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154回-衆-武力攻撃事態への対処に関する特別委員会-18号 2002/07/24 (1/4)

■前原委員
民主党の前原でございます。

それでは、通告をしております質問内容に即してお尋ねをしていきたいと思います。

まず、きょうの理事会で私の質問していたことに対しての回答をいただきまして、冒頭、官房長官からそれについての御披露がありました。まず、その感想から申し上げたいわけでございますけれども。

三番のところに、今までと同じような答弁が繰り返されている。つまり、私の伺った、憲法で保障している国民の自由と権利についてはどう担保されるのか、また、侵害されるとすればどういう権利、自由で、また、絶対不可侵のものは何か、また、制約されるとすればどの程度であるのか、また、どういう補償、救済措置があるのかということについては、今後検討するということで、またもやこれについては明確なお答えが基本的になされておりません。

私は、やはりこういうものが明確になっていない中で個別の法律を決めるというのは無理があるというふうに思いますので、改めて、この法律のできの悪さというか、根本的な前提が基本的に欠けた法案であるということをもう一度指摘させていただきたいと思います。

それを前提に、さらに質問をさせていただきます。

五番目のところなんですが、これは前回私の質問で津野法制局長官がお答えをされた部分と合致してきているわけでございますが、少し突っ込んで書かれている部分があります。

ちょっと読ませていただきますと、

例えば、憲法第十九条の保障する思想及び良心の自由、憲法第二十条の保障する信教の自由のうち信仰の自由については、それらが内心の自由という場面にとどまる限り絶対的な保障であると解している。しかし、思想、信仰等に基づき、又はこれらに伴い、外部的な行為がなされた場合には、それらの行為もそれ自体としては原則として自由であるものの、絶対的なものとは言えず、公共の福祉による制約を受けることはあり得る。
こう書いてあるんですね。

それで、質問を官房長官にさせていただきたいんですが、十九条の保障する思想及び良心の自由で外部的な行為というものがなされるというのは、具体的にどういうことをいうんですか。御答弁ください。

■福田国務大臣

外部的な行為というものですが、内心の自由という場面にとどまらない行為を指しておりまして、それらの行為も、それ自体としては原則として自由であるものの、絶対的なものとは言えず、公共の福祉による制約を受けることはあり得るという考え方でございます。

外部的な行為に係る具体的な事例というのは、これはもうさまざまなものがございます。したがいまして、一概に申し上げることは困難でございますけれども、あえて具体的な事例を申し上げれば、自衛隊法の第百三条に基づき、保管命令を受けた保管者が、その思想、信仰等のために自衛隊に協力しないという考え方に立って、当該命令の対象となっている物資を毀棄する、そしてまた搬出したりするというような行為が想定されるところでございます。

これは思想、信仰等に基づいて外部的な行為がなされた場合に該当し得る場合でございまして、公共の福祉による制約を受けることは、そういう意味であり得るということでございます。

■前原委員
では、次に、二十条の保障する信教の自由のうち信仰の自由ですね。ここで、外部的な行為がなされた場合の、それ自体、公共の福祉による制約を受けることはあり得るということでありますが、具体的に、どういうものが想定されますか。

■福田国務大臣

結局、先ほど申しましたことと同じことになりますけれども、要するに、信仰の自由でもって拒否をするという行為ということであります。

■前原委員
では、あえて私の方から違う例を申し上げますので、それがこの外部的な行為に当たるかどうかを御判断いただきたいと思うんです。

例えば教会をつくる、あるいはお寺をつくる、お墓をつくる、これは一種の信教の自由の信仰の自由からくるものということが言えるわけだと思いますね。つまり、建物をつくる、外部的な行為だと。ただ、これが、例えば陣地をつくらなきゃいけないとか、ここにあることが、教会が、あるいはお寺が、神社があることが作戦行動において極めてよくないという場合においては、この外部的な行為で公共の福祉の制約に係る部分ということを想定され得るわけですか。

■津野政府特別補佐人
お答えいたします。

非常に具体的な例を挙げられましたものですから、それだけの問題で、いろいろなことについて確定的なお答えをすることは難しいと思います。

そこで、従来から裁判所等でいろいろ、信仰と信教の自由、そういったものについての制約、そういったものについて判例がございます。

一つありますのは、実はこれは非常に有名な判例で、加持祈祷師による加持、要するにお祈りして、祈祷して治療行為をするというような行為につきまして、それは信仰によって加持祈祷して、そうしたら通常の治療行為をしなくても治るというような内容の行為なんですけれども、それにつきまして最高裁判所で昭和三十八年に判決がございまして、これと似たようなことになろうか、考え方としては似たようなところがあろうかと思います。

ここで判例の内容をちょっと御紹介しますと、憲法二十条一項は信教の自由を何人に対してもこれを保障することを、そして同第二項は何人も宗教上の行為、祝典、儀式または行事に参加することを強制されないことを規定しており、信教の自由が基本的人権の一つとして極めて重要なものであることは言うまでもない。しかし、およそ基本的人権は、国民はこれを乱用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負うべきことは憲法十二条の定めるところでございます。そしてまた、同十三条は、基本的人権は、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする旨を定めており、これら憲法の規定は、決して所論のような教訓的規定というべきものではなく、したがって、信教の自由の保障も絶対的無制限のものではない。

これを本件について見ると、いろいろ加持祈祷行為等によって、宗教的行為としてそういったことをなされたものであったとしても、これが他人の生命身体に危害を及ぼすような違法な有形力の行使に当たるものであり、これにより被害者を死にいたしたものである以上、その行為が著しく反社会的なものであることは否定し得ないところであって、憲法二十条一項の信教の自由の保障の限界を逸脱したものと言うほかはなく、これを刑法二百五条に該当するものとして処罰したことは、何ら憲法の右条項に反するものではないというような考え方を示しておりまして、信教の自由に基づくいろいろな行為につきましても、その外部的な行為につきましては公共の福祉による制約を受けるということが判例でも明確に言われているわけでございます。

ただ、先ほどの事例につきましては、これはいろいろな具体的な条件がございますから、一概に何ともこの場で正確なお答えをすることは難しいということでございます。

■前原委員

何を私の聞いていないことをぺらぺらと時間を使ってしゃべっているんですか。私の聞いたことに答えればいいんですよ。

つまりは、信教の自由の延長線上で、いわゆる信仰の自由、そして、それの形としての神社仏閣あるいは教会、そういうものが収用の対象になり得るかどうかと。収用というのは、陣地作戦で、言ってみれば除去し得るものになり得るかどうかということを可能性として聞いているわけですよ。何を言っているんですか、ずっと。わけのわからないことを言わないでください。

■津野政府特別補佐人

要するに、私が言いたかったことは、大変失礼しましたが、公共の福祉の制約に従って、いろいろな、基本的人権も制約されるということが一つと、それから、収用されるのかどうかということになりますと、これは今度、憲法二十九条の方の話になってまいります。

憲法二十九条のこれは第三項でしたか、そこでは、適正な補償をして、相当の補償だったか、ちょっと忘れましたが、その補償をして財産を収用することができるという、そういう規定がございますから、それに合致する限りにおいて、その憲法の条項に反しない限りにおいては、いろいろな財産を収用することはできるというふうに考えております。

■前原委員
官房長官、もう一遍私の言ったことに、法制局長官は頭がいいのかよくないのかわからないんですけれども、ちょっと簡単に答えてください。

つまりは、教会とか神社あるいは仏閣というものが作戦行動の中で邪魔であるというときには、それを正式な手続に基づいていわゆる撤収したり除去したりすることは可能かどうか、あり得るかどうかということを聞いているわけです。

■中谷国務大臣

その前に、自衛隊法の百三条で可能な分野でありますけれども、これは、地域において立木等を処分することができる、また、その規定により家屋を使用する場合において、自衛隊の任務遂行上やむを得ない必要があると認められるときは、都道府県知事は、同項の規定の例により、その必要な限度において、当該家屋の形状を変更することができるというふうになっておりまして、建物の撤去というものはできないわけでございます。建物等の原状回復をできる程度で形状を変更するということで、あくまでも原状回復ができるということであります。

それからまた、この百三条の規定は、自衛隊の任務上必要な物資の収用、保管、土地の使用等を公用令書の交付により迅速に確保しようとするものでありまして、一方、家屋については、撤去した場合にはこれを復元することは一般的に困難なものであり、土地収用法では慎重な手続が定められているところであります。

これらの法的措置の性格、必要性について考慮した上で、家屋については収用を認めず使用のみとしたものでありまして、家屋の形状の変更もこの観点から許容される範囲にとどまるべきものと考えておりまして、具体的には、原状を回復し得る範囲内で家屋の現にある状態を変化させることを考えておりまして、一方的に壊したりということは考えておりません。(前原委員「ちょっと、私の質問に全然答えていないですよ」と呼ぶ)

■津野政府特別補佐人

ちょっと先ほどは失礼しましたが、この二十九条三項におきまして、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」という規定がございます。したがいまして、この二十九条三項の規定によりまして、もちろんその根拠となる法律等々はまた必要となろうとは思いますけれども、そういったものがあれば、この二十九条三項に基づいて収用されることはあり得る、全くないわけではないということでございます。

■前原委員

ですから、私が伺っているのは、憲法で保障された自由、権利というものがある、しかし、それは内面にとどまっている限りは絶対的な保障であるけれども、外部的な行為がなされた場合にはそれが制約を受けることもあり得る、こういうお話の具体例を申し上げているわけであって、神社仏閣それから教会、そういうものがその中に入り得るのかどうかということを初めから聞いているわけです。一言でもう一遍答えてください。

■津野政府特別補佐人

お答えいたしますと、これは、先ほどの信教の自由等々の関連で申しますれば、要するに、信教の、いわゆる特定の宗教あるいは信仰に基づいているからというような理由で、そういった理由で私有財産を収用するというようなことではございません。一般的に、必要な公共のために私有財産を用いるというときには、その正当な補償のもとに、それがどういう思想を持っており、あるいはどういう宗教を信仰していようとも、そういうことにはかかわりなく、一般的な財産、私有財産として、そうした事柄、その財産についての収用をすることができるということでありまして、何も宗教との関係でいろいろな問題が出てくるということではございません。一般的な話としてそういうことができるということでございます。(前原委員「だから、あり得るかどうか、イエスかノーかで答えてください」と呼ぶ)

したがって、そういったことがあり得るということでございます。

■前原委員

初めからそう答えたらいいんですよ。

防衛庁長官、その百三条で、土地を壊したりできないと。では、原状復帰できる範囲でということになったら、その中に教会とか神社仏閣は入るんですか、入らないんですか。

■中谷国務大臣
それも入って、原状復旧できます。

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