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156回−衆−予算委員会−23号 2003/03/24 (2P/5P)


■川口国務大臣
 逆に伺わせていただきますと、アナン事務総長に安保理の決議を有権的に解釈をする権限がなぜあるのか。アナン事務総長は安保理の事務局長でございます。事務局長が、安保理の事務局長が安保理のメンバーの決めた決議を有権的に解釈をするという立場にはないということでございます。
 それから、決議六七八でございますけれども、一四四一で言っていることは……(発言する者あり)

■藤井委員長
 御静粛に願います。

■川口国務大臣
 「一九九〇年八月二日の決議六六〇及び決議六六〇に続くすべての関連する決議を支持及び履行するために、並びに同地域における国際の平和及び安全を回復するために、」ということで二つ言っているわけでございまして、これは、先ほど申し上げたように、六七八が目的として二つのことを持っている、クウェートの解放と、それから中東地域の平和と安全ということを、二つを言っているということでございます。

 これは、イラクが今後この地域の平和を脅かすということがないというように、という意味で、この地域の安全と、国際の安全と平和ということがつけられたということでございます。

■前原委員
 後段については、また質問いたします。

 総理、アナン事務総長が、有権解釈はない、単なる事務局のトップである、ですから安保理決議に対して有権解釈権はないんだ、こういう発言ですけれども、そのアナン事務総長の、権威を、一国の外務大臣がそういう発言をすることは妥当だと思われますか。それとも、今のことについては認められるんですか。国連中心主義――いや、総理に聞いているんですよ。外務大臣が言ったことに対して、総理に私はお伺いしているわけです。

■小泉内閣総理大臣
 安保理の理事会の参加国が解釈で違った、これが違えば決議ができないわけでありますので、そういう状況のもとで、正当性については若干疑義があるという発言は、私は十分理解できると思っております。

■前原委員
 正当性について疑義があるとはどういう意味ですか。正当性に疑義があるということになったら、米英の攻撃の正当性に疑義があるということになりますよ。

■小泉内閣総理大臣
 正当性に対する解釈が違ってもめたんです。しかし、私は、あの一連の決議から、武力行使の根拠にはなり得ると思っておるわけであります。

■前原委員
 アナン事務総長について川口外務大臣がおっしゃったことについては、今どう判断されているか。本当に国連の事務方のトップですよ。非常に権限のある人で、これは安保理、例えば前の事務総長は、アメリカの拒否権で更迭されたわけですよね、認められずに。それぐらい権限のある人を、そういう発言を認めていいんですか、外務大臣が。そのことを御答弁ください。

 いや、総理に聞いている、総理に聞いているんですよ。だって、外務大臣が言ったことについて総理はどう思いますかと聞いているのに、外務大臣に答えさせるというのはおかしいじゃないですか。外務大臣の言ったことについて総理御答弁くださいと言っているわけですよ。違う違う、総理に伺っているんですよ。

■小泉内閣総理大臣
 それは、有権解釈についての発言だと思います。事務総長のやはり権威というものは尊重すべきだと思いますけれども、有権解釈という言葉について外務大臣が発言したことですから、そういう質問については、外務大臣にまた答弁させます。

■前原委員
 つまりは、アナン事務総長が国連憲章違反だと言ったことについては、事務方のトップは口出すな、そういう話をしているわけでしょう、川口外務大臣は。有権解釈権がないと言ったんだから。それについては認める必要がないと言ったんでしょう。どうぞ。(発言する者あり)

■藤井委員長
 御静粛に願います。

■川口国務大臣
 まず、いずれにしても、アナン事務総長は、アメリカ、イギリスのとった行動が国連の安保理の決議に反しているということは一度も言っていないということでございます。それが一つ。

 それからもう一つは、この解釈、安保理決議の有権的な解釈は安保理が行う。先ほど申し上げた、有権的解釈は安保理が行うということは、これは全く間違いはございません。

 それから、もう一つあえて追加させていただきますと、六七八というのは、加盟国に対してあらゆる必要な措置をとることができるということを授権しているわけですね。メンバーが授権をされている。この授権というのが武力行使を含むということについては、これは確立された解釈でございます。

 それで、各加盟国は授権をされているわけですから、六七八によって。授権をされているわけですから、今の状況において武力行使をするということはできるということでございます。

■前原委員
 アナン事務総長に対する発言については、これは私は、重大な発言として抗議をします。そして、外務大臣の資質を疑うものとして、厳しく指摘をしておきたいと思います。

 それから、今の有権解釈権について、安保理の理事会にあるということですけれども、安保理の理事会は、決議六八七を含む関連の決議に基づく義務の重大な違反をこれまで犯し、また依然として犯していることを決定するということは、大量破壊兵器の問題であって、それが三段論法で、六七八の、いわゆる地域の国際の平和と安全を回復するためにという問題まで一四四一が認めているというのは、それは飛躍ですよ、三段論法ですよ。そんなことはおかしい。

 では、なぜ外務大臣も総理大臣も、新たな国連決議が望ましいと言い続けてきたんですか。それは、法的な解釈、根拠に乏しいからこそ、有権解釈権が安保理にあるんだから、安保理が新たな国連決議を認めなければ武力行使には根拠が希薄だ、だから、今のような苦しい答弁にならざるを得ないんでしょう。三段論法ですよ、今のは。

■川口国務大臣
 当然のことを申し上げているだけなんですけれども、もう一度説明をさせていただきますと、一四四一……(発言する者あり)

■藤井委員長
 答弁中です。

■川口国務大臣
 一四四一ということによって、イラクが六八七に重大な違反をしているということが決定されているわけですね。それで一四四一は、その後、イラクに対してそれを是正する機会、これを、最後の機会を与えたというわけですけれども、イラクはその機会を生かすことをしなかったということであるわけです。

 そして、その結果として、六八七の基礎が揺らいだ、要するに、それがなくなったということであるわけです。そして、これは停戦の決議で、終戦の決議ではありませんから、六七八という、侵略をしたイラクに対してあらゆる措置をとることを授権した、必要な措置をとることを授権した六七八、これを停戦させたのが六八七ということですけれども、六八七の基礎がなくなったということでして、したがって、六八七の基礎がなくなったので六七八に戻る。六七八によって武力を行使していいということは、先ほど委員も御指摘になられた、この地域の国際の平和及び安全を回復するということであるということです。

 それから、それならば、何で新しい決議を追求したかということですけれども、これは武力行使をする際に不可欠だ、武力行使の根拠として不可欠だという意味でこれをやったわけではない。これは、国際社会が一丸となってイラクに対応するということがイラクにメッセージを送る上で必要であるというふうに考えた。そして、イラクに迫るということでやったわけですけれども、これについては、うまく結果が実らなかったのは残念だということでございます。

■前原委員
 二点について外務大臣に対して質問させていただきたいんです。

 ちょっと私は知らなかったんですが、今、同僚議員の末松議員からアドバイスをいただきまして、国連憲章の第九十九条、「事務総長は、国際の平和及び安全の維持を脅威すると認める事項について、安全保障理事会の注意を促すことができる。」ということが書いてある。ということは、先ほどの答弁は、事務総長の権威、権限を無視した話になりますよ。それについて反省があればしっかり答弁してください。

 それから、二つ目は、今累々と説明されましたよ。説明されたのはいいですけれども、じゃ、我々は、今、国会の権限として、私は、一議員の権限、個人の権限として、フランス、中国それからロシアの外務大臣あるいは国に対して、今川口外務大臣が答弁されたことを認めているのか。つまりは、一四四一から波及をして、六八七、六七八に至るまでの有権解釈権を一四四一で与えたと認めるのかどうか。そのことについてノーと言った場合、あなた、どう責任とられますか。今、国会の場であなたは発言されたんですよ。

 そのことについて拒否権を持つ国が一国でも、それについては、そんなミス・カワグチの言うことはおかしい、そういうことを言ったときには、今の答弁は崩れるわけですよ、論理的に。有権解釈権は安保理事会にあるとおっしゃったんですから。拒否権を持つところがしっかりとそのことについてノーと言ったら、今の答弁は根底から崩れるんですよ。

■川口国務大臣
 最初の方の点でございますけれども、末松委員がおっしゃられた、注意をすることができるということは、そのとおりです。ただ、それと、私が申し上げたのは、安保理の決議の有権的解釈、これは安保理がやるということを申し上げたので、違う話をしているということでございます。

 それから二番目の、有権的解釈についてということですけれども、先ほどちょっと申しましたけれども、六七八において、加盟国はあらゆる必要な措置をとることができるということを授権しているわけですね。(前原委員「だれが」と呼ぶ)加盟国に対して授権をしている。それは、六七八にそう書いてあるわけですね。

 それで、その六七八に書いてある、授権をされたその中身として、あらゆる必要な措置の中身として武力行使を含むということは、これは既に確立された理解であります。それに従って、現に、九三年、九六年、九八年、武力行使が行われたということであるわけですね。それで、フランスもそれに加わっているということであります。

 ですから、授権をされたことについて、中身は、この解釈は確立をしているということでありますので、六七八に従って武力行使ができる、そういうことでございます。