、考え方が変わられましたですよね、宮澤内閣のとき郵政大臣をされていたときと。――変わられていない。変わっていない。ああ、そうですか。じゃ、読みましょう。
そのときの郵政大臣であった小泉純一郎大臣は、PKOでは血を流してまで貢献しろとはなっていない、こういう発言をされている。それから、イラクがクウェートを侵略した後、湾岸戦争で米英仏などの各国は血を流して戦ったが、日本は憲法の関係から参加しなかった、日本が血を流して戦うのは、自国民の平和と自由が侵されたときだけであり、残念ながらよその国のためにそこまでの国際貢献はできないと世界に表明したんだと、これもおっしゃっています。認められますね。ちょっと待って、まだあるんです。
それで、かわりに一兆三千億円もの資金を出したけれども、憲法前文にあるように、国際社会で名誉ある地位を占めたいならお金を出すだけでは済まないという反省も出てきた、それで、血を流さないまでも、せめて汗を流そうということでできたのがPKO法だ、憲法九条や前文に照らしてぎりぎりの考えだった、血を流しても国際貢献をという議論は否定されている、日本は自己中心と思われても仕方ない、それを選択したんだからと。
つまりは、我々の今の考え方とこの小泉郵政大臣のときの考え方は同じなんですよ。つまりは、憲法はそこまで認めていないと。それでもなぜ変わっていないということを抗弁できるんですか。
■小泉内閣総理大臣 全然変わっていませんよ。それは全くの誤解です。
私は郵政大臣のときに、PKO活動、これは日本は血を流してまで国際貢献をするという状況になっていない、せめて血を流さないまでも汗は流さなきゃいかぬ、お金だけでもまずいでしょうということで、PKOという平和維持活動を国民の皆さんに理解と協力を求めたわけであります。
そのとき、郵政大臣のときに、カンボジアでのPKO活動中に警察官が不慮の死に遭遇いたしました。そのときに国内で、PKO活動だからそういうことは当然じゃないかという議論が出てきたんです。だから、私は、とんでもない、当然じゃない、国会の議論をよく見なさいと。汗を流して国際貢献活動をしよう、そういう議論だったはずだ、血を流してまで国際社会に貢献しようという議論はなかったはずだと。だから、血を流すのは当然だという議論は全然国会の議論をわかっていないということを言ったんです。私、今でもその考えに変わりありません。
今回も、自衛隊は血を流すために行くんじゃないんです。汗を流してイラクの復興支援活動に赴くんです。そこら辺を全く誤解している。
■前原委員 いや、そう抗弁をする総理も総理ですけれども、拍手をする自民党議員もどうかしているんじゃないかと僕は思いますね。
つまりは、これはちょっとよく聞きなさい、皆さん。つまりは、PKO法のときは参加五原則というのがあったんです。参加五原則というのは、ちゃんと国ができている、受け入れ同意がある、そして停戦合意もある、そういったもろもろの五原則があってPKOというものをつくった。
しかし、どうですか、アフガンの、あの九・一一テロの後。つまりは、自衛権の発動をアメリカが行ってアフガニスタンを攻撃したんだ。PKOは自衛権の発動に協力するなんということは全然書いてない。だから特措法をつくったんじゃないですか。だから、一歩も二歩も踏み出しているんですよ。でも、そのアフガニスタンのときは、一応、洋上で油の補給ということで、武力行使の一体化にはならないということをやったんだ。しかし、今度は、次のこのイラクの問題については、初めて戦闘地域に行くんですよ。この間……(発言する者あり)違うことないよ、何言っているんだ。
この間、小泉総理は私の閉会中審査の質問に答えて、イラクには戦闘地域があると明言されたんだ。そこに行かれるんだ。(発言する者あり)そのことは個別に話、後でします。
いいですか、皆さん、つまりは全然違う状況に来ているんです、フェーズが。つまりは、今回は危ない地域にも行かせるんですよ、その地域にも。PKOのときと全然違う。二段階進んだんですよ。そして、これは同僚の長島議員、松本議員が質問されたけれども、人道復興支援活動だけじゃない、安全確保支援活動というのもやるんです。これについては、米軍が掃討作戦をやって、それの後方支援までやっていいということになっているんだ。ということは、これについては極めて危険な行為もあり得るじゃないですか。
つまりは、それは私も血を流してほしくない、犠牲者は出してもらいたくない、だけれども、全然違う、PKOとは違う状況になっていながら、これは、憲法解釈を大きくゆがめて、伸ばしてきたためにようやくできた特措法じゃないですか。
私は、法制局のその担当に当たられた方に話を聞きましたよ。PKOのときにこんな法案審議はできなかったと。つまりは、PKOを議論したときの法制局見解からかなり踏み込んだことをやっているんだと。ということは、血を流す決意もしたということがあらわれているんじゃないですか。それを、PKOのときと全く同じだと抗弁されるのは、それは総理として自覚が足りないんじゃないですか。もう一度答弁してください。
■小泉内閣総理大臣 それは認識が違います。今までの議論の積み重ねで、日本はどこまで憲法の範囲内で国際貢献活動ができるかという中で考えてきたわけでありまして、かつては自衛隊も憲法違反だという議論があった。今は、まあ、ごく一部の政党か議員を除いて、自衛隊は憲法違反という考えは持たなくなったでしょう。PKO活動、このときも、自衛隊を海外派遣することは、PKO活動であっても憲法違反であるという反対論がたくさん出てまいりました。しかし、今や、そういう意見を言っている方も、PKO活動は憲法違反でないということに変わってまいりました。
そういう議論の積み重ねがあるし、今回はイラクの復興支援に自衛隊を派遣するというのが議論になって、自衛隊は戦闘行為には参加しない、武力行使はしない、戦争に行くのではない、イラクの復興支援活動、人道支援活動に行くんだと。そういう中で、必ずしも一〇〇%安全とは言えない、危険を伴うかもしれないけれども、危険を回避する能力を自衛隊は持っているから、そういうために対しては安全確保に万全の配慮をいたしましょうと。そして、戦闘行為に参加するのではない、どれだけ人的貢献ができるかということで、自衛隊の諸君に、一般国民にはできない汗を流して、イラクの復興支援のお手伝いをしていただこうというための法案が通って……(前原委員「委員長、委員長、答弁短くしてと言ってください」と呼ぶ)
■斉藤委員長 答弁は簡潔にお願いいたします。
■小泉内閣総理大臣 そして、今御審議をいただいているんです。
■前原委員 これは、後世の批判に耐えられるような答弁じゃ全くないですよ。そんなことないよと言う議員は議員をやっている資格ないし、私は総理の資格もないと思う。
つまりは、PKOのときと全然違う局面に入ってきたんだ。そういう法制局解釈を拡大してきたんですよ。それは実務に当たっている人らが一番よく知っている話だ。そういう人たちやいる人たちが一番よくわかっている話なんだ。
違う観点から質問します。
総理、じゃ、血を流しに行くんじゃないんだということを言われましたね。しかし、危険な任務もある、そして無事で帰ってもらいたい、これは同じ認識ですよね。しかし、この委員会でいろいろな情報が錯綜した、あるいは前代未聞の、本会議で自分が発言されたことまで訂正までされた。つまりは、情報がしっかりとれていない。情報不足。そして、今回の大量破壊兵器の問題もそうだけれども、一元的にしか情報をとっていないから、結局は、その情報が覆ったら何やっているんだというふうに言われる。つまりは、日本の情報収集の能力というのは私は極めて弱い。その前提に立って行かせるわけですよ。
一つ簡単にお答えください。今回行かせる、いろいろな情報の誤認とか不足というものがあった、あるいは間違いもあった、だけれども、先ほど同僚の議員に対して、総合的な判断で行かせるとおっしゃった。総合的というのは、今の情報で、部隊を行かせるのに十分なそういう情報を得て、そして安全には万全を尽くしたと言い切って自衛隊を送れるのかどうか、その点について答弁してください、簡単に。
■小泉内閣総理大臣 情報収集にこれからも努めますが、治安の状況に問題ないから私は自衛隊を派遣する。
そして今、私の本会議での発言の撤回の問題については、サマワの市の評議会の問題です。あの答弁にありますように、サマワ市評議会の問題が現時点でサマワの治安状況に直接結びつくものではないという認識だから、今後サマワの市評議会の状況がどうなるか注視していきますよ。しかし、サマワ市の評議会が、現時点で、どういう手続で評議員が選出されるか、そういう問題とあの現地の治安状況と直接結びつくものではないし、この状況がさらに治安状況を悪化させるという状況でない認識を持っているんです。そういうことを述べたんです。
だから、この問題については、私は、今後も注視していくけれども、現時点で認識を変える必要はない。
■前原委員 認識を変える必要はないということは、情報分析で万全な対策を政府としてとる、これからもとる、情報分析等々含めて。だけれども、とにかく安心して行ってこい、とにかく職務を遂行しろというふうに責任を持って送り出せるのかということを聞いているわけです。
■小泉内閣総理大臣 これは、責任を持って送り出すんです。しかし、一〇〇%安全と言える状況にはない、危険を伴うかもしれない、一般の国民にはでき得ない任務についていただく、(発言する者あり)血を流さないように最善の努力をしていかなきゃならない、そう思っております。
■前原委員 拍手をするところじゃない、何も。
PKOでは、血を流してまでは貢献しろとは言っていないということを前おっしゃって、先ほど、その内容は変わっていない、自分自身の考え方は変わっていない、こういうことをおっしゃっている。今おっしゃっていることと矛盾しているじゃないですか。
つまりは、どんどんどんどん危険な任務に行かせることになっているんですよ。栄誉礼というのはどういう意味かわかりますか。つまりは、最高指揮官に対して、指示に従います、そしてその命令にはまさに命をかけてもやってくるということで栄誉礼をやるんですよ。それを指示するのが総理なんですよ。
つまりは、ここだけは答えてもらいたいのは、そういう状況で行ったときに、万が一のことがないことを私も望んでいる、しかし、こういう情報が錯綜して不十分だと我々が言っている中で、それでも送り出したときに、何かがあったときにどういう責任をとるのかということをしっかり、もし栄誉礼を受けて送り出す立場であったら、しっかりとここで答弁することが自衛隊に安心を与えることじゃないですか。
■小泉内閣総理大臣 自衛隊の諸君が、一〇〇%安全とは言えない、危険を伴うかもしれない困難な任務に赴く、そしてイラクの復興支援のために、人道支援のために立派に任務を果たしてくれる、このことを私は心から期待しておりますし、そういう自衛隊諸君、使命感を持って、そして自信を持って、みずから志願して自衛隊に入隊して、日本国民を代表して赴いてくれる自衛隊諸君に心から敬意と感謝の念を持っております。
皆さんとともに、自衛隊の諸君が立派に任務を果たし、無事帰国されることをお祈りしたいと思います。
■前原委員 何かがあったときのそういう送り出した者の責任とはどう考えて、それをどう考えて送り出すのかと聞いているんですよ。答えていない。
■小泉内閣総理大臣 立派な任務をこなすように、安全面につきましても十分配慮して、そして自衛隊の諸君が現地で任務が活動できるように、できるだけの措置を講じていきたいと思っております。それが私の責任であり、今後とも、日本国民を代表して赴く自衛隊諸君の活動に対しては、その能力が発揮されるように最善の努力を尽くしたいと思います。
■前原委員 我々は、情報が不足している中で本当に行かせて大丈夫かと言っている。そして、万全を期すのは当たり前のこと。それが責任を果たすのは、一方の責任としては当たり前。何かがあったときには、しかし、それが情報収集とかが不十分だった、安全確保対策が不十分だった、そのときどういう責任をとるのかと聞いているが、それに答えていないんです。答えてください。
■小泉内閣総理大臣 それは、前から何回も答弁しておりますように、自衛隊の諸君が復興支援活動、人道支援活動に十分活動できるような対策、措置を講ずるのが私の責任であると思っております。(前原委員「質問に答えていない。何かがあったらどういう責任をとるのかということを聞いているんです。答えていない。何かがあったらどういうふうに、事前のことしか言っていないじゃないか」と呼び、その他発言する者あり)
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