155回-衆-安全保障委員会-01号
2002/10/29 (2/3)
■前原委員
今、警察がお答えをいただきましたように、政府が認定した以外にもその可能性のある案件というものはある、こういうことでございます。
したがいまして、今クアラルンプールで行われております国交正常化交渉、拉致が優先課題の一つであるということでありますけれども、もう一度、外務大臣、認定をされている以外のものについても、しっかりとその中に含めて、北朝鮮に対しても協力を求めるという姿勢で臨んでいただきたいんですが、お答えはいかがですか。
■川口国務大臣
今認定をされているもの以外、その他のものについて、これが拉致の疑いがあるということを捜査当局で判断されるということでございましたら、当然、外務省はこれを国交正常化交渉の中で強く働きかけていくということでございます。
■前原委員
次に、国交正常化交渉の前提の問題でありますけれども、少し違った質問をさせていただきたいと思います。
日本に密輸されている覚せい剤につきまして少しお話をお伺いしたいと思うわけでありますが、警察からいただいた、生活安全局薬物対策課からいただいた資料でありますと、近年、北朝鮮ルートと言われる覚せい剤密輸事件がかなり頻発をしております。この事案につきまして警察にお答えをいただきたいのでありますが、これはどういうところが北朝鮮からの覚せい剤と認定できたのか、その背景についてお話をいただきたいと思います。
■瀬川政府参考人
平成九年以降でありますが、北朝鮮を仕出し地とする覚せい剤の密輸入事件等六件検挙しているところであります。
仕出し地といいますのは、覚せい剤が積み出されたと判断される国または地域を指して言っておりますけれども、警察としましては、これら事件捜査の過程で、被疑者の供述でありますとか、それから密輸入の態様でありますとか、事案ごとによりますけれども、そういったものを総合的に判断をいたしまして、これらは北朝鮮を仕出し地とするものであるというふうに判断をしているところであります。
■前原委員
まず、出し側と受け入れ側についてお話を伺いたいと思うのでありますが、北朝鮮が出どころであるということでございますけれども、その背景、つまり、どういう組織がやっているのか。つまりは、一般人が勝手にやっているのか、あるいは違う組織がやっているのか、あるいはまたは国家がやっているのか、その辺はどう警察としては判断されていますか。
■瀬川政府参考人
お答えいたします。
こういった北朝鮮を仕出し地とする覚せい剤事件、総じて見てみますと、特徴が幾つかございます。一つは、大量であるということでございます。押収量が非常に大量である。それから、純度が非常に高いということがございます。それから三つ目には、そういった覚せい剤の包装、これが非常に規格が整った包装がなされているというような特徴がございます。
これらから判断いたしまして、高度の技術水準を有する、また、相当の資金を有する組織が関与しているもの、そういう可能性が高いというふうに私ども推測をしておりますけれども、ただ、現在まで私どもが捜査を通じて得られた証拠に基づきまして判断する限り、これらの覚せい剤が北朝鮮において製造された、あるいは北朝鮮が、お尋ねでございますが、国家として覚せい剤の密輸入やその製造に関与しているというところまで断定するまでの材料はございません。
■前原委員
よく言われているのは、北朝鮮の北東部の羅南地域と言われるところで覚せい剤が栽培をされていて、工場などもある、精製されている、こういう話でありまして、今局長がお答えになったように、かなり資金力を持って組織的にやらない限りは、大量、高純度、そして統一の規格というものがなかなか難しいだろうというのは、おっしゃるとおりだというふうに思います。ここは、幾つかの外交的なルートを、警察に頼むだけではなくて、やはり努力をしていかなくてはいけないと思うわけであります。
私もしばしば、そんなによくというほどではありませんけれども、アメリカの高官ともお話をさせていただきますけれども、工作船の問題なんかではかなり情報は持っていますね。なぜ情報を持っているかというと、我々は、北朝鮮を悪の枢軸という指定をしているんだ、二十四時間衛星を飛ばして、そして東海岸からどういうものが出ていってどういうものが帰ってきたか、あるいは西海岸からどういうものが出ていってどういうものが帰ってきたかということについては逐一チェックをしていると。政府はお認めにならないかもしれませんが、昨年暮れの奄美大島沖の工作船事案も、第一報はアメリカから海上自衛隊に寄せられたものというふうに私は聞いております。
それをきょう問いただすのが趣旨ではございませんで、つまり、かなりの情報収集能力を持ったアメリカと同盟関係というところから、この覚せい剤の仕出しといいますか、製造、精製過程をしっかりと把握するということが極めて重要だろうというふうに私は思います。独自でやっていただくことも必要でありますけれども、自国の警察能力、捜査能力で限界がある場合は、そういった外交ルートも使うということが必要だと私は思いますけれども、外務大臣の御答弁をいただきたいと思います。
|