156回−衆−予算委員会−20号
2003/03/03 (1P/3P)
■藤井委員長 これにて首藤君の質疑は終了いたしました。
次に、前原誠司君。
■前原委員 民主党の前原でございます。
総理に、まず、前回の質問の中で総理が御答弁をされたことの確認をさせていただきたいと思います。
国連加盟国が他国を攻撃できる正当性について、二つお答えになられました。自衛権の行使と国連の安保理決議と。総理がお答えになったことです。日本のスタンスというのは、そのおっしゃったことで、国連に加盟をしているし、当然、他国を攻撃できる法的根拠はその二つしかない、また国際社会もそうあるべきだというふうに思われますか。その点、簡単にお答えください。
■小泉内閣総理大臣 はい。自衛権の行使と国連安保理の決議、この前答弁したとおりでございます。
■前原委員 その二つについて、日本の立場も当然そうであるし、国際社会もそうあるべきだというふうに思われますか。
■小泉内閣総理大臣 そう思っております。
■前原委員 外務大臣、歴史の確認で二つお答えをいただきたいんですが、一九八一年にイスラエルがイラクを空爆していますね、爆撃していますね、核施設の建設で。これは国際法的にはどう解釈したらいいんでしょうか、これが一つ。それから、一九九九年にNATOがセルビアを空爆していますね、いわゆるコソボの介入というもの。この二つは、国際法的にどう正当性として判断したらいいんでしょうか。
■川口国務大臣 突然の御質問ですので十分なお答えはできないかもしれませんけれども、まず前者の方ですけれども、これについては国際社会は非難をした、日本も含め非難をしたということです。それから後者の方について、我が国としては、これが起こった、遠いところでございますし、当事者でもないものですから、その状況はよくわからないということでございます。
■前原委員 前者については非難したということは、イスラエルは国際法を逸脱した行為を行ったということを日本政府としてはおっしゃっているわけですね。ということは、後者のNATOのセルビア空爆、コソボ介入については、アメリカも当然NATOの一員でありますので入っていますね。先ほど総理がお答えになった国連決議にはなかったわけです。しかも、これはいわゆる内紛、内乱に対する空爆であったわけで、自衛権の行使ではないわけですね。
ということは、このコソボ介入というものは国際法上問題があったんではないですか。政府のスタンスはどうですか。
〔委員長退席、杉浦委員長代理着席〕
■川口国務大臣 後者の方につきましては、それは、まさに国際法というのは常にイボルブしていく、国際法というのは常に変化をしていく、発展生成をしていくという性格のものでございますから、人道的な観点からということをどういうふうに国際法として位置づけるかということであったわけですけれども、これが国際法違反であったかどうかということについて安保理で決議があって、これは否定をされたということ、すなわち違反ではないというふうに安保理としては判断があった、そういうふうに聞いております。
■前原委員 私は、今後起こることについても、あるいは過去起こったことについても、いかに国際法のルールというものを厳守した上で国際社会が対応していくかということを確認していかなくてはいけないというふうに思います。その意味で、少し二つのことについては歴史の事実として質問をさせてもらいました。
先ほど伊藤委員からお話がありましたように、先週アメリカに伺いまして、二月の二十六日にアーミテージ国務副長官とお話をさせていただきました。そのときにアーミテージさんが言ったのは、決議六七八で攻撃は十分可能なんだ、多分公電で行っていると思いますけれども、そういう発言をされました。
今まで、私も前回の予算委員会で質問させていただきましたけれども、仮定の質問には答えられない、こういう御答弁でしたので、アメリカの国務副長官がおっしゃった六七八で武力攻撃が可能だ、そのときに、逆にパウエルさんは日本に来られていまして、与党の三幹事長ともお話をして同様の発言をされたと伺っておりますけれども、では、この解釈、仮定の質問じゃなくて、アメリカの政府高官、つまりは国務長官、国務副長官が六七八で武力攻撃は可能だと言っている。では、日本政府のその見解に対する解釈、日本政府としてはどう考えるのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
■川口国務大臣 米国がまだ武力行使を決めたわけではない状況において、また、今後さまざまなことがイラクをめぐって起こり得る中で、米国がどのような法的根拠に基づいてそういうことをやるのかということについて、私どもは全く何も承知をしておりません。米国としても今の時点で決めたということは、その法的な根拠についても決めたということはないと思います。米国はまだ決定をしていないわけでして、したがって、万が一そういうことがあったらば、そのときに米国はどういう法的な根拠で言うかということを見るしかないということでございます。
したがいまして、我が国としては、今、茂木副大臣が行っていますけれども、まさに平和的な解決をして、問題がそういうことにならないように最大限の努力をしているということです。
それで、この前、前原委員にお答えをしましたように、純粋に、論理的にお話をすれば、そのときの答弁は繰り返しませんけれども、そういうことは前にもあったし、純粋に、論理的に言えば、六八七の根拠が崩れているという状況があれば、六七八によって行うということは、純粋法律的、論理的には可能性としてはあるという趣旨の御答弁を前に申し上げたと思います。
■前原委員 では、統一見解を出してほしいというお願いをしました。それで、それについては外務省から拒否の回答が来ていますね、不適切と考えると。なぜ不適切かということについては今外務大臣が答弁をされたとおりなので繰り返しをしませんけれども、純粋法理論的にはあり得る、こういうお話ですね。だったら、その純法律論的な話をさせていただきたいんです。
つまりは、六七八、外務省からいただいた日本語の訳というのもありますけれども、六七八で、どの文言をとって今外務大臣は純法律的、論理的にはあり得るとおっしゃったんですか。その点について、場所を示してお答えください。
■川口国務大臣 幾つかの決議が関係をすることになると思いますけれども、まず、安保理の決議の六七八の規定ぶりでございますけれども、ロジックの問題として御説明をいたしますと、六七八の第二パラグラフでございますけれども、これは、あらゆる手段、必要な手段をとる、そういうことが書いてあるわけです。そして、そのときの条件として、これが二つありまして、一つが、安保理決議の六六〇、これはクウェートをイラクが侵攻したことを非難した決議ですけれども、六六〇及びあらゆる累次の関連決議を堅持かつ実施するためということが一つ。それから、二つ目として、並列して並んでいますが、同地域における国際の平和及び安全を回復するためという、二つを挙げているわけです。
そして、そもそも、政府としては、安保理の決議の解釈は、そのときの国際情勢や、その決議が成立をした経緯あるいは精神といったものを総合的に判断するということであると考えていますけれども、決議の六七八、これは、クウェートを侵攻するといった形でこの地域の平和と安全を破壊したイラク、このイラクの行為を停止させるとともに、イラクがこの地域の平和と安全を再び脅かすことを阻止する、それを目的としているというふうに解すべきだと考えております。
したがいまして、政府としまして、従来から、六七八に言う「あらゆる必要な手段」、これをとるために、二つの条件を満たす、先ほど二つ言いました二つの条件の両方を満たす必要があるということは考えていないということでございまして、これについては前々から答弁を何回か過去させていただいているところでございます。
〔杉浦委員長代理退席、委員長着席〕
■前原委員 六七八の主文の二つ目で、「あらゆる必要な手段を取る権限を与える。」と。その前提として今おっしゃったのが、六六〇の安保理決議を堅持かつ実施するというところと、それから、同地域における国際の平和と安全を回復するために、この二つが並列だ、こういう話ですね。
ここは、そこまでお答えになっているのであれば、ぜひここで、きょう三十分しかありませんので、純法律的な議論をしている暇はないと思いますので、これが本当に並立なのか。並立であるとすれば、今外務大臣がおっしゃったように、同地域における国際の平和と安全を回復するためというところで武力行使の法的根拠があると。
そして、もう一つ大臣がお答えにならなきゃいけないのは、これは一九九〇年なんですね、六七八というのは。ということは、もう十二、三年たっているわけですね。そのときの国際の平和と安全という考え方と今の考え方が、本当に累次的に、アーミテージ国務副長官の言葉をかりれば、セカンドレゾリューションじゃない、第二の決議じゃないんだ、十八番目の決議を今模索しているんだ、今まで十七決議やっているんだ、こういう考えに立つかどうかということのやはり説明もしていただかないと、私は今のお答えだけでは具体的な内容が詰められると思いません。
したがいまして、これは委員長にお願いします。
今、政府の統一見解を出すのは不適切と考えているとおっしゃいましたけれども、今まさに外務大臣が、ある程度の中身についてお答えになりました。したがって、そこの箇所の、今私が指摘をした点について政府の統一見解をお出しいただきたいということをお願いしたいと思います。
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