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157回−衆−テロ特別委員会−02号 2003/09/30 (2P/3P)
(国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員)


■前原委員
 私は、どこまで主体的に日本政府として、情報を単に、ああそうですかということで聞き流さずに、それについての裏をとっているか。だれも、その無線傍受の内容を一つ一つ細かく教えろとか、あるいは、どの船舶が船舶検査をして何人捕まえたとか、今ここで言えなんということは僕は一言も言っていないんですよ。

 この間、これは前の通常国会でやりましたけれども、捕捉をしたテロリストたちの、つまりは氏名とか、あるいはどういった活動をしていたのか、ちゃんとそういうことも含めて情報を得ているんですか。得ているか得ていないかを聞いているんです。そこまで日本政府として主体的に、みずからが参加をしている活動に対してコミットメントしている意思を持ってやってきたかどうかということを聞いているわけです。別に、一つ一つの細かな中身を開示してくれなんということを言っていませんよ。

■川口国務大臣
 例えば、捕まえたテロリストの幹部の名前を知っているかという御質問でございましたら、それについては聞いております。

 そういうことでございますし、それから、先ほど申しましたように、情報について、それの裏をとるといいますか、判断をするということが必要ですので、これには他の国も関係をしていますから、そういったこと等の情報交換も行っておりますが、米国からもらった情報と矛盾するような情報というのは我々は手にしていないということを先ほど申し上げたわけでございます。

 それから、根本的に、日本とアメリカというのは、作戦をやる以上、さまざまなレベルで情報交換や協議をしなければ、作戦自体がうまくいかないわけでございます。そのために、例えば米海軍、これはむしろ石破長官がお答えになられた方がいいと思いますけれども、米海軍と海上自衛隊の陸上司令部間、それから現地部隊間で、それぞれ情報交換あるいは調整を密に行っております。また、米軍の中央軍司令部には自衛官も行っておりますし、バーレーンの第五艦隊司令部にはこれもまた連絡官が海上自衛隊から行っておりまして、こういった人たちは、毎日のように開かれる会議に出席をし、そして情報収集あるいは米国や他国の連絡官と細部の調整を行っているわけでございます。

 そうした密な情報の交換を行っているわけですし、それから、何よりも根本的な問題といたしまして、日本と米国は同盟国であります。同盟国同士で交換をする重要な情報、これについて、そもそも、裏をとる、あるいはそういったことの作業は、先ほど申しましたようにいろいろやっておりますけれども、基本的に、そこに信頼が置けないということであれば、いろいろなほかの分野での共同の活動ということができなくなるということですから、基本的に、米国と日本の関係は信頼関係に基づいているということで、これは当然のことだろうと思っております。

■前原委員
 総論の羅列はもう結構ですから、簡潔に答えてください。

 先ほどテロリストのリストは、捕捉した、あるいは殺害されたリストは知っているとおっしゃった。それは、要は、三分の二が殺害、拘束されているというものについて、すべて持っているのかどうなのかということが一つ。それは、はいかいいえで答えていただいたら結構です。

 そして、私が聞いているのは、日本が給油して、油を補給しているその艦船が行った、まさに先ほどの無線照会あるいは船舶検査、その結果についてもちゃんと、つまり、情報交換とか緊密な連携というのは、総論としてはもう当たり前のことですし、時間のむだなんです。つまりは、そういうものについてコミットメントをちゃんと情報として得ていますかどうかという、個別の内容を別に言えと言っているわけじゃなくて、総論として知っているのかどうかということを聞いているわけです。

■川口国務大臣
 先ほど、名前は聞いていると申し上げました。(前原委員「それは全体ですか」と呼ぶ)全部について聞いております。ただ、全部について名前を申し上げることはできないわけですけれども、例えば、一例を挙げれば、ムハンマド・アーテフ、この人とか、あるいはアブカイド・スネイヤン・アルハーリシー、その他何人か名前を聞いております。全部を申し上げることはできないということです。

■前原委員
 後半の方、無線照会と船舶検査の方。

■川口国務大臣
 細かい情報は持っております。持っておりますけれども、それは先ほど申しましたように、今後の作戦の円滑な施行、実行という観点から申し上げられないということでございます。

■前原委員
 それは、私は外務省を信用したいと思いますよ。

 ただ、これはちょっと総論としてお聞きをいただきたいのですが、実は私、今回のイラクへのアメリカの攻撃で、私自身がアメリカの情報収集能力あるいは情勢把握能力について大きな疑問を感じたんです。

 二月の五日だったと思いますけれども、パウエル国務長官が、国連の安保理だったと思いますけれども、そこで重要な資料があるということで発表されましたよね、イラクの大量破壊兵器の。私はあの時点までは、アメリカの情報収集能力というのは、これはすごいんだろう、アメリカの言うことなんだから本当なんだろうというふうに実は思っていたわけです。しかしながら、ふたをあけてみれば、いまだに大量破壊兵器が見つかっていないし、パウエルが安保理で話したことについては取るに足らないようなものであった、あるいは誇張、操作がされていたということが明らかになっていて、イギリスではそれにかかわった方が自殺をされている、こういう今状況ですよね。

 ですから、私は、同盟関係は信頼関係が必要だ、それも総論でわかります。総論でわかるけれども、私自身がやはり、このイラクへのアメリカの攻撃、そしてその裏にあった情報というもの、肝ですよ、大量破壊兵器が存在していたというのは彼らの大義であったのですから。それがいまだに見つかっていないということから考えると、どこまでアメリカの情報というものを信用していいのかどうか。

 先ほど、裏をとる努力はされていると言ったけれども、外務大臣、それでもアメリカの情報収集能力を完全に信用しているのかどうか、あるいは、やはり私と同じように、自前の情報あるいは裏をとる努力をして、同盟国とはいえども、しっかりとアメリカの情報に対して本当かどうかという検証を加えなきゃいけないと思っておられるか。それはどうですか。

■川口国務大臣
 これは前の通常国会のときにもどなたかの委員の方にお答えをさせていただきましたけれども、日本がイラクに対して感じた大量破壊兵器に対する懸念、これはアメリカの情報からそういう判断をしたということよりは、むしろ国連の情報をベースに分析をしたということであります。

 これは、UNSCOMあるいはUNMOVICの調査の段階で、イラクがみずから、これとこれは持っているということを言ったわけでございます。それに基づいてUNSCOMあるいはUNMOVICがチェックをしたということであります。そして評価をしているわけです。

 何を言っているかといいますと、例えばスカッドミサイルということでいいますと、これは破壊兵器を運ぶ方でございますけれども、使用、廃棄が確認できたと報告をしていたけれども、十四基の使用については確認できていない、液体燃料、弾頭約五十発についても廃棄が確認できていない。そして……(前原委員「私の質問に答えてください」と呼ぶ)そういった形で言っているわけでございまして、タブン、サリン、マスタード、みんな国連の報告でそういう懸念があるということを言っているわけです。

 したがって、米国がそういうことを言ったから、それを信頼して日本はイラクに対しての懸念を自分の懸念としたということではなくて、国連の報告書、これをきちんと読んで分析をし、それに基づいて、ほかの国と同様に、日本としても、大量破壊兵器に関する懸念、これがイラクにはあるというふうに考えた、そういうことでございます。

■前原委員
 それだったら、何で、国連は、九割方廃棄をしたということは確認できた、しかし、一割についてはまだ確認できていないと。したがって、UNMOVICとかIAEAが大量破壊兵器の査察を継続して、そしてイラクもある程度協力をするということで現地に行ったりしたわけでしょう。だけれども、IAEAにしたってUNMOVICにしたって、まだそれについての査察継続が必要であるということを言ったんですよ。そして国連もそういう結論に達したんだけれども、結局はアメリカが、国連決議を新たに得ずに、昔の国連決議を引っ張り出してきて、そして攻撃を加えたわけでしょう。

 今のような答弁だったら、アメリカの攻撃を支持せずに、国連が主張したようないわゆる査察継続について賛成するのが筋じゃないですか。もし国連の情報に基づいて我々は判断したと言うんだったら、矛盾があるじゃないですか。

■川口国務大臣
 矛盾はないというふうに考えております。

 安保理決議の一四四一、これを思い起こしていただきたいと思いますけれども、これは何を言ったかといいますと、まず、イラクが、停戦決議である決議の六八七、あるいは関連決議の重大な違反を犯し続けているということを国連が決定したわけです。安保理が決定をしているわけです。そして、それに基づいて、イラクに対して最後の機会を与えるということも決定をしたわけです。それで、さらにイラクが完全なる協力を行わない、これは実際に行わなかったわけですけれども、さらなる重大な違反を構成するということを決定、これも決定をしたわけです。そして、イラクが継続的な義務違反の結果、深刻な結果に直面するということを警告したということです。

 イラクが、査察団の報告を見る限り、あるいは我々も情報としてみんな共有をしていると思いますけれども、例えば、科学者とのインタビューに応じない、応じさせない、それから、見せるべきところを見せない、そして報告書をきちんとしたものを出してこなかった、前に出した資料をまた再度出した、プロアクティブに行動をしていない。そういったことからもわかりますように、イラクが完全なる協力を行わなかったということは明らかで、これは重大なる違反を構成するということである。

 したがいまして、国連自体、イラクがこれに応じなかったということでありますので、大量の軍、二十万人の軍が周りにいて、それでもなおかつ、大変な圧力がかかっても協力をしようとしなかったということであるわけです。

 したがいまして、イラクの重大な違反によって停戦の基礎が壊された、損なわれたということで、六七八、これは武力行使容認決議ですけれども、そこに戻って武力行使が行われたということであるわけです。

■前原委員
 今までの国連の決議をまた引用してイラク攻撃の正当性がどうのこうのということを聞いているわけじゃないんです、私は。

 つまりは、国連事務総長あるいはUNMOVIC、IAEAは、少なくとも査察継続を主張していたじゃないですか。アナン事務総長も主張していたじゃないですか。それは今の日本政府の解釈であって、国連の事務総長、まあ、事務総長に判断する理由がないなんて、この間、暴言を吐いておられましたけれども、しかし、国連やUNMOVIC、IAEAは、少なくとも明らかになっていないから査察継続が必要だと言ったけれども、アメリカは、あるんだと言って攻撃をした。それについて日本は同調したわけですよ。

 だから、今聞いているのは、国連の情報に基づいてどうのこうのということでやるなら、それはそれでおいておきましょう。だけれども、私が言っているのは、私自身が、同盟関係はこれからも必要だと思っている私自身が、アメリカの情報収集能力に非常に疑問を持っている、それについて大臣はどう考えておられるのか。全く今までどおり、アメリカの情報については信頼関係に基づいて信用するのかしないのか、その点を聞いているんですよ。短く答えてください。

■川口国務大臣
 私は、同盟国アメリカの持っている情報収集能力、これには信頼を置いております。

 それで、それの結果として、ただ、それに対しては、おっしゃるように、常に分析を加え、あるいは、それが本当にそうなのかということは考えていかなければいけない。それを我々は、したがいまして、国連の文書を見て、国連のその報告書もそれを裏書きしているというのが我々の判断であるということです。

 もちろん、いずれにいたしましても、米国というのは日本の同盟国、一番重要な同盟国というか唯一の同盟国であるわけでございまして、その信頼関係に基づいて、アメリカの情報収集能力と、そのもたらす情報については、私は信頼を置いております。

■前原委員
 私は、今の外務大臣のような答弁を本当にされ続けたら、同盟関係はむしろ壊れると思いますよ。

 つまりは、アメリカの国内でさえ、イラクの大量破壊兵器の問題について、アメリカやイギリスが情報の操作あるいは誇張があったんではないかということが今問題になっているわけですよ。それについて……(発言する者あり)そんなあなた、いろいろな意見があるといったって、実際問題、アメリカでそういう非難を受けているわけですよ。そして実際、ブレア、ブッシュの支持率ががた減りじゃないですか。次、再選されないような状況ですよ、今のままいったら。しかも実際問題、情報の操作、誇張があった。それを信頼し続けるというふうなことを本当に言い続けられるんですか。

 私は、今の外務大臣の答弁というのは、アメリカに対しては信頼したいと思うと。しかし、アメリカも情報収集については真摯に、そしてちゃんとした分析を加えてほしいと言うことが、日米同盟関係を本当にこれからも続けたいという立場であれば、そう答えるのが外務大臣の務めでしょう。外務大臣としては、やはりあなたは官僚で、再選された、再任されたことについては私は本当に疑問が残りますよ。

 こんなことを言うのはいけないかもしれないけれども、ある方へ頼んで、そしてその人が受けなかったから再任されたということでありますけれども、私は今の答弁を聞いて、やはり外務大臣としては不適任だ。本当に同盟関係をこれからも維持しようと思うのであれば、民主主義国家というのは、国民の意思そして国民の気持ちというのを代弁して外交もやらなきゃいけないんですよ。そういう気持ちを無視して、アメリカからの情報については信用しますというふうなことを言い続ける、そんな、日本の立場に立たない、アメリカの立場に立ち続ける外務大臣だったら、同盟関係を逆に壊すことになるんですよ。

 言うことがあったら言ってください。