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154回-衆-武力攻撃事態への対処に関する特別委員会-08号 2002/05/21 (1/2)

■瓦委員長
休憩前に引き続き会議を開きます。

質疑を続行いたします。前原誠司君。

■前原委員

民主党の前原でございます。

それでは、通告をしております基本的人権の問題につきまして質問をさせていただきたいと思います。

今回のこの武力攻撃事態における云々の法律案の中に、このような規定がございます。「日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならず、これに制限が加えられる場合は、その制限は武力攻撃事態に対処するため必要最小限のものであり、かつ、公正かつ適正な手続の下に行われなければならない。」こういうことが書かれているわけでございますけれども、これについて具体的な記述が他にございません。つまりは、訓示規定的なものにとどまっているということでございまして、じゃ、これを具体的にどのように担保していくのかというところについてお話を伺いたいと思います。

まずお尋ねをいたしますが、必要最小限度というのは、だれが、どのような基準で、どのように判断をするのか、その点について御答弁いただきたいと思います。

■福田国務大臣

この法案では、基本理念として、憲法の保障する国民の自由と権利の尊重について明記してございます。

この基本理念は、国及び国民の安全を保つという高度の公共の福祉のために必要最小限度の範囲において人権を制約し得るとするにとどまっておりますが、「国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」という憲法第十三条の規定など、国民の自由や権利の保障に関する規定の趣旨に沿ったものでございます。

権利の制限を伴う対処措置につきましては、今後の個別の法制整備において、この基本理念にのっとりまして、制限される権利の内容や制限の程度と、達成しようとします公益の内容や緊急性を総合的に勘案して、その必要性を検討するということにしております。したがいまして、制限される権利やその内容については、武力攻撃対処法案の枠組みのもと、今後整備されます個別の法制において個別具体的に規定する、このようになっております。

■前原委員

私がまず申し上げたいのは、この武力攻撃事態における我が国の平和と独立並びにの安全確保法案でございますが、これは従来から基本法と位置づけられていたものですよね。基本法と位置づけられたもののもとに、例えば、第一分類、第二分類、あるいは今回出ていませんが、国民の避難とかそういう第三分類、あるいは米軍の行動にかかわるものということが昔決められていたと思います。

ということは、この法律を審議する上で、二年以内に整備をするということはかなりありますけれども、基本法の中に今後二年かけて整備するというものが入っているということは、全体像が見えてこないということを意味するのと等しいんじゃないですか。

つまりは、個別の具体的な、自衛隊の行動に関する法律あるいは米軍の行動に関する法律、あるいは民間防衛、国民の避難誘導、そういうものについて間に合わなかったんでこれから出しますという議論はあっても、基本法、理念法のところで細かなところは二年後に出しますというのは、これは論理矛盾じゃないですか、官房長官。

■福田国務大臣

これは必ずしも論理矛盾とかそういう話ではなくて、まず、このいわゆる有事法制という中で基本的な枠組み、理念それから方向、これを示したというところでございまして、国民の例えば権利と保護とかいうような問題につきましても、この法律の中に各所に盛り込まれているところでございます。

例えて申し上げますと、例えば四条、ここには国の責務というものの規定がございます。国民の生命、身体、財産を保護する固有の責務ということであります。また、五条には地方公共団体の責務。ここにも地域住民の生命、身体、財産の保護ということが書かれてございます。また、二十一条には、この武力攻撃事態が起こったときに対処の基本方針をつくりますけれども、ここにはやはり、安全の確保のために必要な措置とか、また、二十二条には、法制整備の項目として、警報とか緊急避難とか被災者の救助、消防等々が盛り込まれている。

そういうようなことで、国民の保護について、より詳細なる内容についても昨日委員会でお示しをしたところでございますけれども、そういうことについて、一つ一つにつき、これから国民の理解を得ながら、また国民の合意も得ながらこの法制整備を進めていくというために、あと二年の年月をお願い申し上げているところでございます。

■前原委員

少し食い違っております。つまりは、私は、憲法とこの法律の関係というものを申し上げているわけであって、その憲法の中の基本的人権の理念しか書かれていない、それがどのように担保されるかという話をしているわけであって、今おっしゃっているのは第三分類の話が中心になっているわけです。

例えば、国民の権利、自由ということになると、憲法の第三章十条以下、かなり細かいものが書かれているわけですね。じゃ、例えば、表現の自由とか信教の自由とか、あるいは集会、結社の自由とか、そういう個別のものに対して制限が加えられるものがあるのかないのか。

私の認識ですと、精神的な自由、これはどんな場合でも憲法は制約をしちゃいけない。経済的な自由については、制約をしていいけれども、それについては補償措置というものを設けなきゃいけない。こういう大きな分かれ方がなされているわけです。

今私が質問をしているのは、基本理念ではありますけれども、各法、つまり個別の法案というものをしっかりと議論する以前に、基本法の中の憲法との関係というものがしっかり明記されていなければいけないし、例えば、さっき申し上げたように、十条以降のいろいろな自由、権利というものについては、制限がされるのかされないのか、あるいはどういう場合がされて、そしてまた、その場合の復旧措置はどうなのか。そういうものは、個別の法律を議論する前提として、当然ながら出されなきゃいけない話じゃないですか。それは二年以内にやるから、あとは信用して、基本法、理念だけ入れさせてもらったということでは、この法案は根本的に欠陥であるというふうに私は思いますけれども、この点について御答弁ください。

■福田国務大臣

国民の自由と権利の尊重と申しましても、多岐にわたるわけでございます。そして、その多岐にわたる中で、それぞれの分野においてどういうような具体的な保障と申しますか、そういうものが担保されるか、それはその法制の中で規定していくということになろうかと思います。

■前原委員
ですから、私が申し上げているのは、それは個別の、第一分類、第二分類、あるいは将来、先送りをして二年後にやると言っている民間防衛あるいは米軍の支援との関係、そういう個別の法案は二年後にやるんでいいんですよ。基本法、つまり、包括法であるこの武力攻撃事態の法律において、根本的に、憲法との関連が理念しか書かれていない、訓示規定しか書かれていない。そのことについて、憲法上十条以下のすべての権利、自由については、明確な政府の方針を示されないと、やりますから信用してくださいということで、これは、要は、判こを押せというのと一緒ですよ。それを私は申し上げているんです。

■福田国務大臣

これは、この法案、そしてまた、それに基づいて個々の国民の保護等に関する、その他もございますけれども、そういう法制について整備をしていくという中でもって規定していく。しかし、その規定される中身については、今回の法案でもって基本的なものは今お示ししているというふうに考えております。先ほども御説明したとおりのことでございます。

■前原委員

いや、示されていないんですよ。

では、例えば、具体的に聞きますよ。

官房長官のおっしゃっているのは、いわゆる保護の話であって、言ってみれば、これからやろうとしている第三分類の領域の話なんですよ。私は違うんです。例えば、では具体的に伺いますよ。憲法第二十一条、集会、結社、表現の自由。集会、結社、言論、出版その他一切の表現の自由はこれを保障する、こう書いてありますけれども、一切表現の自由はこれを保障すると書いてあるわけです。

では、これについては、この法律に基づいて制限が加えられるんですか、加えられないんですか。

■福田国務大臣

この法案、そもそも現行憲法の枠組みの中で行われるということでありますから、今御指摘の点につきましては、もちろん憲法の枠の中で、そして、このいわゆる有事法制の中で行われるということでございます。

■前原委員
それでは、憲法の第三章に定められている国民の権利、自由の中で、制限が加えられ得るものというのはどれですか。列挙してください。
■福田国務大臣
これは憲法の十三条、先ほど申し上げました、国民の権利については、公共の福祉に反しない限り最大の尊重をするということでございますから、公共の福祉に反しないという限りにおいてはこれは許されるものというふうに考えております。

■前原委員
それは理念として書かれているものと全く同じなわけです。つまりは、憲法の第三章の「国民の権利及び義務」の中の、今おっしゃった部分というのは、まさに総論的な部分なんです。その後に個別のいわゆる権利それから自由というものが書かれているわけです。その中で、どれが制限を加えられて、どれが制限を加えられないのかをお答えくださいと言っているわけです。

■福田国務大臣

ですから、先ほど来申し上げているように、その個別のことについては今後の法制で整備をしていきます、個々の法制については、また具体的な内容については、いわゆる有事法制の基本理念にのっとったものであるということであります。

■前原委員
つまりは、何度も申し上げます、一番初めに申し上げたことを言いますけれども、この武力攻撃事態の法律というのは、これは基本法でしょう、もともとやられたものが。包括法というか、基本的な部分が書かれているものですよ。それに基づいて、第一分類、第二分類とか第三分類、米軍の行動に関するもの、そして、あるいは、日本の国家として危機にどう対応するかというところの構えとしてこの武力攻撃事態における法律というものを持った上で、個別のものについてはどうするかということを決めるわけです。

では、その包括法、基本的なものの中で、特に憲法とのかかわりが書いてあるところで二年以内にやるということは示さずに個別の議論をしろということで、おかしいじゃないですか。このことについてはしっかり示した上で法律の議論をやってくださいというのが本来あるべき姿じゃないですか。

■福田国務大臣

今回お示ししたのは、有事におけるどういう対処をするかということでありますけれども、その基本的な考え方、そして今後個々の具体的な取り決めをする法制整備についての方向性を示しているということなんですよ。それで、この具体的なことにつきましては、特に国民との関係とか国民の生活にもかかわるようなことがございますから、ですから、これは国民合意を得るために、時間をかけて、国民の理解を得るように十分な議論をしていきたい。

しかし、そういう法制整備をする上においても、この基本的な部分がないと一体どういうものができるのかということもわからないということじゃないかと思いますね。ですから、そういう意味においては、この法案が成立すれば、それでもってまた一つ国民の御理解もいただけるし、その後の作業も、どういうものが必要なのか、どういうようにしたらいいのかということがわかってくるんじゃないかというように思っております。

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