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158回−衆−イラク特別委員会−03号 2003/12/15 (3P/4P)
(国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会)


■小泉内閣総理大臣
 私は、国際協調体制を築いていくべきだ、国連の関与を強めていくべきだということは事あるごとにアメリカ側にも表明しておりますし、フランスにおいても、ドイツにおいても、国連においても、米英軍の駐留は認めております。撤退しろなんて一言も言っていません。むしろ国連も、今イラクの復興支援にどうかかわろうかと真剣に悩んでいる、そういう状況で、私は、日本としては、米英軍のみならず、国際社会、フランスもドイツも含めて、関与する形でこのイラク復興支援に当たるべきだという考えを持っておりますし、その努力を続けております。

■前原委員
 政治家というのは、そういう考え方を持っていて、ではどう行動するのかと。特に、総理は日本国の、まさに国連へ拠出をしている第二番目の大国の総理ですよ。

 ある新聞社のインタビューに前の国務次官補のジョセフ・ナイさん、この方が答えているのはまさに、これは我々と根本の立場は違いますよ、つまりはジョセフ・ナイ氏は、日本が基本計画をまとめて、そしてアメリカに協力することは、それはよかったという前提で言っているんです。それは率直に認めた上で、彼はどう言っているか。巨額の費用も出す、そして実際問題自衛隊も出す、それだけの貢献をする日本が、そういった協力というものをてこにしてアメリカの単独主義行動を、いかに国際社会が協力してそれが構築できるようにするか。そういうために、それをてこにしっかりとアメリカに対して物を言うべきではないか。そして、アメリカも実は国務省と国防総省の中での路線対立がある。そういったものをしっかりと日本も踏まえた上で、人も出す、そして資金も出す、それをてこにして、アメリカにも働きかける、あるいはフランスやドイツにも働きかける、ロシアにも働きかける、そういった努力をすべきではないかということをおっしゃっている。我々は本当にそういう思いを持っています。

 今、総理からは、方向性としてはそういう思いを持っているとおっしゃいましたけれども、ではどういうアクションを起こすのか、どういう行動を一国の総理として行われるのか、そのことについての決意をお伺いしたい。

■小泉内閣総理大臣
 方向性も一致しておりますが、実際の努力も今まで私はしてまいりました。ブッシュ大統領に対しても、シラク大統領に対しても、シュレーダー首相に対しても、同じであります。これからもその努力は続けていかなくてはなりません。

■前原委員
 ぜひ積極的に努力はしていただきたいと思います。

 また、先ほど少し触れましたけれども、このたびウォルフォビッツ国防副長官が、アメリカに協力しない国は復興支援事業から外す、こういう物言いをして物議を醸し出しております。おもしろいのは、ネオコンの代表者と言われているウォルフォビッツのその発言に対して、ネオコンの論理的な形成者であると言われている人たちが、愚かだ、こういう発言をしているんですね。ウィリアム・クリストル、ロバート・ケーガン両氏、この両氏はネオコンのいわゆる論理的な支柱というふうに言われていますけれども、その人たちでさえ、何というばかげたことをやっているんだ、発表しているんだと、こういう言い方をしていますが、この協力した者しか復興事業にかかわらせないというアメリカ、特にこのウォルフォビッツ国防副長官の発言に対して、総理はどういうふうに思われますか。

■小泉内閣総理大臣
 私は、アメリカ一流の外交的駆け引きもあるんだと思います。これからイラクの債権問題も絡んでおります。結果を見守らなきゃどういう結論になるかわかりませんが、今国際協調体制をとろうと努力している最中でありますので、見通しについてははっきり申し上げる段階にありませんが、私は、国際協調体制をつくるためにも、今回のほかの国を排除するということについては感心しておりません。

■前原委員
 総理が指摘をされたように、外交的なカードに使おうとしている部分もあると思います。十五日からですから、日本でいえばきょうからですか、ベーカー元国務長官がヨーロッパを訪問されて、まさに先ほど話をしたドイツ、ロシア、フランスなどの債権放棄について話し合うと。その前に発表したというのは、まさに総理が指摘をされた部分もあると思いますけれども、ぜひ今答弁をされたように、感心しないということは日本の立場として、私、ちょっとある表を見て驚いたんですけれども、日本の五十億ドルというのは相当な額なんですよね、割合なんですね。

 つまりは、一番お金を出しているのは、今総額で決まっているのは五百五十億ドル、それで、その中でアメリカが出そうと議会が承認したのが百八十六億ドル。その中で、二番目に出すのが、当然これは日本、五十億ドル。一方の攻撃の主体であるイギリスなんて本当に微々たるものですね、EU全体で八億ドルぐらい。そのぐらい大きなお金を出そうとしているわけです。

 これについては、それは立場によって意見の相違があるかもしれませんが、私は、やはり、それぐらいのお金も出す、そして、今おっしゃったように感心しないということであれば、しっかりと発言をする、物を言っていく。

 特に、私は、こういう民主主義国家においては、トップだけが外交の機微をわかっていて外交を進められるような状況ではないと思うんですね。国民の理解、世論の後押しがないと外交というのはなかなかできない。長いスパンで考えたときに、本当に同盟関係が必要ということを思うのであれば、アメリカに対しても言うべきことを言っていかなければ、常にアメリカに対しては弱腰だと見たら、国民が同盟関係に対する疑問を呈する。そういう意味からも、感心しないとおっしゃった総理のその言葉をぜひしっかりとアメリカにも発言をし続けていただきたいというふうに思います。

 さて、次の論点について質問をさせていただきたいと思います。

 まず、総理、イラクにおいて戦争というのは終わっているんでしょうか。アメリカが攻撃をした、アメリカ、イギリスによる攻撃が行われた。アメリカは戦争終結宣言をしましたけれども、本当に戦争は終わっているんでしょうか、どう思われますか。

■小泉内閣総理大臣
 私は、イラクにおいては、主要な戦闘は終結したけれども、完全に戦闘状況は終わっているというふうには見ておりません。危険な地域もあるでしょう。テロの攻撃もあるということを見れば、完全に終結したとは言えないと思っております。

■前原委員
 ということは、非戦闘地域、戦闘地域という概念というのは、これは法律の求める要件ではなくて、今の総理だと、実際問題、戦闘地域もある、イラクの中には。そういう判断でいいですね。

■小泉内閣総理大臣
 実際において、私は、非戦闘地域は存在すると思っております。

■前原委員
 いや、私が伺っているのは、戦闘地域があると。

■小泉内閣総理大臣
 非戦闘地域があるということは、戦闘地域もあるということであります。

■前原委員
 それでは伺いますけれども、二人の外交官が亡くなられたティクリートあるいはバグダッド、そしてそれを一つの三角形の一辺にするスンニトライアングルと言われる地点、これはまさに、いろいろな事件、テロあるいは反撃、そういったものの九三%が集中していると言われている地域ですね。あるいは、日本が今度出すサマワ、これは南部の方でありますが。ティクリートは戦闘地域ですか、バグダッドは戦闘地域ですか、あるいはサマワは戦闘地域ですか。総理がお答えください。

■小泉内閣総理大臣
 現時点で、どこが戦闘地域とかいうことを限定することは難しいと思います。

■前原委員
 だったら、何をもって戦闘地域があると判断されたんですか。総理がお答えください。

■石破国務大臣
 結果としてそういうことは起こり得ることでございますが、この法律において求められていることは、イラクを戦闘地域、非戦闘地域というふうに二分をすることではなく、自衛隊が活動する地域は非戦闘地域でなければいけないということが求められておるわけでございます。

 現象として、国または国に準ずる云々という現象がイラクの中で起こっている、それは否定し得ないことで、総理がお答えになったとおりでございますが、この法律において求められていることは、自衛隊が活動するところは非戦闘地域ということは委員御案内のとおりでございます。

■前原委員
 総理は明確に戦闘地域があるとおっしゃったんです。戦闘地域があるし、非戦闘地域があるとおっしゃった。

 私どもが問題としたいのは、これは送られる自衛隊員のためでもありますが、法律の要件で線引きをする概念で話をしたいと思っているんじゃないんです。実際問題、イラクの現状に合わせて線引きをしなきゃいけないと思っております。そのときに、この地域はどうですかということについて答えられないというのは、戦闘地域がある、非戦闘地域があると、実際においておかしいじゃないですか、それが言えないというのは。

■石破国務大臣
 それは午前の質疑でもお答えをしたことでございますが、私どもは、非戦闘地域でなければ活動してはいけないということがまずございます。しかし、それが国、国に準ずる組織であろうがなかろうが、自衛隊が持ってまいります装備あるいは与えられた権限、持っておる練度等々からして、これはとても危険を抑止もしくは回避することができないということになれば、その地域において活動するということは抑制的でなければいけない。

 それは、相手の主体が何であるとしても起こっておることは同じ。そして、能力、装備、権限、それで回避できないとすれば、そこでは活動できない。これは何ら矛盾をするものではございません。そこは委員おわかりいただけると思います。(前原委員「わかりません」と呼ぶ)わかりませんか。

■前原委員
 法律の概念で線引きをしなければいけない、つまりは、法律の要件というのは非戦闘地域しか自衛隊は出せない、そういうおっしゃり方はわかります。しかし、現実に送られる隊員からしてみれば、そんな法律の概念で、非戦闘地域と戦闘地域を分けて、その非戦闘地域というものしか送れないということではなくて、実際にイラクに送られるわけですよ、自衛隊員は。そうしたら、送られるところが戦闘地域か戦闘地域でないのかということを確定するのは、決めるのは当たり前じゃないですか。だから私は聞いているわけです。ティクリートはどうですか、バグダッドはどうですか、サマワはどうですかと聞いているわけです。

■石破国務大臣
 それは、現段階におきまして、基本計画を閣議決定したという段階でございます。それは実施する区域の範囲を定めただけのものでございまして、現在、実施要項というものを策定中なわけでございます。そこにおきまして、活動する区域の範囲というのは、それは非戦闘地域ということになるということでございます。

 それは、委員おっしゃいますように、この条文において、現に戦闘が行われていないところ、そしてまた活動の期間を通じて戦闘が行われることを予測されない地域で活動するということになっておるわけでございますが、同時に、この法律の組み立て方からいたしまして、自衛隊の権限、能力、装備をもって危険が抑止、回避できなければ、それはやはりその地域において活動はできない。二つの意味があるということは御案内のとおりでございます。これは決して矛盾するものでも何でもございませんし、派遣される隊員にさらなる負担をかけるというようなことは排しておるものだと私は思います。

■前原委員
 ですから、ティクリートはいいですよ。ティクリートは外しますが、実際問題、航空自衛隊を送ることになれば、クウェートあるいはアンマンから実際、バグダッド空港に対しての空輸というのはあり得るわけでしょう。そしてまた、サマワに送るということが言われていますよね。ということになれば、我々からすれば、あるいは自衛隊員一人一人でもいいけれども、単純な質問として、バグダッドは戦闘地域ですか、サマワは戦闘地域ですかと聞くのは何の問題があるんですか。そのことを率直にお聞かせいただきたい。それだけですよ。