156回−衆−イラク特別委員会−09号
2003/07/16 (1P/3P)
(イラク人道復興支援並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会)
■高村委員長
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。前原誠司君。
■前原委員 民主党の前原でございます。きょうは、テロ対策特別措置法の問題あるいは再延長問題につきまして、三大臣に質問させていただきたいと思います。
まず、トップバッターでございますので、それぞれお話を伺わなければいけないと思うわけでありますが、テロ特措法に基づく日本の支援というものがどういう役割を果たしたのかということであります。
まず、その前提として、九・一一で米国における同時多発テロというのがあったわけでありますが、それに対してアフガニスタン攻撃を自衛権の発動でアメリカが行った、それに対して日本も協力を行うということであったわけでありますけれども、まず、お尋ねいたします。
どなたからでも結構でありますが、米国のテロ掃討作戦というものは成功したと思われるかどうか。端的に言えば、ビンラディンも捕まっていない、オマル師も捕まっていない、単にけ散らしただけではないかという意見もあるわけでありまして、そういう意味では、アメリカなどによる、また日本も協力しているこの作戦行動がうまくいったと評価できるのかどうなのか、その点、政府の考え方を答弁いただきたいと思います。
■川口国務大臣 アフガニスタンでは、ずっと戦乱が続いていたわけでございます、二十年以上続いていた。それで、今の時点で、確かに、まだ地方においていろいろ問題が残っているということは確かでございますけれども、アフガニスタンの国民の、しかも国外に出ていた多くのアフガニスタン人が国に戻り、そしてさまざまな国の支援を受けて平和裏に生活を始めているという状況にあります。
昨日、緒方政府代表にアフガニスタンからの御出張報告を伺いましたけれども、そういった問題はあるけれども、緒方代表が一年前に行った時点から比べて相当に生活は変わってきているということをおっしゃっていらっしゃいました。全く問題がなくなったということではありませんが、タリバンとの戦い、そしてテロとの闘い、それを経由して、アフガニスタンは非常に生活が平穏になってきている。
また、テロ全般、国際的にどのような影響があるかということについて、なかなかこれはテロというのは突然に起こるということですから、今後未来永劫に起こらないということも難しいわけですけれども、相当程度のアルカイダの幹部の人が逮捕をされてきているという事実がございます。
引き続き努力をしていかなければいけませんけれども、かなり前進をしているというふうに考えております。
■前原委員 私は、ある程度評価はできるという今外務大臣のお答えでありましたけれども、テロの芽というのが根絶をされていないし、先ほど申し上げたように、それが拡散をしてしまっているのではないかという部分はあると思うんです。
では、どこまでが一体、日本が協力をすると決めたテロ対策特別法に基づく協力になるのか。やはりその期限というか、あるいはけじめというのが私は必要だと思うんですね。我々の頭の中には、ビンラディンあるいはオマル両氏が捕まる、あるいは殺される、いなくなる、そういう状況というものが初めは想定されていたわけでありますけれども、結局、二年近くたってもまだその状況というものが続いているわけです。
となれば、アフガニスタンの状況は変わったかもしれないけれども、いわゆるアルカイダなどテロ組織あるいはその要員というものが全世界に散らばり、そして、先ほど申し上げたようにビンラディンやオマル師がまだ生きている、少なくとも捕まっていない状況においては、いつまでこの協力を続けるんだ、あるいはこの終わりはどこにあるのかと考えた場合に、私は、政府からそのけじめをどこにつけるかということをお伺いしないと、この法律の再延長ということはなかなか簡単に、はいそうですかというわけにはいかないと思いますが、どこでけじめをつけられるつもりですか。
■福田国務大臣 現在のアフガニスタンの状況については今外務大臣から答弁申し上げたとおりでございまして、その状況というのはしばらく続くだろうというように思っております。その上で、将来どうなるか、これは今推測をするのはなかなか難しいということは委員もおわかりいただけるというふうに思っております。
そういうような状況の上で、ではいつやめるのか、やめられるのか、こういった話になりますと、これも正直申しまして、そういう状況がいつ来るか、またどういう状況になればやめられるのか、やめてもいいのか、こういうことでありますが、これもなかなか説明は難しいと思うんですよ。その状況というものがどういうことでやめて当然というようなことになるのか。
と申しますのは、アフガニスタンのアルカイダの状況とかいうような問題もあるかもしれませんけれども、それからもう一つは、国際社会が協力してこの作業をしているという状況の中で、やはり国際社会、ほかの国々と協調していかなければいけない部分もあろうかと思います。したがいまして、その辺は状況を見て、相談して、この作業を続けるかどうかということを決めるわけでございますので、撤収について、撤収というか中止について今申し上げるのは、そういう国際社会の一員としてこの活動に参加している、そういうもので、我が国だけで決められないということがあろうかと思っております。
■前原委員 今回のテロ特措法に基づく日本の協力というものは三つ柱がありまして、一つが、これは一回しか行われておりませんけれども、被災民救援活動ということで一度毛布、テント等を運んだ、二つ目には、これがメーンになっておりますけれども、インド洋北部においての補給活動、それから三つ目が航空自衛隊による輸送活動、こういう三つになっているわけでありますが、例えばメーンである補給活動の対象となる艦船にいたしましても、大分減ってきておりますね。例えば、平成十三年から十四年にかけてはアメリカを中心に百隻程度の艦船が活動していた。それが平成十四年度の末になれば四、五十隻、そしてつい最近では二十隻程度になってきている。しかも、米軍は当初主力で、その百隻のほぼ大宗を米軍が占めていたわけでありますけれども、現在は三隻ということですよ、米軍は。
ということは、米軍自体も先細りをしてきている中で、この活動が、今おっしゃったように、それは国際協力をしているということはありますけれども、一体けじめをいつつけるのかということが、もう一度明確な御答弁をいただかないと、つまりは、国民にわかるように、国際社会と相談をして決めますということで、では、特措法で何度も何度も再延長していくんですか。内乱、内戦というものが十数年続くような国もあるわけですよ。では、そういったものにずっとおつき合いするということになるんですか。
私は、やはりこの法律の趣旨として、どういった目的が達成されたときに、それは100%なんて無理ですよ、100%は無理だけれども、さっき申し上げたような、やはりけじめ、国民に対するわかりやすさ、説明責任というのは、官房長官、必要じゃないですか。
■福田国務大臣 先ほど申し上げましたのは、どういう状況で中止をするのか、それは、この作業と申しますか活動が、一つ大きな課題があるわけですね。それは何かと申し上げれば、例えば、アルカイダとかタリバンの残党に打撃を加えて、そして九・一一のテロのような組織的、かつ大規模なテロ遂行能力を喪失させるに至った、こういう事態が認められるようなときに、脅威が除去されたというように考えることができるのではないか。
そのときはその活動を中止するということは、これは、我が国が決めるということも、自主的な判断ということもございますけれども、同時に、国際社会の考え方、それから作業状況、活動状況というもの等勘案しながら決めていく問題。しかし、今申しましたように、これは最終的にはあくまでも我が国が自主的な判断で決めることだ、そういうことであります。
■前原委員 一番初めに申し上げたように、これはアメリカの自衛権に基づく活動なんですよね。それを日本は協力をしているわけです。そして、国際社会が、今官房長官がおっしゃったように、日本も主体的に判断をして協力しているということでありますけれども、主体的に判断をするのであれば、今おっしゃったような定性的なものではなくて、何度も申し上げますけれども、どういう段階で自分たちはこの協力活動というものを一たん打ち切るのかというものをやはり明確にする必要があると思います。
今の御答弁では全然明確じゃないですよ。もう一度、しっかり国民に納得するようにけじめをつけてもらわないと、私は、これ以上この問題について議論を深めることはできないと思います。
■石破国務大臣 今委員から、定性的なではわからぬではないかというお話がございました。
この法律の目的自体は、テロの根絶のために活動している米軍等の軍隊を支援する、こういうような形になっております。そうすると、では、確かに御指摘のように、一番多いときは百隻以上の船が出ておった、今は二十数隻に減りました。しかし、補給の回数自体は、三十回、二十回ということで、多少の増減はございますが、回数自体が減ったというふうな認識はしておりません。それは、やはりニーズがある限り、目的は達成されていないのだろうということになるだろうと私は思っております。
自衛権というふうにおっしゃいましたが、それはやはり、テロ支援国家というものがあって、本来であれば犯罪であるけれども、なぜこれが自衛権になるかといえば、そのテロリストなんかをかくまう国家がある、ですから戦争というような構成がなされるのだろうと私は思っていますけれども、やはり将来的には、アフガニスタンにおいてきちんとした治安組織が確立をして、アフガニスタンの手によってテロリストというものがきちんと取り締まれる、そういうような事態というものが来なければいけないと思うんです。そうしますと、国際社会としていろいろな国がテロ根絶のためにやるのではなくて、アフガニスタンがアフガニスタンとして自分の国のテロリストがきちんと捕まえられるようになる、そういう時期が早く来ることが必要だと思っています。
これも定性的というおしかりを受けるかもしれませんが、やはりそのことが、国際社会ももちろん応援をしますけれども、アフガニスタンとしてそういうことができるようになり、国際社会としてそういうことをやらなくてもいい、そういうニーズがなくなる、それが結果として、この法の目的が少なくとも達成されたことにつながるのではないかと私は考えます。
■前原委員 艦船の数は減ってきたけれども補給回数は減っていない、それはそうですよ。ただで油を補給してあげるんですから、そういうものがある限りは活動するところはお願いしますと言ってくるのは私は当たり前だと思うんですね。
だから、ニーズがある限りやり続けるというのは逆なんですよ。こういう仕組みがあるから艦船が活動できるという部分があるわけです。だって、ただでずっとやっているわけですから。そこは、私は、今の長官の答えというのは少し逆だと思います。それは、反論があれば後で一緒に御答弁してください。
そこで、申し上げたいのは、今長官はアフガニスタンによって自国のテロ組織が壊滅されるような状況になればいいんだという話をされましたけれども、では、そういう状況をつくるための活動に今はなっているんですか。つまりは、米軍による、あるいはほかの国々によるテロ掃討作戦ということが行われているわけでありますけれども、それがアフガニスタンの今の政府によってやられている国内の治安に本当に資するものになっているかどうか、その検証も必要じゃないですか。それはどう判断されますか。
■川口国務大臣 インド洋で我が国が貢献をする一方で、先ほどちらりと申し上げましたけれども、アフガニスタンの国内では関係国が支援を行い、さまざまな活動が行われておりまして、相当程度社会の安定が進んできております。
安全という意味では、ISAFが引き続き活動をしておりますし、それから緒方代表のお話ですと、地域でそういった活動を行うと言うとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、地域において治安を守る核をつくりつつある。そして、アフガニスタンの国軍の養成も進んできておりますので、そういった養成をされた国軍の人たちが、地方の拠点、これが幾つかあるわけですけれども、そういうところに派遣をされて仕事を始めているというような状況がございます。
ですから、その両方相まって、この二つが、それぞれがアフガニスタンの国民には必要であり、また世界のために必要であるというふうに考えております。
■前原委員 同僚議員も同じ質問をさらに深く追及される部分もあると思いますので、私は違う観点から質問させていただきたいと思います。
防衛庁長官に、運用面からこの活動について本当に無理がないのかということです。つまり、補給活動、しかし、常夏の炎天下、言ってみればインド洋上におけるガソリンスタンドみたいなものですよ。そういう活動を多い部隊では三クール目に入って活動している。その隊員、自衛官の方々にとっての負担というものもかなり大きいんだろうと私は思いますし、今度はイージス艦もまた派遣できないということですよね、ローテーションの関係上で。
イージス艦を派遣することはどうかという問題は横に置きまして、私は、この運用面からも無理していませんかと。飲酒事案というのが起きましたよね。それが肯定されるわけではもちろんないんでありますけれども、私は、ストレスが相当たまっている部分もある程度読み取ってあげるべきではないかと。単なる規律規律と言うだけで問題が解決されるものではないし、ましてや特別措置法ですよ。
彼らは、やはり日本の防衛という、いわゆる本体業務、自衛隊法の第三条に基づいて我が国の防衛というものを主目的としている自衛隊に入った人たちがほとんどなわけですから、そういう意味では私は、この運用面から、今の活動をさらに続けていくことに本当にそのトップとしてじくじたるものを感じないのかどうか、その点、防衛庁長官から答弁いただきたいと思います。
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