156回−衆−予算委員会−20号
2003/03/03 (3P/3P)
■石破国務大臣
委員のおっしゃるような問題意識は、私たちは本当に持たなきゃいかぬのだろうと思います。
ただ、申し上げておきたいことは、北朝鮮がこうだからイラクにこう対応しなきゃいけないというそういう論理で私ども政府は申し上げたことはございません。
ただ、実際にどうやってこれも、イラクのときは知らぬ顔、北朝鮮のときには助けてくださいという話が通りますかねというような、何か巷間そういうような御議論があるようですけれども、その辺をきちんと整理をする必要があるのだろう。ただ、政府としてそういうことを申し上げたことはございません。
それで、伊藤先生のときにも私はちょっと意識して申し上げたのですが、では、委員がアーミテージにお会いになって、アーミテージ副長官は、そうなったらば集団的自衛権を行使する。確かに、防衛協力の指針の中でも言われておるように、必要な打撃力の行使を考慮する、こういう言い方になっています。それを信じるのか信じないのか、そういう議論になってくるのだろうと思っています。
私たちは、日米安全保障条約というものの信頼性を高めるということでやってきました。では、打撃力を日本としても持つべきなのか否かという御議論は、それはあるのだろうと思っています。
そういう議論をどのように考えるか……(発言する者あり)末松委員がそういうふうにお話になっておられまして、きのうも某月刊誌に石破防衛庁長官にただすというふうにお書きになりました。そうしますと、私の方が、じゃ、民主党はどう考えるんだというふうに聞いたので、そんなこと言われても、おれたちは野党だからそんなことをまとめる立場にはないというようなお話でありましたが、いずれにいたしましても、私どもは、どうすれば日本の国の平和と安全を守れるか、そのことはきちんと議論をしなければいけないのだろうと思っています。
そのことが日本国憲法に触れるものではない。つまり、向こうが攻撃に着手したときには、自衛権の行使として我が方の方から敵基地に対して攻撃を加えることは、座して死を待つことが憲法の予定することとはとても思われない、憲法論としてはそうなんです。だとするならば、その憲法の範囲内で、私たちは、どうやって国の平和と安全、独立、国民の生命財産に責任を持てるかということを、机上の議論ではなくて、本当に責任のある立場で議論をしなければ国民の皆様方に対して責任を果たしたことにはならないというふうには考えておるところでございます。
■前原委員 今の、ちゃんと私の質問にもう少し答えてください、端的に答えてください。
盾と矛の関係、盾の役割、じゃ、今果たせるんですか。考えられるような武力攻撃、つまりは大規模な着上陸侵攻ではなくて、ミサイルが飛んできたりあるいはテロが起きたりしているときに、それでも自衛隊というのは、年間五兆円も使って盾の役割を果たせるんですか。盾の役割も矛の役割も果たせないのが今の自衛隊の体制じゃないですか。それについて甘んじるんですか、どうなんですかということを聞いているわけですよ。
■石破国務大臣 現在、矛の役割を果たすような装備体系にはなっておりません。それが日米安全保障条約のもとでやっていくということは今日まで積み上げられた議論であります。今日まで積み上げてきた議論というものがどうなのかということは、本当に全体的な議論の中できちんきちんと論証していかなければいけない。今、矛としての役割は持っておりません。そのような装備体系は持っていません。そのような政策を今まで選択してまいりました。(前原委員「盾の役割を果たせるかどうかを聞いているんだ」と呼ぶ)盾の役割を果たせるかということですか。盾の役割、つまり打撃力は有しないが盾として守り得るかということをお尋ねになれば、それは果たし得るものだと思っています。
つまり、先方から、どことは申しませんよ、攻撃をしかけられたときにそれを防衛するという、要するにこちらから攻撃を加えなくても、向こうから攻撃を受けたときに守れるかということでいえば、自衛隊は相当の能力を有しておるということは申し上げることができます。
■前原委員 時間が来ましたのでこれで終わりにいたしますが、今防衛庁長官がお答えになったことは、実態がわかっておられながら苦しい答弁の部分があると思いますよ。
私は、アメリカとの関係というのは今後も大切だと思うし、アメリカを信じるかどうかということを言っているわけじゃないんです、それは。信じる部分はあって、同盟関係もこれから違う形にしても続けていかなきゃいけないけれども、自国を守るための体制として最低限の役割を果たせるような自衛隊なんですかというときに、時代が変化してなかなかそういう体系になっていないでしょうという話をしているわけです。そのことについて真摯な答弁をいただきたかったということであります。
総理、一言それに対してお答えがあれば。
■小泉内閣総理大臣 私は、前原議員の意図、質問、よくわかります。理解できます。これはやはり大事な議論であり、日本の防衛力はどうあるべきかということに十分関連してくると思っておりますし、私は、最小限必要の防衛力を維持している、だからいいのかという質問に対して、十分かといえば、これは十分と言えないからこそアメリカと同盟関係を結んで日米安保体制を維持しているということしか言えないと思います。
どこから攻撃するか、日本一国だけで十分な防衛体制なんというのはとれないと思っているんです。だからこそ、これからそういう、防衛力はどうあるべきかという議論は、前原議員みたいな建設的な議論というのは私は大変重要なものではないかと理解しております。
■前原委員 終わります。
■藤井委員長 これにて前原君の質疑は終了いたしました。
|