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153回-衆-国土交通委員会-05号 2002/01/10 (2/2)

■前原委員
いや、だから、さっきから言っているように、答弁は全く従来の繰り返しで、漁業法に違反をしているという疑いが持たれない限りは取り締まることはできないんですよ、裏返して言えば。そして、先ほどおっしゃった領海の中でも、国連海洋法条約で無害通航ではないと認められている行為についても国内法整備ができていない項目は幾つかあるんですよ。それは海上保安庁長官が一番よく御存じだと思いますよ。その法的な整備をどうしていくんですかということの問題提起をしているわけです。

今回は、ある意味で、私からすると別件逮捕ですよ、これは完全に。漁船でないと言い張ったら、もし相手国が特定されて、漁船だといちゃもんをつけただけじゃないか、漁業法で何で取り調べるんだということに向こうが突き詰めたときに、本当に正当な回答ができますか。

つまりは、何度も申し上げているように、情報収集の目的で来ている、あるいは他の目的で来ているということについては、しっかり取り締まるような法律をつくらなきゃいけないんじゃないんですか。国連海洋法条約で認められているでしょう。

これ、だれに答弁してもらったらいいのかよくわからないんですけれども。外務省かな、それとも防衛庁か。

■赤松委員長

縄野長官。

■前原委員

いやいや、これは海上保安庁じゃないですよ。長官の範疇じゃない。国連海洋法条約だから、外務省、答えてください。

■佐藤政府参考人

ただいまの御指摘のポイントにつきましては、海洋法条約に基づく法的な体制の整備ということで国内法を整備してきているわけでございますが、今のその体制のもとで、どういった点が不足をしているかあるいは必要とされるかということについては、私ども今の時点で、私の方からは直接今具体的にきちっとしたお答えができません、まことに申しわけございませんが。

■前原委員

済みません、気の毒でありました。

扇大臣、今のやりとりを聞いていただいて、扇大臣は国土交通大臣でありますけれども、すべての政策の決定をする閣僚のメンバーの一人であります。

今私が申し上げたように、排他的経済水域での取り調べというものについては、かなり私はグレーだと思っているんですね。つまりは、漁業法にひっかからなかった場合は、今回は多分通信傍受ができていたとしても取り調べはしっかりできなかったと思うんですね。ましてや領海内は、先ほど海上保安庁長官が御答弁されたように、いろいろもっと厳しい法律がある。無害通航でない項目というのは幾つも列挙されていて、しかしそれを裏づける国内法の整備ができていない部分もたくさんあるわけです。こういうものは早く整備をしないと、私から言うと別件逮捕的な部分ができてきて、そこを他国に追及をされるということになると、やはり主権国家としての体裁が保てないと私は思うわけであります。そこの整備の問題についても閣僚としてお取り組みをいただきたいと思いますが、御答弁いただきたいと思います。

■扇国務大臣

今大事なことを前原先生から御指摘いただいておりますけれども、もともと一九八二年、御存じのとおり海洋法に関する国際条例というものを今まで日本は持っていたわけでございますけれども、先生がおっしゃいます排他的経済水域というものに対して、一九九六年に私どもは日本として排他的経済水域というものを入れるということを設立したわけでございます。

ただ、今先生がおっしゃいましたように、漁船なのか、漁船でない一般航行を取り締まることができるのか、こういうことでございますけれども、私は、領海警備に関する法制度というものの中に、少なくとも船名を記載しない、あるいは旗を上げない、これを明快に示さない、どこの国の船かわからない船、そういう一見して不審船らしきもの、どこの国の船であるか、船名がない、それから、漁船らしきものだけれども魚をとっている様子もない、かといって、どうも不審な行動で蛇行をしているとか、あるいは不審な停船事項があるとか、あらゆる面で海上保安庁としては、一義的に、自衛隊ではなくて海上保安庁の任務として、これに停船命令をしたり、あるいは調べさせてくださいといって、乗り込みますよ、捜査に入りますよという警告も発することもできる。

あらゆることで私は条件としては整っていると思っておりますけれども、今先生がおっしゃいますように、漁船としての不審なのか、あるいは通航上の船としての一般船の中での不審なのか、その境目はどこにあるのかということをおっしゃいますと、それは今の海上保安庁の任務の中でも、不審であると思ったときには停船命令もできますし、そして乗船捜査もできますし、そういう意味では、今の海上保安庁の活動の中では、現段階では国内の水域であろうと排他的経済水域であろうと私は海上保安庁の任務としてはでき得ることはあると思いますけれども、突き詰めて法令として、世界じゅうに、この条項の何項によってということになれば、不審船というのは、ごまかすことが目的で向こうはかかってくるわけですから、漁船の格好をしたり一般船の格好をしたり、どういう対応をしてくるかわかりませんので、そういう法的な整備というものは明快に突き詰めて、今回のことも教訓としながら、私は中谷長官とも今後連絡を密にしてやっていきましょうというお約束もしておりますので、多くの教訓をこのように国会の場で御指摘いただいたり、不備があるとするなれば、それは改正するように私どもしていかなきゃいけないと思っております。

■前原委員

今の御答弁でさらなる努力をいただきたいんですが、要は、漁業法というところで不審船を捕まえるというのは根本的に無理があるわけです。漁船に扮して来ているものについてはそれで取り調べができるけれども、これから堂々と漁船じゃなく来た場合にどうするんだという話があったときに、できないわけですよ。だから、そこら辺の法整備をしていかないことには、今後違う形で不審船が来たときには、日本は法を拡大解釈して何でも他の国を捕まえるということになっちゃいますよ、逆に言えば。だから、その点については、今扇大臣が言われたように、法的な整備が足りないと私も思っています。国連海洋法条約に認められた領海内での権利についても穴がいっぱいある。そのことについては、しっかりやってもらいたいと思います。

時間がないので幾つかポイントを絞って聞きたいんですが、先ほど扇大臣が、北朝鮮の工作船として確定していないということなんですが、これだけ時間がたって、そしていろいろな情報があるでしょうに、何で確定できないんですか。むしろ、今の時点で確定できていないことの方が政府として大問題じゃないですか。

■縄野政府参考人
先ほどから御説明申し上げておりますが、例えばたばこのように、北朝鮮の平壌で製造されたもの、そういうものは幾つか揚がっておりますし……(前原委員「そういう話じゃない」と呼ぶ)それから、ハングル文字が記載された例えばライフジャケット、そういうものも揚がっております。それから、遺体の解剖もしております。

ただ、その製造地とか使用地が北朝鮮であるということが類推されても、この船の国籍が北朝鮮であるということを断定するところまでいっていないということでございまして、引き続き、揚収されたもの、これはきれいなものだけではございませんで、ばらばらになったものもございますので、そういうものを今整理し、私ども以外の、情報が必要であれば、そういうところにもそれを鑑定に出して、それらの情報を総合的に勘案して、断定できるのかどうか、作業をしているところでございます。

■前原委員

海上保安庁長官の立場としては、それが精いっぱいだと思いますよ。

情況証拠で僕は相手国を特定しろなんということを言っていないわけです。総合的な情報収集をした中で判断をすべきことで、多分もうこれは特定できているんだと思うんですけれども、さっきから首藤さん、防衛局長が言われているように、なかなか平場で言えない部分もある。でも、ここはネックですよね。そこは、国会の知る権利と、国会での、委員会での議論というものを形骸化しないために、これはもう少し工夫をしなきゃいけないと思いますので、委員長、ここの点は少し詰めて議論しないと、すべてシャットアウトされると核心の部分に入っていけないということがあるので、ちょっとそれは理事会で議論していただけませんか。

■赤松委員長

はい、わかりました。

■前原委員

ありがとうございます。

公安の方にも来ていただいているので少しお話をしたいんですが、この工作船、不審船と前後して北朝鮮の工作員が国内で活動をしているような情報があるのかないのか。あるいは、この間朝銀が破綻をいたしまして、そしてまた、資金流用事件ということで朝鮮総連への強制捜索というものがありました。

時間がないのでまとめて質問をいたしますが、あるテレビ番組で、朝鮮総連の元財政副局長をしていた韓光熙さんという人がインタビューに応じて、私なんかが極めてびっくりするような発言をしているわけです。

つまり、その内容はどうであったかというと、朝銀破綻の主要因は、朝鮮総連が朝銀を金庫として扱って、そして架空融資を繰り返し行ったり返済見込みのない貸し付けを許宗萬責任副議長の指示のもとで行ってきたことだということを具体的にテレビの前で述べているわけですね。しかも、朝鮮総連が朝銀から集めてきた金は、総連の組織運営費用のみならず万景峰号などを使って北朝鮮へ送金されている、しかも、自分はそれを具体的に運んだこともある、こういうことをテレビのインタビューの前で言っているわけですね。

しかし、どういう取り調べが行われているかどうかは別として、その調査について進展がされているようなことが見えてきていない。少なくとも、いろいろこういう、証人といいますか、証言をされる方々が出てきている中で、公安当局はどのような捜査をしていて、そして今回の不審船の問題と関連があるのかどうか、その点も含めて御答弁をいただきたいと思います。

■吉村政府参考人

警察におきましては、昨年の秋以降に、破綻朝銀の経営陣に対しまして刑事責任を追及するという観点から、朝銀東京、朝銀近畿等の元理事長、在日本朝鮮信用組合協会会長、元朝鮮総連中央本部の財政局長ら合わせて二十四人を検査忌避、背任あるいは業務上横領により逮捕するなど、捜査を進めてきたところであります。その中で、平成六年から十年にかけて、当時の朝鮮総連中央本部財政局長が、当時の朝銀東京の役職員と共謀の上、朝総連の使途に充てる目的で朝銀東京の資金約八億四千万円を着服、横領していた事実を解明しているわけであります。

委員お尋ねの報道を含めまして、朝銀をめぐりましては、その金の流れでありますとかあるいは口座の問題などいろいろな報道がなされているところでありますけれども、現在捜査中のものでもございますので、警察でいかなる事実を把握してどのようなことをやっているのかということにつきましては、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

ただ、ただいまも申し上げましたとおり、これまでも各種の刑事責任を追及してきたところでございますので、今後とも、違法行為があれば厳正に対処をしてまいりたいと思っております。

■前原委員

簡単に御答弁いただいたら結構なのですが、今私が申し上げたような事実関係は認識をされているのか、それと、先ほど申し上げたように、今回の不審船の問題と関係があると公安当局は見ているのかどうなのか、その二点について御答弁ください。

■吉村政府参考人

ただいま申し上げましたように、この捜査の中で、だれから事情聴取を行ったのか、あるいはどういう方針でやっていくのかということにつきましては、恐縮でございますが、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

後者の問題につきましては、別途、審議官から。

■上原政府参考人

お答えになるかどうかわかりませんが、戦後約五十年ですが、警察としましては、北朝鮮の工作員絡みの諜報事件を検挙いたしております。これらの事例から判断いたしますと、彼らは、我が国においては、対韓国工作の拠点としての活動を我が国で行う、我が国に存在する在日米軍あるいは自衛隊に対する情報収集活動をやる、こういったことが言えようかというふうに思っております。

それで、先ほどの不審船事案との関連というふうにお尋ねでございましたけれども、今回の不審船が、どこの国籍を持って、どのような目的で来ていたのかというのは、現在、海上保安庁と合同捜査を鋭意展開しているところであるということをお答えいたしたいと思います。

■前原委員

時間が参りましたのでこれで終わりにいたしますが、いずれにいたしましても、主権国家で、国民の生命財産を守るという責務が我々にはあるわけです。早くその国を、もし外交的な配慮で特定していないのだったら、逆ですよ、ナンセンス。早くに特定をして、国として主体的な行動をとるように結論づけるべきだと私は思いますし、先ほど扇大臣が御答弁になりましたように、足りない国内法、いっぱいありますよ。だから、そこの整備はぜひしていただきたい。また、私も、至るところでそれについては質問し、また提案もしていきたいというふうなことを申し上げて、私の質問を終わります。