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156回−衆−安全保障委員会−3号 2003/03/27 (1P/4P)


■田並委員長
 次に、前原誠司君。


■前原委員
 民主党の前原でございます。まず、イラクの問題に絡んで、日本の安全保障の体制について質問をさせていただきたいと思います。

 この戦争の法的根拠であるとか妥当性については、我が党と政府は意見の分かれるところではありますけれども、実際始まりました。

 始まった中で、今後いろいろなことをやはり考えていかなくてはいけない。短期的には、後で質問をいたしますけれども、復興支援の問題なんかもしっかり考えていかなきゃいけない。それから、私は中長期的に、根本的に大きな問題だと思っていますのは、日本の安全保障の体制、日米間の間合いとでもいいますか、同盟関係の見直し、見直しというのは別に解消するという意味ではなくて、役割分担の見直しということもしっかり考えていかなくてはいけないんではないかと思っています。その点について、私、少し防衛庁長官と議論をさせていただきたいと思います。この間も予算委員会で少し議論をいたしましたけれども、その点についてさらに突っ込んだ議論をさせていただきたいと思います。

 まず、外務大臣あるいは総理の御答弁でも、北朝鮮の問題があるからというだけで今回のイラクへの攻撃についての支持表明をしたわけではない、こういう言い方をされておりますけれども、しかし、根本的にやはりこういう問題があるのは事実だろうと思います。

 例えば、新聞報道を見ておりますと、シンガポールの首相が来られて、日本のスタンスについては北朝鮮の問題があるんだから仕方がないだろうという意見をおっしゃったとか、あるいは、これはかなり驚きを持って見られている部分もありますけれども、盧武鉉大統領の韓国でもアメリカの支援、支持というものを打ち出したということは、これはやはり北の脅威というもの、不確定要素というものが相当大きな要因としてあるのは間違いないだろうというふうに思います。

 そこで、今後、当然ながら、同盟国であっても、アメリカの国益と日本の国益が必ずしも一致しないことはあるんだろう。まあ、それはもちろん見方によって違うと思います。このイラク問題でも、見方によっては、国益が違うのに同じ行動をとらざるを得ないと思っている人もいると思うし、いや、一緒なんだという人もいるかもしれません、もちろん見方によって変わる部分があると思いますけれども。しかし、だれが見ても、国益が違うのに同盟関係の中でアメリカが協力を求めてきた場合の日本の立つべき位置というのは、私は、今後早急に考えておかなければいけないことなんではないかと思います。

 その観点に立って、幾つか質問をさせていただきたいと思いますが、盾と矛の役割分担、つまりは、日本は大規模着上陸侵攻を阻止するということでの防衛力整備を基本的に行ってきて、そして、相手の基地をたたくとか、そういうものについての矛の役割はアメリカに任せるんだ、こういう形で来ました。しかし、この役割分担というものが、新たに戦われる戦いを仮に想定したときに、そういうものが役割として成り立つのか、役割分担が成り立つのかと考えれば、どの国がという言い方をしたら語弊がありますけれども、大規模着上陸侵攻なんという戦われ方はこれからあるんだろうか。テロ、ゲリラ、あるいはミサイルが飛んでくる、こういった有事の形態というのが一般的に考えられるわけではないか。

 とすると、質問をさせていただきたいと思いますが、まず一つは、陸海空の予算の配分というのは、これはほとんど変わっていませんよね。積み上げ方式できて、ほとんど変わっていない。縦割り省庁の弊害ということを言われていますけれども、この陸海空というのは、まさに縦割り体制の弊害そのものである。これも超越していかなきゃいけないし、やはり統合機能というものの拡充、充実というものは避けて通れないんだろう。

 では、その統合機能の充実ということについて言えば、どういう自衛力の体制を我が国として整えていくのかということが必要だと思うんですね。まあ、今度、帯広の師団が旅団化される、そしてまた札幌の十一師団が旅団化されるということで、再編が行われるという話は聞いておりますけれども、今の体制というものがまだ、私は、大規模着上陸侵攻阻止というものの域を全く超えていないし、先ほど申し上げたように陸海空の予算編成が本当に硬直的である、大きな問題だと思いますが、この二点について今の防衛庁長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

■石破国務大臣
 問題意識は、委員と私、全く一緒です。という今の御指摘のようなことを、私は、防衛力の在り方検討会議におきましても、統合のあり方の会議におきましても強く指示をいたしておるところであります。

 大規模着上陸というものが、私は、かつて全く想定されなかったとは思っていません。ただ、それは、私どもの国は脅威はないということになっていますし、ましてや仮想敵国なんてない、こういう話になっておるわけですが、ただ、北にかなり懸念される状況があったわけで、その脅威は、仮に脅威という言葉を使うことが許されるとするならば、私はそれは日米共通のものだったと思っているのですね、ある意味。そのときには、輸送能力があったかなかったかという検証はもう一回してみなければいけないのだけれども、対峙している向こうの軍隊の規模から考えて、大規模着上陸というものが全くなかったかとは思っていない。逆に、限定小規模みたいな親切な攻略をしてくれる国が本当にあるんだろうかというと、そっちの方がむしろ怪しいかもしれないというふうに私は思っておったのです。

 冷戦が終わって、今や日本に対して大規模着上陸なぞということは、皆無とは言わないが、プライオリティーをつけるときにかなり劣位にいくと考えざるを得ないだろう。だとするならば、防衛力のあり方というのは根本的に見直されてしかるべきだということが一点。

 それから、陸海空の比率がほとんど変わらない。これは、ある意味、縦割りともおっしゃいましたし、お役所的とも思っているし、もっと言ってしまえば、これは本当に平時を想定しておるとしか考えられないのでそんなことになるのだろうというふうに思っております。

 少なくとも、諸外国を見て、こんなに陸海空の比率がぴたっとコンマ単位まで変わらないというのは余り見たことがないのであります、例外はあるのかもしれませんが。そうだとするならば、例えば空をふやす、じゃ、空を何かふやすとするならば、空のほかのものを削りなさいという話になってしまう。陸の何かをふやすんだったら陸の何かほかのものを削りなさい、ほかに迷惑をかけなさんなということでは、統合にも何にもならないのだろうというふうに思っております。

 仮に、今委員が御議論になっておられるような、例えば空対地というようなものを考えてみたときに、そういうものをつくるんであれば、空の何かほかのものを削りなさいよという話になるのであれば、それじゃ、そういう面倒くさいことはやめようねという話になってしまう。統合というのは、まさしく、陸海空それぞれニーズはあるでしょう、そして、できることならば陸海空それぞれ中で完結をしておけば、それはそれでお話としては結構なのかもしれない。しかし、それではだめなんじゃないだろうか。

 実際に今ある危険というもの、脅威と言ってもいいのかもしれません。それに陸海空がどうやって対応していくかということは、陸海空それぞれの幕僚長が長官を補佐するという運用のあり方と、もう一つは、装備というものをどう考えていくかという面と、私は、統合というのはその観点から論ぜられなければ、納税者のお金をきちんと使うことにはならないし、脅威に対応する、実際に働く自衛隊ということにならないだろう、そのように思っているところでございます。

■前原委員
 今ある危険とおっしゃった部分でつけ加えて言うのであれば、では、矛の能力は日本は持たなくていいのか、アメリカにすべて任せていっていいのかということがあると思うんですね。イラクの問題について、日本はアメリカを支援しなかったら北のときに協力してもらえないという議論があるのと反面に、協力してもいざというときに本当に協力してくれるかどうかというのはわからないという議論も反面あるわけです。

 そう考えると、我々は、今ある憲法の中で物事を考えていかなくてはいけない。しかしながら、よくこの国会でも議論されるように、まさに専守防衛の中に、あるいは誘導弾等の攻撃に対しては座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨じゃない。その基地を攻撃することは、やられたらやり返すということ、あるいは、まさにやられそうになったとき、この間防衛庁長官がミサイルの屹立という非常に難しい言葉で、初めてあんな字を書くのかというのは勉強しましたけれども、そういうようなときには、相手の基地をたたくことは憲法上認められている、しかしそれは今のところ日本にはない、アメリカに任せていると。それでいいのかという議論は当然あると思うんですね。

 その点については、防衛庁長官、どうお考えですか。