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159回-衆-予算委員会-02号 2004/01/26 (3P/5P)

■小泉内閣総理大臣
 これは非常に難しいことで、国際会議を開いて首脳が集まってトップダウンでこうやりなさいと言っても、イラク国民がそれを受け入れるかどうかという問題もあるんですね。イラク人自身でさえ、やはり自国の選挙をどうやるべきかというのをよその国に決められたくないという気持ちもあるでしょう、また誇りもあるでしょう。そういう点も含めて、よく情勢なり、今の暫定統治評議会に国連がどうかかわっていくか、また、イラク国民がどのような形だったらば受け入れるのかということをよく見きわめないと、今の段階からこうやりなさいと言って指令を出して、できるかどうか。その点も私はよく見きわめなきゃいけないと思うんであります。

■前原委員
 提案でありますので、付言をして、もうこれだけにしますけれども、アフガニスタンの復興支援会議でも、当事者を入れてやるわけです、当然ながら。だれも、外してやれなんということを私は申し上げているわけではない。今だったら、統治評議会というものがあるわけですから、そういったメンバーを主要なメンバーとして入れるというのは当たり前のことだと思います。

 したがって、イラクの方々に関与させずに大国だけで決めて、そしてやれなんということは、それはもう現実問題としてはあり得ない。もちろん、そういった人たちが関与しなければいけない。

 しかし、何度も申し上げているように、CPAが人選を基本的にした統治評議会では、イラク人による政権移譲の正統性が危ういんではないかと騒ぎ始めている人たちもいっぱいいるわけですね。それがまた直接選挙への要求にもつながっている部分があるわけですから、そういったものも含めて、先ほど申し上げたように、金を出す、あるいは債権放棄に応ずる、あるいは自衛隊を出す、これはまさに、私は、局地戦、これを点から線に変えて、面に変えていって、イラク自体をどのように平和裏に国として移行できるかのような、積極的なイニシアチブをとってもらいたい、そういうことを私は申し上げているわけです。これはもう要望にさせていただきます。

 石破長官にお尋ねいたしますが、陸の先遣隊が帰ってこられて、報告を受けられて、そして、治安安定という形できょうにも本隊派遣命令が出るかもしれないということでありますが、もうお耳にされていると思いますけれども、時事通信の号外で、イラク西方で、防衛庁が調達をしたトレーラーが銃撃を受けて、そしてヨルダン人の運転手が亡くなる、こういうことがあったという話を私も先ほど聞きました。また、先遣隊攻撃の計画があった、そしてその容疑者と目される人たちを拘束した、こういった話があります。

 その事実関係をどのようにとらえられているのかということと、それから、これは長官は一番よくわかっておられると思いますけれども、今平穏であっても、テロ組織というものが存在をしていて、そして実際問題、テロに屈するなという大前提は理解をしますけれども、自衛隊がイラクに足を踏み入れられたときには東京を攻撃するとか、あるいは自衛隊を攻撃するということでつけねらわれる可能性というのはあるわけです。

 今の状況が平穏であっても、それが未来永劫平穏かどうかなんてわからない。実際にこういう計画とか、あるいは防衛庁が調達をしたトレーラーなんかが襲撃をされ始めているわけですね。それでも計画どおり本隊を派遣するということに日程上狂いがないのか、そのことについて、事実関係の確認を含めて答弁をいただきたいと思います。

■石破国務大臣
 先ほどのコンテナの件は、今委員が御指摘になったとおりであります。ヨルダン人の運転手の方が死亡したということであります。日時、時間等々につきましては、現在のところまだ確認ができておりません。これは、行われた場所がスンニトライアングルの地域ということでございますので、したがいまして、私どもが派遣をしようとしておりますイラク南東部ということではない。報告の中にも、南東部の治安は比較的、比較的と申しますのは他地域に比べて比較的というつもりで私は使っておるのでございますが、このことについては私どもの判断に相違が生ずるということはないというふうに考えております。

 他方、今先生が御指摘の、旧フセイン政権の残党と見られる五名をサマワ市内で拘束したとの報道がある、これについてどう思うかというお話でございます。

 これは、一月二十四日、自衛隊の先遣隊がサマワの警察本部におきまして、御指摘の報道につきまして事実の確認を行いました。事実関係は以下のとおりとのことであります。

 すなわち、私的な恨みから数珠商人が警察にテロリストがいると虚偽の通報をしたため、十九日、サマワ市内セントラルシティーセンターにおいて五人逮捕した、そういうような虚偽の情報が伝えられ、それは私的な恨みによるものであったということであります。五名とも爆弾を持っていないし、自衛隊を標的としたテロ計画もない。警察は一月二十六日、五名を釈放する予定であるということでございます。

 いろいろな情報がございますが、それを精査いたしまして、本当にそれが、自衛隊が派遣をしようとする地域が、これは私どもの考え方で戦闘地域でないということか、そしてまた同時に、自衛隊の持つ権限、能力、装備をもってして危険が防げるのか防げないのかということは、本当に日々刻々確認をしていかなければいけないことだ。これで大丈夫だという思い込みは危険なのであって、本当に日々刻々確認をしていかなければいけないものだというふうに私自身認識をいたしております。

 それから、日本に対してテロ攻撃を加える、あるいは海外にございます日本の権益に対しまして攻撃を加えるというような、いわゆるおどしのようなことがあったらどうするかということでございます。

 それは当然、そういうことに対して、これは国家公安委員会あるいは海上保安庁の所掌になる部分も多々あろうかと思いますが、そういうものに対しては万全の体制をとるということは当然のことでございます。これは自衛隊の海上警備行動や治安出動も含めて、これは先生よく御案内のことでございますし、今後また議論をさせていただきたいと思います。

 ただ、そういうようなおどしがあったから、それではどうするのだ、では自衛隊を撤退させるのかどうかというのは、これはまた別の次元の議論でございます。そのことによって、では法律の要件を満たさなくなるのかといえば、それはそうではない。海外における権益や日本国内におけるテロのおどしがあったからといって、それでは法律の、イラク特措法の枠組みが変わってくるのかといえば、必ずしもそれはそうではない。その時点での判断などといういいかげんなことを申し上げるつもりはございませんが、法律の趣旨からすれば、そのことがそのままイラク特措法に影響するとは考えておらないところでございます。

■前原委員
 一番初めに私がお話をしたように、立場の違いはあれ、派遣された自衛隊員の身に何かあっては困る、そして万全を期していただきたい、そして任務を遂行して帰還してもらいたい、その気持ちは共有をしております。したがって、質問をさせていただいているわけです。

 そして、おどしに屈してはいけない、それはそうなんですが、先ほど申し上げたように、今は平穏であっても、まさに長官がおっしゃったように、時々刻々変わるわけですね。それに対して本当に万全の体制がとり得るのか。

 誤認の情報があったとしても、今回、スンニトライアングルだとおっしゃいますけれども、実際、防衛庁が調達をしたトレーラーが銃撃をされてヨルダン人の方が亡くなられるということが起きているわけですね。しかも、つい最近でしたけれども、グルジアの飛行機がバグダッド空港を飛び立つときに攻撃を受けた、当たらなかったけれども攻撃を受けた。空自は、バグダッド空港でも離発着をするわけですよね。ということは、非戦闘地域、戦闘地域の議論は、同僚の議論に任せますけれども、ゆだねますけれども、そういったところで活動をする。そして、安全対策は万全にするといいながらも、本当に法律の要件が整っているかどうなのか。そして、その本隊の派遣命令を出すのかどうなのか。

 そういったことは、自分自身の身をかけてでもやり切るという気持ちで、それは総理も当然でありますけれども、やってもらわなきゃいけないことでありますので、このことについては、議論しても私は水かけになってしまう可能性がありますので、法律的な議論は同僚に任せますが、最大限配慮をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。

 さて、残りの時間で、近藤総裁もお越しでございますので、道路公団の問題について質問をさせていただきたいと思います。

 総理に、まず、そもそもの議論をちょっと伺いたいんです。

 道路公団、なぜ民営化が必要だと考えられて、これはかなり気合いの入った民営化、民間でやれることは民間だということをおっしゃって、民営化の議論をされてきて、政府・与党のまとめができたわけでありますが、なぜそもそも道路公団を民営化しなきゃいけないと考えられたのか、その点について総理の御答弁をいただきたいと思います。

■小泉内閣総理大臣
 まず、高速道路、あった方が、ない方がいいかというと、ほとんどの人たち、地域を問わず、都市を問わず、地方を問わず、つくってくれという声が多いわけですね。そういう中で、選挙区、有権者の支援にこたえて、全国から選出される国会議員、与野党を問わず、各選挙区を回っております。地域の発展のためにも高速道路は必要だと言いますと、これはむげに断れない。どこの地域においても道路は必要だということで、道路をつくると喜ばれる、これはもう与野党を通じていると思います。

 そういう中にあって、それは、高速道路をつくることができればいいんですが、ただではできませんよ、どこかで負担しなきゃいけない。となると、今の公団方式でやりますと負担が見えない。どんどんどんどん、将来、債務が積み重なっていくということで、後の、将来にわたる世代の負担は大変だな。現在の道路公団方式によって高速道路を建設していきますと、本当にこの債務は返済し切れるのか、国民負担がどうなっていくのかというのが心配だ。やはりここで費用と負担、これをよく考えなきゃいかぬ。

 そういう点から、私は、公団方式よりも民営化方式の方が、国民負担を最小限にして必要な道路をつくるということだと、すぐれているのではないかということで、民営化方式をいかに実現するかで今まで腐心してきたわけであります。

 今後、今までの債務、これを着実に返済していく。そして、民営化の会社ができる道路とできない道路が出てきます。しかし、民営化の会社ができない道路でも、地方に行けば、ここは必要だからぜひともつくってくれという声が必ず出てくるでしょう。その際には、それでは、本当に必要だったら、どれだけの税負担が必要なのか、国がどれだけ負担するのか、地方がどの程度負担するのか、この負担に見合う道路になるのかどうか、これだけ負担してもなおかつ道路が必要かというのは、これは民営化によって私は今後可能だと思います。

 そういう点から、まず、今の公団方式では、真に必要ではない、あるいは負担が過大に大きいところでも国民の要望に沿ってつくっていく傾向が強くなるのではないか、その点を直したい。さらに、コストの面、今の公団方式のコストでやるよりも民営化会社の方が、必要な道路でもコスト削減できるのではないか。同時に、今言われております、公団に関係してくるファミリー企業、これも見直しが可能ではないか。なおかつ、今の道路、通行料金も民営化によって引き下げることができるのではないか。いろいろあります。そして、債務をまず着実に返済していくといういろいろな利点がある。

 そういう点を総合的に考えるということになりますと、現在の道路公団方式よりも民営化方式の方が、国民負担を最小限にしながら必要な道路を建設可能ではないかという観点から、やはり民営化がいいのではないかということの検討を始めて、ようやくその具体案がまとまりつつあるということでございます。

■前原委員
 民営化推進委員会というものがあって、今、空中分解していますね。二人しか残っておられない、こういう状況であります。

 そのことについては後ほどおいおい伺うとして、今、総理がおっしゃった、今の道路公団方式では負担が見えない、こういうことですね。では、今度の政府・与党でまとめられたものについて、負担が見えるのかということを伺いたいと思うんです、見えるようになったのかということについて。

 一つは、リース方式というものを採用する。つまりは、民営化された道路公団については、既設の、既存の道路の維持管理を行うということが言われている。そして、民営化会社は、この与党・政府の申し合わせによると、利潤を求めないということが書いてあるわけですね。つまりは、維持管理だけに充てて、通行料金を決めて、そして借金返済は保有管理機構にリース料として払い続ける、こういう話になるわけですね。

 となると、利潤を求めなくて通行料金を設定して、そして、上がった通行料金、上がりについては利潤を出さずに保有管理機構に渡すということになれば、ロジックとして、この民間会社が新たな道路建設ができますかということが一つと、保有機構に借金を任せて、そして新たな道路をもしつくるとして、そうしたら、つくるまでは責任を民間会社が持つけれども、つくった後は借金も地べたも保有機構に任すということになれば、その保有機構は今の公団以上に目に見えないものになるんじゃないですか。

 ということは、今総理がおっしゃった、今の公団方式では負担が見えないということは根本的に解決されない、保有機構は。上下分離で、つまりは土地を保有し借金を保有する、そういうところに償還主義、プール制というのは残るんですよ、結果的に。

 そして、本当に必要なところは民間会社が考えてつくればいいというけれども、上がりは利潤を出さずに上納させられて、そして新たな道路をつくれといっても、これは無理ですよ、だれが考えたって。その批判についてはどうお答えになりますか。いやいや、総理。