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156回−衆−イラク特別委員会 2003/06/25 (4P/4P)
(イラク人道復興支援並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会)

■石破国務大臣
 この法案がなければ調査にも行けないということにはならないと思います。それは私は、そういう理屈にはならないと思っています。そしてまた、この法案を、じゃ、なぜこの法案をこんなに早く出すのだと、委員御指摘のように、きちんとした調査に行って、どういうニーズがあって、詳細に把握をしてきてからでいいではないかと、こういうことは、確かに理屈としては成り立つ理屈だろうと思います。

 しかし、総理からもお話がありましたように、国連の決議が出ている、全会一致で出ている、国連から加盟国に対して、イラクの復興に対して協力をするようにという要請が出て、既に十三カ国がイラクにおいて展開をし、十四カ国がもう派遣を決めている、そういう状況であります。極めてイラクにおいて重要なことは、本当に米英の攻撃が終わって、秩序というものを確立する、法を確立する、もう軍も今はない、警察組織もまだ十分ではない、そこにおいて、どうやってある意味法と秩序を確立するかということが本当に喫緊の課題として求められているのだと思います。

 しかし、我々の自衛隊というものは、治安維持というものには行かない。じゃ、どういう形で本当にイラクの国民が待ち望んでいる復興に対して一日でも早く支援ができるかということを考えてみましたときに、この枠組み法というものを通していただき、そして現地に調査に行き、どのようなことが本当にあるのか、このメニューの中で何ができるのか、どの地域でやれば一番いいのか。そして私は、もう委員も御案内のとおりと思いますが、自衛官をいいかげんな権限で危険なところに出そうなぞということは一度も考えたことはありません。その地域において何が求められるか、我が国がどうやって、ほかの国がもうたくさんイラクの復興のために活動しているときに、我々が、じゃ、臨時国会でやったらいいじゃないかと。臨時国会がいつになるか私は全然存じませんが、じゃそれは臨時国会でやればいい、私は、そういうことにはならないだろうと思います。

 世界が望み、世界が要請し、そしてイラクの人々が待ち望んでいる復興に我が国がどういう形で速やかにやるかということは、私は、法案の形も大事かもしれませんが、ここにおいて可能な限りの議論をすべきものではないでしょうか。

■前原委員
 幾つか申し上げたいと思います。

 臨時国会と申し上げたのは、これは僣越でした。これは総理なりあるいは国会で決められることでありますので、それは別に臨時国会に限定する必要は全くありません。

 私が申し上げているのは、行ってきて、どういうニーズが具体的にあるか、もう少し詳しい前提で話をさせてくれということを申し上げているわけです。さっき申し上げたように、医療、輸送、施設、補給、これだけでは本当に行かせていいのかどうかということはわかりません。後で申し上げるような武器使用基準あるいはイラクの治安状況等含めて、これだけで判を押せと言われても押せませんというのが我々の立場なんだということを申し上げているわけです。

 それで、調査はできない、法律をつくってもらわなければ調査はできないとおっしゃるけれども……(石破国務大臣「そんなこと言っていない。そうではないと言っているんです」と呼ぶ)そうではないんですか。法律ができなければ調査はできないということじゃないんですね。(石破国務大臣「できないと言っているわけじゃありません」と呼ぶ)だったらなおさら、調査して、それで出して、具体的な内容を議論しましょうよ。

 つまりは、国連決議一四八三というものがある。日本は国連に加盟しているわけですね。国連憲章を遵守する、国連決議を遵守するということは国連憲章にのっとることですよね。憲法九十八条にいわゆる条約の遵守というのが書いてあるんですから、この国連決議一四八三、これは前提にすればですよ、一四八三があるんだから、もう行けるわけですよ、調査、しっかりとした、どんなニーズがあるか。

 我々は特別措置法、一般法、恒久法じゃない、具体的に、四年間の任期でまさに自衛隊が危険な地域に行ってどんな任務を行うか、その具体論でこの法案の中身を審議したいと申し上げているわけですよ。それを、医療、輸送、施設、補給というだけで、あとの中身については、まず枠組みをつくらせてくれということでは納得できないということを申し上げているんです。もう一度答弁ください。

■石破国務大臣
 これはもう考え方の違いになると思います。それは、どういう形が一番望ましいのだろうか。委員がおっしゃいますのは、それがもっと詳細にならなければ議論はできないよ、こういうことだろうと思います。

 私どもとしては、今与党の調査団も出ております。その前に、政府の調査団も出ました。そして、各国のいろいろな情報というものも入ってきています。あるいは、アメリカからもイギリスからも、あるいは派遣している国からもいろいろな情報が入ります。そこを前提に、このメニューでよろしいですか、そしてまた、具体的にはどのようなことができるだろうという御議論もいただいて、もし国会で御承認をいただければ、御可決をいただければ基本計画をつくるわけです。これも国会の関与というものがありますわけで、何も、ここで決めたら何を出してもいいというようなものでは全くございません。

 したがいまして、国会の関与というものもきちんと担保しております。どうすれば一番早い形で、一番きちんとした形で出せるかということは、この法の中でも、私は十分議論は可能だし、政府として、いいかげんな法案を出して、あとはもうお任せをというようなことを申し上げるつもりは全くございません。

■前原委員
 これは委員長に要望したいと思います。

 政府も調査団を出されているわけです。そして、ある程度のニーズというものについては、ぽろぽろと漏れ伝わってくることもあるわけですね、報道などを通じて。ですから、今石破長官がおっしゃったような医療、輸送、施設、補給、さまざまなニーズがあって、それについては法律が通った後に具体的に基本計画に定めるときにやるんだということではなく、もう少し詰めた内容というものを政府から提示をしていただきたい。具体的にどういう活動をするのかということを、この法案の審議中に出してもらいたいということを委員長に要望したいと思います。

■高村委員長
 理事会で協議します。

■前原委員
 総理、今委員会で協議をしていただきますが、私は間違ったことは言っていないと思うんです、このことについては。イラク復興については、我々も基本的には、イラクの復興支援、日本は貢献すべきだという考え方、そこの大前提は政府も与党も野党も一緒だと思うんですね。中身の話です。でも、中身の話について、こんなことをしますという総論だけ示されて、そして、それについて賛否を求めるということではなかなか私は理解できないと思いますので、委員会でも理事会で御議論いただくということですが、これは総理の御決断として、もう少し、この委員会の審議中に、どういう地域で具体的にどういう活動をしようとしているのかぐらい示していただくということ。

 もう一つ、基本計画にそれを譲るんであれば、基本計画は国会の事前承認ということが当たり前じゃないでしょうか。

 その二点について、総理のお考えをお示しください。

■小泉内閣総理大臣
 前原議員の議論を伺っていますと、非常に緻密な論点を整理されて、復興支援の必要性というものを肯定しながらされておりまして、感心しながら聞いておりました。

 今後、この議論を深めていくために、自衛隊が行く場合はどういう地域に行くか、また何を支援するかという点について、もっと判断できるような材料を提供できるように準備をさせたいと思っております。

 また、事前承認の件ですが、この法案自体が、自衛隊を派遣する、是か非かという法案でありますので、その点については、私は現在の法案でいいのではないかと思っておりますが、この点につきましても、また今後議論の余地があると思っております。

■前原委員
 委員会でも理事会でもそういう議論をしていただき、ぜひ、議論が中身の濃いものに、より具体的に相なるように、今総理がおっしゃったように御努力をいただければというふうに思います。

 次に、戦闘地域と非戦闘地域という分け方でありますが、これは、きのう同僚の中川理事が本会議場でまさに質問されたように、フィクションだと私は思っています。つまりは、戦闘地域、非戦闘地域と分けること自体が、今のイラクでは、私は意味がないんじゃないか。

 つまりは、国がない。なくなっているわけですね。暫定統治機構もない、そういう意味での国がないという、イラクという領土はありますけれども、政府がまだ確立をしていない、こういう状況であります。そういうイラクで、そして、治安が極めて悪い。

 そして、ちょっと調べてもらいましたけれども、実際に、イラクが崩壊したとアメリカから宣言をされてから、米兵で八十人以上、そしてイギリス兵で十一人以上、きょうまでに亡くなっておられるわけですね。百人近くの方が亡くなっている。しかも、ロケット砲や手りゅう弾あるいは機関銃、こういったものでゲリラ活動をしている残党とかいろいろなテロリストたちが、言ってみればイラク全土でうようよしているわけですね。

 私は、そもそも戦闘地域というのは、どこかの組織とどこかの組織が戦闘をやっている、あるいはどこかの国とどこかの国がやっている、あるいはどこかの国とどこかの組織が戦争をやっている、それが戦闘だと思うんですけれども、いわゆる占領統治が行われている中で、それに反対するいわゆるゲリラ活動が行われている地域で、危険な地域をそもそも戦闘地域と非戦闘地域に分けること自体がおかしいというふうに私は思います。それについて御答弁ください。

■石破国務大臣
 何度か答弁申し上げましたが、戦闘地域かどうかということを分けるのは、私は、我が国が海外において武力の行使をしないということを明確にするための制度的担保として必要なことだと思っています。

 ですから、委員はよく御案内のとおりで、野盗のたぐい、失礼、ヤトウというのは民主党とかそういうことを申し上げているわけではなくて、泥棒という意味の野盗ですが、野盗のたぐいとか泥棒のたぐいとか、そういうものは戦闘地域ではないのだ。なぜならば、国または国に準ずる者による武力の行使、そして、それが国際紛争に発展するようなものではないからだということだと思っています。

 それは、危ないとか危なくないとか、そういうような概念とオーバーラップする部分も多分にありますが、大事なことは、それが、我が国が海外において武力行使をしない、そういうことの制度的な担保なのだと思っています。

 そうしますと、結構、先ほど御指摘のように、アメリカ兵がたくさん死んだ、あるいはイギリス兵も死んだ、その中でどれぐらいがそういうような、バース党の残党、フセイン政権もう一度とかアメリカ許すまじみたいな形で亡くなられたのか、あるいは強盗のたぐいなのか、あるいは事故のたぐいなのか、そういう形で見てみますと、どういう地域で自衛隊は活動をすべきであり、どういう事態であればすべきではないか、そして、そこで起こっておることに、どのような武器使用権限と、そしてどのような武器を携行すれば安全に任務を遂行することができるか、私はそういう概念をつくることは何もフィクションだと思っていません。

 そして、現地へ行きました調査団も、今申し上げたような意味での戦闘地域、非戦闘地域、それを分けることは困難であるというような報告を、私は現在まで受けておりません。戦闘地域というものはそういうものであるということは委員よく御案内のとおりだと思いますが、民主党の方々が行ってこられたあの中において、そういうことだというふうに戦闘地域、非戦闘地域を仮に分けた場合に、それでも困難であるというようなことが、私はあの報告書を拝見しただけでは読めなかった。

 戦闘地域、非戦闘地域とは何なのかという概念が混在したまま議論をすることはいけないんだと思っています。

■前原委員
 憲法解釈の武力行使に当たるか当たらないかということで、戦闘地域をあえて法文上に書かなきゃいけないんだというような理屈づけに私は聞こえるわけです。私はそれはおかしい。現状に合わせて戦闘地域、非戦闘地域なんか分けられるわけはないし、それと同時に、先ほど赤松議員の質問を聞いておりまして、非戦闘地域は変わり得るとおっしゃっていましたよね。変わり得るということは、実施計画、常に国会承認で変えていくということですか。そんなばかな話はないと僕は思うんですね。

 つまりは、実施計画があって、基本計画の中に実施計画をつくって、そして非戦闘地域が変わり得るということになったら、その都度、国会承認にかけなきゃいけないという話になりますよ。そういうことを前提とされているんですか、防衛庁長官。

■高村委員長
 簡潔に御答弁ください。

■石破国務大臣
 それは、戦闘になることが予想されない地域ということでございますから、そこはかなり幅広くとることになるというふうに思っております。

■前原委員
 時間が参りましたので、これで終わりますが、武器使用基準の問題あるいは今の仕分けの問題含めて、まだまだ議論は煮詰まっていないし問題は多いということを申し上げて、私の質問を終わります。