158回−衆−イラク特別委員会−03号
2003/12/15 (1P/4P)
(国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会)
■斉藤委員長
次に、前原誠司君。
■前原委員 民主党の前原でございます。
まず冒頭に、先般イラク・ティクリートで亡くなられた奥大使、そしてまた井ノ上一等書記官、立派な外交官で、また外交官としての使命を果たされたその二人に心から敬意を表し、またお二人の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。
さて、総理が出ておられますので、総理中心にお答えをいただければと思います。
まず、我が党の、今回のイラクへの派遣についてスタンスを述べさせていただきたいと思います。
我々民主党は、現時点において、イラクに自衛隊を派遣することには反対であります。大きく二つの理由があります。
一つは、この戦争そのものの大義が問われている。つまりは、国連決議も、一四四一、これは総理もあるいは川口外務大臣もお答えになっているように、これ自体が武力行使を認めた国連決議ではなかったということ。そして、多くの国際社会がさらなる査察の継続というものを求めていたにもかかわらず打ち切って、アメリカによる、あるいはイギリスによる攻撃が行われた。そして、その大義として最も言われていたのが大量破壊兵器、昨日フセインが、元大統領が拘束をされたということで、この大量破壊兵器の問題についても新たな展開が図られるかもしれません。しかし、大量破壊兵器があるあると言って、九カ月も見つかっていない。つまりは、あり場所もわかっていて、しっかりその証拠を握っていて、そして攻撃をしたならまだしも、攻撃してみて捜したらあるだろう、そんないいかげんな大量破壊兵器疑惑の中で攻撃が行われた。そして、その攻撃を行ったアメリカ、イギリスが占領統治を行っている。これに対して、多くの国民あるいは世界の人たちもこの戦争に対する正当性を疑っている。私どももそういう立場であります。
二つ目には、この法律、イラク復興支援特別措置法という法律が想定をしているイラクの今の治安状況というものが、果たしてこの法律が想定をしたものに合致しているかどうか、この点が極めて私は疑わしいというふうに思っています。よく言われるように、戦闘地域、非戦闘地域の区別というものが果たしてできるのか、そういった問題と同時に、まさに戦争が続いているというふうにも考えられる。戦闘地域に初めて自衛隊を送る。あのテロ特措法による支援というのは、あれはインド洋でした。つまりは、アフガニスタンという現地に行っていない。初めて戦地に赴く法律になる、憲法上大丈夫か。そしてまた、法律に照らし合わせてその前提が整っているかどうか。我々は整っていないという判断をしています。
その二点から、我々は、大きく言いまして、現時点において、基本計画に基づくイラクへの派遣については反対ということを申し上げているわけであります。その点について少し議論をさせていただきたい、詰めていきたいと思います。
まず総理にお伺いしますが、大義なき戦争と言われる。私はこの間、基本計画を発表された後の総理の記者会見、ずっと聞かせてもらいました。すべて聞かせてもらいました。そのときに私が思ったのは、イラクの復興支援に国際社会が協力をすることの必要性、それからテロに屈せず、そして日本もその戦線に参加をするという必要性、そしてまた日米同盟関係が必要だという説明、この三つに何ら異存を挟むものではありません。
しかし、先ほど申し上げたように、その奥にあるもの、つまりは大義なき戦争ではなかったのかと言われているものに対して、では、十分あの記者会見で総理は説明をされたかどうかといえば、私は十分ではなかったと思います。
国連決議については、湾岸戦争のときの六七八、六八七を引っ張ってきて、また正当性があったという話をされるんでしょう。これはもう水かけ論になりますから、そこは結構でありますが、査察を継続すべきであったということと同時に、大量破壊兵器が未発見である、あるいはアメリカ、イギリスでも問題になっていて、イギリスではその当事者が自殺をされた。情報操作の疑い。
こういったものについて、どう日本政府として説明をされるのか。総理の口から国民に対して説明責任を果たしていただきたい。
■小泉内閣総理大臣 これは、イラク支援法が七月成立いたしましたけれども、その場でもよく議論した段階であります。結論からいうと、見解の相違なんです。
私は、国連憲章にのっとって、大義名分があるということで支持したんです。そしてイラクに安定した民主政権をつくる。テロの温床にしてはいけない。私は、十分大義名分があったと思っております。
■前原委員 ですから総理、見解の相違で片づいたらこういう議論は要らないんです。
つまりは、今申し上げたように、国連決議の正当性については見解の相違でいいかもしれない、それは解釈の違いでいいかもしれない。私が申し上げているのは、大量破壊兵器がまだ見つかっていませんね。査察継続の必要性が国際社会の中でも言われた。あるいは情報操作についても、アメリカ、イギリスでも、非常にその点については問題ありということで非難されている。そのことについても日本の総理大臣として、支持を表明された総理大臣として、我々国民に説明責任を果たされるべきではないか、そのことを聞いているんです。
■小泉内閣総理大臣 それは、イラクが過去大量破壊兵器を使用していたこと、国連の調査団が現に大量兵器を過去発見していること、そして国連であれほどの決議を与えていながら国連の調査団を妨害したこと、こういうことの時点で私は十分大義がある、説明責任を果たしていると思っております。
■前原委員 そんなものは全然説明責任を果たしたとは言えないんですよ。つまりは、クルド人に対して化学兵器を使ったということ、それはだれもが知っていること、化学兵器を開発していたということもだれもが知っていること。しかし、九割の化学兵器が廃棄をされて、残る一割はどうなのかということでまさにせめぎ合いが行われていたわけです。
今の総理の御答弁では、過去に持っていた、使った、そして発見された、だから化学兵器が大量破壊兵器違反だ、これはむちゃくちゃな飛躍、そして余りにもアバウト過ぎる、大ざっぱ過ぎる。つまりは、その一割のものをどう捜すのかということでせめぎ合いをしていたんじゃないんですか。IAEAにしたってUNMOVICにしたって、さらなる査察の継続を主張していたんではないですか。だから、その意味では説明責任は全然果たされていませんよ。総理が答えてください。
■小泉内閣総理大臣 それでは、なぜフセインが拒否したのか。フセインがいいとは恐らく前原さんも言っていないと思うんですけれども、あのときフセインが受け入れれば戦争は起こっていないんですよ。なぜ受け入れなかったのか。それが私はおかしい、その方がおかしいと思っています。
■前原委員 総理、一国の総理は、事実認識をしっかり踏まえて話をされた方がいいと思うんですね。
一四四一という国連決議を踏まえて、フセインは一たん査察を受け入れたんです。受け入れたけれどもサボタージュをし、せめぎ合いをしていたんです。
つまりは、今までも過去、大統領宮殿の査察を受け入れる受け入れないでせめぎ合いがあった。それは当然そうでしょう。自分たちも一番捜してほしくない、あるいは見せたくないところ、それは化学兵器の問題でないかもしれない。しかし、それをまさに国際社会のせめぎ合いの中で、またいろいろな支援と引きかえの中で、あるいは圧力との関係の中でそれをどんどん攻め込んでいって、そしてさっき申し上げたように、IAEAとUNMOVICは、もうちょっとやらせてくれ、そう言っていたにもかかわらず、それで戦争に踏み込んだのは正当性があるというのは、物すごく論理の飛躍であり、フセインがすべてを拒否していたというのは、それは事実に反しますよ。総理が答えてください。
■小泉内閣総理大臣 これはもう七月でもさんざん議論した、同じ問題ですよ。もう何回も質問され、何回も答弁しています。即時、無条件、無制限にフセインは受け入れなきゃいけなかったんですよ。それをすれば戦争は起こっていないんですよ。
■川口国務大臣 これはまさに総理がおっしゃっていらっしゃるようなことであるということに尽きてしまうんですけれども、大義、WMDがあったかどうかということについて言えば、これは実際に、総理がおっしゃっているように、あった、それを一四四一によってフセインが見せなければいけなかった、それをやらなかったわけですね。そのときに、一四四一は幾つかのことを全会一致で決定をしています。
まず、六八七等の関連決議、これは停戦決議ですけれども、それに、関連決議に重大な違反を犯し続けているということを決定しています、全会一致で。それから、その最後の機会を与えるということも、これも決定をしています。そして、イラクが完全なる協力を行わないことはさらなる重大な違反であるということも決定をしています。それから、継続的な義務違反の結果深刻な結果に直面するという警告をやっている。それで、これについてどういうような状況で武力行使をするかどうかということを判断するのは、それぞれのメンバーの判断であるわけです。
したがって、アメリカはそれに基づいて判断をし、武力行使を行ったということでありまして、全く問題はない、正当性はあるということでございます。
■前原委員 いや、それは、語るに落ちるというのはそういうことで、アメリカがそう思ったということを最後におっしゃっている、実際問題。つまりは、即時というのはだれが決めるかというと、アメリカの決めたことについて、日本もそうですねとしり馬に乗っているだけじゃないですか。ほかの国々は、即時といっても、もう少しの査察の継続が必要だというふうに言ったわけでしょう。ということは、まさに、情報はすべてアメリカから丸のみ、受け売り、そしてアメリカの言うがままの決定を下したということだけじゃないですか。
それが、何も問題がなかったんだというふうに居直るということは、私は、主権国家として、後で質問しますけれども、自国の情報収集能力がこれだけ欠けていて、他国に頼りっ放しで、そして、他国から得た情報で、そして自国の判断を立派にやったんだと言える内閣総理大臣、私はちょっと見識を疑いますね。つまりは、どういう情報に基づいていたのか、そして、国際社会がどういうその解釈でしていたのか。違うわけですよ。まさにアメリカ寄りの解釈で行ったということ。まあこれも見解の相違と言われれば見解の相違かもしれません。
先に行きましょう、もっと聞きたいことがありますから。
私は、アメリカと同盟関係というのは必要だという認識を持っていますが、ちょっと切り口を変えて、総理、二つのことを聞きたいと思います。同盟関係を続けていくに当たって、二つのことを聞きたいと思います。
一つは、以前にも総理にお答えをいただいたことです、同じ御答弁で結構ですが、ブッシュ・ドクトリン、つまりは、先制行動に対するブッシュ・ドクトリンについて、私が総理に以前伺いました。戦後の国際社会で、国連加盟国が他国を攻撃していいのは、二つの例外しかない。自衛権の行使と、国連決議があったとき、この二つだと。つまりは、今回は、見解の相違かもしれないけれども、一応、六七八、六八七という国連決議があって、何とか体裁を整えられたけれども、今後はわからないですよ、先制攻撃。
つまりは、もう一度お答えをいただきたいんですが、この二つの例外以外は認められない、いかに同盟国であるアメリカが攻撃を行ったとしても、それは、二つの例外以外の先制攻撃は認めないという日本の立場は変わりないのかどうなのか、その点について簡単にお答えください。総理に聞いています。
■小泉内閣総理大臣 私は、米国の先制攻撃論、こういうことに対してどう思うかということについては、前回の国会でもたしか答弁しているはずでありますが、日本としては、米国は国連憲章を初めとする国際法上の権利及び義務に合致して行動するものと考えておるし、また、我が国が国際法上違法な武力行使を支持しないということは当然であるということを前回にも答弁しているはずであります。この答弁に今も変わりありません。
■前原委員 これは大事なところですので、今後の日本の外交を決めていく上では、私は、この答弁というのは極めて必要な答弁だ、重要な答弁だと思いますので、確認をさせていただきました。
もう一つ。アメリカが小型核というものを、今までは研究段階でしたけれども、実際問題、予算もつけて、これから開発に踏み切ろうとしていますね。この間、日本は国連に対して大量破壊兵器の全廃に対する決議を出して、そして、その提案国になりました。アメリカはその決議に反対をした。
この小型核の研究から、実戦に使うことを前提としての開発、これに踏み切ったことに対して総理はどう思われるか。
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