156回-衆-予算委員会-08号
2003/02/07 (1P/3P)
■藤井委員長
この際、昨日の菅君の質疑に関連し、昨日に引き続き、前原誠司君から質疑の申し出があります。菅君の持ち時間の範囲内でこれを許します。前原誠司君。
■前原委員
おはようございます。民主党の前原でございます。きのうに引き続きまして質問いたします。
きのうの続きを少しさせていただきたいと思いますが、きのう私が申し上げましたのは、国連加盟国が他国を攻撃できる条件というのは、自衛権の行使と、国連決議、国連憲章の第二十五条に基づくもの、この二つしかない。今、イラクの問題が言われておりますけれども、イラクに関して、今、国連決議の一四四一が安保理全会一致で決められておりますけれども、それに対しては、武力行使を容認するものではない。
きのう、川口外務大臣との話の中で、ロジックの問題、論理的な話として、六七八、六八七を遡及して、仮に一四四一の国連決議というものの後に新たな決議がなくても、それは論理的には成り立ち得るんだ、こういう話でありました。きのう帰ってからもう一度、国連決議の六七八、六八七を読んでみましたけれども、私は、それが遡及できるというところの論理的な意味、理由がいまいちよくわかりません。
そこで、きょうも三十分という限られた時間ですので、水かけ議論をしても時間のむだでありますので、委員長にお願いをしたいと思いますが、新たな国連決議がなかった場合に、昔の国連決議を持ち出して論理的には他国を攻撃し得る、この場合はイラクでありますけれども、攻撃し得るということの、その六七八、六八七の解釈を政府の統一見解として出していただきたいということを要望させていただきたいと思います。
■藤井委員長 理事会で協議をいたします。
■前原委員
では、お願いいたします。
昨日、総理大臣は、新たな国連決議がある方が望ましいとおっしゃいました。私どもは、新たな決議がなければやるべきでない、そういう思いを持っています。
幾つか論点を申し上げたいと思うのでありますけれども、まず一つは、これはアメリカの国内でも相当この問題について、新たな国連決議がなければ武力攻撃を認めるべきではないという論調がございます。アメリカの中でも相当強いそういう論調がございます。
また、きのう少しお話をいたしましたけれども、アメリカの中にはもうイラク攻撃にかかわる戦費、つまりは幾らぐらい一体かかるのかというような試算が出されております。
少し御紹介をしたいと思うのでありますが、アメリカの議会の予算局では、短期間で終わっても四百四十億ドルぐらいかかるだろう、こういうことなんですね。ということは、五兆円ぐらい短期間でもかかる。アメリカの予算委員会の民主党のスタッフの試算では、これも短期間で終わった場合には四百八十億ドルから六百億ドルぐらいかかる、こういうことなんです。同じように、五兆円から七兆円ぐらいかかると。しかし、長期化した場合には、ある専門家によりますと千四百億ドルぐらいかかる、こういう話であります。ということは、十四、五兆程度かかるというような話なんですね。
しかし、これは後の復興の話は入っていないわけです。つまりは戦費にかかわる話でありまして、アメリカについては、これをどう奉加帳を回すかというふうな議論ももうされているということはお耳に入っているかもしれません。つまりは、簡単に賛成する、アメリカが攻撃をした場合に賛成するという話はいいけれども、では、このお金の負担を求められたときに日本はどうするんですかということもしっかり念頭に置いておかなきゃいけない。
また、私は、きのうも申し上げましたけれども、イラクを守るために言っているのではない。イラクはクロでしょう、もう限りなくクロに近いグレーだと私は思います。しかし、国際社会が成熟をしていないまま攻撃が行われた場合に、イラクに対する同情とか、あるいはそれを支援するような組織、あるいは関連するようなテロというものが起きた場合、そのテロに対して本当は怒りの矛先を向けなきゃいけないにもかかわらず、何かテロが正当化される、やはり悪かったのはイラクを攻撃したアメリカじゃないかというような国際社会、世論が盛り上がるということを非常に私は心配しています。
だからこそ、きのう総理がおっしゃったように国連決議が望ましいのではなくて、一歩踏み出して、やはり新たな国連決議が必要である、そして、国際社会のコンセンサスをやはり高めていくようなそういう努力をしていかなくてはいけないと私は思います。
総理にお伺いしますが、望ましいとおっしゃいましたけれども、では、その望ましいというものをどういうふうに国際社会の中で努力をされていくのか、アメリカに対しても、新たな国連決議をすべきだというふうにおっしゃるべきだと思いますけれども、その点について総理の御答弁をお願いします。
■小泉内閣総理大臣 これは表現の問題と絡んでくると思いますね。前原議員は、すべきだと言う。私は、望ましいと。
そして、アメリカに対しても、今、国際協調体制をとろうと必死に努力されている、この努力を継続すべし、継続することが大事だということを繰り返しブッシュ大統領にも話しているわけであります。また、ブレア首相ともそのような話をしたわけであります。同時に、まずイラクが国連決議遵守、一四四一を実行に移せば全く問題解決しちゃうんですから、何も問題ない、平和的解決になるわけです。イラクに対しても、一四四一を履行しなさいと。両方の働きかけが必要だと思っております。
そういう中で、これから査察団のブリクス委員長が、八日ですか、イラクを訪問すると伺っております。その協議の終わった後、十四日ごろにはまた安保理事会で報告をされる、それでまた協議がされる。そういう状況を見ながら、日本としてはできるだけ国際協調体制をとるように働きかけていきたい、そう思っております。
■前原委員 国際協調を働きかけているということと、イラクに対して査察を全面的に受け入れろということについては、異存はありません。
もう少し具体的に、私が質問しているのは、新たな国連決議が望ましい、そういう場合に、どういう働きかけをアメリカも含めてされるんですかという話をしているわけです。私は、その答弁をいただきたいんですが、国際社会の協調あるいは国連中心主義というものを今こそ高めるいいチャンスだと思うんですね。
少しさかのぼりますと、冷戦時代というのは、アメリカとソ連がいがみ合って、常任理事国の二国が拒否権を発動し合って国連がうまく機能しなかった。しかし、冷戦が崩壊をして、特に九月十一日以降、テロへの対応、国際協調ということで、私は、むしろ国連の果たすべき役割が高まってきた、またそれを機能させるいいチャンスだというふうに思っています。
そういう意味で、新たな国連決議が望ましいんではなくて、私はその一四四一の後には新たな国連決議があるべきというふうに思いますが、もう一度具体的にお伺いします。その国連決議を望ましいとおっしゃった総理、どう実現をするために、そのポイントを絞って御答弁をいただきたいと思います。
■小泉内閣総理大臣
後ほど外務大臣に答弁させますが、これはパウエル国務長官の報告のみならず、これからブリクス査察団の報告もなされると思います。そういう中で、決議におきましても、どういう決議が出されるかもまだわからないんです。対応も、今各国表明されておりますが、その表明もどういう表明になるかまだわからない。今までの表明を変える国もあるかもしれない。
そういう状況を見ながら、日本としては、今までどおり、イラクに対しては、これは誠実に一四四一決議を実行しなさいと、アメリカに対しても、ここまで国際協調体制をとるように努力しているんだから、今後も国際協調体制を構築するように努力を続けることが大事であると、今の時点では日本ははっきりと表明している。これがやはり日本としての外交努力として必要じゃないかなと思っております。
■前原委員 十四日の報告を受けての話になりますが、新たな国連決議が必要であるとアメリカに言われますか。その点だけ簡単にお答えください。
■小泉内閣総理大臣 何回も答弁していますが、国際協調体制を構築する努力は極めて重要だということを今後もアメリカに対しても働きかけていくつもりでございます。
■前原委員 ダイレクトにはお答えをいただいていないと思いますが、日本は国連にどれぐらいお金を出しているかというと、世界の第二位ですね。百九十一の加盟国がありますけれども、日本は五分の一のお金を出しています。二百四十億円。しかも、情けないことに、これはちょっと別個に答弁いただきたいんですが、まだ敵国条項というのが残っているんですね。つまり、第二次世界大戦の敵国条項、これは残ったままなんです、まだ。世界第二位のお金を出して、常任理事国にもなっていない、そして敵国条項が残っている。こういうような中で、国際協調を目指すとかそういうお題目ではなくて、どう能動的に行動するか、働きかけるかということが問われているわけです。
私は、見守るという言葉が総理は多いなと思いますけれども、どうそういう国際社会を日本が考えるように持っていくのかということの中で国連決議の話をしているわけであります。その話については、また水かけ論になるかもしれません。
敵国条項の問題について、日本としては、これは国連外交を進める上でどう考えるのか。総理、ちょっとその点についてお答えください。
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