プロフィール記事・論文活動写真館国政報告会行事のお知らせ議事録リンク開票結果直球勝負!質問主意書

154回-衆-武力攻撃事態への対処に関する特別委員会-08号 2002/05/21 (2/2)

■前原委員
それはおかしいんですよ、今官房長官おっしゃっていることは。

例えば、個別の法律、今回出されている自衛隊法、それを適用するに当たって憲法で定められた基本的人権が侵害をされているというときに、じゃ、その基本理念に戻って、自分はどうすべきかと。その侵害された人間が、基本理念としてはしっかりとこの文書に書かれている、つまりは、「必要最小限のもの」でなければいけない、そしてまた「公正かつ適正な手続の下に行われなければならない。」と書いてあるのに、具体的に、じゃ、損害を受けたと思ってそのことについて訴えようとしても、理念しか書かれていなかったら個別の法律に対しての救済措置がとれないじゃないですか。つまりは、基本法の中に、武力攻撃事態法の中にそれがしっかり書かれた上で個別法をやるというのが本来の筋であって、それが書かれていないのに個別の法律を議論しろといってもおかしいじゃないですか。

■福田国務大臣

それでは、議論を先に、お答えを先に進めさせていただきますけれども、例えば、公正かつ適正な手続というのは、公権力が国民に不利益を課す場合には、法律で定められた手続が適正でなければならず、具体的には、当事者にはあらかじめその内容を告知し、当事者に弁明と防御の機会を与えなければならない、また、不利益を課す根拠規定が法律で定められなければならないこと、また、当該根拠規定が明確であり、かつ規定の内容が合理的でなければならないことという要件を満たす必要があるというように考えております。

■前原委員
一つ委員長にお願いしたいのは、これ以上続けても問答の繰り返しになりますので、憲法に定められた国民の権利、自由の中で、どの権利、自由が制限をされ得るのか、あるいは、どの権利、自由が制限をどのような状況においてもされないのか、そのことについての整理をしていただきたいと同時に、その制限をされる権利というものは、公共の福祉というふうに言われますけれども、どのような制限というものが加えられ得るのか、そしてまた、それについての救済というものはどういうものがあるのか、そのことについて示していただかないと、個別の法律は決めます、しかし、その個別の法律で憲法違反の疑義があるということで個人が何かを国に対して訴えたいと思っても、基本理念しか書いていないのに、具体的にできないじゃないですか。ということは、私は、法律の議論が、そこが空白である以上は詰められないと思うのですね。

少なくとも、今申し上げたような整理を理事会で諮っていただいて、そして、政府から統一見解として出してください。どの権利、自由が制限されるのか、されないのか。あるいは、制限される場合はどういう場合なのか。また、どういう回復措置があるのか。そういう部分は二年間でやりますから待ってくださいと言われて、議論できないですよ。

その点について、理事会で諮って、政府の統一見解を出していただきたいと思います。

■瓦委員長
前原委員の質問に対しまして、理事会におきまして後刻協議をさせていただきます。

■前原委員

では、三十分という細切れですので、この問題で聞きたいことを少し単発的に聞かせていただきます。

私がお伺いをしている限りは、行政不服審査法というのは適用除外であるということでありますけれども、それはそれでいいのか。しかし、損失補償についてはこの行政不服審査法が適用されるということでありますけれども、その理解でいいのか。まず、簡単に御答弁ください。

■津野政府特別補佐人
国民の権利、あるいは権利の制限、あるいは自由の制限について、あるいは義務化することについてでございますけれども、その関連で行政不服の申し立てができるかどうかということでございますが、これは一般的に、行政不服審査法という法律、その法律の適用を除外するという特別の規定を置かない限り行政不服審査法が適用されるわけでございます。

したがって、個々の法律によって制約されることがあり得るけれども、そのような規定がない限り一般的に適用があるものであり、その場合、行政不服審査法の規定に従って、いろいろな手続が進められるということでございます。

■前原委員
要は、適用除外じゃないということですね。

■津野政府特別補佐人

適用除外という規定、行政不服申し立てができないというような規定を、それぞれ、そういった権利を制限したり自由を制限したりした場合に、そういう行為に対して、不服申し立てをすることができない、行政不服審査法を適用しないという規定を置くことが間々ございます。そういう規定を置かれている場合には、当然その行政不服申し立てはできないということでございます。

■前原委員

だから、適用除外じゃないか、イエス、ノーで結構ですから。

■津野政府特別補佐人
それで、本件の場合、ちょっと誤解があるといけませんが、この法案に書いてあります三条四項の規定でございますけれども、この規定自身は、そもそも、法制の整備とかあるいは法律の運用に当たっての基本的な考え方を示すにとどまっているものでございまして、この規定が直接に国民の権利を制約するというような根拠ではございませんので、この規定についての不服申し立てとか、そういうようなことは考えられないところでございます。

■前原委員
ちょっと、済みません、理解できなかったんですが。

例えば、武力攻撃事態と認定をされているときに、憲法で認められた権利、自由が侵害をされたと感じた人が、行政不服審査法にのっとって行政不服申し立てをすることはできるんですか。イエスかノーかで答えてください。

■津野政府特別補佐人

いわゆる国の公権力の行使、それについて不服がある場合に、一般的には行政不服審査法の規定によりまして不服申し立てができるということになりますが、その場合に、その公権力の行使に伴っていろいろ権利が制限されたり義務が課されるというような規定があるわけですけれども、そういった規定は、すべて法律あるいは法律に基づく政令によって制限されているわけですね。

そこで、いろいろな要件とか手続とか、いろいろなことがその法律の規定に盛り込まれているわけであります。その規定に違反しているとか、あるいは、憲法違反の問題は行政不服審査法の対象となることはないと思いますけれども、一般的に、法律の規定に違反しているとか、権利がそれによって侵害されているとかいった場合に、いろいろと行政不服審査法の規定に基づいて不服申し立てができるということになっているわけでございます。

■前原委員

そうしたら、憲法上、基本的な人権が侵害されたという場合は、今御答弁では、この行政不服審査法の申し立てではないとおっしゃいましたけれども、では、これは最高裁、裁判所に訴えなきゃいけないということですか。

■津野政府特別補佐人
お答えいたします。

行政不服審査法の第一条で、「この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによつて、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。」と書かれております。

このように、行政庁の違法または不当な処分、当然、憲法違反になるようなケースであれば違法なケースになる部分があると思いますけれども、この行政不服審査法自体で、異議申し立てとかいろいろございますけれども、そこで憲法違反の判断をすることは、まず考えておりません。

これは、憲法につきましては一般的に裁判所が最終的に判断するわけでございますので、行政不服審査法自身で憲法違反であるというような認定をすることは、法律の対象とされていないところでございます。

■前原委員
では、法律で、「公正かつ適正な手続の下に行われなければならない。」とされていますけれども、それで、されていないと感じたときには、それは、この行政不服審査法――憲法の問題ですよ。この法律は理念しか書いていないわけですから。さっき答弁されたように、理念しか書いていない。ということは、要は、行政不服審査法の申請はできないということですか、これに対して不服を感じた場合は。

■津野政府特別補佐人
どうも、ちょっとよく御理解いただけないようですが。

要するに、法律で、個々のいろいろな法律がございます。例えば自衛隊法もありますし、土地収用法もありますし、いろいろな法律がございます。そういう法律の規定によって処分なりなんなりがされた場合に、行政不服とか、あるいは行政事件訴訟とか、いろいろそういう手続が起こってくるわけでございます。

この法律自身、現在武力攻撃事態法で書いてあります中で、国民の権利を制限したり、あるいは義務を課したりしている直接的な、実体的な規定は置かれていないわけでございます。したがいまして、それに関連しましては、この法律自身に関しましては、不服審査とか行政事件訴訟とかいうのはありません。

それからもう一つ、どうしたら救済できるかということでございますけれども、これは今後、この基本理念に従いましていろいろ個別法が整備されてまいります。その中で、その事柄の性質に応じて所要の制度的手当てが検討されていくと考えられるわけでございますけれども、一般的に申し上げられることは、まず、いろいろ、その個別の規定に違反しているとかいうことがございました場合には、行政事件訴訟法に基づいて、行政処分取り消し訴訟とかその他の行政訴訟を裁判所に提起する権利がある。それから、公権力の行使に当たる公務員の違法な行為によって損害を受けた人は、国家賠償法によって、その公務員の属する国または地方公共団体に対し損害の賠償を請求できるという制度になっているわけでございます。

■前原委員
今、官房長官、聞かれたように、この武力攻撃事態法の中には具体的な法律が、理念だけで、書いていないわけですよ。ですから、行政不服審査法によっての不服申し立てができない、こういう話なんですよね。

ということは、一番先の話になりますけれども、理念だけ書いたって根本にこれがないと幾ら個別の法案をつくってもだめじゃないですかと、そのことを言っているわけです。つまりは、このことは、最初に出さなきゃいけない法律、この理念の中に具体的に書いておかなきゃいけない。そうじゃないと行政不服審査法において不服審査ができない。今、そういう話ですよ。

それともう一つ、せっかく外務大臣来られたので伺いますけれども、米軍の行動、活動、有事というか武力攻撃事態のときに、米軍は、憲法で認められた自由と権利を米軍の活動において認めなきゃいけないんですか、どうですか。地位協定に憲法のことは書いていないはずなんですね、個別具体的なことは書いてありますけれども。米軍は国民の基本的な自由、権利を守る義務があるんですか、どうなんですか。その点についてお答えください。

■川口国務大臣

武力攻撃事態におきまして、米軍は、我が国に対する武力を排除して、我が国とそれから国民の安全を守るために行動するということになるわけでございますけれども、その際に、まず、我が国に駐留する米軍は、一般国際法上、我が国の国内法令を尊重する義務があるということと、それから、この武力攻撃事態において、米軍は、日米安保条約、国際連合憲章及び国際人道法等に従って行動することになっております。

こういったことにかんがみれば、この武力攻撃事態における米軍の行動が国民の基本的な人権を不当に侵害するということは考えられないということでございます。

■前原委員

先ほどの話とあわせて、つまりは、尊重するということの国際慣習があるということで、具体的にそれがどう担保されるかどうかということが明確ではないし、翻って、米軍もあわせてでありますけれども、自衛隊の行動において、何度も申し上げますけれども、我々は有事法制そのものがだめだと言っているわけではなくて、包括法である武力攻撃事態法の中に、先ほどのように、理念しか書かれていなくて、具体的に不服審査をしようと思ったときにはできないような理念しか書かれていないというところに、私は、この法案の最大の構造的な欠陥があると思うんですね。だから、その点について、あと三十分私時間をいただいていますので、その続きを後でやらせていただきたいと思います。

とりあえず、終わります。