157回−衆−テロ特別委員会−02号
2003/09/30 (1P/3P)
(国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員)
■衛藤委員長
これにて山谷えり子君の質疑は終了いたしました。
次に、前原誠司君。
■前原委員 民主党の前原でございます。
テロ特措法の改正案につきまして質問をさせていただきたいと思います。
今、小一時間、与党の三人の方の質問を伺っておりましたけれども、根本的な質問が全くなかったなというふうに私は思っています。つまりは、二年間のテロへの闘い、不朽の自由作戦、あるいは日本が行っていることに対する評価また総括、そして、なぜさらに継続をするかという必要性についての議論が私は全くなかったというふうに思います。
総論としては、テロに対しては国際社会が連携をして、当然日本もその責任を果たさなきゃいけないという考え方は真っ当でありますし、そしてまた、アメリカの九・一一テロに巻き込まれた日本人の方もおられるわけでありますから、日本としても何らかの役割を果たすというのは、総論としてはそれは全く否定されるものではないと思います。また、現場で頑張っている自衛隊員の皆さん方の努力というのは相当なものだろうということについても、我々も認識をしていることであります。それと、実際多くの税金を使って日本が参加をしている。
特に今回のテロ特措法というのは、自衛権の発動に対する後方支援ということで、これはもう広義でいったら集団的自衛権の行使に当たるわけですね。つまりは、日本は武力行使の一体化というところに憲法解釈を置いて集団的自衛権になるかどうかという判断基準を置いていますけれども、自衛権の行使に協力をするという初めてのことをやっているわけです。
つまりは、今までの自衛隊の活動からすると、一歩も二歩も新たな境地に入ったのはこれは事実でございまして、そういう意味から、この二年間の総括そしてまた評価というものはおのずとしっかりやっておかなければ、今の総論で、テロへの協力が必要だから、また、アメリカとの関係は重要だからしようがないねという単純な議論でこれを看過してはいけないんだろうと私は思います。
そういう問題意識に立って幾つか質問させていただきたいと思います。
この不朽の自由作戦というものについては多くの国々が参加をしているということでございますが、例えば政府から説明を受けた資料によりますと、これまでに百カ国以上の場所でアルカイダのメンバーは三千人以上捕捉され、アルカイダの幹部の約三分の二が殺害、拘束をされている、こういうことでございます。
しかし一方では、ビンラディンあるいはオマル、そういった主要メンバーはまだ捕まっていない。それどころか、カブール以外の地方では、後で首藤議員が詳しく質問されると思いますけれども、むしろ無政府状態、秩序が混乱をしている、こういった状況であります。
そういった状況の中で、果たしてこの二年間、成果が上がったと考えるのかどうなのか、その点から質問させてもらいたいと思います。
■川口国務大臣 成果が上がったかどうかということで、成果ということを、どれぐらいのテロリストを捕捉するかということで考えてみるというのは一つの考え方であると思いますけれども、その前に、このそもそもの目的が何かということをちょっとお話をさせていただきたいと思います。
これは、インド洋を通過する船舶を対象として、作戦に参加する各国の艦船が、警戒監視活動を通じてテロリストあるいは武器弾薬等の関連物資が海上を移動するということを阻止するということで、それによってテロの脅威が拡散することを防止する、これが作戦の目的であります。
それで、具体的に何をするかといいますと、インド洋を航行する船舶に対して、船籍、航行目的、積み荷等を無線で照会する、そして、十分な応答のなかった船舶や不審船に対しては船舶立入検査を実施するという地道な活動をやっているということでございます。件数でいいますと、ことしの五月までに約四万六千件の無線照会を行った、そして、約一千件の船舶に対する検査を行ったわけでございます。六月以降も同じようなペースで活動が行われておりまして、平均をいたしますと、月当たりで、無線の照会を約二千件、そして船舶に対する立入検査を月三十件というペースで続けているということでございます。
そういうことで、作戦の目的自体は、捕まえるということだけではなくて、そういった物資の移動その他を抑止するということも含めて、基本的にテロリストの活動を抑止する、そして関連物資やテロリストの海上移動のルートを分断する、それによって活動を封じ込めるということが目的でございます。
その一つの成果の一例として、先ほどの何人捕まったかということでいいますと、これは米国の数字でございますけれども、委員がおっしゃられましたように、百カ国以上の場所でアルカイダのメンバーが三千人以上捕捉をされたということでございます。アルカイダ幹部の約三分の二が殺害、拘束をされているということが今までの成果ということで挙げられるかと思います。
■前原委員 日本がかかわった艦船への給油、そしてその給油を受けた艦船が船舶検査等を行うということについては、後でまた別個に質問します。
そうではなくて、そもそもは、つまりは九・一一テロを起こしたテロ集団、そして、そのかくまっていた政権、タリバン政権、こういったものを壊滅させる、その首謀者を捕捉するというのが、これは大多数の日本国民のみならず、世界の全国民の共通のイメージじゃないかと私は思いますよ。
したがって、そういう意味では、オマル師あるいはビンラディン氏が捕まっていない。今、それは拡散を防いでいるかどうかというのは、そういう回数はやっているということであります。それは後で伺います。しかし、全般的な状況をいろいろ調べてみますと、アメリカが自衛権の行使をして、そしてアフガニスタンへの攻撃を行ったときは、テロリストたちがばあっと例えばイエメンとか近隣の諸国に拡散をした。しかし、二年たってまたそれが集結をし、イラクと同様のテロ活動、ゲリラ活動を行うに至っているということになったときに、今大臣がおっしゃった観点以外で、果たしてその二年間の活動というものが妥当だったかどうだったかということについては、もう少ししっかりと克明なアカウンタビリティーを果たしてもらわなければ、今の説明だけでは不十分なんじゃないですか。
■川口国務大臣 数字ということでもう一度申し上げさせていただきますと、テロとの闘いの成果ということでは、三千人に上るアルカイダのメンバーを拘束した、それからアルカイダの幹部及びタリバンの指導者が合わせて四十人、殺害または捕捉をされた。そして、これは、アルカイダ幹部については全体の約三分の二であるということで、この成果には、まさに、この不朽の自由作戦、MIOも寄与しているということでございます。
我が国といたしまして、このMIO、海上阻止作戦の実績につきまして、米国のマイヤーズ統合参謀本部議長から我が国の在米大使への説明も含めまして、さまざまなレベルで情報の提供を受けております。
個々の作戦を円滑に今後とも引き続き遂行する必要がある、あるいは作戦の参加者の安全の問題もあるということで、今申し上げた以上の詳細な内容を公表するということはできないということでございますけれども、いずれにいたしましても、そういった成果に、不朽の自由作戦、海上阻止作戦というのは大きな貢献を、重要な貢献をしているわけで、成果を上げていると政府としては判断をいたしております。
政府といたしまして、そういったしかるべき成果を上げているという判断に立ちまして、テロ対策特措法の延長が必要であるということの決断に至ったわけでございます。
■前原委員 多分、今の説明を国民が聞かれても、なかなか納得されないと思うんですね。ある程度の捕捉、逮捕者が出た、そしてまた船舶検査、無線照会を行っている、こういうことでありますけれども、何か本当に、不朽の自由作戦が前に進んでいる、そしてまた、目に見える成果を上げつつあるということが訴えられないのは、私はひとえに、やはりビンラディン、オマルが捕まっていないこと、イラクでもフセイン前大統領そのものが捕まっていませんよね。
つまりは、そういったところに、私は、アメリカあるいはその協力をする国々に対する、テロ活動というのは本当に中身としてうまくいっているのかどうなのかという検証を、私は、アメリカの情報をうのみにするだけではなくて、しっかりと物を言っておられるのか。つまりは、活動内容について、本当に妥当であって、ビンラディン、オマルが捕まっていないことについてどう考えているんだと。
アメリカに対してしっかり物を言うようなことは、今まで二年間やってこられたんですか。
■川口国務大臣 日本とアメリカというのは非常に強い同盟関係にございまして、いろいろな問題、この問題も含めまして、かなり密接にアメリカとの間で連携あるいは情報の交換を行っております。
その一つ一つを全部公表申し上げるわけにいかないということでございますけれども、この不朽の自由作戦につきましても、その成果は、先ほど申しましたように、大使と統合参謀本部議長との間でもきちんと情報の交換をやっているわけでございます。
二年間やったわけですけれども、テロとの闘いというのは非常に息の長い闘いにならざるを得ないということであると思います。そう簡単に成果が上がるということは、アメリカ自身も考えておりませんし、ほかの国も考えていないということでございます。
今国際社会では、世界の七十カ国以上の国が何らかの形でこのOEFに対して協力をしておりまして、そのうち三十の国が部隊、将校等を派遣するという形での貢献を行っております。
この海上作戦、これに関連している国というのは十あるわけでございまして、皆が一生懸命にその長い闘いをやっていて、その結果として、アフガニスタンはもはやテロリストにとって安住の地ではなくなったということであると思います。その過程で、先ほど申しましたアルカイダ兵を捕まえたことに加えて、武器弾薬庫等も破壊をしているわけでございます。
ビンラディンあるいはオマル師が捕捉ができるというのは一つの大きな前進としてとらえることができるだろうと思いますけれども、テロとの闘いというのはそれだけではなくて、これは、一人一人のテロリストが民間人に被害を与えていく、標的として攻撃をするということの芽を摘まなければいけないということでございます。ビンラディンあるいはオマル師が捕捉されればそれは大きな成果であるということですけれども、それがテロとの闘いを意味するわけでもなく、これは息の長い闘いを続けなければいけない、国際社会はみんなそう思って協力をしているということであると思います。
■前原委員 いや、これは九・一一テロという文言がついているんですね。その首謀者、そしてまた、その中心人物がビンラディンでありオマルであるという話をしているわけです。一般的なテロとの闘いを続けるということの一般論でおっしゃるのであれば、そうしたら、特措法を引き下げて恒久法を出してくるのが筋でしょう、それは。
そういう一般論を聞いているんではなくて、まさにこれは特別措置法なんだから、今の九・一一テロに対して首謀者が特定をされた、それに対しての効果というのは、首謀者を捕まえるというのが一番の肝であることはだれが考えても当たり前の話でしょう。だから、それが捕まっていないから効果が上がっていない、仮に捕まえたとしても、テロとテロリストというのは出てくる、そういうことだったら、今の特措法を引っ込めて恒久法で議論されるのが筋でしょう。だから、今の話は私はすりかえだと思いますよ。
では、もうちょっと――いや、いいです、今のことについては。
先ほど、無線照会それから船舶検査の話をされましたね、件数。これはアメリカからの情報提供ですよね。では、どこまでそのことについてコミットメントされていますか。どの船舶、つまりは日本が給油しているわけですよね。給油したどの国の艦船が船舶検査を行って、その成果はどうだったのか。そして、無線照会ではどういうものがあって、それについてはどういうそれこそ成果が上がったのか。
それは、給油をしている立場として、その艦船が行ったことについてはしっかりとした情報を得るのが当たり前のことだと私は思いますけれども、どこまでコミットメントされていますか、情報について。
■川口国務大臣 先ほど申しましたように、アメリカとの間ではいろいろな情報を得ております。それは、一番高いレベルにおける情報交換も含めていろいろ得ておりますけれども、そういったことについて、これは、今後の円滑な作戦の実行、施行という観点から今ここで申し上げるわけにはいかないわけですけれども、アメリカ以外の国とも情報の交換は私どもはやっております。
そういった情報の交換の中で、アメリカからもらった情報、これに矛盾をするようなそういった情報は、我々としては受け取っていないということは申し上げられると思います。
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