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156回−衆−イラク特別委員会 2003/06/25 (2P/4P)
(イラク人道復興支援並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会)


■川口国務大臣
 同じことを申し上げますけれども、イラクが国連の決議に従わなかったということは事実として残っているわけです。したがって、我が国は、国連の安保理決議に従って武力行使を行った英米を支持するということは、我が国の脅威に対する意識からいって国益であるというふうに考えますし、対応に問題があったとは考えておりません。

 いずれにしても、イラクが国連の決議に従わなかったということは残っているわけです。(前原委員「答えていないじゃないですか。答えていない、答えていない」と呼ぶ)

■高村委員長
 答え方がうまいかどうかは別にして、我が国の対応には問題がなかったと、場合を留保しないで、見つかろうが見つかるまいが。そういうことですから、質問を続けてください。

■前原委員
 何か総理がお答えになるそうですから、総理にお伺いします。

 二つのことを聞いているんです。目をつぶっておられたが、ちゃんと聞いておられましたか。私は二つのことを質問したんです。

 一つは、要は、イラクの大量破壊兵器に対する情報開示の不履行というものに起因したということについては、これは立場の違いはありますよ。国連、UNMOVICやIAEAは査察継続と言っていた。アメリカやイギリスはそれは打ち切るということを言った。そして政府は、そのイギリスやアメリカの対応について賛同して支持をした。だから、それについては、立場が違っても、私は認めているわけです。政府の立場というものを認めているわけです。それはいい悪いじゃない。

 私がもう一つ伺っているのは、大量破壊兵器が発見されなかった場合、それでも、イラクの不履行に問題があったんだ、イラクが要は大量破壊兵器の情報開示というものに従わなかったから、仮に見つからなくてもそれは問題なかったんだと言えますか、どうですかということをお聞きしているんです。

■小泉内閣総理大臣
 再三、川口大臣が答弁しているように、イエスかノー、それだけが答弁じゃないんです。今継続中なんですから、ないとは言えない、あるとは言えない、そういう段階で、疑わしきということは国際社会がみんな認めていたわけでありますから、今の時点でなかっただろうという仮定で答弁する必要はないし、答弁するべき問題でもない、それが私の答弁なんです。

■前原委員
 わかりました。

 でも、これ、総理、非常に重い発言をされたことですよ。つまりは、政府の対応が正しかったかどうかということについては留保されたということなんですよ。(小泉内閣総理大臣「いや、そうじゃない」と呼ぶ)いや、そういうことですよ。大量破壊兵器が見つかるかどうかということを、ずっと見つからなかった場合においては、それはまた違う話になりますよ。(小泉内閣総理大臣「それは違う」と呼ぶ)いや、それは違うんだったら、どうぞお答えください。

■小泉内閣総理大臣
 見解の相違は認めます。今までの米英を支持した対応は、私は正しいと思っています。見解が違う。

■前原委員
 総理、質問と違うことをお答えにならないでください。それは二つの質問のうち初めの方なんですよ。初めの方はもうわかりました。むしろ私が見解の相違ですねと言ってあげているんですから。それについては認めているわけですよ、いいか悪いかじゃなくて。

 私が伺っているのは、大量破壊兵器が見つからなかったときに、政府の今回の対応というものが正しかったか正しくなかったかということについて、総理はイエスかノーじゃないとおっしゃったんですね。それについては態度を留保されたんですよ。そういうことでいいんでしょう。総理に聞いているんです。

■小泉内閣総理大臣
 今捜索中ですから、それが仮にという時点での答弁は差し控えるということを言っているんです。

■前原委員
 それは、ですから、留保したということで、重大な答弁をされたということです。

 つまり、これは、なかったら、見つからなかったら私は大変なことになるということだけは申し上げておきたいと思います。だって、総理が先ほど、国際法に照らし合わせて、正義のない攻撃については、たとえ同盟国であるアメリカであっても、それについては支持しないということをおっしゃったわけですから、それと合わせてかなり重い答弁をされたというふうに私は思います。

 ただ、つけ加えますけれども、私は、イラクの大量破壊兵器の疑惑というのはあると思います。ある。先ほど申し上げたように、クルド人に対しての化学兵器が使われたことについては、それは私はかなり事実に近いんだろうと思います。これからいろいろ問題点が出てくるんだろうと思います。

 しかし、私が申し上げたいのは、出てくるだろうということで攻撃していいのかと。先ほどの話に戻ります。確たる証拠があって、ここに大量破壊兵器が隠されている、あるいは貯蔵されている、そういうものがわかった上で攻撃をしたのなら、まだ政府の支持した理由にはなるけれども、捜したらあるだろう、とにかく攻撃して壊して、そして、がらくたのおもちゃ箱をぶちまけて捜してみたらあるんじゃないか、こんなことについて私は正当性はないと。ただ、それは、先ほどおっしゃったように、見解が違うということなんでしょう。

 だから、私は、そのことについては、疑わしき段階で、また確たるものも、情報、証拠もないのにやったことについては、政府の対応は問題があったということは申し上げておきたいと思います。

 では、総理、外務大臣、どちらでも結構ですよ。今、アメリカやイギリスの中で相当問題になっていることがあります。つまりは、大量破壊兵器に対して情報操作、情報隠ぺいがあったんじゃないか、こういう問題がありますね。

 例えば、具体的に申し上げますと、アメリカについてでありますけれども、昨年十二月にイラクの核開発の証拠とされる文書がアメリカ、イギリスから国連に提出をされた。この内容については、イラクがニジェールという国からウラン五百トンを輸入しようとしていたことを示すニジェール政府の公式文書、そういうふれ込みで国連に提出した。しかし、国際原子力機関、IAEAエルバラダイ事務局長はすぐに、この文書は偽造である、にせものである、こういうことを言ったわけです。つまりは、アメリカ、イギリスが出した文書についてはにせものであったということをIAEAのエルバラダイ事務局長は言っているわけですね。
 それから、国連監視検証査察委員会、UNMOVIC、先ほどから何度か申し上げていますが、UNMOVICのブリクス委員長も、米英の情報をもとに査察を行ったけれども、何も発見できなかったと。つまりは、事前に米英からいろいろな情報を得たけれども、それによっては何も発見できなかった。ということは、米英の情報というものがにせものであったり、あるいは米英の情報に基づいてUNMOVICが捜査をしてもそれについては発見できなかった、こういう話があります。

 それから、イギリスのことも話をいたしますならば、イギリス国外の情報を収集する組織、MI6、この高官が証言しているのは、政府が機密情報を歪曲し、イラクの兵器が与える脅威を訴えるため恣意的に使ったと。

 つまり、イギリスでも大問題になっている、あるいはアメリカでも大問題になっている、そして、査察のよりどころになっていたUNMOVICのブリクス委員長あるいはIAEAのエルバラダイ事務局長もそういう発言をしている。あげくの果てには、ジェシカさんという二十で捕虜になったと言われる女性のことについても、あれは国防総省がでっち上げたものではないかという話までアメリカでは出ている。

 こういう情報をもとにして、それでも、先ほどおっしゃったように、アメリカを支持したことについては、それは間違ってなかったんだということを言われますか。

■小泉内閣総理大臣
 これは、査察団並びに国連安保理がイラクの疑惑を認定してきているんですよ。米英の情報のみに頼っているんじゃないんです。だからこそ、正しかった、今でも対応は正しかったと判断しているんです。

■前原委員
 国連は、アメリカ、イギリスの情報をもとにして査察をしたけれども、見つからなかったということを言っているわけです。それと同時に、米英は期限を切ってイラク攻撃だと言ったけれども、国連、UNMOVICは査察継続だと言ったんですね。IAEAもそう主張したわけです。

 私は、こういう情報操作あるいは情報隠ぺいというものがありながら、アメリカの情報しか日本は主に得るところはないわけですから、そういうものをベースに支持をしたということについては、大きな問題ありということを最初の観点とともに指摘をしておきたいというふうに思います。
 水かけ問答になるだけですから、結構です、答弁は結構です。

■高村委員長
 先ほどから随分主張されて、さっきから答弁……(前原委員「いや、委員長は交通整理だけしてくださいよ。意見を申し上げたのと質問をするのは私が決めさせていただきます」と呼ぶ)答弁者にも答弁の機会を与えてください。(前原委員「いや、総理が答えられたんですから。委員長がそんなことをおっしゃることじゃないでしょう。おかしいじゃないですか、委員長のその仕切りは。おかしいですよ。私は、要りませんと言っているんですから」と呼ぶ)いや、答弁者が答弁……。(発言する者あり)

 川口外務大臣。

■川口国務大臣
 先ほどの点でございますけれども、いろいろなことがあったとしても、そして、その大量破壊兵器の保有についての米英で起こっていることについては、これはブレア首相も明確に否定をしている。それからブッシュ大統領も、これは、サダム・フセインが大量破壊兵器を保有していたことは確実であって、長期間かけても発見をするという立場であるということでございます。

 それから、先ほど委員が幾つかの報道機関の報道を聞かれたということですけれども、そもそも、核の疑惑ということについてはイラクには余りなかったということでございますし、それからブリクス委員長も、イラクがプロアクティブに協力をしない、圧力がこれだけあっても協力をしないということであれば、そもそも査察をやっていくということについては非常に困難だという発言をしていらっしゃいまして、委員がおっしゃるように、米英の主張に基づいてやったけれどもできなかったということではなくて、そもそもイラクが協力をしなければいけないところをしなかったということが査察がうまくいかなかった、そういうことであるわけです。

■前原委員
 やはり答弁してもらわない方がよかったと思います。時間のむだだったと思います。

 つまりは、これは別に答弁をお伺いするつもりはなかったので、ここまでは申し上げようとは思いませんでしたけれども、外務大臣の今までの御答弁は全部、要は、すべてアメリカの武力攻撃を前提としたお話なんですよ。

 もっと言えば、パウエル国務長官が国連で、二月の六日だったと思いますけれども、証言しましたね。つまり、証拠があるということで、衛星写真とかいろいろなものを出しました。それについてはアメリカの中でも後には疑義が出てきたけれども、外務大臣の談話、そのパウエルさんの国連での報告があった六時間か七時間後ぐらいだったと私は思いますけれども、こういうものが出された、そしてイラクへの疑惑がますます深まった、こういう談話を発表されているんですね。どうやって六時間の間でパウエルが出してきたものを、それが正しいかどうか評価するんですか。

 つまりは、アメリカからもらった情報のすべてうのみ、あるいはそれをすべて言っているだけが今の外務大臣の御答弁じゃないですか。そんな答弁を前提に、私、外務大臣のお話は伺いたくないです。もう結構ですから、それは、それについては。――では、どうぞ。

■川口国務大臣
 談話をよく読んでいただきたいと思いますけれども、その談話で言いましたことは、アメリカが情報を提示したことを高く評価をする、そして情報が示されたことを重視している、また、これによって疑惑はさらに深まったということを言っているわけであって、これが事実であるとかないとかいう評価をこの談話でしたわけではない。ここで申し上げたことは、別にアメリカの言っていることが正しいという評価ではなくて、今私が申し上げたとおりであって、したがって、委員が今おっしゃったことは当たらないと私は考えております。