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155回-衆-安全保障委員会-01号 2002/10/29 (3/3)

■川口国務大臣
我が国がどのように情報収集をしているかということについてお話をすることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしても、委員がおっしゃるように、現在の世界にあって、情報というのが非常に大事であるということは十分に認識をしております。

■前原委員
認識をしていただいた上で、つまり、私がなぜこの覚せい剤の話をするかといいますと、国家が関与している可能性が高いわけです。先ほどの拉致の問題もしかりですけれども、あのように軍事独裁国家で、このような統一的な規格で、高純度で、覚せい剤を栽培そして精製して輸出をしているなんというのは、国家以外に北朝鮮では考えられないわけですよ、北朝鮮のような国では、軍事独裁国家では。

それについては今の段階では明言できないというのはそのとおりだと思いますけれども、やはりそういう問題も含めて国交正常化交渉で議論をしていただかないと、明らかでないことはほおかむり、しかし問題は垂れ流しということで、国交正常化交渉を拉致とそれから核の問題を最優先にということでありますけれども、今警察の方から、かなり組織的な背景があって北朝鮮からも来ている、こういう話ですから、国交正常化交渉にこの覚せい剤の問題も入れていただきたいと思いますが、いかがですか。

■川口国務大臣
この問題については、政府としても重大な懸念を持っております。八月に日朝の局長レベルの会議がございましたけれども、その場でも取り上げております。まさに日朝国交正常化交渉の中で、この問題も含め、さまざまな諸懸案についてはこれをきちんと解明をしていかなければいけないということで、懸案については取り上げるということで考えております。

■前原委員 それで、さらにこの問題で伺いたいんですけれども、一つ、我々に明らかにされていないのが、昨年の五月の一日に金正日総書記の息子である金正男が入国をしたのではないかということが言われておりますけれども、そのことについては、いまだ国会の場で明らかにされておりません。しかし、いろいろな証言あるいは写真等の分析も含めて、金正男であることは間違いないということでありますが、ここで接触したのは法務省ですよね、入管。もう一度、このときの状況を少しお話しをいただきたいと思います。金正男なのかどうなのか。

■増田政府参考人

お尋ねの男性につきましては、違反調査等において氏名その他の身分事項について聴取いたしましたが、本人が金正男なる人物であるかどうかについては、確認できませんでした。

■前原委員
何度もその答弁は伺っていますし、また、やりとりの中で、それだったらなぜ外務省がわざわざ護衛までつけて北京までついていって送り返すのかということになるわけですね。

私は、やはりこの国会の場で確認できなかったということは、これはうそだと思います。つまりは、国会の場でうその答弁をする、あるいは事実を隠ぺいするというのはよくないと私は思います。覚せい剤の問題をこれから議論していく中で、昨年の五月一日に来た、成田に着いた人間は金正男であると認めるところから、また私は、いろいろな問題の、これから解明が明らかになっていくと思います。

そこで、事務方に聞いても同じ答弁しか出てこないと思いますけれども、また委員長にこれはお願いしたいと思いますけれども、国会でうそあるいは隠ぺいをして言わないということ、つまりは、例えば警察で捜査上の観点からそれは言えないという答弁ではなくて、確認できなかったというのは、これは確実にうそだというふうに思うんですね。うその答弁は絶対によくない。これは国会議員をばかにする話だと私は思います。

この点について、安全保障委員会がしっかりと調査をする、そして真相の解明を行うということを委員会で取り上げていただきたいとお願いしたいと思います。

■田並委員長
後日、これも理事会で別途協議をさせてもらいますが、よろしゅうございますか。

■前原委員
それでは、よろしくお願いいたします。

あと、警察にもう一つお話を伺いたいんですが、朝鮮総連の非公然組織と言われていました学習組が解散されたかどうかというような話があります。解散されたのではないかという言い方がなされているわけでありますが、私が在日の方に話を伺うと、どうもそれは具体的には違うみたいだということなんですが、学習組あるいは学習組と言ってもいいのかもしれませんけれども、この学習組の解散命令というのは、朝鮮総連から出たのか、あるいはその上部団体の朝鮮労働党組織部から出ているのかどうか、あるいは統一戦線部から出ているのかどうか、その点についてお答えをいただきたいと思います。

■奥村政府参考人
議員お尋ねの点につきまして、先般、学習組に解散命令が出されたという報道がなされたことは、私ども承知をしております。

この学習組は、朝鮮総連とその関係団体の中に組織をされておりまして、北朝鮮に絶対の忠誠を誓う非公然組織であります。

警察といたしましては、公共の安全と秩序の維持という責務を果たす観点から、この学習組につきましても、重大な関心を持って情報収集を行っております。

ただ、委員お尋ねの、実際に学習組が解散されたかどうか、また、だれが命令を出したのか、そして別の地下組織などに改組されているのかどうかということにつきましては、まさに私ども警察の情報活動の中身でありますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

■前原委員
私が聞いた中では、それは警察も十分に調査をされていると思いますけれども、やはりまだ日本国内に工作員が数百の単位で存在をするし、また、何か暗号放送もまだ続いているらしいですね。そういうことも含めて、私の聞いた範囲の中では、別組織、もちろん非公然組織だったものがさらに非公然になるということで改組されたのではないかということですので、ぜひ、これは引き続き厳しく調査をしていただきたいと要望させていただきます。

次に、朝銀の問題につきまして質問させていただきたいと思います。

十月二十二日に東京地裁で判決がございました。朝銀にかかわる判決でありますけれども、資金不正流用事件で元理事長らに有罪判決を言い渡したということであります。

この判決が今までの判決よりもより画期的だったのは、今までは、この朝銀関係の資金不正流用の問題とかは個人の問題として片づけられておりました。しかし今回の東京地裁の判決は、朝鮮総連の指示による、そしてまた朝鮮総連に送金がなされていたということで、組織ぐるみであったということがこの判決の中で明らかになっているわけであります。

もちろん、第一審でありますので、まだこれから第二審、第三審と続くのかもしれません。したがって、この東京地裁の判決をもって事実が確定したということは申し上げませんけれども、朝銀の問題というのは、もし、組織ぐるみであるというこの東京地裁の判決が固まった場合は、捜査当局としては、今までは個人の判決であった、一度朝鮮総連の家宅捜索はされていますけれども、一回きり。総連の組織ぐるみの犯行だということになれば、さらに朝鮮総連の家宅捜索、あるいは朝鮮総連の組織のトップ、やはり実質責任者の捜査というところまでいかないといけないというふうに私は思うんですが、その点についてお答えをいただきたいと思います。

■栗本政府参考人
お尋ねの朝銀東京にかかわります事件につきましては、警視庁におきまして、当時の朝銀東京の理事長らと朝鮮総連財政局長らが共謀の上、個人的な目的のためではなく、朝鮮総連の使途に充てる目的で敢行した、約八億四千万に上ります組織的かつ計画的な業務上横領事件として摘発したものでございます。

委員御指摘の、東京地方裁判所におきます有罪判決につきましては承知をいたしておりますが、お尋ねの事件につきましては、これまでのところ、警察といたしまして厳正な捜査をした結果、法と証拠に基づき刑事事件として取り上げるべきものにつきましてはすべて立件したものと承知をしております。

■前原委員
今後の追加的な、組織ぐるみとしての捜査ということはもうしないということですか。刑事事件として立件したということは、もう立件済みという意味ですか、今のは。

■栗本政府参考人
ただいま答弁いたしましたとおり、これまでの捜査の中で得た証拠等に基づきまして、我々として、刑事事件として立件すべきものは立件いたしたということで御理解を賜りたいと思います。

■前原委員
もちろん、皆さん方の努力があったからこそ、判決の中身で組織ぐるみというものにまで至っているのはそのとおりだと私は思います。私も話を聞きましたら、時効の問題とか、いろいろ難しい問題があるということを伺いましたけれども、組織ぐるみの犯罪であるということが明らかになって、しかし、それが総連に、本丸に及ばないというのもこれまたおかしな話ではないかというふうに思うわけですね。ですから、ここはぜひ、もう終わったということではなくて、私はさらなる、どういう形でその可能性があるかということも含めて努力をしていただきたい、要望させていただきます。

それから、金融庁、伊藤副大臣お越しでございますが、簡単に二つ御質問したいと思います。

一つは、私が質問主意書を出させていただいたんですが、質問主意書の中身というのは、朝鮮総連と密接に関連のある傘下団体の役員というものは定款の朝鮮総連の役員には含まれない、元役員にも含まれないということなんですが、これはやはり、密接な関連のあるということにもかかわらず定款違反でないという質問主意書の答弁が来ているということは納得できない。これについて改めて御答弁いただきたいことと、あと、定款に直接かかわらないかもしれませんが、新たに出発した関西の兵庫ひまわり、ミレ、二つの信組の中に役員、北と合弁事業をやっている人がいますが、これは定款違反にならないんですか。この二点について御答弁いただきたいと思います。

■伊藤副大臣
お答えをさせていただきたいと思います。

破綻朝銀の新設受け皿組合の定款においては、朝鮮総連の役員経験者は役員としないという規定が設けられており、その趣旨は、定款にも規定されているとおり、組合の経営の独立性を阻害するおそれのある者を排除することと承知しております。

朝鮮総連の中央本部、地方組織の役員であった者は、基本的に朝鮮総連の役員経験者に該当すると解されるが、いわゆる傘下団体の役員経験者については、定款の趣旨である経営の独立性を阻害するおそれのある者に該当するかどうかという観点から、実態を踏まえて判断することとなっております。

こうしたことを踏まえ、いわゆる傘下団体の役員経験者であることのみをもって定款に違反するものではないと考えております。

それから、もう一つの御質問でございますけれども、破綻した朝銀近畿の新設受け皿組合の定款において、先ほどからお話をさせていただいているように、朝鮮総連の役員経験者は役員としないとの規定が設けられており、その趣旨は、定款にも規定されているとおり、組合の経営の独立性を阻害するおそれのある者を排除することであると承知をいたしております。

兵庫ひまわり信組及びミレ信組は、みずから事業を営む商工業者が中心となって、組合員の相互扶助を目的に設立されたものであることから、前原議員が御指摘の、北朝鮮と合併事業をしていることのみをもって、定款に規定する経営の独立性を阻害するおそれがある者に該当するとは考えておりません。

いずれにせよ、当局としては、近畿三組合の役員体制について、定款に違反しているという事実は承知をいたしておりません。

■前原委員
時間が来ましたのでこれで終わりますが、今副大臣が御答弁のように、しゃくし定規に、言ってみれば、独立性を阻害することにはならないので、傘下団体の役員だからといって定款違反には当たらない、しかし、傘下団体の役員であっても独立性を阻害する人がいれば、それについては定款違反だ、今の説明だとこういうことだと思います。

そして、また具体的に北との合弁の話は、きょうは名前を出しませんでしたけれども、具体的な事例をもって言った場合には、また具体的なことでお答えをしていただきたいというふうに思います。

終わります。