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第155回国会6号 安全保障委員会 2002/11/26 (1/2)

■前原委員
民主党の前原でございます。

四名の参考人の皆さん方、きょうは、お忙しいところわざわざお越しをいただきまして、貴重な御意見を賜りましたことをまず御礼申し上げます。

まず、私のアフガニスタンあるいはイラクの問題に対する考え方を少しお話をして、それを受けていただく形でそれぞれの方に御質問をしたいと思います。

同盟関係を一つの基軸に考えた場合に、私は、アメリカの行動というものにかなり日本は影響を受けざるを得ない、こういう考え方を持っております。先ほど田久保参考人がおっしゃったように、日本の安全保障、防衛問題というのはかなり穴がありますけれども、その穴については、例えばパワープロジェクション能力でありますとか、あるいは情報収集能力、そういうものについてはかなりアメリカに頼っておりますし、また、一九七〇年以降につきましては、盾と矛の分業体制ということで、アメリカ依存というものがかなり強くなってきている。

先ほど、北朝鮮とイラクの問題を対比した質問がございましたけれども、私は、まさに北とイラクに対する問題というものは、同盟関係のもろ刃の剣というものが如実にあらわれている話だと思っています。

北については、私は田久保参考人が先ほどおっしゃった意見には全く賛成で、全く焦る必要はない、急ぐ必要はないと。そして、韓国やアメリカとの同盟関係で、強く我々の主張を貫いていく。そして、そのバックボーンにあるのはやはりアメリカの軍事力なんだろうというふうに思います。つまりは、同盟関係というものを背景に、対北朝鮮外交というものはかなり強気で臨むことができるのだろうというふうに思っております。

それに対して、イラク問題あるいは中東問題というのは私は逆のもろ刃の剣だと思っておりまして、アメリカが行動することによってメリットを受ける部分とデメリットをこうむる部分というものがある。特に、私は、酒井参考人がおっしゃったように、イラク攻撃をアメリカは多分やるんだろうというふうに思いますけれども、やったときに協力しなかったら、何だ、北朝鮮では一緒になって行動してくれというふうに言いながら、イラクの問題については同盟国でありながら協力しないのか、こういう言われ方あるいは見られ方をするのは必然だというふうに思います。したがって、どこで手を挙げるか、どういう協力をするかは別にして、ある程度の協力はやはりせざるを得ないんだろうというふうに思います。

私がきょう皆さん方にぜひ御質問をしたいのは、武力攻撃のみだけでイラクの体制崩壊はできるかもしれないけれども、しかし、新たなテロでありますとか、あるいはアメリカへの憎しみ、あるいは他のアメリカを協力する国への憎しみというのは残る。そして、大量破壊兵器などの拡散などによって新たな脅威というものが永続するし、またそれは、ひょっとしたら見えない形での脅威というものに、九月十一日に顕在化をしたわけでありますけれども、さらに拡大をしていくのではないかという危険性を私は感じ取っております。

四人の皆様方にお伺いしたいのは、軍事行動のみならず、先ほど河辺参考人からはテロの根源のお話がございましたけれども、もう少し掘り下げていただきまして、軍事行動だけでは多分私はテロの撲滅やあるいは対立の芽を摘むことはできないんだろうと思いますが、じゃ、軍事行動ではなくていかにそういったテロの芽を摘むべきなのかということについてのそれぞれの参考人の方々の御意見をお伺いしたいと思います。

田久保参考人からお願いします。

■田久保参考人
ただいまの御質問でございますけれども、テロとは何ぞやということでございます。

私が今ここで立って申し上げている前提は、アルカイーダを中心とするテロでございます。そのテロに、テロリストたちに大量破壊兵器を渡す可能性のある、おそれのある、現に渡したかもしれない、こういう国が悪の枢軸だというふうに理解しているわけでございます。

私、テロ全般、もういろいろな各種のテロがあるのでございますけれども、今のテロにつきましては、これは特殊なテロで、アラブを代表したものでも何でもないんじゃないかと思います。

私のつたない、乏しい知識でございますけれども、これは、約半世紀前にアラブに起こったテロ、ファンダメンタリストたちのグループで、アラブの政権の腐敗に対する不満、これがテロの出発点になったんじゃないかと思います。

これはどういうことかというと、今から二十年前でございますが、ちょうど一九八二年に、シリアの、今のアサドの親父さんでございますが、アサド王の政権を転覆するというおどしがあって、これはハマ、シリアで第四の都市でございますけれども、ハマにいるということを突きとめて、特殊部隊が二昼夜にわたってこれを皆殺しにしたわけですね。シリアの政府はわずか二千人の、わずかというんですか、市民二千人が犠牲になったと言っただけですけれども、アムネスティ・インターナショナルは、二万五千から三万が皆殺しになったと。その後、そこにブルドーザーで、あとコンクリートを敷いて大駐車場にして、ハマは何事もないように今に至っている。

これはハマのおきてと申しまして、アルジェリア、チュニジア、エジプト、このディクテーターたちがこれと同じことをやった。その結果、アフガニスタンとベカー高原に逃げたのが、そのうちの一部がアルカイーダでございます。

したがって、私は、徹底的にこの連中を根絶やしにしないといけないのではないか。いささかも私は同情を抱いておりません。軍事力でこれを根絶やしにしないといかぬじゃないか、日本もこれに協力しないと後に禍根を残すことになるのではないかというふうに考えております。

■田中参考人

そもそも、イラク問題とテロがどの程度密接に関連しているのかなということの前提に大きな矛盾があるのではないかと思います。それをわきに置いておきましても、実際にテロを根絶やしにすること、これは武力攻撃においても多分無理でありまして、まず敵を拡散させることに通じてしまう。これは、アフガニスタンでの攻撃を見ても明らかであります。

ただ、だからといって手をこまねいているというのも策ではありませんので、たたかなければいけないときはたたくというのは正当な防衛行動でもあるかと思いますが、最終的に必要なのは、同時に、テロの温床となる、これは何も貧困だけではありません、テロを支える社会構造、それから政治構造、宗教構造、いろいろな側面がありますが、こういったところに対しても適切な処置を図っていかない限り、いろいろな矛盾は常にはらんだまま、アメリカが得意とする二重基準のもとに、テロに向かう、あるいはテロを支持する民衆あるいはグループを育て上げてしまう。それは常について回ると思います。

■田中参考人
御指摘のありました、軍事行動ではない形でテロの根絶はどうかという問題でございますけれども、私も全くそのとおりだと思います。

報告させていただきましたように、今次の対イラク攻撃は、むしろ周辺国あるいは国内にかなり混乱を引き起こすということを考えれば、むしろテロの温床がますますふえるのではないかという気がいたします。そういう意味では、戦争そのものの問題よりも、やはり戦後、いかにアフターケアをきちっとやっていくかということが重要になっていこうかと思いますし、とりわけ難民などが大量に発生した場合には、そうしたところから、社会的、経済的な困窮の中からテロが発生してくるという問題がございますので、難民のケアが最大の問題だと思います。

さらに言えば、軍事行動によって政権が転覆されたような場合は、やはり力による支配という形が続くことになりますので、逆に、短期的な軍事政権が繰り返し立つというような群雄割拠状態が生まれる可能性もございます。そうなりますと、やはり力信仰というものが打破できないということになりますので、そうした点でも、やはり軍事的な攻撃にのみ頼った政権交代というのは、むしろ禍根を残すことになろうかと思います。

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