159回-衆-予算委員会-02号
2004/01/26 (2P/5P)
■小泉内閣総理大臣 答弁しておりますように、ブッシュ大統領との会談の際にも、今申し上げたようなことは重ねて申し上げております。いかに国連を関与させるか、国連を重視していくか。これはいろいろなブッシュ大統領との会談でも申し上げております。アナン事務総長に対しても、中山元外務大臣特使を派遣して、国連ができるだけ関与すべきだということも話しております。また、フランス、ドイツにも、橋本元総理を、特使を派遣してやっております。エジプトにも、私自身、ムバラク大統領と会談して、エジプトと日本が協力してイラク復興支援のために何ができるか、具体的に進めていこう。いずれも、総合的に考えて、具体的に日本は、口だけでなく行動でやっているんです。
■前原委員 その成果というものを、努力したプロセスというものを、国民に開示をしてもらう、そしてまた、どれだけ進んでいったのかということをしっかり示してもらうということが必要だと思うんです。
僕は、対米追従ということがよく言われます。そこの一つの大きな問題点というのは、そういった努力のプロセスというものを国民にしっかり見せる、そしてアメリカにも嫌なことを言っている、そして国連にもちゃんとした働きかけをしている、それがどういう結果を生んだのかということを示すことが、私の申し上げている大外交であり戦略外交なわけですよ。そういうことが、では、ブッシュさんとどういう話をされて、ブッシュさんからはどういう回答があったんですか。今、ブッシュさんと会談して、いわゆる復興支援排除の問題でも、ほかのところを関与させるべきだとおっしゃったんだったら、ブッシュさんからどういう回答があったんですか。しかし、その他国の排除の話というのは全く今までの状況とは変わっていないじゃないですか。
ということは、小泉総理のアメリカに対する申し入れというのは無視されたということなんですか。そのことを聞いているわけですよ。
■小泉内閣総理大臣 その御指摘は全く当たらないと思っています。
よく、私がアメリカと協力すると、アメリカ追随と言います。これは全く当たらない。アメリカと緊密な協力というのは日本外交にとりまして大事であります。そして、アメリカに対して、多くの国に門戸を開放すべきだと。現にアメリカはその努力を続けております。同時に、日本としてはこれからも、国連の関与に対しまして、国連にも働きかけておりますし、その都度やっておりますが、報道されている部分が小さいのは事実であります。報道はやはりイラクに自衛隊に対する派遣だけを大きく取り上げるでしょう。
ブッシュ大統領も、そういうことを考えながら、決してブッシュ大統領のやっていることが世界から全部歓迎されているとは思っておりませんけれども、ブッシュ大統領なりアメリカは、アメリカ一国でやっているということを好ましいとも思っていないし、できるだけ国連の関与を強めていこう、国際社会と協力していこうということで現実に動き出している。この点は、よく事実を見れば明らかだと思っております。
■前原委員 引き続き午後また議論させていただきたいと思います。
■笹川委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午前十一時五十一分休憩
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午後一時開議
■笹川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。前原誠司君。
■前原委員 民主党の前原でございます。
午前中に引き続き、イラク問題について質問をさせていただきます。
午前中私が申し上げたことは、戦争の経緯、イラク攻撃への大義の問題については政府と我々は全く違うけれども、今のイラク復興支援については、国連決議もこれあり、しっかりやっていかなくてはいけない、そういう思いでは共通していると。しかし、今の政府のやり方というものが、私は、局地戦、つまりは、お金を出す、これも大事かもしれない、債権放棄、これも大事かもしれない、そして自衛隊を一部出す、これは立場は違うけれども、そういうことをやられている。それをしかし、イラクの復興を全体と位置づけないで、今のイラク自体をどういうふうに国として、民主主義国家として立ち上げるのかというところの、そういったグランドデザインというものを、それだけの支援をしているのであればしっかりやっていくべきではないか、こういう質問を私は総理にしておりました。
そこで、取り組みについて、午前中少しやりとりをさせていただいたわけでございますが、私が今持っている問題意識というのは、六月に暫定政権というものができるというふうになっていますけれども、そのプロセスの中で非常に大きな問題が出てきている、それをうまく乗り越えなければイラク人による政府というのはできないのではないか、それに対してもっと日本が積極的にかかわるべきだし、そしてその役割を果たしていますか、果たすべきではないか、こういうことを申し上げているわけです。
私が戦略外交、大外交と申し上げたのは、例えば、復興支援からアメリカに、イギリスに協力しなかった国を排除するよというものをやめて、すべての国がイラクの復興に協力できるような仕組みを、アメリカにしっかり物を言うということ、それがまず一つです。
それから、アメリカさえも、国連関与、選挙監視について関与してほしいということを言ってきた。しかし、これは午前中にも申し上げたけれども、国連自体が、デメロさんの死亡を初め大きな損害を出して、人的な犠牲も出して、非常に逃げ腰になっている。しかし、私は、今国連が関与しなければ、一体何のための国連なのかということを国際社会から言われる、そういった国連の関与というものも、日本はしっかりと国連に対して、アナンさんに対しても言うべきではないか。そういうことをしっかりされていますかということを私は申し上げました。
アナンさんには中山特使を送ったということを言われましたけれども、それについてどういう実績があったのか。そしてまた、復興支援事業について、協力をしなかった国を排除するよ、それに対してはブッシュさんにも言っているとおっしゃいましたけれども、言って、それがどうであったのか、どういう前進を見たのか見ていなかったのか、そして引き続きどういうことをやろうとしているのか。もう一度、この二点について総理に御答弁いただきたいと思います。
■小泉内閣総理大臣
午前中も答弁いたしましたが、まず、国際社会のできるだけ多くの協力を得るようにアメリカに対して努力すべきこと、これはもうブッシュ大統領にも直接言い、また関係者等に各レベルを通じて申し上げております。
国連が出ていくべきだということに対しても、アナン事務総長に対して中山特使を派遣しまして、そのような日本の考え方を申し出ております。
これはすぐ効果が出ていないのではないかというお話ですが、これは私は、実際にそういう努力をアメリカもしているし、国連も今真剣に考えてきた、そういうことが、これからの六月に向けて、暫定統治評議会、イラクにイラクのための政府をつくるためにどういう政治プロセスがいいかということにも出ているんじゃないか。もちろんすぐ効果が出るわけではありませんが、そのような必要性は、アメリカも国連も今前原議員が言われたような必要性は感じていると思います。日本としても、そのような努力は今後とも続けていきたいと思っております。
■前原委員 その上で、より日本が行うべきことは何があるんだろうかということで、これは私も、建設的な提案も含めて総理と議論させていただきたいと思うのでありますが、今イラクで問題になっている一つは、先ほど申し上げたように、治安の問題とか、あるいは雇用が足りないという問題が起きています。
これについては、先ほどもお話ししたように、国際社会が関与するような状況をつくれば自然に治安も安定してくるし、そしてまた日本だって、自衛隊を出すといったらサマワにODAを出そうということになるわけですね。やはり局地で何かの協力、関与をしようと思えば、そういった支援をやらなきゃいけない。そうすると、そこにまた雇用が生まれてくるかもしれないという話になってくるわけです。ということは、多くの国が関与をすることによって、治安も雇用の問題も解決するかもしれない。そして、その努力はしているということをおっしゃいました。
では、それをさらに強めていくために、私はこういう提案をしたいんですね。
今イラクで問題になっているのは、今の統治評議会が定めた間接選挙でいいのかどうか。特に、六割を占めるシーア派が直接選挙をやってくれと言っている。中東、イラクの専門家の方は、仕事を欲しいというデモが、これが直接選挙の要望とつながってきたときには大変大きな暴動になるかもしれない、そして、それがひいては治安を悪化し、そしてイラク人による統治の移行に対して大きな妨げになるかもしれない、こういう話があります。
つまりは、今まさにアメリカさえも国連に関与してほしいというふうに言っているのは、国連が関与することによって、CPA、アメリカ、イギリスのそのグロテスクさを一歩引いて、そして、イラク人による政権移譲というものをやらなきゃいけない、アメリカさえもそういうふうに思い始めているわけですね。
ということは、その議論というものを例えば日本がほかの国にも訴えて、国際会議という形でもいい、復興支援会議というものでもいい、その直接選挙というふうなことを認めるのか認めないのか、今の統治評議会というものの前提でまずはスタートしろということを認めるか認めないか。それも含めて、やはり国際社会がある程度のコンセンサスを得なければ、私は、イラク人による統治というものはできなくて、結局は、個別で努力をしたことが水泡に帰する可能性があるわけですね。そういった仕組みをつくるために日本が果たすべき役割、例えば、国際会議を開いて、そしてそういったさまざまな国の意見調整をしましょうよ、こういうことを呼びかけるということも、私、一つの案であると思うんです。
今の私の発言についてどう思われるか。それと、直接選挙の要望が出ている、あるいは、今の統治評議会を前提とした間接選挙でいいと思われるのか。そのことも含めて、二つ御答弁をいただきたいと思います。
■小泉内閣総理大臣 イラクの統治がどうあるべきかということについて、できるだけ、暫定統治評議会、国連を含めた国際社会が関与するべきだということについては私も賛成であります。
それと、間接選挙がいいか直接選挙がいいか。これは非常に難しい問題で、私は、今イラクが自分たちの国をつくろうとして努力している。そういう中にあって、だんだんだんだん、ああ、自分たちの国民でイラクの政権を立ち上げることができるんだなという状況が生まれてくれば、やはりイラク国内の勢力争いも影響力争いも出てくると思います。その辺が非常に難しい問題で、今の時点で、直接選挙というのがどうあるべきかという点も難しい問題です。同時に、直接選挙が六月に実施できるかという現実の状況も、難しい問題が多々あります。
いずれにしても、間接選挙がいいか直接選挙がいいかというのは、現実の、執行できるかという可能性も含めて、できるだけイラク国民に判断をゆだねる、またそれを尊重していく、そして国際社会がこれを支援していくということが私は必要だと思っております。(前原委員「国際会議の話、復興支援会議の話」と呼ぶ)
この点についても、今、国際社会がどのように関与していくべきかということについては、日本としても、よくその状況を見きわめながら、日本として何ができるか、またどういうことを日本としてやっていったらいいかという中で考えていきたいと思います。
■川口国務大臣 若干事実関係に関することがございますので、申し上げさせていただきたいと思いますけれども、委員が御案内のように、この直接選挙か間接選挙かということについては、国連が三者会談の後、調査団を送るということを検討するということになっております。日本としては、この調査団が早く送られるようにというふうに考えておりまして、これについては、そんなに時間がかからないで国連は結論を出すのではないかというふうに期待をしているわけでございます。
それで、先ほど総理がおっしゃいましたように、直接か間接かというその二者択一という構図よりは、恐らくもっといろいろなことを考えなければいけないんだろうと思います。それを考えるときの基準というのは、やはり民意が反映される制度であるということと、それから十一月十五日に合意をしました政治プロセス、これが時間どおりに行われるということ、それから実現できるかどうか、この三つを考えて、その基準に照らして一体どういうことがいいのかということを考えていくことだろうと思います。
実際に、もう今までずっとフセインの政権のもとであったわけで、政党法もなければ基本的な選挙についての法律もない、それから選挙人名簿もないわけでして、そういうような状況、それから、国内の先ほど委員がお触れになられたプロセスで満足をどのように落ちつかせていくかということが課題でありますので、外で国際会議を開いて、それで国際社会の合意を見るという以前に、国内で幾つか詰めるべきこと、あるいは合意をとるべきための努力ということが今必要な段階であろうと思います。
■前原委員 二つ申し上げたいんですが、先ほど総理が、直接選挙か間接選挙かということについては、基本的にはイラク人に任せるべきだ、そういう話でしたけれども、くしくも総理がおっしゃったように、もうお互いの勢力争いに入ってきているわけですね、イラクの中では。ということになると、私は、それを、まあ丸投げするということになったらそれは誤解があるかもしれませんが、イラク人に任せるということになっても、なかなかやはり難しいんだろうと思うんですね。そこは、まさにアメリカさえも国連の関与というものを求めたということは、国際社会がそれに対しては真剣にかかわっていかなくてはいけないということを私は日本もしっかり認知すべきなんだろうというふうに思うんです。
そこで、先ほど川口外務大臣が、国際会議なんかをやる以前に整理しなきゃいけないことがたくさんあるということなんですが、まさに私は官僚の発想なんだろうと思うんですね。
つまりは、首脳が集まってトップダウンで決めるというのが私は国際会議の意義づけであって、そういったやはり大国間あるいは主要に関与する国々が、あらあらの問題というものをどのようにやっていくのか、また、それが集まることによって政治メッセージとして国連を促す、あるいはイラクに対してのメッセージにもつながる、そういうことも私はあり得ると思うわけです。
もう一度申し上げますが、そういう意味も含めて、国際社会が一堂に会して、イラクの復興、今言われた暫定政権の移譲に向けての取り組みというものも、私は日本がイニシアチブをとるべきだというふうに思いますが、もう一度、総理、御答弁いただきたいと思います。
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