154回-衆-武力攻撃事態への対処に関する特別委員会-18号
2002/07/24 (3/4)
■中谷国務大臣
このガイドラインの締結のときに、日米両国のすべての行為は、紛争の平和的解決及び主権平等を含む国際法の基本原則並びに国際連合憲章を初めとする関係する国際約束に合致するものでございまして、この前提において日米間で協議をするということになっております。
前原委員の御指摘のように、日本有事、また周辺事態等に対しまして、日米間で、政府同士でこの問題について協議をして調整をしていくということは今後必要になってくるわけでありまして、有事法制の整備の一環として、そういうことは実施しなければならないと考えております。
■前原委員
官房長官に一言御答弁いただきたいのですが、私も年に一、二回アメリカに行かせていただいて、向こうの政府の方あるいは専門家の方と話をしますけれども、日本有事の場合の防衛協力についての関心というのは極めて低いですよ、今。
つまりは、周辺事態については、ある特定の想定され得るかもしれないケースがあったわけで、それについてのインセンティブは高かったですけれども、日本の有事に関する防衛協力の議論をアメリカでこれから盛り上げていくというのは相当大変なことだと思います。
それはやはり政府として意思を持って、国内の法制の整備のみならず、やはり日本だけでは難しいという部分が情報収集も含めてあるわけですから、米軍をいかに巻き込んでいくのかということは、これは政府の意思として必要なことですが、今防衛庁長官が御答弁されたようなことを政府全体としてアメリカに働きかけて、具体的な内容を議論していくというおつもりがあるかどうか、その点について官房長官、御答弁ください。
■福田国務大臣
米国に行かれて、向こうの安全保障担当の方々とお話をされる、そういうところで今委員の御指摘のような感想を持たれたということでございますけれども、私どももそれは、その面における重要性というものは十分に認識しております。
ですから、いろいろな機会をとらえて十分なる対話をしていく、この姿勢というものは大事であり、また、そういうつもりでやっているということではあるのでございますけれども、いずれにしましても、今回の法制の整備におきまして、米軍との協力活動、米軍の活動が円滑にいくようにというような観点からの法整備というものも極めて大事なことであり、先ほど来御関心の国民の保護の問題とか、そういうこととあわせてこの検討をしていくわけでございます。そういう中でいろいろまた御意見を賜りたいと思っておるところでございます。
■前原委員
次に移らせていただきますけれども、今有事法制の議論をしているわけでありますが、法律の中身、これについていろいろ問題があるということは再三申し上げてきたとおりでありますし、また今は、米軍との協力のいわゆる詰めの必要性、また戦略的な議論の開始の必要性というものをお話ししたわけですが、私は、さらに重要なのは、自衛隊のいわゆる能力といいますか、部隊編成も含めた、実際の能力というものにやはりスポットを当てていかないといけないと思うのです。
つまりは、法律は決まったけれども、実際問題、自衛隊の行動というものについていろいろな問題が私はあるんじゃないかという気がしてならないわけです。そのことについて防衛庁長官に、時間がなくなってきましたので、幾つか問題点を挙げていきますので、簡潔にお答えください。
例えば陸上自衛隊の体制では、いろいろ機動部隊等のシフトが若干は行われつつあるというのは私もよく認識しております。しかし、基本的にはソ連が存在していたときの大規模着上陸阻止の体制というものをまだ、特に陸上自衛隊の編成では引きずっているのじゃないですか。ですから、北方展開が重視をされているという今の陸上自衛隊の体制が基本的には変わっていないというところであります。
となると、今後の考えられ得る危機というものに対しては、部隊編成のいわゆる編成がえも含めて大きく私は見直していかなくてはいけないのではないか。この点について一点お伺いしたい。
それから、もう一つは、予備自衛官、即応予備自衛官という制度を自衛隊は持っているわけでありますが、この予備自衛官制度というのは、他国に比べると物すごく比率が低いんですよね。人数が少ないわけです。人数が少ないですし、また同時に、何かがあったときに、この人たちが例えば実戦配備をするための訓練に要する時間ということを考えると、専門家の方に聞くと、大体半年ぐらいかかるんじゃないか、こういう話なんです。
つまりは、昔のように仮想敵国と言われる大国があって、何かし出しそうだというときに号令をかけて、そして準備をして、半年以上たってその兆候が出てきたということになれば、いわゆる予備自衛官の体制というものは間に合うかもしれないけれども、実際、テロ、ゲリラ、どういう形で戦いが起きるかわからない中で、この予備自衛官、即応予備自衛官体制というのは本当に機能するのかどうか。この点について、二点目、御答弁をいただきたい。
それから、基地の脆弱性というものをどう考えるかということなんですが、特に私が問題意識を持っていますのは、航空自衛隊の基地の戦闘機のシェルターのカバーされている率というのは物すごく低いですよね、日本は。これは、一度やられたら、滑走路などというのはもちろん舗装し直してやれば何とかまた空港として使える可能性があるわけでありますけれども、戦闘機をやられたら、もうそれで終わりですよね。ということは、いかにその戦闘機の抗堪性を高めるかということを考えたときに、今の日本の自衛隊というのはそういう面にお金を余り使っていませんよね、防衛庁長官はユニホームの方ですからよくその点はおわかりだと思いますけれども。
以上の三つ、私は、法律の整備と同時に体制の問題として、これは、大きな変革、ひょっとしたら防衛大綱を見直すぐらいの変革をしないと、実際問題、起こり得る有事あるいは緊急事態というものに今のままだったら対応できないのではないかという思いを持っているんですが、その点について御答弁いただきたいと思います。
■瓦委員長
ちょっと速記をとめてください。
〔速記中止〕
■瓦委員長
始めてください。
中谷防衛庁長官。
■中谷国務大臣
現在の防衛計画の大綱につきましては、基本的には、我が国に対する軍事的脅威に直接対抗するよりも、みずからが力の空白となって我が国周辺地域における不安定要因とならないように、独立国として必要最小限の基盤的な防衛力を保有するという基盤的防衛力構想をとっております。
この大綱で示されている防衛力は、防衛上必要な各種の機能を備え、後方支援体制を含めてその組織、配備において均衡のとれた体制を保有することを主眼としたものでありまして、我が国の置かれている戦略環境、地理的特性を踏まえて導き出されたものでございます。
冷戦後にこの大綱が定められまして、それに従って、現在、部隊の配置転換を計画的に行っておりますし、この大綱には、我が国の防衛に加えて、テロリズムにより引き起こされた特殊な災害を含む各種の事態への対応を防衛力の役割の一つとして挙げておりまして、現中期防におきましても、ゲリラ、特殊部隊による攻撃、核・生物・化学兵器による各種事態への対処能力の向上や、サイバー攻撃等の可能性におきましての情報セキュリティーの確保なども計画の方針として、主要な柱として行っておりまして、新たな危険をも念頭に置いた防衛力の整備に既に着手をしている段階でございます。
それから、予備自衛官、即応予備等の能力につきましては、即応予備につきましては、出頭すべき日の五日前までに防衛招集命令書を交付することといたしておりまして、即応予備自衛官を招集してあらかじめ指定された部隊において自衛官として勤務を行わせるためには、五日程度は要することになると考えております。また、予備自衛官につきましては、同様に、出頭すべき日の十日前までに交付することといたしておりまして、この階級の自衛官として勤務を行わせるためには十日程度要することとなっております。
あと、航空自衛隊の基地等の防御につきましては、航空機を攻撃から援護するために、航空機の掩体整備を昭和五十五年から開始して、現在まで主要基地において鋭意整備を進めてきているわけでありますが、航空機の掩体整備に当たっては、必要とする地積、財政事情等を勘案して計画的に整備を進めているところでありまして、今後ともこれらの諸制約を考慮しつつ、航空機掩体の整備を鋭意推進していく所存でございます。
■前原委員
防衛庁長官、政治家同士の議論ですから、それを読まないで答弁してください。
つまり、私が言いたいのは、今の陸上自衛隊、陸におられたんですよね長官は、本当に今のその体制というものが、旧ソ連の着上陸侵攻作戦阻止から全く違う展開に変更できているんですか、部隊編成が。それを聞いているんです。それをしなきゃいけないかどうかという話を聞いているのと、掩体整備だって金がかかるから、それは所要の手続に従ってやっていきますというのは、それは聞かなくても当たり前の話で、今一〇%もないでしょう、掩体整備率というのは、シェルターの。しかし、政治の意思で、では、どういうふうにその資源配分を変えていくかというようなところは、まさにそれは、防衛庁長官がトップなんだから、どういうことをメーンに財政の投入をしていくか、資源の投入をしていくかということを考えなきゃいけないでしょう。
それから、予備自衛官の話も、具体的な、そういう事務的な何日何日ということじゃなくて、役に立つのかという質問をしているわけですよ。だから、読まないで答えてください。
■中谷国務大臣
部隊の配置につきましては、今計画的に新しい体制に移っている段階でありますが、現場の声を聞きますと、とにかく人が足らない状態で、それは、災害の対応、地域の警備の計画、またPKOの派遣など、非常に苦慮しながら新しい体制に移行をいたしております。すぐにすべてが実施できるかといえば、階級や年齢等もあって、これの体制転換には時間がかかるわけでありますが、十年をかけて新しい体制に今移行している段階でございます。
今後につきましては、新たな事態を認識いたしまして、在り方検討会議等で検討をいたしておりますが、中期的な防衛力整備計画に移せるものは移しつつ、また次の次の中期もにらんで、今後のあり方を検討してまいりたいと考えております。
それから、予備自衛官等につきましては、招集の時期に真剣に訓練を続けておりまして、基本的には現職の自衛官が対応するわけでありますが、その予備的な戦力としては、予備自衛官、また新たに今度は予備自衛官補というものを創設いたしましたが、一般人からたくさんの方々が応募されて、大変能力の高い組織になっておりますけれども、こういった能力をすべて結集して任務の達成に邁進をしてまいりたいと考えております。
また、掩体等につきましては、財政的な問題等を勘案しつつ、計画的に実施をしてまいりたいと考えております。
■前原委員
もうちょっとリーダーシップを持って答弁してもらいたいですね、それは、残念ですけれども。
ちょっと関連して二つ、違う質問をさせていただきたいのですが。
不審船の海底からの引き揚げについて外務大臣に伺いますが、中国への損害賠償というのはやるんですか、やらないんですか。まず簡単にお答えください、イエスかノーかで。
■川口国務大臣
イエスかノーかということであれでございますけれども、短く答えを申し上げれば、我が方として具体的に今何も決定をしていないということでございます。
これについては、中国側から、事件が発生して以来、現場に我が方の船がずっといまして、漁民が漁業ができないということで要望が出ているわけでございまして、我が方としては、この件については、真剣に対応し、誠意を持って対応したいというふうに思っておりますが、具体的に何ら決まったと、そういうことではございません。
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