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156回−衆−予算委員会−07号 2003/02/06 (3P/4P)

■前原委員
 ふざけた答弁するんじゃないですよ。現実に起こり得る話を国会で議論できなくて何の国会なんですか。しかも、一四四一が、重大な違反があった場合に、それについて国連に報告する。それがなかった場合に、ある国がイラクに対して攻撃をした場合、それは、今までの国連決議に基づいて、それが妥当性があるのかどうなのか、国際法上それが通るのか通らないのか、その話をすることがなぜいけないんですか。その答えをすることをなぜあなたは拒むんですか。おかしいじゃないですか。

■川口国務大臣
 事態はどのような展開になるかということは全くわからない時点で、例えば六八七ということを申しましたけれども、六八七が実際にインボークされるような状態がそもそも生じるのか、仮にさらなる重大なる違反があったとしましても、そこは全くわからないわけですね。山ほどいろいろな事態、現実に考えたときに、その違反の状況があって、そして、それに応じていろいろなそのときの対応の仕方が国際社会としてあり得る。それを全部考えて、ロジカリーに、論理の上で何が可能で何が可能でないかということを申し上げるということは不可能だというふうに申し上げたいと思います。

■前原委員
 今のはおかしいんですよ。六八七というのはもう書いてあることで、それが、これから起きる状況によって六八七の解釈が変わること自体がおかしいんだ。むちゃくちゃ言っているんですよ。同じ質問に答えられないんだったら私は質問できませんから、その点をちゃんと答えてくださいよ。

■川口国務大臣
 私は、六八七の解釈が変わるということは一言も申し上げていません。六八七がインボークされるような、要するに六八七が適用されるような、そういう状況が生じるかどうか、そういうことは全く今の時点ではわからないということを申し上げた、そういうことです。

■前原委員
 同じ質問になりますよ。しつこく何度でも私は聞きますよ。この六八七、六七八に基づいて、アメリカ、イギリスがイラク攻撃をやったんだ。それを、昔の一九九〇年のクウェートを侵攻したときの決議を引っ張り出して、そしてそれに根拠を求めたんだ。

 もっと違うことを挙げましょう。コソボを攻撃しましたよね、コソボに介入して。あれは、国連決議全くないんだ。法的根拠なくアメリカはやったんだ。過去にアメリカはそういうことをやっているんだ、実際問題。人道的介入という言葉はいいけれども、国連決議なくやっているんだ。完全に他国に対する介入、先制攻撃をやっているんだ。

 そういう問題がある中で、今私が話をしているのは、確かに一四四一の話がどういう結論になるのかわかりませんけれども、一四四一で重大な違反がある、多分あるんでしょう、後でまた質問しますけれども。しかし、それにもかかわらず、報告がなされた、しかし、いろいろな国際政治の中で、常任理事国、全部まとまるかどうかわからない、安保理決議がまとまるかどうかわからない、その中で、実際問題に攻撃が行われた場合に、それは法的にどうなのかと聞くことがなぜおかしいんですか。それは今の国際法に基づいて、今までの決議に基づいて妥当かどうかということが、なぜ言えないんですか。

■川口国務大臣
 御質問になることはおできになると思いますけれども、まさに仮定の話の積み重ねですから、どういうような状況でその武力が行使されるかというところもおっしゃっていただかないと、お答えができない。

 国際社会としてどういう対応をとるかということは、まさにどのような形で、武力行使が行われることの前に、重大なる違反、さらなる重大なる違反があるか、そういうことがはっきりわからなければわからない、そういうことです。

■藤井委員長
 前原君、質問してください。――川口外務大臣、答弁できますか。川口大臣。(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。川口外務大臣。――川口外務大臣、答弁できますか。(発言する者あり)

 では、速記をとめて。
    〔速記中止〕

■藤井委員長
 速記を起こしてください。

 前原君。

■前原委員
 もう一度改めて質問します。

 国連の加盟国が他国を攻撃する根拠は、自衛権の発動か、国連憲章二十五条に基づく国連決議によるしかありません。今回のイラクの問題で、全会一致でこの間安保理でまとまったのは一四四一、これには武力攻撃を認める文言は入っていません。重大な違反があった場合には国連安保理に報告をするということになっています。

 今まで、先ほど外務大臣が答弁されたように、それがいいか悪いか、認めるか認めないかは別にして、昔々の、一九九〇年のいわゆるイラクがクウェートを侵攻したときの国連決議を持ち出して、そして武力攻撃を一九九八年にアメリカ、イギリスが行った。
 私が聞きたかったのは、一四四一は報告義務がある、そしてまた集まって、そして新たな国連決議なりができればいいけれども、いろいろな考え方があって固まらないかもしれない、そのときに、ある国がイラクに対して攻撃をした場合は、過去の国連決議に基づいて、それはいわゆる法的に妥当なものなのかどうなのか、あるいは法的な根拠がないものなのかどうなのか、そこを聞きたかったわけです。それに対してお答えを下さい。

■川口国務大臣
 純粋に論理の話としてお答えをいたします。現実、今現時に起こっていることとの関係は捨象してお聞きいただきたいと思います。

 決議六八七、これはいろいろなイラクに対する守るべき義務が書いてあるわけですけれども、その根拠を揺るがすような、すなわちそういうことを守らなかったということですね、そういうようなことが現にあった場合には、六八七が守られなかったということで、過去にあったように六七八が使われるということは論理的にはあり得る。六八七の根拠を覆すような、そういうことがなければ、六八七ということの違反はないわけですから、したがって六七八に戻るということはない、論理的に申し上げればそういうことでございます。

■前原委員
 つまりは、一四四一の国連決議で国連に対して報告が、重大な違反があった場合、報告があった、新たな決議がなくても、その攻撃は国際法的な根拠はあり得るケースがあるということですね、今の答弁は。

 そこで、ではちょっと聞きますよ。

 国連の決議の中に、この六七八にしても六八七にしても、イラクの大量破壊兵器の話が書かれていますよね、それに対しての違反の場合、あらゆる措置がとれると。では、その場合に体制転覆まで企てることは可能なんですか。つまりは、大量破壊兵器の破棄、原状復帰というものが目的でなければならないんじゃないですか。つまりは、この国連決議を利用して、あるいはもっと言えば拡大解釈して体制転覆をすることは、国際法的に可能なんですか。

■川口国務大臣
 一四四一には武装解除をするというふうに書いてあります。体制転覆という言葉は私は見た記憶はないということです。

■前原委員
 そうなんですよ。だけれども、アメリカには国内法があるんですね。どういう国内法があるかというと、イラク解放法というのがある。これは完全にイラクの政権をかえるという国内法がある。しかも、アメリカは議会の決議、上院、下院も両方ですけれども、イラク攻撃を大統領にもう授権しているんです、イラク攻撃していいよと。

 アメリカは、憲法というのは国内の最高法規ですけれども、憲法は国際法よりも上位に位置される。つまりは、アメリカの法解釈であれば、国内法が国際法に優越する、優先する。ということは、国連決議には体制転覆までは書いていないけれども、アメリカは国内法で体制転覆までやると言っているんですから。チェイニー副大統領は、イラクの占領統治は日本の占領時代を一つのお手本にするとまで言っているんですよ、チェイニーは。それは、では国連加盟国として、国連に二割近くの金も出して、世界で第二番目の金を出している日本が、そのアメリカの国内法のいわゆるグローバル化というものを認めるんですか。

■川口国務大臣
 今委員がおっしゃったようなことをチェイニーが言ったということは私も聞いたことがございますけれども、同時に、ブッシュ大統領は、まだ武力行使をするとは決めていない、これもはっきり言っていることでございます。

 したがって、今のような仮定に基づいたことについてはお答えできないわけですが、我が国の立場というのは、先ほど総理がおっしゃられましたように、新しいそういうような状況があった、さらなる重大なる違反がイラクにあったという状況において、新しい決議があることが最も望ましい。

 そして、ただ、その新しい決議がなかった場合、この場合には、これも先ほどから申し上げていますけれども、大量破壊兵器の問題というのは、まさに国際社会全体として廃棄をしなければいけないことだと考えている。我が国は、国際社会の責任ある一員としてどういうふうに考えるかということを主体的に考える立場にある。そして、イラクがどのような状況で安保理の決議に違反をしたか、それに対する安保理の議論の状況等も含めまして、国際情勢、そういったことを考えて主体的に判断をする、そういうものでございます。

■前原委員
 そこの話になると、もう完全に逃げというか、仮定の話で全部逃げるんですよ。だから、そこをやはりここの国会の場というので議論しておかないと私はいけないと思うんです。

 例えば、これは、イギリスというのは僕は立派な国だなとある種思うのは、イギリスの法務長官、法務大臣に当たられる立場ですけれども、ブレア首相に対してこう言っているんです。国連の承認を得た軍事攻撃であっても、イラクの体制の変革を目的とする場合には、国際司法裁判所で国連憲章違反の容疑に問われ、英政府が追訴される可能性があるとまで言っているんですよ。そういう議論までイギリスの国会ではちゃんとやっているんです。

 あなたは、仮定の話には答えない。アメリカの顔色ばかり見ている。アメリカの走狗と言われてもこれは仕方がないですよ、本当に。つまりは、アメリカは、国内法で、しかも憲法で、もうイラクを攻撃していいということを授権されているんです。授権されていて、そして、それが体制転覆の国内法まで持っている。それについて日本はどう判断をするかも言えなかったら、あなた、外務大臣をやめた方がいいですよ。その判断を聞いているんです。

■川口国務大臣
 米国が、どのような国内法に基づき、あるいは政策の考え方に基づき、どういう判断をし、行動をするかということは、これは米国の問題である。我が国としての立場というのは、先ほど申し上げたとおりでございます。

■前原委員
 総理、この答弁聞いておられて、おもしろいですか。つまりは、国会として機能を果たしていると思われますか。

 イギリスでは、法務長官が先ほど申し上げたようなことまでブレアさんに言っているわけですよ。つまりは、仮定の話で、しかし、そういうものについては注意してやりなさいということを議論できているわけですよ。

 日本は全くそういう話は、仮定の話で、議論していません。木で鼻をくくったように、アメリカはアメリカの法律があるでしょう、日本はまた違う法律がありますから、主体的に判断しますと。ふざけるんじゃない、そんな答弁は。今は、その仮定が現実のものとなりつつあるから、先ほどからもしつこく私が聞いているんじゃないですか。

 そういう状況が起こったときに、日本としてどう判断するのか。それでもアメリカを支持すると、本当にあなたは一国の総理として明言できるんですか。御答弁ください。

■小泉内閣総理大臣
 私は、政治論を述べます、政治論を。法理論は、学者、専門家に任せます。政治論を述べます。

 今回、イラクの問題について、昨日から国連安保理の決議が、議論が行われております、報告が行われております。そういう中で、私は、どういう事態が起こるか、これから予断は許しませんが、万策尽きて、仮に武力行使不可避というような状況になったと仮定した場合には、新たな国連安保理決議が採択されることが望ましいなということを言っているわけです。

 そして、今後、今現実の状況を見ますと、これからブリクス査察委員長がイラクを訪問します。それで、協議します。そして、それを持ち帰って、また国連安保理でその報告をします。そこでまた各国議論するでしょう。その状況を踏まえて、日本は、国際社会の、国連の責任ある一員としてどのような対応をとるか、そこで決めたい。これがもう、何回も繰り返しますが、我が国のはっきりした立場です。