156回−衆−予算委員会−23号
2003/03/24 (4P/5P)
■前原委員
では、次の質問にちゃんと答えてください。
第六条、日米安保条約、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、」基地提供は、極東における国際の平和及び安全の維持のためということに使われているんですよ。
ベトナム戦争はぎりぎりアジア。中東じゃないですか、今度は。極東じゃないじゃないですか。キティーホークは今ペルシャ湾で展開しているんでしょう。バグダッドに空爆しかけたりしているときょう言ったじゃないですか。極東の範囲の中に入っていないじゃないですか。これは中東を極東とおっしゃるんですか。
■小泉内閣総理大臣 それは、キティーホークであれ、どこに移動しているか、極東地域から中東地域に移動する場合もあるじゃないですか。そこまで日本が一々、寄港した艦隊に対して、いや、極東に行きますよと。事態の変更があった場合に、それはもう極東からアメリカはどこの地域に行くかということは当然考えられる。これは何の不思議な答弁でもない、当たり前の解釈をしているだけだ。
■前原委員 これはたまげたひどい答弁ですね。
極東の地域からほかの地域に行ったら、極東の平和と安全のためでオーケーだ。これはもう、条約遵守を生命線に置く政府の一番トップの人としては、全くもって、答弁、おかしいですよ。これはおかしい。こんな答弁、おかしい。
〔杉浦委員長代理退席、委員長着席〕
■川口国務大臣 日本の基地を使用する……(発言する者あり)
■藤井委員長 御静粛に。御静粛に。
外務大臣、答弁ください。
■川口国務大臣 日本の施設・区域を使用するということの目的としてそういうことを、今おっしゃったようなことが書いてあるわけですけれども、米軍というのは、日本の基地に来て、日本の安全あるいは極東の平和と安全に資するということをやるわけですけれども、その後、移動できないということはないわけですね。当然に移動をしなければいけない。
これは、米軍部隊というのは常にローテーションをしている、これは、イラクに対して軍事行動をしている、していないにかかわらず、従来から、湾岸地域において活動している米軍部隊のローテーションのために、世界の他の地域から湾岸へ米軍航空機や要員が一時的に移動をするということは行われているということでございます。これは、米軍のローテーション、運用の一部でございますから、日本に来たら日本から全く離れないということではなくて、それは移動をするということであるわけです。
ということでございまして、米軍の運用の一つ一つについて我が方として申し上げる立場にはないということでございます。(発言する者あり)
■藤井委員長 御静粛に願います。
■前原委員 これはびっくりしましたね。アメリカのために日本の政府が安保条約を拡大解釈し続ける。本当にアメリカの走狗と言われても仕方がない。
大臣、もう一遍読みますよ、これ。
安保条約の第六条、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」んですよ。ほかの極東の地域へ行っていて、それから別のところに行ったものについては知らないなんということは、この第六条に逸脱している、範囲を逸脱していることは明々白々じゃないですか。今までの統一見解でも、そんなひどい統一見解、答弁はなかったですよ。いや、これは本当におかしい。(発言する者あり)
テロはどこから来るかわからないと言う斉藤斗志二さん、そうしたら、これは、安保条約は九月十一日以降改定しなきゃいけない、内容を変えなきゃいけない。あなたも防衛庁長官やったんでしょう。やった人がそんなやじを飛ばすというのはおかしい。全くもってひどい。これが防衛庁長官をやった人かと思うと、石破さん、これはおかしいですよ、この国は。
政府の統一見解、言いましょう。もう一遍これ言いましょう。
一般的な用語として使われる極東は、別に地理学上正確に画定されたものではない。しかし、日米両国が、条約に言うとおり共通の関心を持っているのは、極東における国際の平和及び安全の維持ということである。この意味で現実問題として両国共通の関心の的となる極東の区域は、この条約に関する限り、在日米軍が日本の施設及び区域を使用して武力攻撃に対する防衛に寄与し得る区域である。かかる区域は、大体において、フィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域であって、韓国及び中華民国、今は台湾地域と読みかえる、の支配下にある地域もこれに含まれている。
これが今までの政府の答弁ですよ。統一見解ですよ。(発言する者あり)いや、冷戦構造が変わったんだったら、これは条約を変えなきゃいけないですよ。第六条の意味を変えなきゃいけない。だって、今のお話でしたら、これは、六条の問題は極東じゃなくて全世界の平和と安全のためになりますよ。
もう一度答弁してください。
■川口国務大臣 従来の政府の答弁としてずっと申し上げていることですけれども、第六条の「極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、」というのは、これはアメリカの陸軍、空軍、海軍等が日本で施設・区域を使用することができる目的であるわけですね。
それで、今、先ほど委員が御質問になったことについて言えば、我が国の施設・区域を使用する在日米軍が、その抑止力をもって我が国及び極東の平和と安全の維持に寄与するとの役割を現実に果たしているとの実態がある以上、在日米軍を構成するある部隊、艦船等が、日米安保条約の目的達成のための役割に加え、それ以外の任務を有して移動することは日米安保条約上問題はない、これはずっと政府として申し上げている見解でございます。
■前原委員 このイラク攻撃が日米安保条約上の目的だとは、驚きました。日米安保条約を達成するための目的ですか、これ。そうしたら、日本は自衛権を発動したらいいじゃないですか。もう支離滅裂ですよ、この答弁は。
このままでは私は質問を続行できません。今の答弁でしたら、安保条約は全世界に適用できることになります。
■藤井委員長 川口外務大臣。(発言する者あり)指名しています。
川口外務大臣、指名していますよ。
■川口国務大臣 私が申し上げた答弁は、もうずっといろいろなところで答弁が行われておりまして、例えば一九九〇年のときにも外務省の柳井政府委員が、「時として米軍が極東の外の地域に移動してほかの任務につくということがありましても、これがために我が国の安全及び極東の平和と安全に寄与しているという実態が損なわれるものではないというふうに考える次第でございます。」という答弁がございます。それと同じことを申し上げたわけでございます。
■前原委員 同じことじゃないんですよ。川口大臣、私も国会に送ってもらって十年、安全保障をずっとやらせてもらってきて、余りなめた答弁をしてもらっては困ります。
つまりは、日米ガイドラインのときでも、極東の問題というのは非常にイシューになったんですよ。だから周辺事態という名前に変えたんですよ、あれは。つまりは、極東の近接概念までは今まではオーケーだったけれども、ペルシャ湾で日本に基地を持っている戦闘機なりあるいは空母が行動したのは初めてですよ。何を言うんですか。いいかげんな答弁しないでくださいよ。
初めてですよ、横須賀を母港にする空母が中東で行動したのは。今まではベトナムだったから、近接地域ということでクリアできてきたんだ。そんないいかげんな答弁はしないでください。だめです。こんなのじゃ質問できないですよ、まともに答弁できないんですから。
■川口国務大臣 私が先ほど申し上げた答弁、そして先ほど申し上げた当時の柳井政府委員の答弁、いろいろな、ずっと過去において同じ答弁が行われているわけでございまして、米軍が極東の外の地域に移動してほかの任務につくということがあっても……(発言する者あり)
■藤井委員長 御静粛に願います。
■川口国務大臣 これがために我が国の安全及び極東の平和と安全に寄与しているという実態が損なわれるものではないということは、これはもうずっと申し上げている答弁でございます。
■前原委員 その次の質問を、関連で統一見解を続けますよ。
新安保条約の基本的な考え方は右のとおり。右のとおりというのは、私がさっき言ったとおりであるが、この地域に対して武力攻撃が行われ、あるいは、この区域の安全が周辺地域に起こった事情のため脅威とされるような場合、米国がこれに対処するためとることのある行動範囲は、その攻撃または脅威の性質いかんにかかるのであって、必ずしも前記の区域に局限されるわけではない。
今の話でしょう、移動の話は。
しかし、次にもちゃんとこう書いてあるんです。
しかしながら米国の行動には、基本的な制約がある。すなわち米国の行動は常に国連憲章の認める個別的または集団的自衛権の行使として、侵略に抵抗するためにのみとられることになっているからである。
今回の行動は国連憲章に基づくものでしょう。米国の行動は自衛権に基づくものではないでしょう。しかも、今までの答弁とは前提条件が全然違うじゃないですか。日本を母港にしている空母がペルシャ湾まで行って、そして今バグダッド市内を攻撃しているんですよ。戦車部隊の後方支援しているんですよ。そういう事態がありましたか。前提条件が変わったのに、今までした答弁と同じですって、全くもって意味をなさないじゃないですか。
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